全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第354話「林間学校・完結」

 

 

 前回までのあらすじ

 

 肝試しではぐれたつぐみを救出した飛鳥。それがきっかけでつぐみが所属するバンド『Afterglow』と仲良くなったわけだが…。

 

**************************

 

 食堂。飛鳥は一人で食事をとっていた。昨日つぐみを助けた事は鼻にかけず、目立たないように超能力を使って大人しくしていた。後からやってきた蘭たちも飛鳥の事を気にかけることなく、食事を始めたが、

 

「あ、あの…つぐみちゃ…」

 

 つぐみを置き去りにしたDQN軍団が近づいてきたが、蘭や巴が狂犬の如くうなるが、赤星と青山も加勢して、完全に近づけない状態だった。

 

黒中「女を置き去りにした奴が一体何の用だ?」

 

 黒中も加勢をしたのだが…。

 

DQN「ごめん。せめてそいつだけでも追い出してくれませんか?」

取り巻き「もうそれさえやってくれたら、諦めますんで」

 

 陰キャの妄想を絵にかいたようなイキりぶりにDQN達は思わず拒絶反応が出た。

 

赤星「分かったよ」

青山「黒中。お前もあっち行っててくれ」

黒中「お前達だけで大丈夫か?」

赤星「うん。もう大丈夫だから」

 

 黒中の見た目は黒髪のストレートにそこそこ顔立ちが整っているように、まさに漫画の中に出てくる陰キャそのものだったが、若干上から目線な態度や漫画の中にしか出てきそうにない気障な台詞に、皆辟易していた。

 

飛鳥(やっぱり気障な台詞言わないとダメかなぁ…)

 

 飛鳥は困惑しながらその様子を見守っていたが、こいつが気障なことを言うとなんか負けたような気持ちになるそうです。

 

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 そんなこんなで朝食が終わり、野外炊飯が行われることとなった。

 

「えー。班ですが自由です。一人でもOKです」

「一人でもOKなんですか!?」

「はい。先生は学生時代ぼっちで、ぼっちを絶対に許さない団体行動が許せないからです!」

(よくこんなんで教師になれたな…)

「ぼっちで何が悪い!!!」

「悪くないですけど、教師がそんなこと言うのは悪いと思います!!」

 

 そんなこんなで自由に野外炊飯をやる事になりました。当然の如く男子生徒たちはバンドガールや女子と一緒にやる事を望んだが、昨日あんな事があって男子たちに近づくわけもなく、玉砕していた。

 

 飛鳥と黒中も人と一緒にやる事に興味がないのか、一人でやろうとしていた。

 

 飛鳥は生野菜を適当に選び、大根を洗って食べやすい大きさに切った。大根を切る時の手際がよい上に、真剣な表情で切っていた事もあって、皆の注目を集めていた。

 

飛鳥(そこまで見る事なくない…?)

 

 そんなこんなで飛鳥はすぐに料理を完成させた。

 

飛鳥「さて、頂きましょうかね」

「飛鳥。それはどういう料理なのかしら?」

 

 1組の弦巻こころが話しかけてきた。飛鳥がバンドリ学園に来ることになったきっかけを作った張本人であり、唯一の協力者であった。

 

飛鳥「大根の生け作りですよ」

こころ「大根の生け作り? お魚の生け作りは知ってるけど、野菜は初めてだわ!?」

飛鳥「盛り付けが魚の生け作りみたいでしょう」

こころ「言われてみればそうね!」

 

 そう言うと、Afterglowや赤星、青山も近づいてきて、飛鳥は困惑した。

 

ひまり「だ、大根を切っただけなのになんかおいしそう…」

巴「どうしてこれを作ろうと思ったんだ?」

飛鳥「簡単ですので」

 

 Afterglowが近づいてきたことにより、男子生徒たちの嫉妬を肌で感じ取った。

 

飛鳥(そういや黒中さんは…)

 

 黒中を探していると黙々と料理をしていた。彼の方が結構豪華な料理を作っていて、彼の方も人が集まっていて、それなりにクラスメイトと打ち解けていった。

 

**********************:

 

 そして飛鳥の料理はすぐに出来上がった。

 

こころ「頂くわね!」

飛鳥「どうぞ」

 

 こころ達が大根を醤油につけて食べた。

 

こころ「おいしいわ!」

つぐみ「おいしいのもそうだけど、大根も甘い!」

モカ「水水しいね~」

飛鳥「さっき畑から取ってきたそうなので、鮮度は抜群ですよ」

 

 おいしそうに食べるこころ達を見て、飛鳥が笑いながら言った。

 

ひまり「いや、本当においしい! これならいくらでもいける!」

モカ「ひーちゃん。野菜だからって食べ過ぎだよー」

ひまり「そ、そんな事ないわよ!」

飛鳥「トマトも取れたてが美味しいですよ」

巴「おいしいけど…これは料理って言えるのか?」

飛鳥「魚の刺身も料理なら、これも立派な料理です」

 

 飛鳥がそう言うと、赤星と青山が飛鳥を見た。

 

赤星「アンタ、なかなか面白いじゃん」

青山「そうだな」

飛鳥「そうですか?」

 

 飛鳥がすっとぼけた。

 

飛鳥「それはそうと、黒中さんも何か美味しそうなのを作っていますね」

こころ「それもそうね!」

 

 こころは黒中の所に向かった。

 

飛鳥「…行かれなくていいんですか?」

赤星「ああ。寧ろあんたに興味が沸いた」

飛鳥「興味?」

青山「昨晩単身で羽沢を助けただろう。色々聞きたい事がある」

飛鳥「特にお話しすることはございませんよ」

 

 飛鳥がそう言い放った。

 

蘭「どうして?」

飛鳥「そろそろ交代の時間が来たようです」

「交代?」

 

 蘭たちがそう言うと、

 

「いつまで独占してんだよ!」

「オレ達だって蘭ちゃん達と話したいんだぞ!」

「どけ!!」

 

 そう言って男子生徒たちがいちゃもんをつけたが、

 

赤星「なんだって?」

青山「本当に懲りてないようだな…」

 

 赤星と青山がメンチを切った。

 

「な、なんとでも言えぇ!」

「寧ろこんな美人に殴られるなら本望じゃあ!!」

「蘭ちゃん達をあいつから守れぇええええ…って、いない!!」

 

 飛鳥は一瞬の隙をついて、その場から離れた。

 

つぐみ「い、いつの間にかいなくなってる!!」

モカ「……」

 

 そして飛鳥は陰に隠れた。

 

飛鳥「これから忙しくなりそうだなぁ」

 

 

 と、軽くため息をついてトマトを食べた。

 

飛鳥「うんま」

 

 

おしまい

 

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