飛鳥「氷川先輩!」
千聖「ら、こんばんは」
モカ「こんなところで何をしてるんですか~?」
飛鳥たちは気づかれないように、普通にふるまうが紗夜の態度は変わらなかった。
紗夜「それはこちらの台詞です。弦巻さんがなにか怪しいと思ったら…」
飛鳥(黒服の人たちは止めてくれなかったのか…。まあ、止めようとしたらこころが嫌われるもんな)
紗夜の言葉に飛鳥が考えた。
飛鳥「少しばかり、忘れ物を取りに来ただけですよ」
紗夜「…忘れ物を取りに行くのに、許可証が必要ですか?」
飛鳥「私個人の忘れ物ではございませんよ」
モカ「まあ、何か本物の幽霊がいるっぽいので、調べてくれって頼まれたらしいんですよ~。飛鳥くんが」
紗夜「は?」
飛鳥「で、他の方に話すと無茶されるだろうし、信じないので内密にするおつもりだったのですが…」
こころ「あたしとモカと千聖が付き添うわ! だから心配いらないわよ!?」
こころの言葉に紗夜は少し理解に苦しんだが…。
紗夜「こんな事もあろうかと、私も申請書を出しました」
「!!?」
紗夜「もしあなた方の言ってる事が本当なら、風紀委員として見過ごすわけにはいきません!」
飛鳥「そ、そうですか…」
飛鳥がそう言い放ったその時、こころの背後から黒服Aが現れて、こころの目を隠し、黒服BとCで紗夜を気絶させた。そして黒服Aが手を離すと紗夜は気を失っていた。
こころ「紗夜!!?」
黒服A「氷川様は幽霊に取りつかれてしまったようです」
黒服Aの言葉に飛鳥、千聖、モカは苦笑いした。
黒服B「一丈字様。氷川様の事は我々に任せて先に進んでください」
黒服C「必ずや幽霊の調査をお願いします」
飛鳥「あ、ありがとうございます…。行こう…」
こころ「紗夜にこんなひどい事をするなんて許せないわ!!」
モカ(ひどい事したの黒服さんだけどね~)
千聖(本当にやる事が斜め上を行くわね…)
4人が学校の中に入った。
飛鳥「……」
飛鳥が目を閉じて、感知した。
千聖「飛鳥くん。いそう?」
飛鳥「すみません。少しお静かに…」
こころ「分かったわ!」
すると飛鳥が幽霊の居場所を突き止めた。
飛鳥「いました。森林エリアの方です」
モカ「ええー。あそこって確か人が来ないんじゃ…」
飛鳥「そうだよ。だからここからはオレ一人で行く。モカ達は…」
モカ「そんな言われ方したら行くしかないじゃな~い」
千聖「それとも、女の子を置いていくつもり?」
飛鳥「いえ、入口まで送ります…」
こころ「ここまで来たら皆で行きましょう!」
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バンドリ学園・奥地森林エリア
飛鳥「さあ、来たぜ…」
こころ「ええ…」
モカ「覚悟は出来てるよ…。蘭達の仇!!」
飛鳥「いや、違うから」
千聖「ほぼあなたのせいじゃない」
4人が森の中に進んでいくと、そこには子猫がいた。
飛鳥「あの猫…」
こころ「子猫ちゃんがいるわ!」
モカ「でもまだ何かを探してるみたい…」
千聖「……」
その時、飛鳥は意を決して子猫に近づいた。
こころ「飛鳥!!」
飛鳥「3人はそこを動かないで」
モカ「!?」
そして子猫を捕まえようとすると、ピリッとした悪寒が飛鳥に襲い掛かった。
千聖「飛鳥くん!!」
飛鳥「…やっぱりそうか」
千聖が叫ぶと、飛鳥が正面を向いた。そこには黒い影のようなものがあり、千聖が驚いた。
モカ「今、猫のような影が見えた…」
こころ「え? 分からないわ! あ、そうだ! 黒服の人たちにスコープを作らせたんだわ! これで見てみましょう!」
こころがスコープを幽霊の方に向けると、幽霊がくっきりと見えた。そこには猫の幽霊が見えた。
こころ「猫の幽霊だわ!!」
千聖「!!?」
モカ「見せて見せて~」
モカがスコープで確認すると、確かに猫の幽霊がいた。
飛鳥『…聞いてくれ。オレ達はこの子にひどい事をしに来たんじゃない』
「……」
飛鳥がテレパシーで猫の幽霊に語りかけた。
飛鳥『見ててくれ』
すると飛鳥が子猫を捕まえると、子猫は震えていて、優しくなでた。すると子猫はとても気持ちよさそうにして、涙を流していた。
千聖・こころ・モカ「……!」
飛鳥『可哀そうに…。お前がいなくなってから、この子はずっとお前の温もりを求めていたんだろう。本当はもっと一緒にいたかっただろうな。この子もお前も』
「……」
飛鳥の言葉に母猫の幽霊は俯いた。
飛鳥『だけどお前はもう行くべき場所へ行かなきゃいけない。それがこの子の為でもあるんだ』
その時だった。母猫の魂が白く輝いた。スコープで見ていたモカもそれに気づいた。
「!?」
そして子猫が飛鳥から離れて母猫に近づいた。そして母猫と子猫が体をくっつけようとした瞬間、母猫の魂は消えた。
モカ「消えた…」
千聖「えっ!!?」
飛鳥「きっと、成仏したんだよ思うよ。この子の為に」
飛鳥の言葉にモカ達が反応し、3人は幽霊がいたであろう場所をずっと見つめていた。
飛鳥「こころ」
こころ「…なにかしら?」
飛鳥の言葉にこころが反応すると、飛鳥がこころを見つめた。
飛鳥「…この子の里親を探してくれないか。大切にしてくれる里親を」
こころ「勿論よ!!」
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翌日
こころ「あの子は黒服さんが引き取って、その人の家にお母さんのお墓も作らせてもらったわ!」
飛鳥「ありがとう」
カフェテリアでまた飛鳥、こころ、モカ、千聖が話をしていた。
飛鳥「…で、紗夜先輩」
飛鳥が苦笑いしながら、横にいた紗夜を見たが、ムスッとしていた。
飛鳥「…本当に申し訳ございませんでした」
紗夜「いいえ。無事に解決できて何よりです」
この後、4人で紗夜のご機嫌取りをしたのは言うまでもなかった。
紗夜「それはそうと白鷺さんとも仲良くなったんですね?」
千聖「え、ええ…そうよ…」
紗夜に睨まれて、千聖は少しバツが悪そうにすると、飛鳥やモカは千聖が押されている所を見て少し驚いていた。
おしまい