前回までのあらすじ
入部希望者が5人現れたが、都築が入部テストを行う事になった。
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都築「今度の定期テストで赤点を取らない事。これが合格条件だ」
「…え?」
超能力研究会・部室。戸山香澄をはじめとする女子生徒5人が入部テストを受けようとしたが、都築から定期テストで赤点を取らなければ合格と言い渡された。
都築「そして、その為の努力をやり切る事。これが入部条件だ」
「……!!」
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それからというもの…。
「うわぁ~ん。全然分かんないよぉ~」
1年1組の教室・戸山香澄が涙目になりながら仲間と一緒に勉強会をしていた。
「あの部活に入りたいって言いだしたのはお前だろ! 何ならあたしら5人で部活を立ち上げて…」
香澄「だって、あの部活とっても面白そうだったもん。演奏してた人、皆キラキラしてたし…」
香澄が入部しようとしている理由は、飛鳥達がライブをしていた事もそうだったが、何よりも飛鳥達が楽しそうにしていたのが決め手となった。そこで香澄は、バンド仲間である花園たえ、牛込りみ、山吹沙綾、市ヶ谷有咲も誘って入部しようとしたが、新しく顧問になった都築にテストでやり切れるかどうか証明するように言われた。
たえ「まあ、これで合格できなかったら、この学校でバンドが出来なくなるようなもんだからね」
香澄「はぐ!!」
たえの言葉に香澄がショックを受けていると、
「呼んだ?」
香澄「はぐ…」
クラスメイトの北沢はぐみがやってきた。香澄とは小さい頃からの幼馴染であるが、昔一緒に遊んでいた公園が取り壊しになり、会う機会が無く、入学してから再会したのだった。
はぐみ「勉強? 凄いなー」
香澄「うーん…。あの研究会に入りたいから…」
はぐみ「研究会? もしかしてこころんがいる研究会?」
香澄「そうなんだ。とってもキラキラしてて楽しそうだったんだよね」
はぐみ「分かる分かる! はぐみもなんか楽しそうだなーって思ってたんだ! まあ、はぐみはダンス部があるけど…」
たえ「確か掛け持ちOKって言ってなかったっけ…」
香澄「そうだ! はぐも一緒の部活に入ろうよ!」
有咲「って、おい! うちらのバンドはどうすんだよ!」
香澄「まあ、それはそれ。これはこれで…」
はぐみ「それは考えとくねー」
そう言って談笑していると、
有咲「そんな事よりも勉強に集中しろ! 香澄だけ赤点取っても知らねーからな!」
香澄「ひ~ん!!」
はぐみ「頑張ってー…」
有咲「って、北沢さんも勉強しねぇと赤点取るぞ。寝てばっかりだし…」
はぐみ「うーん…」
有咲にそう言われると、はぐみはばつが悪そうにした。
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こうして皆がテストに向かって勉強をしていたが、またしても事件が起きる。
「おい、聞いたか…」
「ああ。1組の女子5人があの研究会に入ろうとしてるぞ! しかもいずれも美少女!!」
「何ぃ!? あの通称ハーレム部に!!?」
「ゆ、ゆるせーん!!」
嫉妬に怒り狂った男子生徒達が1年3組に突撃したが、飛鳥は既にいなかった…。
飛鳥(これじゃおちおち勉強も出来ないよ…)
飛鳥は超能力を使って、存在を消して静かにその場を去っていった。
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ある日の事…。
こころ「勉強するスペースを作ってあげたわ!!」
飛鳥「あ、ありがとう…」
こころの計らいで、放課後勉強できるスペースが作られた。図書室のテーブルを1つ貸切っていて、そこには飛鳥、こころ、はぐみ、Poppin’Party(香澄、たえ、りみ、沙綾、有咲)がいた。男1人女7人という超ハーレム状態になり、飛鳥はげんなりしていた。
そしてその周りを弦巻家の黒服がガードしているという状態だった。
