全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第463話「さよならは言わない」

 

 

 それはある日の事だった。飛鳥は能力者の仕事をしていた…。

 

「こ、こんなガキに…!!」

飛鳥「こんなガキに負けるようじゃ、どっちみちアンタの野望は敵わないさ」

 

 飛鳥が冷徹した表情で右手に力を入れるとバチバチと音を鳴らしながら紫色に光った。

 

飛鳥「さよならだ」

 

 

*****

 

 一丈字飛鳥は超能力が使えること以外はごく普通の高校生。先日、またしても悪の能力者が現れたという事で戦いに向かったのだが…。

 

 ガールズバンドの皆さんに説教を食らっていた。

 

飛鳥「言い訳はしません」

千聖「それは潔いわね。けれど…どうして何も言ってくれなかったの?」

飛鳥「いや、連絡しましたよ? ちょっと仕事してきますって」

「分かんないよ!!!」

 

 飛鳥の言葉に皆がツッコミを入れた。

 

飛鳥「あ、ちなみに多数決で押し通そうとしても無駄ですからね」

「本当に反省してる!!?」

「毎回思ったけど、飛鳥くんいい根性してるね!?」

飛鳥「じゃなきゃこの仕事務まりませんよ」

「確かにそうかもしれないけど!!!」

 

 思った他強かな飛鳥にガールズバンドはまたしても呆れた。

 

モカ「まあ、何はともあれ飛鳥くん。お疲れ様」

飛鳥「ありがとうモカ」

 

 飛鳥がモカにそう言い放つと、皆が不機嫌そうにしていた。

 

飛鳥「言い訳はしません」

香澄「思ったんだけど、モカちゃんやこころちゃんは名前で呼ぶのに、私達には呼んでくれないんだね…」

飛鳥「呼べないんですよ」

蘭「どうして?」

飛鳥「一度ついた癖ってなかなか取れなくて…」

友希那「頑張りなさいよ」

 

 飛鳥の言葉に友希那が冷たくツッコミをしたが、飛鳥としては好感度が下がってようがもうどうでも良かったし、マジでランボーになってる気分だった。

 

飛鳥「そんな事よりも皆さんお怪我は…」

千聖「そんな事よりも?」

飛鳥「ええ。そんな事よりもです」

 

 千聖の言葉を突っ切ろうとすると、更にヘイトが集まる。

 

飛鳥「もう嫌われるのも仕事なので」

千聖「開き直らないで」

 

 千聖が厳しい態度で飛鳥に言い放つ。

 

千聖「皆がどれだけ貴方の事を心配したと思ってるの?」

飛鳥「そりゃあ有難いお話ですよ千聖さん。ただ、それとこれとは話は別です」

 

 飛鳥が毅然とした態度を取るが、ヘイトが集まっていた。

 

千聖「とにかくこのまま大怪我をした以上、こちらも黙ってるわけにはいかないわ。こうなったら…」

「ここにいたか。飛鳥」

 

 と、目つきの悪い青年が現れた。

 

飛鳥「和哉さん!!」

「!?」

 

 とても人相の悪い男の登場に一部のメンバーがのけぞった。

 

和哉「随分とやられたな」

飛鳥「ええ…」

千聖「あの、和哉さん? すみませんけど、今取り込み中で…」

和哉「なら用件だけ伝える。今すぐ広島に戻れ。任務は終わりだ」

「!!?」

 

 和哉の言葉に飛鳥達が驚いた。

 

香澄「ど、どうしてですか!?」

和哉「理由は簡単だ。飛鳥もお前達も本業に支障をきたしているからだ。現にPastel*Palettesの事務所からもクレームが来ている」

 

 和哉の言葉にパスパレメンバーが気まずそうにしていた。

 

モカ「まるで乙姫と彦星みたいですね~」

和哉「まあ、そんな所だな」

「です…」

 

 すると香澄が叫んだ。

 

香澄「そんなの嫌です! 飛鳥くんと離れ離れなんて!!」

 

 すると和哉は静かに目を閉じて超能力を放った。

 

和哉「帰るぞ。飛鳥」

飛鳥「和哉さん…」

和哉「それともハーレム生活が惜しいか?」

飛鳥「…いえ。ただ彼女達には」

和哉「ああ。それに関しては心配ない」

飛鳥「え?」

和哉「織姫と彦星と同じだ。行くぞ」

 

