それはある日の事だった。
「あっつーい…」
モカは教室でもたれていた。
モカ「溶けてアイスになっちゃうー」
蘭「いや、意味わかんないから」
モカの発言に蘭が困惑し、ひまり、巴、つぐみが苦笑いした。
巴「まあでも、これくらい暑い方が夏らしくていいけどな」
蘭「…その発言でさらに暑苦しくなってきたよ」
ひまり「それにしてもなんでうちのクラスだけエアコン壊れちゃったのー。もー」
ひまりが嘆いていた。実際Afterglowは汗をかいていて、それが男子生徒達の下劣を招いていた。
ひまり「そうだ。折角だから今度の休み、海かプール行こうよ」
巴「それいいな! 今週はこの辺のスタジオいっぱいらしいからな…」
蘭「…まあ、たまにはいいかもね」
モカ「さんせー。でもモカちゃんプールがいいな~」
蘭「私も」
と、Afterglowでプールに行く話になっていた。
(週末はアフグロはプール!!)
(確かこの辺のプールは…)
男子たちは偶然を装って、アフグロの水着姿を見ようと計画を立てていた。
「なになに? プール行くの?」
と、チャラいクラスメイトが話しかけてきた。所謂陽キャである。
蘭「…何?」
「それだったらさ。オレと行こうよ。こっちも仲間集めるからさ!」
モカ「全部奢りだったら考えるよ~」
モカの発言に陽キャは一瞬固まった。
蘭「ちょ、ちょっとモカ!!」
「まあいいや。それじゃ決まりな!」
モカ「え…」
まさかOKするとは思ってなかった為、モカも流石に困惑していた。陽キャは去っていった。
モカ「あちゃ~。諦めると思ったのに~」
ひまり「えええええ。ど、どうしよう…」
蘭「バックレよ」
つぐみ「ら、蘭ちゃん」
そんなこんなで仕方なしにアフグロは2組の陽キャ男子軍団とプールに行くことになった。
3組教室
「という訳だ。邪魔すんなよ一丈字!」
「は、はあ…」
陽キャはなんと飛鳥がいる3組の教室にやってきて、牽制をかけてきたのだ。飛鳥としては、いきなりやってきて「アフグロとプールに行くから邪魔するな」と言われたのだ。行き先がわからなければ邪魔のしようがないのに、なんでこんなに得意げなんだろうと飛鳥は思った。
「邪魔したら窓から突き落とすからな」
飛鳥「はあ…」
色々言葉が足りなさ過ぎてリアクションに困っていた飛鳥だった。色々伝えた後陽キャは意気揚々と去っていった。
「い、一丈字くん…」
クラスメイトが心配そうに話しかけた。
飛鳥「…あの人たち、結局どこに行くんですかね?」
「え?」
飛鳥「場所も知らないのに、邪魔しようがないんだけど…よっぽど取られたくないのかな?」
飛鳥が頭をかいた。
そんなこんなでプール当日。雨が降った。天気予報では晴と言っていたが雨である。そして2組のグループLINEでどうするか話し合っていたが、男子たちは決行もしくは明日に延期と言っていたが、女子たちは中止にしようとしていた。
モカ「雨が降ったから中止ね~」
「そ、そんなぁ!! それじゃ明日…」
モカ「明日は予定があるの~」
「ま、まさか一丈字とトコナッツパークに行くつもりじゃないだろうな!?」
モカ「あ、それ面白そうだな~」
陽キャの発言にモカが悪魔的な笑みを浮かべた。
「おい!! そんな話聞いてないぞ!!」
「大体何で同じクラスのオレらより、違うクラスのあいつと仲良いんだよ!」
と、男子たちが逆切れした。
モカ「何でって。こうやって逆切れしたりしないもーん」
「!」
蘭「…ていうかさ、最初私達5人でプールに行こうって話になってたのをあんた達が割り込んだ訳だよね? もうちょっと気を遣ったりとかできないの?」
「!」
ひまり「そうだよね。普通はこっちが選ぶ権利あるよね?」
「そ、それは…」
巴「そりゃあアタシ達とプールに行きたい気持ちはわかるけど、もうちょっとその辺気を遣ってほしいな」
と、巴に言われて男子生徒達が言葉を失った。
モカ「ていうか大体、プールよりも…エッチな事しようとしてるでしょ~」
