全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第108話「Afterglowとプール!(前編)」

 

 それはある日の事だった。

 

「あっつーい…」

 

 モカは教室でもたれていた。

 

モカ「溶けてアイスになっちゃうー」

蘭「いや、意味わかんないから」

 

 モカの発言に蘭が困惑し、ひまり、巴、つぐみが苦笑いした。

 

巴「まあでも、これくらい暑い方が夏らしくていいけどな」

蘭「…その発言でさらに暑苦しくなってきたよ」

ひまり「それにしてもなんでうちのクラスだけエアコン壊れちゃったのー。もー」

 ひまりが嘆いていた。実際Afterglowは汗をかいていて、それが男子生徒達の下劣を招いていた。

 

ひまり「そうだ。折角だから今度の休み、海かプール行こうよ」

巴「それいいな! 今週はこの辺のスタジオいっぱいらしいからな…」

蘭「…まあ、たまにはいいかもね」

モカ「さんせー。でもモカちゃんプールがいいな~」

蘭「私も」

 と、Afterglowでプールに行く話になっていた。

 

(週末はアフグロはプール!!)

(確かこの辺のプールは…)

 男子たちは偶然を装って、アフグロの水着姿を見ようと計画を立てていた。

 

「なになに? プール行くの?」

 と、チャラいクラスメイトが話しかけてきた。所謂陽キャである。

 

蘭「…何?」

「それだったらさ。オレと行こうよ。こっちも仲間集めるからさ!」

モカ「全部奢りだったら考えるよ~」

 モカの発言に陽キャは一瞬固まった。

 

蘭「ちょ、ちょっとモカ!!」

「まあいいや。それじゃ決まりな!」

モカ「え…」

 まさかOKするとは思ってなかった為、モカも流石に困惑していた。陽キャは去っていった。

 

モカ「あちゃ~。諦めると思ったのに~」

ひまり「えええええ。ど、どうしよう…」

蘭「バックレよ」

つぐみ「ら、蘭ちゃん」

 

 そんなこんなで仕方なしにアフグロは2組の陽キャ男子軍団とプールに行くことになった。

 

 3組教室

 

「という訳だ。邪魔すんなよ一丈字!」

「は、はあ…」

 

 陽キャはなんと飛鳥がいる3組の教室にやってきて、牽制をかけてきたのだ。飛鳥としては、いきなりやってきて「アフグロとプールに行くから邪魔するな」と言われたのだ。行き先がわからなければ邪魔のしようがないのに、なんでこんなに得意げなんだろうと飛鳥は思った。

 

「邪魔したら窓から突き落とすからな」

飛鳥「はあ…」

 

 色々言葉が足りなさ過ぎてリアクションに困っていた飛鳥だった。色々伝えた後陽キャは意気揚々と去っていった。

 

「い、一丈字くん…」

 クラスメイトが心配そうに話しかけた。

飛鳥「…あの人たち、結局どこに行くんですかね?」

「え?」

飛鳥「場所も知らないのに、邪魔しようがないんだけど…よっぽど取られたくないのかな?」

 飛鳥が頭をかいた。

 

 そんなこんなでプール当日。雨が降った。天気予報では晴と言っていたが雨である。そして2組のグループLINEでどうするか話し合っていたが、男子たちは決行もしくは明日に延期と言っていたが、女子たちは中止にしようとしていた。

 

モカ「雨が降ったから中止ね~」

「そ、そんなぁ!! それじゃ明日…」

モカ「明日は予定があるの~」

「ま、まさか一丈字とトコナッツパークに行くつもりじゃないだろうな!?」

モカ「あ、それ面白そうだな~」

 陽キャの発言にモカが悪魔的な笑みを浮かべた。

 

「おい!! そんな話聞いてないぞ!!」

「大体何で同じクラスのオレらより、違うクラスのあいつと仲良いんだよ!」

 と、男子たちが逆切れした。

 

モカ「何でって。こうやって逆切れしたりしないもーん」

「!」

蘭「…ていうかさ、最初私達5人でプールに行こうって話になってたのをあんた達が割り込んだ訳だよね? もうちょっと気を遣ったりとかできないの?」

「!」

ひまり「そうだよね。普通はこっちが選ぶ権利あるよね?」

「そ、それは…」

巴「そりゃあアタシ達とプールに行きたい気持ちはわかるけど、もうちょっとその辺気を遣ってほしいな」

 と、巴に言われて男子生徒達が言葉を失った。

モカ「ていうか大体、プールよりも…エッチな事しようとしてるでしょ~」

「!」

モカ「モカちゃん達とプールに行って、その流れでエッチな事が出来れば、既成事実もできるわけだしね~」

「そ、そんな事は…」

「言いがかりをつけるな!!」

モカ「それがつけられるんだな~」

「?」

 

