全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第2話「こころとカラオケ」

 

 

 飛鳥がバンドリ学園に転校してから、それなりに時間が経った。

 

 こころから依頼されていた「マナーの悪いファン(通称:ヤラカシ)におしおき」という任務は、着々とこなし、次第にヤラカシはどんどん減っていった。

 

 飛鳥がやった事は、弦巻財閥の裏の力が動いていると言われていて、何とか事なきを得ていたが…。

 

「おかしい」

「やっぱりどう考えてもおかしい」

 

 と、男子生徒達(ヤラカシ予備軍)は学校のとある一室に集まっていた。

 

「あの一丈字が来てから妙な事だらけだ…」

「ああ。香澄ちゃん達がピンチになると、タイミングよく奴が現れて…」

「そうだ!!」

「もしかして…」

 

 飛鳥の自作自演なのでは? と思い始めた。

 

飛鳥「……」

 

 そしてそれを陰で飛鳥は見つめて困惑していた。いや、そうはならんやろと。本当に自作自演だとするなら、準備するの凄くめんどくさいぞと思っていた。

 

飛鳥(そういや思ったけど、クラスの人たちと仲悪いのかなぁ…)

 

 と、一人で帰宅しようとしていると、

 

「飛鳥―!」

飛鳥「?」

 

 こころがやって来た。

 

飛鳥「弦巻さん」

 

こころ「もー! 二人きりの時はこころって呼んでって言ったわよね!?」

飛鳥「いや、学校なので…」

 

 こころが憤慨すると飛鳥が困惑した。

 

こころ「そ、それもそうね…。バレたら大変だわ…」

飛鳥「……」

 

 こころの言葉に飛鳥は困惑した。

 

飛鳥「…それで、何か御用ですか?」

こころ「えっと。今空いてるかしら」

飛鳥「空いてますけど、どうされました?」

こころ「カラオケに行きましょ!」

飛鳥「…え?」

 

 こころの言葉に飛鳥はまた困惑した。

 

飛鳥「…北沢さん達と一緒じゃなくて良いんですか?」

こころ「皆忙しいの。薫は演劇部があるし、はぐみと花音はお店のお手伝いがあって、美咲も用事があるみたいなの」

飛鳥「……」

 すると女性の黒服達が現れた。

 

「一丈字様。それなりの謝礼は致します」

「どうかこころお嬢様のお願い事を…」

飛鳥「…あ、それは大丈夫なんですけど」

 

 飛鳥が困惑すると、男子生徒達が現れた。

 

「一丈字貴様ぁ!!」

 と、突っかかってきたが、男性の黒服達が拳をゴキゴキ鳴らしてきて、男子生徒達は退散した。それを見て飛鳥は困惑した。

 

「…いらっしゃっても、いらっしゃらなくても、結果は同じなので大丈夫ですよ」

「黒服さん…」

 

 耳打ちしてきた黒服Aに対して、飛鳥は困惑した。

 

 そして飛鳥とこころはカラオケに行く事になったが…。

 

飛鳥「家にカラオケとか無いの?」

こころ「あるけど、こういうお店のカラオケに行ってみたかったの!」

飛鳥「そ、そう…」

「お席は取っておりますのでご自由にどうぞ」

飛鳥「あ、ありがとうございます…」

こころ「ありがとー」

 

 飛鳥の中学時代の友人に日向と椿という少女がいて、彼女たちの家もこころと同じくらい金持ちだったが、このような事はあまりなかった。

 

飛鳥(まあ、日向と椿は幸生さん(※日向と椿の兄)がいたからな…)

 

 そしてVIPルームに通された。

 

飛鳥(ああ。完全に家の力だ…)

 

 2人で使うには『ちょっと』広すぎるルームに飛鳥が困惑した。

 

こころ「さあ、歌いましょ!!」

飛鳥「あ、うん…」

 

 飛鳥は何も考えずにこころとカラオケに楽しむ事にした。こころは明るくて可愛い曲を中心に歌っていた。

 

飛鳥(やっぱりボーカルだけあって上手いな…)

 

 飛鳥は歌っているこころをじっと見つめていた。

 

こころ「あ、次は飛鳥の番よ!」

飛鳥「そういや最近の曲って勉強とかしてるの?」

こころ「勿論よ! これでもハロハピのボーカルだもの!!」

飛鳥「そうだよね」

 すると飛鳥がマイクを持った。

こころ「何歌うの?」

飛鳥「最近ポケモンとコラボしたバンドの曲」

 