はぐみ「こころんのおうちって本当にお金持ちだねー」
こころ「これで飛鳥も集中して勉強できるわ!」
飛鳥「そ、そうだね…」
これが飛鳥一人だと、男子生徒達がいちゃもんをつけてきて勉強の邪魔をするのだ。そしてどういう訳か図書委員からも見て見ぬふりをされるのは目に見えていた。実際、図書委員の男子生徒は羨ましそうに飛鳥を睨みつけていた。ちなみに陰キャである。
そして黙々と勉強をしていたが、香澄とはぐみがだれた。
香澄「も、もう無理…」
はぐみ「はぐみも…体を動かしたいよー」
有咲「コ、コラ!」
香澄とはぐみがだれているのを見て、有咲が諫めた。すると飛鳥は困惑していた。
有咲「そんなんじゃ、一丈字に入れて貰えねーぞ!」
香澄「うーん…。そんな事言ったって…」
飛鳥「音楽をやりたいなら戸山さん達で創部をすれば…」
香澄「確かにそうなんだけど、飛鳥くん達も楽しそうだなって思ったんだ。ライブを見て…」
香澄の言葉に飛鳥が反応した。
こころ「そうよ! 飛鳥と一緒にライブをしたらとっても楽しかったわ! だから一緒に頑張りましょうよ!」
香澄「うー…」
香澄はどうしても勉強をやりたがらなかった。
飛鳥「それでしたら…ここでやめますか?」
「えっ?」
皆が飛鳥を見た。
飛鳥「ここでやめればもう無理に勉強をする必要はなくなりますよ。やめますか?」
有咲「ちょ、お前何てことを…」
有咲がツッコミを入れると、こころが有咲の手を握った。有咲がこころを見ると、そのままこころは目を閉じて口角を上げ、首を横に振った。
飛鳥「まあ、時には楽しくない事もしなければなりませんが、それを乗り越えたら楽しい事が沢山できますよ」
香澄「飛鳥くん…」
飛鳥「最も、乗り越えられる人に来て欲しいですね。うちの部活はそういう部活なので。もうここまで来て諦めるのは、正直勿体ないですから」
香澄「え…?」
飛鳥「そりゃそうじゃないですか。入部テストを受けてから、様子は拝見させて貰っています。毎日嫌々ながらも勉強する姿勢を見せています。惜しい所まで来てるんですよ。これで途中で投げ出していたら、校長先生はそこで不合格にしています。あともう少しなんですよ」
「……!」
飛鳥の言葉に香澄の目の輝きが戻った。
飛鳥「ここで最後までやり切れば合格したも同然ですよ。本当にうちに来たいのなら、やり切って下さい」
飛鳥の言葉に香澄の闘志が燃え上がると、そのまま勉強する姿勢を見せた。
有咲「……!」
こころ「その意気よ香澄!!」
驚く有咲をよそにこころは飛鳥ならやってくれると信じてたという顔をしながら、香澄を応援した。
はぐみ「は、はぐみも頑張らなきゃ…えーと…」
飛鳥「北沢さん」
はぐみ「?」
飛鳥「焦らないで。分からない事があれば聞いてくださって大丈夫ですので、そのやる気を維持し続けてください」
そう言ってはぐみにも促した。
こころ「さあ! このまま赤点を突破して皆で入部するわよ!」
「おーっ!!」
飛鳥「図書室だから静かにね…」
こうして、香澄達は定期テストに向けて勉強を頑張った。
日菜「あたしと燐子ちゃんも勉強頑張ってるよ!」
飛鳥「そうですか…」
燐子「当日はお互い頑張ろうね…」
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そして結果発表
香澄「やったー!! 赤点なかったよー!!」
はぐみ「はぐみもー!!」
赤点が無かったことに、香澄とはぐみは感涙していた。だがギリギリだった…。
有咲「あまり喜んでいいとは言えないけどな」
たえ「最後までちゃんとやり切った結果だねー」
沙綾「うんうん」
有咲たちが納得していると、こころがやってきた。
はぐみ「あ! こころん! はぐみ達皆赤点なかったよ!」
こころ「それは凄いわ! おめでとう!!」
香澄「これで皆研究会に入れるね!!」
はぐみ「うん!!」
有咲「って、あれ? 北沢さんも?」
はぐみ「こころんから一緒にベースやらないかって誘われたんだ。面白そうだからやる事にする! 掛け持ちOKだって言ってたし!」
そう言ってはぐみも仲間になった。
はぐみ「こころんはどうだった?」
