第408話「ベーシストの亡霊!?」
第408話
今回の設定
・ 能力者だという事が全員に知られた。
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こんにちは。私の名前は一丈字飛鳥です。バンドリ学園に通う高校1年生ですが…。超能力者でもあります。そして今回のお話は能力者だという事が学園の皆さんに知られてしまったというパターンです。それではどうぞ…。
ある日の事だった。
「うーん…」
バンドリ学園のカフェテリアでRoseliaのベージスト・今井リサは悩んでいた。リサの他にも友希那、紗夜、燐子が同席していた。
友希那「どうしたの。リサ」
リサ「いや…。最近妙な噂を聞いてね…」
友希那「妙な噂?」
リサ「その…」
友希那の言葉にリサが気まずそうに答えた。
リサ「最近、スタジオハウスにベージストの幽霊が出るって…」
「えっ!!?」
リサの言葉に3人が驚いたが、周りにいた男子生徒達も反応した。
リサ「いや、反応しすぎ!!」
紗夜「幽霊よりも周りにいる男子の方が怖いわ…」
友希那「そんな事よりも、それがどうかしたの?」
リサ「いや、もし出てきたら怖いなーと思ってさ…」
リサが怖そうにしていると、
「リサちゃん! それじゃ今日から僕が付き添ってあげるゥ!」
「僕が!」
「いや、オレが!!」
「僕も僕も!!」
とまあ、男子生徒がしつこく絡んできて友希那達はうんざりしていた。そしてそれを飛鳥も遠くから聞いていたが、どうせ大したことではないだろうと思い、その場を後にした。
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放課後。中等部にいたあこと合流してスタジオに向かうが…。
友希那「まあ、リサの事情は分かったけど、練習に穴をあける訳には行かないわ」
リサ「そ、そうだよね…」
友希那の言葉にリサが困った顔をすると、
あこ「そういえばあこもその話聞いたことがあるけど、確かにその幽霊ってベーシストの家までついていくって…」
リサ「ヒ、ヒィイイイイイイイイイイイ!!!」
紗夜「逆に怖がらせてどうするの!」
あこの発言にリサが青ざめて怯えると、紗夜があこを叱った。
リサ「ただでさえ今夜アタシ一人なのにぃ~…」
あこ「え、そうなの?」
友希那「まあ、いざとなれば私の家に来ればいいわよ」
紗夜「しかし、そのベーシストの幽霊は気になりますね…」
そう言って5人が悩んでいると、
「だから僕たちがつくってば!」
「!」
カフェテリアで迫ってきた男子生徒たちがついてきていた。
紗夜「あ、あなた達!!」
「遠慮しなくていいんだよぉ?」
「そうそう」
「家だってオレ達が泊まり込んでやるからさぁ…」
「いひひひ…」
とまあ、何を血迷っているのか同級生の女子に対してとんでもない事を言う男子生徒達。
あこ「り、りんりん…」
燐子「……!」
男子生徒たちの異様さにあこと燐子は怯え、友希那、リサ、紗夜も困った顔をすると、男子生徒たちに異変が起きた。
「…と、思ったけどやっぱやめた」
「帰ろうぜ」
そう言って男子生徒たちは退散していった。
あこ「あれ!? 急に帰っていった…」
紗夜「これって…」
男子生徒たちが退散する姿を見て友希那以外の4人が不思議そうにすると、友希那が毅然とした表情である人物を探した。
友希那「飛鳥。どこにいるの? 出てきて頂戴」
友希那がそう言い放つと、飛鳥が陰から出てきた。
あこ「飛鳥くん!」
飛鳥「こんにちは。大丈夫ですか?」
あこが飛鳥の名前を呼ぶと、飛鳥は笑ってごまかしていた。
飛鳥「下世話でしたかね」
友希那「いいえ。助かったわ」
飛鳥「それよりも、これから練習ですか?」
友希那「そうよ。あなたも来て頂戴。時間あるかしら?」
「えっ!!?」
友希那の言葉に飛鳥や紗夜たちが驚いた。
飛鳥「時間はありますが…」
友希那「私たちを守るのがあなたの『仕事』でしょう?」
飛鳥「……」
友希那の言葉に飛鳥はまた苦笑いした。
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飛鳥「そういう事があったんですか…」
サークルで飛鳥はRoseliaから幽霊の話を聞かされていた。
友希那「あなたの力で何とかならないかしら?」
飛鳥「まあ、その幽霊が出たスタジオが分かれば、ゼロではございませんが…」
リサ「ごめん。そこまでは聞いてないわ…」
飛鳥「そうですか…」
飛鳥がリサの方を見つめた。
リサ「…どうしたの? もしかしてもう取りついてるとか!?」
リサが青ざめて叫ぶと、あこや燐子も驚いた。
飛鳥「いえ、そうではなくて…。その、幽霊の特徴ってどんな感じかもう一度教えて貰えますか?」
あこ「えっとねー。髪が長くて、赤い服を着てる女の人!」
飛鳥「髪の色とか見た目とかは分かりますかね…」
リサ「そういえば茶髪で派手な格好をしてるって…」
飛鳥「……」
リサの言葉を聞いて飛鳥は困惑し、紗夜と燐子も何かに気づき始めた。
飛鳥「…あの、今井先輩」
リサ「な、なに?」
飛鳥「最近ですが、赤い服って着られました?」
リサ「え?」
紗夜「そう言えば今井さん…。前に赤い服を着てましたね…」
燐子「しかもその時はお客さんも結構いて、あの時はいつもより照明を暗くしていたので…」
リサ「ま、まさか…」
紗夜と燐子の言葉を聞いてリサが口元をひきつらせた。
飛鳥「幽霊の正体は今井先輩。あなたの可能性が高いです」
飛鳥の言葉にリサが苦笑いした。
リサ「あ、あははは…!」
友希那「良かったわね。幽霊じゃなくて」
リサ「ホントだよぉ~。でも、怖がらせた子達には申し訳ないな~…」
友希那の言葉にリサは申し訳なさそうにしていた。
飛鳥「これで事件解決ですかね」
リサ「うん。ありがとう飛鳥くん」
あこ「名推理だったよ!」
飛鳥「いや、そこまではいかないと思いますけど…。これで練習できますかね」
リサ「うん!」
そんなこんなでRoseliaは練習を始めたが、飛鳥はずっと練習に付き合っていた…。
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そして練習が終わり…。
あこ「リサ姉。本当に今晩大丈夫?」
リサ「うん。いざとなれば友希那もいるから」
片づけを終えて解散しようとするが、あこはリサの事を心配していた。
友希那「もし本当に幽霊がいたら、一丈字くんにお祓いしてもらうというのも手ね」
あこ「え、出来るの!?」
飛鳥「…場合によりますけどね」
あこの言葉に飛鳥は気まずそうに答えた。というのも、今までは正体を隠してきたが本当にバレたんだと実感したからである。
あこ「それにしても飛鳥くんって本当にエスパーなんだね! 今も何かを感じ取れたりしてるの!?」
飛鳥「…えーと、そうですね」
あこの言葉に飛鳥が気まずそうに答えると、リサが青ざめた。
リサ「も、もしかして幽霊とか!?」
紗夜「変な冗談はやめて頂戴!」
飛鳥「いえ、幽霊とかじゃなくて…」
「え?」
飛鳥「Roseliaの皆さんと一緒に入った私への『怨念』です…」
友希那「これはあなたの力で追い払ってもらう必要があるわね」
飛鳥「そうなりますね…」
能力者だという事が知られて、飛鳥の心労は更に増えるのだった。
おしまい