 そう言って和哉と飛鳥はその場を後にし、飛鳥は広島に帰った。

 

****

 

 そして飛鳥は元の学校に戻ってきたわけだが、心あらずという状態だった。

 

「飛鳥の奴、やっぱり元気ないな…」

「うん…」

 

 飛鳥の元の学校である猪狩学園の中庭にあるベンチで飛鳥は座り込んでいて、それを近くから親友である奈良川京、林椿、林日向の3人が見ていた。

 

飛鳥「なに?」

京・日向・椿「!?」

 

 飛鳥が京達の方を向いたので、3人が驚いて出てきた。

 

京「分かってたのかよ…」

飛鳥「それくらい分かるよ。あの人たちの事でしょ?」

椿「いつまで気にしてんのよ。アンタらしくもない」

飛鳥「いやね…。絶対に納得しないし、今度会ったらまた同じことになりそうな人が何人かいてね。どうしようか考えてたところだけど、もうやめだ」

 

 飛鳥が一息ついた。

 

飛鳥「今はもう一から修業をやり直さなきゃ。相当身体が鈍ってたし」

日向「飛鳥くん…」

飛鳥「甘やかしてくれるのは有り難いけど、甘やかされ過ぎるとお互いダメになっちまう。何事もやり過ぎは良くないって事だな」

椿「そりゃそうよ。それにそんなのアンタらしくないし」

飛鳥「ちげぇねェ。自分でもガラじゃないと思ったよ」

 

 こうして飛鳥は再び能力者として立ち上がるのだった。

 

***

 

 それからしばらくして…

 

飛鳥「……!」

 

 飛鳥はガールズバンドの雑誌を見て驚いていた。なんと香澄達が記載されていて、どのバンドもトップクラスにのし上がっていたのだ。

 

椿「へー。頑張ってるじゃない」

 

 椿の言葉に飛鳥が嬉しそうに笑みを浮かべた。

 

京「どうしたんだよ」

飛鳥「こういうのを見たかったんだよ」

椿「まあ、そりゃそうよね。にしても…」

 

 椿がハロハピの記事を見たが、こころの顔写真を見るなり困惑していた。

 

椿「本当に相変わらずね。あの子…」

 

 その時だった。

 

日向「飛鳥くん…」

 

 日向が困った様子でやってくると、飛鳥達が驚いた。

 

飛鳥「どうしたんだ椿?」

日向「えっとね…。こころちゃんが今度の土日会えないかって…」

飛鳥「えっ」

 

 そして今度の休み。飛鳥は日向達と一緒に待ち合わせ場所に向かったが…。そこには35人がいた。

 

飛鳥「お久しぶりです。皆さん」

香澄「久しぶり」

 

 いつもの元気な香澄ではなく、真剣だった。恐らく勝手にいなくなったことに対して怒っているのだろうと飛鳥は判断した。

 

飛鳥「急にいなくなったことには申し訳なく思っていますが、私の答えは変わりません」

香澄「違う」

飛鳥「?」

 

 飛鳥がそう言うと、香澄はこう言った。

 

香澄「私達の演奏を聴いてほしいの」

飛鳥「…分かりました」

 

 こうして飛鳥達は香澄達の演奏を全曲聞いた。7バンドいる為曲は1曲ずつであったが、その1曲に彼女たちの想いや魂が込められていて、飛鳥達は心を揺さぶられた。

 

 そしてトリのPoppin’Partyの演奏が終わった。

 

香澄「どうだった? 私達の演奏」

 

 香澄の問いに飛鳥が口角を上げた。

 

飛鳥「ええ。文句のつけようがない…素晴らしい演奏でした」

 

 飛鳥の言葉に他のバンドのメンバーも舞台袖から飛び出して喜ぶと、飛鳥がいかに愛されてたんだなと京達は驚きを隠せなかった。

 

*****

 

千聖「まあ、それはそれ。これはこれとして飛鳥くん」

飛鳥「なんです?」

 

 すると千聖が飛鳥に対して平手打ちをしようとしたが、受け止めた。

 

千聖「こういう時は素直に受け取るべきでしょう…?」

飛鳥「嫌ですよ」

 