こころ「あたしも赤点なかったわよ! ほら!!」
そう言ってこころは結果の用紙を皆に見せたが、学年で2位だったので有咲が驚いていた。
有咲「弦巻さん2位なの!!?」
こころ「そうよ? 超能力研究会としてやり切ったわ!!」
有咲「って事は1位は…」
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飛鳥「白金先輩。無事に1位でした」
燐子「良かった…」
日菜「すごーいっ!」
飛鳥が日菜、燐子に結果を報告すると燐子がほっとした。実は飛鳥、学年で10位以内に入らなければ、燐子が撮影会を行う事になっていたのだ。だが、写真を撮られるのが嫌な燐子は物凄く嫌がり、飛鳥に課題をクリアすることを促し、飛鳥自身も全力を出し切らざるを得ない状況だった。
日菜「だけど、Roseliaも撮影とかあるんじゃないの?」
燐子「そ、それとこれとは別です…」
日菜「1枚撮らせて。るんってするから♪」
燐子「や、やだぁ!!///////」
飛鳥「……」
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そして…。
都築「確かに、6人とも赤点を取らなかったようだね」
Poppin’partyとはぐみが部室にいて、都築の前で立たされていた。
都築「そしてあんた達が一緒に勉強している所も見守らせて貰ったよ。他の子たちも勉強はしていたが、なかでも熱心にやっていたのはあんた達だ。顧問として鼻が高いよ」
都築が口角を上げて、香澄達を見つめた。
都築「これなら文句ないよ! 全員合格だ!!」
「やったぁああああああああああああああああああ!!!!」
都築の言葉に香澄やはぐみが歓声を上げた。他のメンバーは苦笑いしていた。
都築「これからもやり切るように。以上!」
そう言って都築は去っていった。
香澄「やったよ!! 飛鳥くん!!」
飛鳥「おめでとうございま…」
香澄「これも飛鳥くんのお陰だよ! 本当にありがとーっ!!」
何と言う事だろう。香澄が飛鳥に抱き着いた。燐子、りみ、沙綾、有咲、はぐみが顔を真っ赤にした。そりゃそうだ。高校生の男女が抱き合っているのだから、そりゃあそうなりますわな。こころは自分もやりたそうにして、日菜がニマニマしていた。
飛鳥「戸山さん。私、男性なのですが…」
香澄「…あっ!!//////
飛鳥に言われて香澄が頬を染めたが、
こころ「あら? 嬉しい時にハグをするのは普通よ? アメリカでもそうだったでしょ?」
飛鳥「ここは日本だよ」
香澄「あ、い、いっけな~い…。あはははは…//////」
香澄は照れたように笑ったが、顔が真っ赤だった。
有咲「こうやって男子を勘違いさせるんだから気をつけろよな…/////」
沙綾「あ、あははは…//////」
たえ「大胆」
りみ「お、おたえちゃん//////」
香澄「さあ! 無事に入部も出来たし、明日も頑張るぞーっ!!」
「おーっ!!」
部室の外から5人組の少女が見ていた。
「ねえ、超能力研究会はやってくれてるよ!? 皆もやってよ!!」
「え~…」
そんな中、赤メッシュの少女・美竹蘭は部室を睨んでいた。
「どうした? 蘭」
蘭「別に…」
そう言って蘭は足早に去っていった。
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そして、男1人、女9人となった超能力研究会。学校で誰もが知るハーレム部となった。そして5人以上揃った事で、研究会は本格的に部活動として認められることになったが、校長先生が贔屓しているんじゃないかという疑惑を消すために、今は辞退していた。
飛鳥「今は地道に努力するしかないね」
はぐみ「運動ならはぐみも得意だよ!!」
飛鳥「そういやソフトボールやってるんだっけ」
はぐみ「うん! キャプテン!!」
飛鳥とはぐみがフルマラソンに参加して、香澄達が応援に駆けつけていた。
はぐみ「あ、そうだ。今度研究会でソフトボールやりたいな!」
飛鳥「……」
ちなみに結果は2人とも入賞した。
おしまい