とある夜。モカが学校に大事な参考書を忘れてしまい、Afterglowの5人が夜の校舎に取りに行った。
「……」
「ゴメ~ン…」
蘭が半ギレだった。これが夜の学校でなければ、まあしょうがないなという感じで済ませたが、彼女はお化けが苦手だったので、モカにあたっていた。
つぐみ「ま、まあまあ…」
巴「困ったときはお互い様だ。でも、出来るだけ気を付けてくれ…」
つぐみがなだめ、巴も言葉をつづけたが、巴も結構お化けが苦手だったりする。
モカ「今度は本当に幽霊出たりするのかなぁ~」
蘭「モカ」
モカ「はい」
蘭が本当に切れていた為、モカはこれ以上何も言わない事にした。
十数分後、モカは参考書を回収した。
モカ「あった~」
ひまり「あった!!?」
蘭「よし! すぐに帰ろう! 今すぐ帰ろう!」
モカ「落ち着こうよ~」
その時だった…。
「…レ」
謎の声がした。
蘭「な、何!?」
巴「モカ! やっていい冗談と悪い冗談があるぞ!!」
蘭「……!!!」
モカ「え~。どう考えてもあたしの声じゃないでしょ~」
5人がキョロキョロ見渡したが、つぐみとひまりが青ざめていた。
つぐみ「これって…」
ひまり「やっぱり…」
「タチサレ…タチサレ…」
という5人の誰でもない低い声がして、モカ以外の4人が青ざめ、5人が同じ方向を向いた。するとそこには…
白目で薄笑いをし、浮いている黒い物体が存在した。
「タチサレ!!!!」
幽霊の姿を見た瞬間、モカ以外の4人が悲鳴を上げて教室を飛び出したが、巴がモカを抱えていた。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
という、Afterglowの悲鳴が学園内に響き渡った。
********************
翌日…
モカ「という訳で~。幽霊退治をお願いしたいんだよ~」
モカは飛鳥、こころ、千聖を屋外のカフェテリアに呼び出して相談をしていた。モカだけ平然としていた為、飛鳥は困惑していた。
こころ「幽霊なんて面白そうね!」
飛鳥「私から見たら、あなたが一番面白いけどね…」
モカ「いやいや、飛鳥くんも面白いよ~」
千聖「あなたも面白いわよ?」
飛鳥「いや、何ですかこの会話」
飛鳥が突っ込んだ。確かに全員面白い。
飛鳥「普通にお祓いをすれば良さそうだけどね」
飛鳥が苦笑いした。
モカ「とにかく呪われたらモカちゃんのせいにされて~。蘭が口きいてくれないの~」
千聖「…そう」
何となく蘭の様子を察することが出来た飛鳥と千聖は何とも言えない顔をした。
飛鳥「そういや美竹さん達が目撃する前にも、幽霊って出てきたの?」
モカ「それが聞いてみたらあったみたいだよ~。モカちゃん達は何も知らないまま幽霊がいるところに来ちゃったみた~い」
飛鳥「……」
飛鳥はへの字にした。
飛鳥「分かった。調べてみるよ」
モカ「お~」
こころ「そうだわ! 実際に学校に行ってみましょう!」
飛鳥「そうですね。ただ…」
「?」
3人が飛鳥を見た。
飛鳥「事前に調べておいた方が良さそうですね。こんな騒動になっている上に、時間帯を考えたら先生たちが何も知らない訳がございませんし」
その時だった。一匹の子猫が迷い込んできた。
「あおんあおん」
こころ「まあ、子猫ちゃんがいるわ!」
モカ「あー。そういやあの子猫。最近ずっとこの学校をウロウロしてるんだよねー。人間が近づくと逃げるけど」
飛鳥「そうですか…」
飛鳥が猫を見た瞬間、とてつもない寒気を感じた。
飛鳥「!!!」
千聖「!!?」
