飛鳥「お待たせしてすみません」
つぐみ「あ、いえ…」
飛鳥「で、今から上に上がろうと思いますが…動けそうですか?」
つぐみ「だ、大丈夫です…」
つぐみが行こうとしたが、足に激痛が走った。
つぐみ「っ!!」
飛鳥「やっぱり…」
つぐみが苦しそうに足を抑えると、飛鳥が困惑した。
飛鳥「すみません」
つぐみ「!」
飛鳥「もしあなたが差し支えなければ、あなたを背負って行こうと思うのですが、宜しいですか?」
つぐみ「えっ!?/////」
飛鳥の言葉につぐみが頬を染めた。
飛鳥「まあ、男子に背負われるの嫌だとは思いますが、私としてはそれが一番運びやすいので、如何でしょうか」
つぐみ「あ、あの…」
つぐみがモジモジした。
つぐみ「…匂ったりしたらごめんなさい////」
飛鳥「そんな事ないですよ。行きましょう」
そう言って飛鳥がつぐみをおんぶした。
つぐみ「え、えっと…重くないですか?//////」
飛鳥「全然!」
飛鳥が堂々と言い切ると、上の方を見た。
飛鳥「ライトアップお願いします!」
こうして飛鳥は無事につぐみを元の場所まで運び出し、入り口まで戻っていった。
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飛鳥「さて、ここで降ろしますよ」
飛鳥がつぐみを丁寧に下した。
飛鳥「流石に人前に出たら噂になりますもんね」
つぐみ「あ、えっと…その、ありがとうございました/////」
つぐみは飛鳥にお礼を言ったが、男子に背負われた恥ずかしさが残っていた。
飛鳥「いえいえ。ご無事で何よりです。さて、皆さんの戻りましょうか」
そう言ってつぐみを先頭に行かせて、飛鳥もそれに続いたが注目を浴びないように存在感を消した。
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「つぐ~~~~~~~~~~~~~!!!!」
つぐみの顔を見るなり、ひまりが泣きながらつぐみに抱き着いた。
つぐみ「ひ、ひまりちゃん!」
ひまり「うえ~~~~ん!!! 良かったよぉ~~~~~!!!」
蘭「つぐ。どこも怪我してない!?」
つぐみ「ちょ、ちょっと転んじゃったけど…」
つぐみがそう言うと、ひまり達が足を見た。
巴「いや、思いっきり足くじいてないか!?」
ひまり「そ、そうだよ!」
モカ「何かあったのか教えて~」
つぐみ「そ、そのう…」
つぐみが視線を逸らすと、蘭と巴がつぐみのチームメイトだったDQN達をこれでもかという程にらみつけたが、巴は特に鬼の形相になっていた。
ひまり「とにかくもう皆心配したんだからね!?」
つぐみ「ご、ごめんね…」
ひまり「赤星さんと青山さんもつぐが置いてけぼりにされたって聞いて、すぐに助けに行こうとしたんだよ!?」
つぐみ「そ、そうなの!?」
ひまり「あと、黒中くんもだけど…」
つぐみ「3人はちゃんといるの!?」
ひまり「大丈夫。先生たちがしっかり止めてくれたから」
つぐみは黒中たちを見つめた。
つぐみ「あ、え、えっと…ご心配をおかけしました」
赤星「ああ」
青山「とにかく無事ならいいさ」
黒中「気にするな。それよりも、何があったんだ?」
つぐみ「そ、それが…」
つぐみが今までの経緯を説明した。
つぐみ「そういう訳で、別のクラスの子が助けてくれたの!」
モカ「へー。助けてくれた子ってどの子?」
つぐみ「えっと…あれ?」
つぐみが飛鳥を探したが、飛鳥の姿がなかった。
飛鳥(名前教えなくて良かったー。あ、オレだってバレないように細工しとこ)
そう言って飛鳥は超能力で細工をした。
蘭「でもまあ、つぐみが無事でよかったよ!」
巴「そうだな!」
こうして、飛鳥は何とかやりきった。
飛鳥(バレたら偉い事になりそうだしな…)
バレないことを祈りながら、飛鳥はその場を後にした。
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翌朝、飛鳥は一人で食堂に行こうとしたが、超能力で存在感を消して素通りをしようとしていた。食堂の前にはAfterglowが飛鳥を探していた。
ひまり「一丈字くんまだかなぁ…」
つぐみ「……」
飛鳥はつぐみの様子が心配だったので、超能力を解いて姿を現した。
「!」
するとAfterglowは飛鳥に気づいた。
つぐみ「あ、えっと…」
飛鳥「おはようございます。具合は如何ですか?」
つぐみ「う、うん…。手当てしてもらったから…。昨日はありがとう!」
飛鳥「いえいえ。ご無事で何よりです」
そう言って昨日と同じことを言う飛鳥。
巴「アタシからもありがとう! えっと、そういや名前は…」
飛鳥「名乗るほどのものではございませんので」
モカ「3組の一丈字飛鳥くんでしょ~?」
飛鳥「はい」
飛鳥は普通に言い放った。
ひまり「あ、そ、そうだ! もし良かったら一緒に朝ご飯食べない!?」
飛鳥「お気持ちだけ受け取っておきます」
蘭「何? 嫌なの?」
飛鳥「あなた方のファンを怒らせるのが嫌なんですよ」
そう言って飛鳥が遠慮気味に言い放ったが、
「おい」
飛鳥「?」
赤星と青山がやってきた。
飛鳥「何か御用でしょうか」
赤星「ちょっと面貸せ」
飛鳥「ご用件を申し上げて頂けないでしょうか」
青山「昨日の件で少し話がある。だから面貸せ」
飛鳥「彼女の事ですか?」
飛鳥がつぐみの方を見た。
赤星「いちいち言わせるんじゃないよ!」
飛鳥「それはこちらのセリフですよ」
「!!?」
一触即発の空気になり、黒中が近くまでやってきて、喧嘩になりそうなのを感じ取って止めようとした。
つぐみ「あ、あの…」
つぐみが慌てて止めようとすると、
「一体どうしたんだ」
黒中が割って入った。
飛鳥「野暮な事聞くんじゃありませんよ」
「!?」
飛鳥が赤星と青山を見つめる。
飛鳥「皆生きてる。それで何よりです」
飛鳥の言葉に空気が止まり、皆固まっていたが飛鳥はお構いなしだった。
飛鳥「それでは、失礼します」
そう言って飛鳥はそのまま食堂の入り口に入っていった。飛鳥は精々「変な奴」とか思ってくれていたら良いと思っていた。
蘭「み、皆生きてるって…」
モカ「おもしろ~い」
蘭が呆れ、モカが飛鳥の事を面白がった。
ひまり「面白い…?」
巴「いや、あいつ結構カッコよかったぞ…」
赤星・青山「……」
赤星と青山は飛鳥に興味を持ち始めたが、黒中は完全に空気になっていた。
つづく