全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第118話「千聖と薫が入れ替わってしまった」

第118話

 

『千聖と薫の身体が入れ替わった』

 

千聖「唐突過ぎるんだけど!!!」

薫「儚い…」

 

 バンドリ学園のとある場所。千聖と薫がなんやかんやで体が入れ替わってしまった。

 

千聖「どうやったら元に戻るの!?」

薫「慌てても仕方ないさ。この状況を愉しもうよ」

 

 千聖の姿で薫がいつものように振舞っていた。

 

千聖「そうね。慌てても仕方ないものね。分かったわ」

薫「ちょっと待ってちーちゃん。何する気?」

 

 千聖の様子を見て、薫が嫌な予感がしたので千聖の肩をつかんだ。

 

千聖「別に。いつも通りにしようとするだけよ?」

薫「私の身体で変な事しないでよ!?」

千聖「それはこっちの台詞よ。とにかく元に戻るまでその宝塚のキャラは禁止! 私らしくして」

薫「わ、分かった…。それだったら千聖も私らしく振舞ってくれよ?」

千聖「ええ」

 

 そんなこんなで元に戻るまで、お互いを演じる事になった千聖と薫。果たして…。

 

「一体何だったんだ今の光は!!」

「うーん。実験は大失敗だな…」

「女子と体が入れ替わるその日までオレ達は諦めないぞ!!」

 

 犯人は科学部の男子生徒達だった。

 

 だが、さっそく問題が起きた。

 

「白鷺さん。あなた1組でしょ?」

 薫が誤って2組に入ってしまったのだ。

 

千聖(もう!! 早速やらかしてるじゃないのよ!!)

薫「いけないいけない。私とした事がついうっかり…」

 すると千聖が薫を引っ張り出した。

 

千聖「かおちゃん。次やったらかおちゃんの恥ずかしい秘密を一丈字くんにバラすわよ」

薫「ごめんなさい。勘弁してください」

 

 傍から見たら薫が千聖に詰め寄ってるようにしか見えなかった。

 

 そして悪い事は重なるもので…飛鳥が通りかかった。

 

飛鳥「!?」

 飛鳥が2人の様子を見て、驚いていた。

 

飛鳥(何か2人とも様子がおかしい…。体が入れ替わってるのか!?)

 超能力者なので、すぐに察しがつきました。そして2人も飛鳥に気づいた。

 

薫「ち、千聖。これだと私が千聖に詰め寄ってる! イメージが悪くなるぞ!」

千聖「そ、そうね…」

 と、2人は離れた。

「おーい。2人とも教室入れ―」

千聖「あ、はい…って、だからあなたはあっち!」

薫「す、すまない」

千聖「宝塚は禁止!!」

 

 千聖と薫の様子がおかしい事に一部は気づいたが、それ以外は幼馴染特有の漫才だと思い込んでいた。

 

 そして休憩終了後

 

千聖(何とか一丈字くんに誤解を解かないと…)

 千聖が飛鳥のいる教室に向かおうとすると、

 

「薫さーん!!」

「薫せんぱーい!!」

「サインくださーい!!」

 と、ファンの女の子たちが寄ってきた。

 

千聖(ど、どうしてこんな時に…!! だけど断ったら薫に迷惑が掛かって…バカにされる)

 

 こんな感じである。

 

薫『おやおや。いつも私の事に対して偉そうなことを言っていたくせに、千聖は出来ないんだねぇ?』

 

千聖(それだけは絶対に嫌!!!)

 と、千聖は女優魂に火をつけて、薫の物真似をした。女子たちは黄色い声援を上げていたが、千聖は死ぬほど恥ずかしがっていた。

 

 薫は薫で千聖らしく振舞おうとしていたが、どこかぎこちなかった。

 

 そしてまた悪い事は重なり…。

 

彩「千聖ちゃん大変だよー!!」

薫「?」

 彩が慌ててやってきた。

 

薫「どうしたんだい…じゃなかった、どうしたの?」

彩「此間言ってた生放送なんだけど、今日だって!」

薫「!!?」

千聖「えっ!!? そんな話聞いてないわよ!!?」

 千聖が思わず身を乗り出したが、皆が千聖を見た。

 

薫(ちーちゃん…!!!//////)

千聖「え、と…お、おっとすまない。千聖の物真似をしてみたくなったのさ。はっはっは」

薫(ちーちゃんの恥ずかしい秘密、一丈字くんにバラしてやる//////)

 と、薫は涙目で千聖を睨んだ。

 

千聖「そ、それはそうと生放送が今日だというのはどういう事だい?」

彩「えっとね。明日の予定だったんだけど、事務所の人が伝達ミスしちゃったって…」

千聖「また!?」

彩「え? なんで知ってるの?」

千聖「いや、千聖から聞いててね。全く管理がなってないなぁ」

 と、千聖が必死に薫っぽく振舞っていたが、

日菜「それはそうと、千聖ちゃんも薫くんも今日ヘンだよ?」

薫「」

千聖(日菜ちゃんに言われた…!!)

