一丈字飛鳥です。私はまたしても大変な事になってます。
「飛鳥くん助けて!! 追試になっちゃったよぉ~!!!」
香澄がいきなり部屋に現れた。鍵をかけていたので勝手に入るという事はなくなったが、インターホンを何度も鳴らすという迷惑行為をおこなっていた。
飛鳥「出禁になりますね」
香澄「そんなイジワル言わないでよぉ~!! 本当に緊急事態なのぉ!!」
香澄が涙目で縋りつくと、飛鳥は仕方なしに事情を説明することにした。
飛鳥「…成程。市ヶ谷さんに勉強を見て貰おうとしたけれど、たまには自分でやれと突っぱねられたと」
香澄「数学に英語、日本史に化学! 国語に世界史に日本史に…もうどれから手を付ければいいの~!!?」
飛鳥「一旦落ち着きましょう」
全部じゃねーかと飛鳥は突っ込みたかったが、まず香澄を落ち着かせる事にした。
飛鳥「とりあえず市ヶ谷さんは次回(450話)の主役にしましょうかね」
有咲「ちょっと待てぇ!! 何するつもりだぁ!!?」
飛鳥の言葉に有咲が急に現れたが、とてつもなく焦っていた。
飛鳥「大丈夫ですよ。私はもう一瞬だけ登場するので…」
有咲「絶対アタシをかわいいとか弄りまくるんだろ~? 分かるよ」
飛鳥「いえ、本当の本当に主役回ですよ」
有咲「とにかく嫌な予感しかしねーから却下だ却下!!!」
***
飛鳥「まあ、市ヶ谷さんが勉強を見てくれるそうなので」
香澄「…飛鳥くんは見てくれないの?」
そう言って香澄は涙目で頬を膨らませて怒っていた。
飛鳥「RoseliaとAfterglowみたいになりたいですか?」
有咲「なりたくねーけど、あ、これ絶対何が何でも次回アタシを主役にするつもりだよな? 何が欲しい? 何が欲しいんだ。金か? 金なのか? それともア、アタシの身体を…////」
飛鳥「連れて帰って頂ければ、何もしませんよ」
有咲「お邪魔しましたー。帰るぞ香澄」
香澄「飛鳥く~ん!!!!」
有咲が香澄を連れて帰ろうとしたその時、
「飛鳥くうううううううううううううううううううん!!!」
ハロハピのはぐみが現れた。
飛鳥「不法侵入ですよ北沢さん」
はぐみ「ゴメン! でも大変なのぉ!! はぐみ追試になっちゃったよぉ~!!」
飛鳥「今度から赤点取ったメンバーがいるバンドを出入り禁止にした方が良さそうですね」
はぐみ「え~!!!?」
飛鳥の言葉にはぐみがまた絶望した表情を浮かべていたが、有咲としては香澄の成績を考えたら確かにそうした方が良さそうだと考えていた。だが、結果的に自分の負担が激しくなるのは確かだった。
飛鳥「…で、何教科なんですか?」
はぐみ「3教科!!」
香澄「はぐはまだ凄いよ! 私全部だよ!?」
飛鳥「ポピパは当面出入り禁止で」
香澄「え~~~~~~~~!!!?」
有咲「…そうする」
香澄「ちょっと有咲ぁ~~~~~~~~~!!!!」
何も言い返せなくなった有咲に香澄が涙目で突っ込んだが、
有咲「泣きたいのはこっちだよ!!!」
飛鳥(ですよね…)
香澄「ねえ飛鳥くん! 勉強見てよ!」
はぐみ「はぐみもはぐみも!」
飛鳥「市ヶ谷さんや奥沢さんじゃダメなんですか…?」
香澄「そうじゃないけど、有咲ケチだもん…」
有咲「お前なぁ…」
自分の事を棚に上げている上に、全教科で赤点を取っても尚開き直る香澄に有咲は心底疲れていた。
香澄「勉強教えてくれる代わりに、1教科につき1回抱きしめてあげる!」
はぐみ「はぐみもはぐみも!」
飛鳥「勉強してください」
香澄とはぐみの言葉を飛鳥がバッサリ否定した。
有咲「…フォローするつもりじゃねぇけど、本当に手を出さないよな?」
飛鳥「そんな事言いますけど市ヶ谷さん。手を出そうとしたらしたで、『私の好きなあなたはこんな人じゃなかった』とかって言われるんですよ。蛙化現象ってご存じですか?」
有咲「まあ、確かにあるけど…」
はぐみ「カエル? 飛鳥くんカエルになっちゃうの?」
飛鳥「…ええ。そうなったらもうあとは市ヶ谷さんに」
有咲「にーげーるーなぁー!!!!」
有咲がそう叫びながら後ろから飛鳥をはかいじめにしたが、飛鳥は困惑していた。
香澄「あー!! 有咲ズルい!! 私もするー!!」
はぐみ「はぐみもー!!」
と、香澄とはぐみが抱き着こうとしたその時だった。
「飛鳥くん!!」
彩がやってきて、飛鳥は困惑していた。
飛鳥「…どうされました?」
彩「大変なの! 私追試になっちゃって…」
飛鳥「学年違うんですけど…」
彩「…飛鳥くんなら何とか出来るんじゃないかなって」
彩の態度を見て恐らく千聖から逃げてきたんだろうなと飛鳥は思ったが、後ろに千聖が現れた。
千聖「彩ちゃん?」
彩「ヒッ!!」
飛鳥「お疲れ様です」
千聖「お疲れ様飛鳥くん。あら…」
千聖は飛鳥の姿を見たが、後ろから有咲に抱き着かれている状態だった。
千聖「…有咲ちゃん? いったい何をしてるのかしら?」
有咲「わ、私!?」
千聖は有咲に黒い笑みを浮かべた。決して飛鳥を甘やかしているという訳ではないのだが、飛鳥にケンカを売るとまた無人島に行かされる可能性があったからである。
ちなみに本当に無人島に行かされ、暫くそこで過ごしたのだが彩が虫を追い払うために木刀を振り回したり、日菜が自由に探索したせいで蜂の巣をおっこどして蜂に追いかけられたり、夜中に目を覚ましてトイレに行こうとしたら、隙間が大好きな麻弥が隙間に挟まっていて、その上彼女も目が覚め、目が合って失禁しそうになったり、また別の日に日菜がイヴを脅かしたせいで、イヴが半狂乱になって木刀を振り回したりしていた。
千聖は軽くトラウマになってしまい、事の発端となった飛鳥にだけは絶対にケンカを売りたくなかったのだ。特に麻弥が一番怖かったし、その日の翌日、滅茶苦茶説教した。
そして飛鳥達もその様子をテレビで見ていて、大変だろうなと思ったし、飛鳥は察した。
飛鳥「市ヶ谷さん…。離れてください」
有咲「あ、ああ…」
千聖「ありがとう。で、彩ちゃんは一体どういうつもりかしら?」
彩「いや、その…。勉強を見て貰おうと思って…」
千聖「私が怖いからでしょ?」
千聖がそう言うと彩が滝のような汗を流して視線を逸らすと、千聖は怒る元気もなくなったのか座り込んだ。
彩「ち、千聖ちゃん?」
飛鳥「…お茶、淹れますね」
飛鳥も察したのか特に何も言う事なく、お茶を淹れることにした。
つづく