飛鳥の脳裏には子猫と母猫が男子生徒達に襲われて、そのうち母猫がとらえられてしまった。子猫はそのまま逃げたのだが…。
飛鳥「……」
飛鳥が冷や汗をかいた。
モカ「どうしたのー?」
千聖「もしかして、何か分かったの?」
飛鳥「…ええ。本当に調べた方が良さそうですね。夜間滞在許可証を貰ってきます」
こころ「あたしも行くわ!」
飛鳥「それはやめといた方が良い」
こころ「あたしは幽霊怖くないわよ!?」
飛鳥「確かに耐性ありそうだけど、どうやら今回は本当に幽霊がいそうだな…」
モカ「え、どういう事?」
飛鳥「ここで話すのはアレなので、人のいない場所でもう一度話そう」
モカ「じゃあ、許可証4人分貰ってきてね~」
飛鳥「え?」
モカ「え? って、そんなのあたしも行くからに決まってるでしょ~」
飛鳥「……」
そして飛鳥は4人分の許可証を貰いに職員室に行ったわけだが…。
「ああ。実はあの幽霊って理科の松田先生が趣味でやってる発明品から作り出したものなんだよ。最近どれだけ言っても帰らない生徒が多いから」
飛鳥「そのことなんですが…」
黒服A「本物の幽霊がいるという情報をつかみました」
「いやいや、まさか…」
こころ「本当よ!?」
黒服B「こころお嬢様の仰ってることが嘘だと?」
黒服C「弦巻財閥にたてつくおつもりですか?」
黒服達が強引に許可証を作成させた。
飛鳥(こういう時は本当に頼りになるなぁ…)
職員室を出ると、
「一丈字くん。弦巻さんも」
飛鳥「あ、氷川先輩」
こころ「紗夜!」
偶然紗夜と遭遇した。紗夜は弦巻家の黒服が一緒にいるあたりただ事ではないと感じていた。
紗夜「どうされたんですか? 黒服の方を引きつれて」
飛鳥「いやあ、ちょっと先日のトラブルの件で説明をしてたんですよ…」
飛鳥が誤魔化した。
紗夜「そうなの? 弦巻さん」
こころ「そ、そうよ! 先日トラブルがあったのよ!」
飛鳥(へたくそ…)
こころが必死に誤魔化そうとしていたが、まだ目が泳いでいた為、飛鳥が困惑した。
紗夜「…そうですか」
飛鳥(絶対バレてる~~~~~!!!)
飛鳥は黒服達とアイコンタクトを送った。
飛鳥「そ、そういう訳ですので失礼しますね!!」
飛鳥が強引に連れ去っていった。
こころ「とても嘘をつくのは難しいわ!!」
飛鳥「君がものすごい正直者だからだよ…。いい事だけど」
中庭で涙目になるこころに対し、飛鳥はげんなりしていた。ちなみにこころは黒服と一緒に練習をしていたが、あまり発揮できなかったようだ。
(こころお嬢様…)
(おいたわしや…)
**********************
そんなこんなで作戦決行の時が来た。
飛鳥「…本当に来たんだね」
モカ「そりゃそうですよ~」
校舎前に飛鳥、こころ、モカ、千聖の4人が現れた。
飛鳥「松田先生にも確認して、夜間滞在許可証が出されてる日はあの幽霊は出さないみたいなので、残りは本物の幽霊を調査する必要がございます」
モカ「あれ、昼間でも出せたからびっくりしたよ~」
放課後に飛鳥たちは松田のところを訪ねて、幽霊を見せてもらったのだ。ちなみに松田はとても気だるげで、無精ひげの生えた30代前半のおっさんである。結婚には全く興味なしだが、実は良い所のボンボンで、兄が家業を継いでいる。
飛鳥「それにしても、千聖さんは大丈夫なんですか?」
千聖「問題ないわ。行きましょう」
飛鳥「そうですか…さて、行きましょうか」
こころ「ええ!」
モカ「うん」
4人が校舎の中に入ろうとすると、
「待ちなさい!」
「!!」
3人が横を見ると、そこには紗夜の姿があった。
つづく