 

 変人である日菜に変と言われて薫は石化し、千聖は屈辱を味わった。

 

日菜「にしても困ったなー。今日飛鳥くんをスタジオに招待したんだけど、空いてるかな…」

千聖「!!?」

薫「よ、予定があるなら来てもらえばいいんじゃないかな」

日菜「ちょっと聞いてみるね!」

 と、日菜が飛鳥に確認を取る為、電話をかけた。

 

千聖(お願い一丈字くん!! スタジオに来て!! 多分あなたなら何とかできそうなの!!!)

薫(千聖の姿でテレビに出るという事は、いつものキャラが振舞えない…どうしよう…)

 薫は青ざめていた。

 

日菜「OKだって!」

千聖(ほっ…)

日菜「あ、それはそうと2人とも」

「?」

日菜「飛鳥くんがちょっと話したい事があるって」

 

 別の休憩時間

 

飛鳥「…入れ替わってますよね。2人とも」

千聖「どうして分かったの!?」

飛鳥「いや、様子がおかしいのもそうだったんですけど、科学部が…」

 と、飛鳥が理科室で科学部が体を入れ替える実験をしていたことを暴露した。

 

千聖「科学部…!!!」

薫「儚くない…」

 千聖が握りこぶしを作り、怒りに震えていた。薫もちょっと怒っていた。

 

千聖「それだったら今すぐ科学部の連中を連れてきて!!」

飛鳥「それが、実験したことが先生達にバレて、もうここには…」

千聖「それだったらあなたが何とかしてよ!! 出来るでしょ!?」

薫「千聖落ち着くんだ! 私が一丈字くんに詰め寄ってるように思われるじゃないか!」

 

 千聖が飛鳥に詰め寄って薫が止めるが、傍から見たら薫が飛鳥に詰め寄って千聖が止めているようにしか見えなかった。

 

飛鳥「弦巻さんに相談するしかありませんね…」

薫「こころにかい?」

飛鳥「…弦巻さんも『今日の薫、千聖みたい』って言ってたので」

千聖(ミッシェルの正体に気づいてないのに、気づくわけないじゃない!!!)

 

 千聖は初めて美咲の苦労が分かったとか。

 

千聖「もー!! どうしてこんな事になっちゃったのよ~!!」

薫「千聖落ち着くんだ! まだ諦めてはいけない! ナポレオンも言っていたじゃないか…」

千聖「だから私の姿で宝塚やるのやめてってば…」

 その時、千聖と薫に異変が起き、2人はそのまま眠るように倒れた。

 

飛鳥「し、白鷺先輩! 瀬田先輩!!」

「安心しろ。眠らせただけだ」

飛鳥「!!?」

 

 飛鳥が横を見ると、和哉が現れた。

 

飛鳥「和哉さん!!」

和哉「そこの2人を元に戻してほしいという依頼があってな」

飛鳥「誰にですか?」

和哉「弦巻家の黒服達だ」

飛鳥「やっぱり…」

 和哉が千聖と薫の頭をつかんで、念じた。

 

和哉「これで元に戻ったはずだ」

飛鳥「あ、ありがとうございます…」

和哉「体を入れ替える能力は持っていないのか?」

飛鳥「持ってませんよ…」

和哉「なら今度の休み、島に戻ってこい。技を教えてやる。実戦形式だがな…」

飛鳥「…もしかして」

和哉「頭の回転は衰えてないようだな。四国で麻薬を取引しているところがあって、そこを叩く。その被疑者を実験台にしろ」

 和哉の物騒な発言に飛鳥が困惑した。

 

飛鳥「孫さんは…」

和哉「あいつは留守だ。麻薬を誤って吸引されでもしたらたまったもんじゃねェ。それじゃあな」

 そう言って和哉は黒い炎に包まれて消えた。

 

飛鳥「……」

 ある意味薫よりもブレてないだろうな…と、飛鳥が困惑した。

 

「うーん…」

 千聖と薫が目を覚ました。

 

飛鳥「あ、白鷺先輩、瀬田先輩。大丈夫ですか?」

千聖「え、えぇ…」

薫「清々しい朝だ…」

飛鳥「昼です。あ、元に戻ったようですね」

 

 飛鳥の声に千聖と薫が周りを見渡した。

 

薫「おお…!! 元に戻っている!!」

千聖「よかった…もう懲り懲りよ…」

 と、安心して、一件落着かと思われたが…。

 

「…ん。千聖ちゃーん!!」 

 と、パスパレのメンバーがやってきた。その時だった。

彩「千聖ちゃ…」

千聖「何だい? 子猫ちゃん達…」

 

 千聖は思わず薫の真似をしてしまって、空気が止まり、千聖が顔を真っ赤にした。

 

飛鳥(…白鷺先輩も結構抜けてる所があるんだなぁ)

薫(それが千聖の魅力でもあるのだよ。あぁ、儚い…)

 

 その後

 

千聖「一丈字くん。かおちゃんは小学1年生のときに…」

薫「やめてよちーちゃん!!!////////」

飛鳥「……」

 

 日菜たちに散々弄られた腹いせに薫の秘密をばらそうとして、飛鳥は苦笑いしていた。

 

 

おしまい

 


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