皆と海で遊んだ飛鳥。その日の夜飛鳥達は海辺の旅館に宿泊する事となったのだが…。
蘭父「私達も宿泊させて貰う事にしたから宜しく」
蘭父と友希那父が来ていて、蘭と友希那が白目になっていた。
リサ「お、おじさん…」
友希那父「…済まないね。だが、もう友希那の事があるから」
蘭父「そもそも未成年だけで宿泊するのは親としては看過できないのでね。悪く思わないでくれ」
そう言われるとそうである。いくらハーレム小説とはいえ、そう易々と自分の娘を同級生の男と宿泊させるなんてあってはならない事だし、寧ろ大問題だ。
ちなみに沙綾も先ほど弟から『襲うなよ』と一言揶揄われたという。
まあ、そんなこんなで夕飯は皆で嗜み、各々部屋に戻った訳だが、飛鳥は2人の父親と一緒だった。
蘭父「すまないが私達と一緒に寝て貰うぞ」
飛鳥「分かりました…」
恐らく自分の娘が飛鳥を襲うのを避けるつもりだと飛鳥は確信した。ほぼ自由人である友希那やこころも流石に他所の父親に注意されれば大人しく帰るからだ。
友希那父「風呂だけど、部屋の奴を使った方が良いよ…」
飛鳥「…分かりました」
友希那父の発言には何か意味が深いものがあった。
蘭父「それにしても、蘭があそこまで君に夢中になるとは思わなかったよ」
友希那父「そうですねぇ。うちも娘が興味を持つなんて事は…」
と、父親2人がそう言うと飛鳥は何やらばつが悪そうにしていた。というのも、今まで能力者という事を隠していた上に、仕事の内容上娘である蘭や友希那を危険にさらす可能性もあった為、間違いなく印象は良くないだろうと思っていた。
飛鳥「…美竹さん。湊さん」
友希那父「…うん、分かっているよ。友希那に気を遣わなくていい」
蘭父「その通りだ。人に迷惑をかけているわけじゃあるまい。自分の道は自分で決めなさい」
蘭父と友希那父にそう言われて飛鳥は2人を見つめた。
友希那父「…飛鳥くん。本当に娘が世話になったね。ありがとう」
飛鳥「いや、そんな事は…」
友希那父「Roseliaが人気が出始めて、確実に夢をかなえていっている事が分かって嬉しい反面、バンドには悪質なファンがつきものだ。友希那だけじゃなくてリサちゃん達にも迷惑行為が行われて、本格的にどう対応するか考えていた所、君が現れてくれた」
蘭父「…困った事に、蘭目的で華道を始める輩もいるのだが、同じ男として恥ずかしい限りだ。思い通りにならないとすぐにやめる!」
蘭父が憤慨すると、友希那父と飛鳥が苦笑いした。
友希那父「そしてあの事件の事も感謝してる。僕を助けてくれた事もそうだけど、Roseliaを…友希那を守ってくれた。父親として感謝しても仕切れない」
友希那父の言葉に飛鳥は事件の事を思い出した。というのも、パスパレの事務所にいた男がかつてパスパレが起こしたエアバンド事件の責任を取らされてクビになり、そこから仕事を転々としていたが上手く行かず、最終的にはRoseliaのボーカルである友希那の引き抜きを試みたが、これも失敗してあっさり切り捨てられて絶望していた所を、悪の能力者に洗脳されて超能力者となり、パスパレとRoseliaを崩壊させるために友希那の父親を誘拐したのだ。
父親が命の危機に晒されて友希那はショックで気を失い、元スタッフが大事件を引き起こしたことでパスパレやその事務所もパニック状態になっていた。
そんな中で飛鳥は男と対峙する事となり戦ったのだが、戦っていた場所が街で大技を使う事が出来ない上に派手に建物を壊すと二次被害が出てしまう可能性もあり、本気を出せずにいた。体術だけで何とか男を倒し、友希那父を救出したのだが、そこで能力者だという事がバレてしまったのだ…。
飛鳥「…友希那さんの夢が叶うには、あなたが生きている必要があったからです」
友希那父「…そうか」
友希那父としては、たとえ自分がいなくなったとしても友希那には仲間と共にFWFに出て欲しいという気持ちはあったが、友希那がそこまで自分の事を想ってくれていると感じて、言葉を詰まらせた。
蘭父「…そういう意味では、蘭も世話になったね」
飛鳥「!」
飛鳥が蘭父を見た。
蘭父「私は元々バンドに対しては快く思っていなかったんだ。蘭には華道をしてほしいという気持ちもあったのだが、バンドをやっている男どもが気に入らなかったんだ」
蘭父の言葉に飛鳥と友希那父は苦笑いした。蘭父の性格上確かにバンドマンは良く思われないだろうと思っていた。
蘭父「勿論全員が全員そうではないのは理解している。だが、女にだらしないのは違うだろう?」
友希那父「バンドをやってると女性にモテやすいんですよ」
蘭父「やはりそうか…」
友希那父の言葉に蘭父が俯いた。やはり女性にモテたかったからバンドをやる上に、女性に声をかけるのかと憤慨していた。
蘭父「君ももう高校生だ。父親ではないが私の言っている事の少しは理解してくれているだろう。それだけ蘭は目に入れても痛くない程の娘なのだ。もしそんな娘に悪い男が近づいてきたらと考えると…」
飛鳥「そうですねぇ…」
友希那父「僕も娘を持つ父親なので分かりますよ。まあ、うちの子は自分で何とか出来そうな気もしますが…」
友希那父が何か言いたそうにそう呟くと、飛鳥も思い当たる節があり困惑していた。
蘭父「華道の事も勉強するという条件でバンドは続けさせているものの、やはり悩みはつきないのだよ。だが、そんな中で陰で蘭や他の子を守ってくれていた事には父親として感謝している。ありがとう一丈字くん」
飛鳥「美竹さん…」
蘭父の言葉に飛鳥が困惑していた。
蘭父「…まあ、少なくとも君なら蘭の事を任せられなくもないが…いや、まだ嫁には早い!!」
友希那父「あははは…。まあ、僕も飛鳥くんが息子になるのは良いけど…」
友希那父が困惑していた。
友希那父「…いや、別の意味で早いかな」
「どういう意味」
友希那が入ってきたが、他の子もいて蘭は特に顔を真っ赤にしていた。
友希那父「今はもう女性が家事をやるものではないけれど、最低限自分の事は出来るようにならないとね…」
友希那「出来るわよ。あと最近は飛鳥へのご奉仕も」
友希那父「やっぱり友希那を連れて帰ります」
リサ「もー!! いい加減反省してよ友希那ぁー!!!」
と、賑やかな夜になったという。
蘭父「蘭…。頼むからお前はああなってくれるなよ…」
蘭「しないから!!//////」
飛鳥「……」
蘭と蘭父を見て飛鳥はニコニコしていた。
おしまい