 モカがそう言った。

 

モカ「此間大掃除あったじゃん? モカちゃん達が最後まで一生懸命働いてたのに、皆帰ったじゃん」

「あ、あれは自由に帰っていいって…」

モカ「けど、最後まで手伝う意思とか見せてくれたら、もっと違ってたよ~?」

蘭「そうそう。ていうか女子に掃除させるとかあり得ないんだけど」

巴「まあまあ。そこは男女平等と行こうじゃないか」

 不満そうにする蘭を巴が諫めた。

 

モカ「で、皆知らないと思うけど、飛鳥くん手伝ってくれたしね。3組の分もやって」

「ええっ!!?」

 実際は3組の分が終わって帰ろうとした後、モカが無理やり手伝わせたのだ。飛鳥としては「まあ、すぐに終わるし、ついでだからやっとくか」みたいな感じだった。

 

モカ「人聞き悪いなー。こんな感じだよー」

 

 こんな感じである。

 

飛鳥「はー…終わった」

 飛鳥が2組の教室を通りかかると、モカたちがまだ作業をしていた。

飛鳥(まだ時間かかってるのか…)

 

 するとモカが飛鳥に気づいた。

モカ「あ、飛鳥くーん」

 モカが飛鳥に駆け寄った。

飛鳥「どうされました?」

モカ「飛鳥くんも最後の作業やってたの~?」

飛鳥「ええ。簡単な作業だったので」

モカ「それだったら2組も手伝って~」

飛鳥「え?」

巴「こらモカ! それは流石に迷惑だろ!」

飛鳥「……」

 飛鳥が2組の教室を見渡したが、40%しか終わってない状態だった。

 

蘭「その前に3組はもう終わったの?」

飛鳥「終わりましたよ」

「!!?」

 飛鳥の発言にモカ以外の4人が驚いた。

モカ「だったらなおさら手伝って~。男子達面倒だからって誰もやってくれなかったの~」

飛鳥「そうなんですか? あなた方5人もいれば、立候補者はいくらでもいそうですけどねぇ…」

蘭「結局そんなもんだよ。面倒な事なんて誰もやりたくないんだ」

つぐみ「ら、蘭ちゃん…」

 蘭の言葉につぐみが困惑した。

 

モカ「ねえ、おねが~い。飛鳥くんは違うでしょ?」

飛鳥「……」

 モカが飛鳥におねだりした。

 

巴「モカ。流石に迷惑だって言ってるだろ」

つぐみ「そ、そうだよ…」

飛鳥「…特に用事ないんで、手伝う分には問題ございませんが」

「!?」

 飛鳥の言葉に皆が驚いた。

飛鳥「ですが、他の皆さんが…」

モカ「あ、そうだよね~。じゃあ5人だけで頑張るよ~」

飛鳥「それじゃ、失礼しますね」

 と、飛鳥が帰ろうとすると、

 

ひまり「あ、ちょ、ちょっと待って!!!」

 ひまりが止めた。

 

飛鳥「…どうされました?」

 ひまりが頬を染めた。

 

ひまり「その…で、出来れば手伝ってくれたら嬉しいかなーって…////」

飛鳥「……」

 

 ひまりの言葉に飛鳥が困惑した。

 

蘭「ほら、やってくれるんでしょ? 宜しく」

飛鳥「美竹さんがお願いしますって、ちゃんとお願いしたらやります」

蘭「な、何で…」

モカ「蘭。当然の結果だと思うよ~」

巴「そうそう。人に頼む態度じゃないぞ。それは」

蘭「わ、分かったよ…。オネガイシマス…////」

飛鳥「宜しい」

つぐみ「ご、ごめんね? 一丈字くん」

飛鳥「構いませんよ」

 

 と、飛鳥は2組の大掃除を手伝った。

 

モカ「…で、あの後1組の手伝いもしてくれたんだよ~?」

「そんな話聞いてないんですけどォオオオオオオオオオオ!!?」

「どう考えても一丈字と青葉たちをプールに行かせる為に、オレ達を納得させるための口実じゃん!!」

巴「けど、働いてくれたのは事実だぞ?」

 

 巴が一喝した。

 

「そ、それじゃ来週はどうだ!?」

モカ「えー。この期に及んでまだ諦めないの~?」

蘭「…鬱陶しい」

「うるさい!!」

「こうなったら意地でもプールに行くぞ!!」

 

 そんなこんなで仕方なく、明日行くことになったそうです。

 

 

 

つづく

 


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