全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第109話「Afterglowとプール!(中編)」

 プール・当日

 

「あっつーい…」

「全く、チケットくらい用意しときなさいよ」

「う、うっせーな…」

「昨日分のチケットはちゃんと買ってたんだよ!」

「いやいや、当日分も用意しとくもんでしょう…」

 

 と、Afterglowと陽キャ男子たちがチケットカウンターに並んでいたが、長蛇の列だった。本来であれば男子だけにチケットを買わせれば良かったが、並ばないとゲートに入れない為、仕方なく並んだのだった。ちなみにチケットがあればすぐに入れる。

 

(けどまあ…これでアフグロと長くいられるチャンスだ…)

(SNSで拡散してくれればオレ達がアフグロの彼氏だって認識してもらえる!)

(わざとチケット買わなくて正解だったぜ!!)

 

 と、男子生徒達はニヤニヤしていたが…。

 

モカ(…あたし達とわざと長くいるためにチケット買わなかったな)

蘭(最悪…)

ひまり(もーあっつーい)

巴(…ハァ)

つぐみ(皆、日射病とかにならないかな…)

 

 そんな時だった。

 

「!!?」

 

 飛鳥がやってきた。

 

ひまり「一丈字くん?」

「ゲッ!!」

「何であいつがここに!!」

 

巴「あいつもプールで遊ぶのか…?」

ひまり「けど一人で…」

(あんのやろ~~~~~!!!!)

(邪魔するなって言ったのに~~~~~~!!!!)

 

 しかし、飛鳥は係員と話をすると、そのまま係員と一緒にどこかに行ってしまった。

 

「……?」

 これにはAfterglowも陽キャたちも頭の上に「?」が浮かんでいた。

 

 30分後、チケットを買った一同は更衣室に分かれて、再び合流した。

 

つぐみ「開園してすぐなのに、もうこんなに混んでるんだね…」

 と、つぐみたちも水着姿になっていた。

 

(おぉぉぉ…!!)

(夢にまで見たAfterglowの水着姿…)

(やべ、もう股間が反応してやがる)

(可愛い雌を求めるのが雄の本能…)

 

 マジレスすると、男子全員がもうすでに雄の本能に目覚めていた。具体的にどうなってるかは言わない。

 

モカ(おちんちんおっきくしてるよ~)

ひまり(うわぁ…最低…)

 ひまりは胸元を隠した。

 

巴(仕方がないといえば仕方がないが…)

つぐみ「?」

蘭(死ねばいいのに)

 

 つぐみ以外の4人が気づいていた。

 

 しかし、後に引けない状態だったので、適当にあしらって帰るつもりでいた。

 

「そ、それはそうと写真撮ろうぜ」

「えっ」

「いいじゃんいいじゃん」

 と、陽キャたちが写真を撮ろうとしたが、

 

蘭「ダメ」

「SNSにアップしないからさー」

「それより、その水着自分で選んだの? 凄く可愛いね」

ひまり(本当は私が選んだんだけど…。どうしてこうもグイグイ来るの!?)

モカ(飛鳥く~ん。ここ助けるところだよ~???)

 

 と、モカはどこにいるか分からない飛鳥の事を考えていた。この後押し問答が続いたが、つぐみが「1枚だけなら…」という事で、蘭達は渋々承諾した。

 

 そして…

 

「蘭ちゃん。オイル塗ってあげようか?」

「じゃあオレはモカちゃん」

「オレはひまりちゃん」

「巴ちゃん」

「つぐみちゃん」

 

 と、男子生徒達がオイルを塗る気満々だったが、

 

モカ「あ~。それだったらもう自分たちで塗ってきたから~」

ひまり「お生憎様!」

「いや、まだ塗れてない部分が…」

蘭「……」

 蘭が男子生徒達を睨みつけると、これ以上粘るのはまずいと判断したのか、諦めた。

 

「そ、それじゃあどこから回る?」

 陽キャはめげずに話を続ける。

巴「アタシとしてはウォータースライダーは外せないかな」

蘭「それだったら優先パス取らないとね」

モカ「モカは温泉プールがいいな~」

ひまり「本当そういうの好きだよねー」

つぐみ「そ、それじゃ先に優先パスから取りにいこっか?」

モカ「さんせー」

「……」

 と、女子たちだけで話を進めてしまったが、

 

