飛鳥「逃げられなくなってしまった…」
飛鳥は端っこまで来ていた。
五味山「もう逃げられんぞ一丈字…」
飛鳥「……」
五味山「さあ、校長に話してお前の悪戯だったと話すんだ!!」
五味山が脅しをかけるが、飛鳥は動じなかった。
五味山「話せ!! さもないとこの学校にいられなくしてやる!!」
飛鳥「何とでも」
「!?」
飛鳥が笑みを浮かべた。
飛鳥「少なくとも私は、自分で何とかできますので」
飛鳥がそう余裕そうにしていると、五味山がゲスな笑みを浮かべた。
五味山「だったら白金と氷川、弦巻だ」
飛鳥「!」
五味山「あいつらの内申点を下げてやる。そうすればお前のせいであいつらの人生が滅茶苦茶になるぞ」
飛鳥「そんなに弱い人たちじゃないですよ。あの人たちは」
五味山「うるさい!! 生徒が教師様に口答えするな!! 生徒は黙って教師の言う事を…」
「五味山先生」
「!」
飛鳥と五味山が声がした方を振り向くと、この学園の一番偉い人である都築詩船が現れた。本作ではライブハウス『SPACE』のオーナーをしているが、今回は校長をしている。
五味山「こ、校長先生!!」
飛鳥「……」
都築「これは一体どういうことだい? 私情で生徒の内申点を下げているというのは…」
五味山「ち、違うんですよ。こいつが悪戯で校長に電話を…」
都築「電話? 電話なんて受け取っちゃいないよ? その子に完全にしてやられたようだね」
都築の言葉に五味山は飛鳥を睨みつけると、五味山は弁解するように都築を見た。
五味山「聞いてください! この一丈字という生徒は教師をバカにした態度を取るんです!」
都築「生徒にバカにされるような事をしてきたのはどこの誰だい?」
「!」
都築「五味山先生。他の生徒達からもアンタの酷評は聞いている。あたしがいないのをいい事に、生徒達の内申点を下げたり、脅迫じみたパワハラをしている事もね。この子があんたに舐めた態度とやらを取らずとも、アタシはあんたを断罪するつもりだったんだよ」
都築の言葉に五味山は憔悴したが、
五味山「な、何故この生徒の肩を持つのです!! 私は今まで生徒の為を想って厳しく接してきた!!」
都築「だとしても度が過ぎてるんだよ。ましてや長時間も拘束して説教なんて時間の無駄だと思わないかい? そういう事はやり切る以前にやって欲しくないね」
都築にばっさり切り捨てられた。
都築「それに…」
「!」
すると都築がこう言った。
都築「この子にあんたを嵌めるように命令したのはあたしなんだよ。超能力研究会の顧問としてね」
五味山「!!?」
都築の発言に五味山が驚くと、飛鳥は真剣なまなざしで都築を見た。
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それはファーストライブ終了後、帰ろうとしていた飛鳥を別の男性教師が呼び止めて、校長室に行くように指示を出した。
そこで都築と出会ったのである。
「あんたが一丈字飛鳥だね」
飛鳥「え…」
「あたしは都築詩船。あんたがいた猪狩学園の学園長とはちょっとした知り合いでね。アンタの事も聞いてるよ。不思議な力を持っているんだって?」
飛鳥「!!!」
都築の言葉に飛鳥は衝撃が隠せなかった。飛鳥はエスパーであるのだが、普段はそれを隠して生活をしていて、正体を知られるといつもドキッとする。
飛鳥「…どうしてそのことを」
都築「あんた、同級生や教師に結構悩まされてきたんだってね。その事で託されたんだよ。入学式の時、電報も送られてきただろう? たった一人の生徒の為に送るなんて相当見込まれてる証拠じゃないか」
都築の毅然としたな態度を見て、飛鳥が困惑していた。
都築「さて、本題だ。あんたの『超能力部』だっけ? 中々面白いじゃないか」
飛鳥「あ、ありがとうございます…」
都築「白金さんが入部した時、陰で聞いてたよ」
飛鳥「えっ」
都築の言葉に飛鳥が更に困り果てた。燐子と話していて全く気付かなかったのだ。
都築「しかも部員は美少女ばかり…ハーレムじゃないか」