「!」
モカ「モカちゃん達とプールに行って、その流れでエッチな事が出来れば、既成事実もできるわけだしね~」
「そ、そんな事は…」
「言いがかりをつけるな!!」
モカ「それがつけられるんだな~」
「?」
モカがそう言った。
モカ「此間大掃除あったじゃん? モカちゃん達が最後まで一生懸命働いてたのに、皆帰ったじゃん」
「あ、あれは自由に帰っていいって…」
モカ「けど、最後まで手伝う意思とか見せてくれたら、もっと違ってたよ~?」
蘭「そうそう。ていうか女子に掃除させるとかあり得ないんだけど」
巴「まあまあ。そこは男女平等と行こうじゃないか」
不満そうにする蘭を巴が諫めた。
モカ「で、皆知らないと思うけど、飛鳥くん手伝ってくれたしね。3組の分もやって」
「ええっ!!?」
実際は3組の分が終わって帰ろうとした後、モカが無理やり手伝わせたのだ。飛鳥としては「まあ、すぐに終わるし、ついでだからやっとくか」みたいな感じだった。
モカ「人聞き悪いなー。こんな感じだよー」
こんな感じである。
飛鳥「はー…終わった」
飛鳥が2組の教室を通りかかると、モカたちがまだ作業をしていた。
飛鳥(まだ時間かかってるのか…)
するとモカが飛鳥に気づいた。
モカ「あ、飛鳥くーん」
モカが飛鳥に駆け寄った。
飛鳥「どうされました?」
モカ「飛鳥くんも最後の作業やってたの~?」
飛鳥「ええ。簡単な作業だったので」
モカ「それだったら2組も手伝って~」
飛鳥「え?」
巴「こらモカ! それは流石に迷惑だろ!」
飛鳥「……」
飛鳥が2組の教室を見渡したが、40%しか終わってない状態だった。
蘭「その前に3組はもう終わったの?」
飛鳥「終わりましたよ」
「!!?」
飛鳥の発言にモカ以外の4人が驚いた。
モカ「だったらなおさら手伝って~。男子達面倒だからって誰もやってくれなかったの~」
飛鳥「そうなんですか? あなた方5人もいれば、立候補者はいくらでもいそうですけどねぇ…」
蘭「結局そんなもんだよ。面倒な事なんて誰もやりたくないんだ」
つぐみ「ら、蘭ちゃん…」
蘭の言葉につぐみが困惑した。
モカ「ねえ、おねが~い。飛鳥くんは違うでしょ?」
飛鳥「……」
モカが飛鳥におねだりした。
巴「モカ。流石に迷惑だって言ってるだろ」
つぐみ「そ、そうだよ…」
飛鳥「…特に用事ないんで、手伝う分には問題ございませんが」
「!?」
飛鳥の言葉に皆が驚いた。
飛鳥「ですが、他の皆さんが…」
モカ「あ、そうだよね~。じゃあ5人だけで頑張るよ~」
飛鳥「それじゃ、失礼しますね」
と、飛鳥が帰ろうとすると、
ひまり「あ、ちょ、ちょっと待って!!!」
ひまりが止めた。
飛鳥「…どうされました?」
ひまりが頬を染めた。
ひまり「その…で、出来れば手伝ってくれたら嬉しいかなーって…////」
飛鳥「……」
ひまりの言葉に飛鳥が困惑した。
蘭「ほら、やってくれるんでしょ? 宜しく」
飛鳥「美竹さんがお願いしますって、ちゃんとお願いしたらやります」
蘭「な、何で…」
モカ「蘭。当然の結果だと思うよ~」
巴「そうそう。人に頼む態度じゃないぞ。それは」
蘭「わ、分かったよ…。オネガイシマス…////」
飛鳥「宜しい」
つぐみ「ご、ごめんね? 一丈字くん」
飛鳥「構いませんよ」
と、飛鳥は2組の大掃除を手伝った。
モカ「…で、あの後1組の手伝いもしてくれたんだよ~?」
「そんな話聞いてないんですけどォオオオオオオオオオオ!!?」
「どう考えても一丈字と青葉たちをプールに行かせる為に、オレ達を納得させるための口実じゃん!!」
巴「けど、働いてくれたのは事実だぞ?」
巴が一喝した。
「そ、それじゃ来週はどうだ!?」
モカ「えー。この期に及んでまだ諦めないの~?」
蘭「…鬱陶しい」
「うるさい!!」
「こうなったら意地でもプールに行くぞ!!」
そんなこんなで仕方なく、明日行くことになったそうです。
つづく