「そ、それじゃウォータースライダーの優先パスを買いに行こう!」

 そう言って陽キャたちも続いた。

 

モカ「そういう訳だから宜しく~」

「え」

モカ「いや、こういう時男子が買ってきてくれたらポイント高いんだけどな~」

「そ、それじゃオレが行ってくる!」

「いや、オレが!」

「オレが行くってば!」

「抜け駆けすんなよてめぇ!!」

 と、男子たちが揉めた。

 

巴「あーあ…」

蘭「全く見てらんないよ…」

 と、巴と蘭が呆れていた。

 

ひまり「それはそうと、一丈字くん係員さんと何の話をしてたんだろう…」

モカ「電話をかけても出ないし…」

つぐみ「も、もしかしたらアルバイトかもしれないよ?」

巴「あーもー! こうなったらアタシが行く!! 全員待ってろ!!」

 そう言って巴が一人で行ってしまった。

 

 そんなこんなで優先パスを買ってきたわけだが…。

 

巴「何とかパスは買ってきたけど…」

モカ「それじゃパスはつぐが預かってね~」

つぐみ「え? わ、わたしでいいの?」

モカ「うん。つぐに預けた方が安心できるから~」

 

 と、男子生徒達に良い所を一切与えなかった。

 

(少しは活躍させろよ…)

(こんなに男を立てないなんて…)

 と、陽キャたちはどんどん苛立っていたが、モカの狙い通りになっていた。

 

モカ(甘いよ~。好きでもない男子を相手にする女子なんて皆こんなもんだから~)

 

 そして…

 

「そ、それじゃ泳ごっか」

ひまり「あ、ちょっと待って。私ショッピング行きたいから先泳いでて」

モカ「あ、モカも~」

巴「どうしたんだ?」

 と、女子たちが泳ごうとしない為、男子たちが段々イライラしていた。

つぐみ「あ、色々買った方が遊ぶ幅も広がるからね!」

 つぐみがフォローした。

「そ、それじゃショッピングコーナーに行こうか!」

 陽キャはAfterglowについていこうとしていたが、内心自分の思い通りにいかない為、イライラしていた。

蘭「そんなにイライラするなら、もうアタシらに構わなくて良いよ。チケット代も返すし」

 蘭がそれを見通したのかそう言い放つと、一気に最悪の空気になった。

 

ひまり「ら、蘭!!」

蘭「ひまりも甘やかすからつけあがるんだよ。大体アンタ達、さっきからいやらしい目で見てるでしょ。ひまりの事とか」

「そ、そんな事は…」

蘭「…もう帰ろう。こんなんじゃプールどころじゃないよ」

 蘭が帰ろうとすると、陽キャが蘭の手をつかんだ。

 

蘭「離して!」

「ふざけんな! 黙って聞いてたら言いたい放題言いやがって!!」

「そうだ! 大体チケット代も出したのオレらなんだぞ!」

モカ「そんなの出して当然じゃん。言ったよね。全額奢ってくれたら考えるって」

ひまり「…出してくれたのはありがたいけど、これ以上そんないやらしい目つきで見られたら」

「こ、こいつら…!!」

巴「安心しろ。チケット代はちゃんと返すから」

「羽沢も何か言ってくれよ!」

「そうだ! こんなのおかしい!!」

 と、陽キャの仲間はつぐみに意見を求めたが、つぐみは困惑していた。

 

つぐみ「え、えっと…」

蘭「つぐ。こんな奴らの言う事聞かなくていいよ」

 と、蘭が振り払った。

 

蘭「そういう事だから帰る。チケット代後で返すから。じゃ」

「待て! 逃がさねーって…」

 と、陽キャが追いかけようとしたが、強面の警備員が止めた。

 

「!!」

「女の子が襲われてるって通報があったんだが…君達かね?」

 

 警備員の形相と言葉に陽キャたちはビビッて半泣きになったが、蘭達もちょっと怖がっていた。

 

「ち、違います!!」

「そうです!! オレ達はクラスメイトで…」

 と、陽キャたちが必死に言い訳していたが、

 

「喧嘩の内容は先ほど耳に入れさせてもらったがね。ちょっと来なさい」

 

 と、10人とも連れていかれたという…。

 

「…どうしたんだろ」

 作業着を着ていた飛鳥がその様子を陰から見ていた。

 

 

つづく

 


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