飛鳥「ええ。お陰でもう男子生徒からの視線が…」
都築の言葉に飛鳥がげんなりしていた。
都築「そうだね。で、その事で話がある」
飛鳥「?」
都築「実はあのライブをPastel*Palletesの関係者が見ていたそうで、問い合わせがあったんだ」
飛鳥「そ、そうだったんですか? やっぱり芸能人としてまずかったのか…」
都築「ではなくて、このままだと男子が入部してくる可能性があるから、出来るだけ男子はシャットアウトしてくれというお達しが来てるんだよ」
飛鳥「あ、あー…」
都築「こちらとしても何か必要な事があれば、力を貸すとも言っていたね」
飛鳥(たった1回のライブでこんな事になるなんて…)
飛鳥は事の重大さを理解して、困惑した
都築「今はそれよりもお願いしたい事があるんだ」
飛鳥「……」
都築「あんたの力を使って、この学校や周辺で悪さをしている輩を懲らしめてほしいんだよ。最近苦情が多くてね」
飛鳥「わ、分かりました…」
都築「あの古堂和哉という子に話はつけておいたから、安心しな」
飛鳥(そこまで!!?)
都築が和哉と接触していた事に飛鳥は驚きが隠せなかった。
都築「それから…」
飛鳥「?」
都築「アタシ、超能力研究会の顧問になる事にしたから宜しく」
飛鳥「えっ!!?」
都築「協力者は近くにいた方が良いだろう」
飛鳥「そ、そりゃそうですけど…」
都築「安心しな。こっちからゴチャゴチャ言うような事はしないよ。よほどの事が無ければね」
そのよほどの事が起こりそうで飛鳥は怖かったが、都築が顧問を務める事になった。
飛鳥「その前に校長先生が顧問って出来るものなんですか…?」
都築「決めるのはアタシだよ」
飛鳥「そ、そうですか…」
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五味山「そ、そんなの聞いてない!」
都築「そりゃそうさ。この学校を去る人間にわざわざ伝える必要はないからね」
五味山「え!?」
都築「五味山先生。今月末を持ってあんたはクビだよ。それまでに荷物を纏めておきな! 行くよ!」
飛鳥「あ、はい…」
都築が飛鳥を連れ出していくと、五味山はその場に崩れ落ちた。すると学校から大歓声が上がっていた。
飛鳥「!?」
都築「久々だね…歓声を上げられるのは」
学校の生徒達からは飛鳥と都築を称える声が上がっていた。
「校長先生かっこいいー!!」
「ざまーみろ五味山!! 清々したぜ!!」
「ありがとう一丈字くん!!」
と、様々な声が上がっていた。その中にはこころや日菜、燐子も自分の教室から見ていた。
飛鳥(Oops)
都築「オーディエンスの声援にはちゃんと答えてやるもんだよ」
飛鳥「オーディエンス…」
そんなこんなで飛鳥とクソ教師の激闘は終わった。
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そしてあの陽キャたちはどうなったかというと…。
都築「部活に入りたいなら、まずその服装をどうにかするんだね! それからあんた達は赤点を取ってるから云々…」
都築が堂々と説教をしたため、諦めがついたそうです。
ちなみに本当に男子の入部が禁止になり、研究会に入るには都築の入部テストを行うという事で話はついたそうです。同じ理由でハーレムを崩そうとしたり、燐子たちに手を出そうとしていた男子達は不満そうにしていたが、陽キャ達の暴挙を出されると納得せざるを得なかった。
ちなみにその陽キャたちは同じ事を考えていた男子生徒達に相当恨まれたようで、すっかりスクールカーストも最下位になりました。
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都築「さて、あんた達が入部希望者だね?」
「……」
部室では都築と5人の少女が向かい合っていた。飛鳥、こころ、日菜、燐子の4人が見守っていた。
都築「それじゃ始めようかね。アンタ達がやりきれるかを!!」
おしまい