 と、イントロが流れ出して、飛鳥が歌い出した。

 

『♪Acacia / BUMP OF CHICKEN』

 

こころ「……!!」

 飛鳥の凛々しい歌声がルーム内で響き渡った。外で聞いていた黒服達も心地よさそうにしていた。

 

 そして飛鳥が歌い終わると、こころが拍手した。

 

こころ「やっぱりすごいわ飛鳥は!!」

飛鳥「そんな事ないよ」

こころ「何か歌を聞いて元気が湧いてくるわ!! もしかして超能力の影響かしら!?」

飛鳥「そうかもしれないね」

 飛鳥が苦笑いした。

 

こころ「あたしもそういう力が欲しいなー」

飛鳥「何言ってるの。こころだってもう持ってるよ」

こころ「え!?」

飛鳥「歌声で人を元気にする超能力は、誰でも持ってるから」

 

 飛鳥が笑みを浮かべると、こころは衝撃を受けた。

 

こころ「そ、そういうものなのね!! それじゃもっと頑張るわ!!」

飛鳥「頑張って」

こころ「それじゃ次歌うわね!!」

飛鳥「焦っても仕方ないから、一曲一曲に魂を込めて歌おう」

こころ「ええ!!」

 

 と、飛鳥とこころは数時間ほどカラオケを楽しんだが…。

 

飛鳥「あ、休憩されたいなら構いませんので…」

黒服A「お、お気遣いありがとうございます」

こころ「折角だから皆で歌いましょ!」

黒服B「えっ…」

 

 飛鳥とこころが黒服達に話しかけたりして、楽しいカラオケ大会になった。

 

 

 そして、店から出た飛鳥とこころと黒服達。

 

こころ「今日はとっても楽しかったわ!!」

飛鳥「そりゃあ良かった」

こころ「また行きましょ!!」

飛鳥「機会があったらね」

こころ「絶対よ!! あ、折角だから送っていくわね」

 

 と、飛鳥はこころの車に乗せられて、自宅に帰りついた。

 

 

 翌日

香澄「飛鳥くん!! 昨日こころちゃんとカラオケ行ったでしょ!!」

飛鳥「……」

 

 香澄が3組の教室にやってきて、飛鳥を問い詰めていた。実はこころが登校してすぐに飛鳥とカラオケに行った事を自慢したのだった。香澄の後ろにはたえ、りみ、沙綾、有咲もいた。

 

飛鳥「ええ。行きましたけどそれが何か?」

有咲「もう完全に開き直ってるな…」

飛鳥「あまり気にし過ぎてもアレかなと思いまして…」

香澄「ねえ、私達とも行こうよー」

飛鳥「え」

 飛鳥が驚いた。

香澄「こころちゃんだけずるいー!」

はぐみ「そーだよ! はぐみも飛鳥くんとカラオケに行きたーい!!」

 と、香澄とはぐみが騒いだが、

 

飛鳥「まあ、行くとしても当分先ですね…」

香澄「え、何で!!?」

飛鳥「だってもうすぐテストじゃないですか」

 

 飛鳥の言葉に香澄とはぐみが石化した。

 

香澄「ああああああああああああああああああああ!!! そうだったぁあああああああああああああああああああ!!!」

はぐみ「テストいやぁああああああああああああああああ」

 

 と、香澄とはぐみは頭を抱えて叫んだ。

 

香澄「そ、それじゃ最後の晩餐という意味で…」

飛鳥「平均60以上取れたら一緒に行きましょうか」

香澄「オニー!!」

はぐみ「そーだよ!! 鬼畜だよ!!」

たえ「ちなみに取れなかったらどうする?」

飛鳥「取れなかったら…」

有咲「確か補習あったから…。補習行ってる間に残ったメンバーでカラオケ」

香澄「うわーん!!! 有咲ちゃん酷いよー!!!」

はぐみ「友達いなくなるよー!!?」

有咲「うるせぇ!! ちゃんと勉強すればいいだけの話だろうが!!」

 

 と、ギャーギャー揉めているのを飛鳥は苦笑いして見つめる事しか出来なかった。

 

 

おしまい

 

 

 

 

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