第211話「飛鳥と謎の少年」
こんにちは。一丈字飛鳥です。バンドリ学園に通う1年生です。新しい場所で頑張ろうと単身東京まで来ました。
来たのは良いんですが、入学していきなり校則が追加されて、全校生徒部活動をする事になりました。まあ、3年生の受験の都合もあって、顧問無し、1人部活OKという内容なので、苦ではございませんが。
団体行動があまり好きではない私は、如何にも何か人が来なさそうな『超能力研究会』というのを立ち上げました。表向きは全身全霊をかけていろんな事に挑戦するという内容で、こんな胡散臭い部活に誰も来ないだろうなと思っていました。というか色々面倒な事になるので、来て欲しくなかったです。
ですが、来ないなら来ないで話にならないのか、ご都合主義なのか、2人入部希望者が来ました。
1人目は弦巻こころさん。私の中学時代の同級生の幼馴染だそうで、弦巻財団のお嬢様です。うん、これ色んな意味で断れないタイプだね。
2人目は氷川日菜さん。芸能人でアイドルやってます。これも色んな意味で断れませんね。
そして2人に共通するのはとにかくぶっ飛んでる事ですね。私も人の事が言えないので、やっぱり似たような人が集まるんですね。そう言い聞かせてます。
で、部員が3人になって、部活動として何か結果を残さないといけないので、手始めにゲームの大会に出る事にしました。で、興味を持った2人も一緒に参加する事になり、結果は優勝。まあ、初戦突破出来たら上出来かなーって思ったんですけど、氷川先輩と弦巻さんが中々の才能ウーマンぶりを発揮しました…。
そして大きな大会で優勝したという事もあって、全校集会で表彰されました。3人揃って…。
で、そんなこんなで部室も与えられました。
こころ「部室も与えられたから、ここでいろんなことが出来るわね!」
日菜「後、冷蔵庫とか欲しいなー。お菓子とかジュースとか…」
飛鳥「家じゃないんですから…」
そしてこの後、ゲームを極めたいという事で2年1組の白金燐子先輩も入部しました。
そんなこんなで、超能力研究会は後に引けない状態になりました。ここで語りは終わります。
******************
ある日のバンドリ学園。飛鳥は廊下を歩いていたが…。
「おい、あいつだろ…?」
「ああ…。美女3人を侍らせている…」
飛鳥(なんて言い草だよ)
男子生徒達から羨望と嫉妬の眼差しを向けられた上での発言に、飛鳥は困惑していた。
「何であんな1年が…」
「ちょーっとゲームが出来るくらいだろ…」
「アイドルやお嬢様を侍らせやがって…」
飛鳥(恐れてた事が現実に…。まあいいけどね)
飛鳥が諦めたように目を閉じると、後ろからただならぬ気配を感じた。
飛鳥「!?」
*******************
「えー…。分かっているとは思うが、今度林間学校がある」
1年3組の教室でHRが行われていたが、林間学校の話をしていた。
「班ではあるが、ここで決めようと思う。好きに組みなさい」
飛鳥は誰と組むか考えたが、特に仲の良いクラスメイトも悪いクラスメイトもいなかった為、余ったところに入れて貰う事にした。
その結果、飛鳥は男子5人組でチームを組むことになったが、飛鳥は特に動ずることはなかった。
飛鳥「宜しくお願いします」
「宜しく!」
相手は大男が3人と、飛鳥と同じくらいの体格の男子が1人だったが、飛鳥はその男子に違和感を感じていた。
***********************
そんなこんなで林間学校。何と全学年だった。
飛鳥(なんてご都合主義!! 学年ごとじゃないの!!?)