 飛鳥が思った他男らしくない態度を取ったので、皆が困惑していた。

 

飛鳥「毎回殴られなきゃいけなくなりますし、そんな趣味ないですよ」

千聖「あなたは本当にもう…!!」

 

 千聖は飛鳥にイライラしていたが、だがブレない態度に少し安心していたのか一息ついた。

 

モカ「もうこれくらいでイライラしてたら、飛鳥くんのお嫁さんは務まりませんよー」

千聖「モカちゃん…」

 

 モカが千聖を諫めるが、お嫁さんという単語が出てきて京達は本当に飛鳥がモテていると思った。

 

モカ「それはそうと飛鳥くんも元気そうで良かった」

飛鳥「モカもね」

モカ「そういえば今トレーニングしてるんだっけ」

飛鳥「うん。一人で組み手をする時もあれば、孫さんと組み手をする時もあるよ」

モカ「孫さんってあの和哉さんの弟さんだよね」

飛鳥「そう」

 

 モカと飛鳥が普通に話しているのを見て、蘭たちはとてつもなく嫉妬していた。

 

モカ「そっか。飛鳥くんも頑張ってるんだねー」

飛鳥「まあね」

蘭「ねえ、やっぱりモカだけすっごく仲良くない?」

飛鳥「そうですか?」

ひまり「絶対そうだよ! どうして私たちは名前で呼んでくれないの!?」

飛鳥「いや、もう名前で呼びにくい…」

友希那「頑張りなさいよ」

 

 友希那がまた同じツッコミをした。

 

つぐみ「そういえば思ったけど、モカちゃんはどうして名前で呼ぶようになったの?」

飛鳥「え? 正体がバレて名前で呼んでくれって言われたから」

「じゃあ大丈夫じゃん!!」

飛鳥「いやー。何か呼びにくいし、あの時は学校に通ってたからこれでもかという程角が立つし…」

「これでもかという程…」

 

 飛鳥が思った他言うので皆困惑していた。

 

飛鳥「それもそうですけど、呼ばれたいですか?」

「呼ばれたい!!」

アフグロ「少なくともうちは格差を感じる!!」

 

 飛鳥が考えた。

 

飛鳥「まあ、思えばもう超能力の事もバレてるし、超能力を人にぶっ放したし…もういいか」

 

 飛鳥が35人を見つめた。

 

飛鳥「それでは今度からは極力名前で呼ぶようにしますね」

香澄「あと、敬語もやめてね!」

飛鳥「おう分かったぜ香澄」

 

 飛鳥の言葉に皆がまた固まった。

 

飛鳥「だから言ったでしょう」

有咲「いや、いくら何でも口悪すぎだろ!!」

飛鳥「市ヶ谷さんは…」

有咲「名前で呼べつってんだろ!!」

飛鳥「名前で呼んでほしいの?」

有咲「いや、もうそうだよ!!/////」

 

 有咲が頬を染めて叫ぶと、

 

香澄「やっぱり有咲は可愛かった…」

有咲「いや、ちょっとやめろ! 恥ずかしいだろ!」

沙綾「そうだね。有咲は可愛いね」

有咲「さーや!」

りみ「あ、えっと…可愛いよ?」

有咲「りみ!!」

たえ「bonitinho」

有咲「ポルトガル語でもダメ! って! 結局アタシこういう扱いかよー!!!」

 

 とまあ、こんな感じで飛鳥が甘やかされる日々は幕を閉じましたが、香澄達と凄く仲良くなれましたとさ。

 

千聖「もうむしろこれからは厳しく行くから。甘えないで頂戴」

飛鳥「あ、それはそうと千聖さん」

千聖「なに? また事務所に泣きついたの?」

飛鳥「後ろ…」

千聖「え?」

 

 千聖が振り向くと、パスパレのスタッフがいた。

 

彩「スタッフさん!?」

麻弥「まさか…」

 

 スタッフが微笑んだ。

 

スタッフ「もう時間だ。帰るぞ」

 

 そう言って5人を連行していき、飛鳥は手を振った。

 

彩「私達も最後の最後までこんな扱いだよ~!!!!!」

イヴ「あ~れ~!!!!」

千聖「覚えてなさいよー!!!!」

 

 

おしまい

 

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