何という事だろう。全学年全クラスが同じ場所で林間学校を行う事となったのだ。1年3組は大人しい生徒が殆どだった為、静かだった。
飛鳥(まあ、凄いやすいっちゃ過ごしやすいけど…。此間のあの気配は一体何だったんだろうな…)
そして目的地に到着し、先生達の諸注意を受けると生徒達はそれぞれ自分の部屋に荷物を置いた。
「この林間学校では各自の部屋で風呂に入るらしいぞ」
「それもそうだな」
「わしらが一緒だと湯船が空っぽになってしまうからのう」
飛鳥のルームメイトの高谷、高山、高馬が会話をしていた。それぞれスポーツをやっている。それを飛鳥は静かに見守っていた。
そして午後は学年ごとにレクリエーションを行い、風呂に入り、食事の時間になった。食事はビュッフェ形式で生徒達のテンションも高まっていたが…。
「日菜ちゃん!! 僕と一緒にご飯食べよう!!」
「千聖ちゃん!! オレと!!」
「麻弥ちゃん!!」
日菜や燐子をはじめとしたバンドガール達は男子生徒達にモテモテで、囲まれていた。
飛鳥(すっごい人気だなぁ。分かってたけど)
飛鳥が超能力で存在感を消しながら、日菜たちを見つめると、何事もないかのように食べるものを皿に載せていった。
飛鳥(早い所ここから出てしまおう。トラブルのもとになるし…そういう時って先生は頼りにならないしなぁ)
飛鳥は諦めるように目を閉じると、席に移動したが、
「飛鳥―。飛鳥はどこかしら?」
こころが飛鳥を探していた。
飛鳥(あー。多分これダメな奴だ。そうだよね、何もなかったらお話になりませんもんね。分かります)
そして弦巻家の黒服達がスコープで自分の存在を見破っていたことを察したが、特に超能力を解いた。するとこころが飛鳥に気づいて、近づいた。
こころ「ここにいたのね飛鳥! 一緒に食べましょ!」
飛鳥「そりゃいいけど、1…
飛鳥が話している最中に、日菜が抜け出してきて近づいてきた。
日菜「あたしも混ぜてー!」
飛鳥「!?」
そして同じく抜け出してきた燐子も慌てて飛鳥達の所にやって来た。
飛鳥「白金先輩」
燐子「わ、私も混ぜてください…」
飛鳥「皆さん…。それぞれのクラスで食べなくて良いんですか?」
燐子「え、えっと…」
日菜「あ、そうだ! 麻弥ちゃん達にも飛鳥くんの事紹介したいから一緒に来て!」
こころ「あ、それだったらあたしのクラスの子にも紹介したいわ!」
飛鳥(なんか話が妙な方向に…)
飛鳥が困惑していたその時だった。
「何でだよぉ~」
「?」
「何でオレよりもあいつなんだよぉ~。ねえ頼むよ~」
と、一人の男子生徒が一人の女子生徒に泣きついていた。
日菜「あ、千聖ちゃんだ」
飛鳥「…お知合いですか?」
日菜「パスパレのメンバーで、女優さんもやってるの。知らない?」
飛鳥「すみません。テレビはあまり見ないんで…」
飛鳥の発言に皆が飛鳥を見た。
飛鳥(あ、何かマズイ事言ったわ)
その時だった。
「ふざけるなぁー!!! おい!! 一丈字!!」
「!!?」
男子生徒達が飛鳥に突っかかってきた。
「お前、パスパレも知らないくせになんで日菜ちゃん達と一緒にいるんだよ!!」
飛鳥「同じ部活の仲間なので…」
「そうか。そうだったな。それだったら、オレ達もその何とか研究部に入れてくれよ」
飛鳥「え?」
「そうすればオレ達も仲間で、日菜ちゃん達と一緒にいて良いだろ?」
「部活は多い方が良いだろ」
「なあ?」
恐らく上級生と思われる男子生徒達が脅すように飛鳥を脅迫していた。
すると、一人の男子生徒…飛鳥のルームメイトがやってきた。
「一丈字くん」
飛鳥「桐谷さん…」
桐谷キリトが飛鳥に話しかけてきた。
つづく