全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第146話「馬のキモチ(前編)」

 

 ある日の事。

 

「聞いたか!? パスパレが今度映画に出るらしいぞ!! 5人全員ヒロインで!!」

「まじか!!?」

「主役俳優が羨ましいぜ~」

 

 バンドリ学園では、Pastel*Palletesの映画出演の話でもちきりになっていた。

 

 2年1組(彩・千聖・紗夜・燐子・花音)

 

花音「凄いね! 映画に出るなんて」

千聖「そうね…」

彩「うぅ~…今から緊張してきたぁ!!」

 

 2年2組(麻弥・日菜・友希那・リサ・薫)

 

麻弥「まさかジブンが映画に出る事になるなんて…」

日菜「るんってするね!!」

リサ「しかも県外で撮影なんだって?」

日菜「そうなんだよ!  馬に乗るらしいから…」

薫「馬なら私の得意分野じゃないか…」

 

 1年1組(イヴ・ポピパ・こころ。はぐみ・美咲)

 

香澄「映画見に行くね!」

イヴ「ありがとうございます!」

 

 1年3組(飛鳥)

飛鳥「…え? オレの画いる?」

 

*******************

 

 一丈字飛鳥です。皆さんもご存じの通りで、Pastel*Palletesの皆さんが映画に出演される事になりました。学校の皆さんも大盛り上がりです。このまま何も起こらなければいいなーと思っていました。

 

 でも、何も起こらないなら起こらないで面白くなかったのか、神様がやらかしました。あ、ここで語りは終わります。

 

*****************

 

 数日後

 

「えええええええええええええええ!!? 撮影中止!!?」

 

 なんという事だろう。パスパレの映画の撮影が中断してしまったのだ。パスパレが普通に学校に来ていて、それを不思議に思った香澄達がカフェテリアで話しかけると、中止になったという事実を聞かされた。

 

彩「そうなの…」

麻弥「主演の俳優さんが馬から振り落とされて大怪我を…」

千聖「…ハァ」

 

 千聖がため息をついたのには理由があった。パスパレの相手である主役俳優は大手スポンサー企業の社長の息子で、実力もないのにコネで主役の座をつかみ取ったのだ。そのせいか、撮影現場でもやりたい放題やって、少しでも文句を言うとスタッフをクビにしたり、父親に頼んで映画やドラマを中止にすると脅しをかけたのだ。おまけに顔も良いのでこれがまた面倒な事になったのだ。

 

 パスパレ相手にも横柄な態度を取り、彩以外の4人にもセクハラまがいな事をしていた為、パスパレからも嫌われていた。ちなみに彩に対して完全に見下していて、罵詈雑言を言い放っていた。

 

香澄「残念でしたね…」

千聖「いいのよ。あんな奴と共演したままだったら、私の経歴に変な傷がついてたもの。いい気味だわ」

 香澄の言葉に千聖は何ともない感じで言い放った。

 

千聖「それよりもあいつが大手スポンサー企業の社長の息子じゃなかったら、即刻訴えてやるのに…!」

彩「……」

 千聖の言葉に彩が俯いた。

 

たえ「そういえば彩先輩。さっきからずっと元気がないですけど…」

千聖「…その俳優さんからね。色々酷い事を言われたのよ。Pastel*Palletesの足手まといとか、才能ないからやめろとかね」

「!!?」

 千聖の言葉に皆が驚いた。

 

千聖「どういう訳か彩ちゃんだけ毛嫌いしてるのよ」

彩「…やっぱり千聖ちゃん達みたいに何もないから」

りみ「そ、そんな事ないですよ…」

 泣きそうになる彩に対して、りみが必死に慰める。

 

千聖「まあ、そういう事もあって罰が当たったのよ。あんな大怪我をして、私達の前で盛大に恥をかいたんだもの」

沙綾「恥?」

 沙綾の言葉に千聖が沙綾を見た。

 

千聖「あの俳優に大けがをさせた馬、元々は競走馬だったんだけど、気性が荒くて今は人を乗せたがらないのよ」

「……」

千聖「…知ってる? 競走馬って引退したら殺処分される事が多いのよ」

「殺処分!!?」

 

 千聖の言葉に香澄達が驚いた。

 

千聖「全部が殺処分されるわけじゃなくて、乗馬クラブに行くこともあるんだけど、それでもゆっくり走ったりできない事があるのよ。今まで早く走るように調教されてるから」

「……」

千聖「…私の見解だけど、おそらく人間を信用できないんじゃないかしら」

有咲「け、けどそれだけ気性が荒かったら殺処分は…」

 有咲の言葉に千聖が目を閉じた。

 

千聖「確かにそれだけ気性が荒ければ人間にとっては不都合。即刻殺処分するべきだけど、あの馬は体も大きくて見栄えも良かったから、残されたって聞いたわ。でも、あんなに大怪我させたんじゃ…」

 

 千聖の言葉に皆が沈む。

 

 一方、飛鳥はスマートフォンで和哉からのメールを確認していた。

 

『今度の土曜日。仕事だ。孫(※和哉の弟)を連れてダシマ高原のダシマホースパークに行け。落馬させた馬の調査をして貰う』

 

飛鳥(パスパレの撮影現場だった場所だ…。まさか…)

 

***************

 

 土曜日、ダシマ高原付近。

 

飛鳥「ありがとうございます。連れて行って下さって…」

「いえ、お嬢様のご命令ですので」

 

 飛鳥は弦巻財閥の車でダシマ高原にあるホースパークに向かっていた。ちなみにプライベートである為、いつもかけている伊達眼鏡は外している。

 

こころ「馬がどうして暴れているのか解明する必要があるわね!」

飛鳥「……」

 

 飛鳥の隣の席にはこころが座っていた。実は和哉から来ていたメールはこころにもCCで送られていた。ちなみに和哉は別の仕事で参加できない為、飛鳥に代役を依頼したのだった。

 

こころ「孫も今日はよろしく頼むわね!」

「ああ!」

 

 飛鳥とこころの向かいの席には、和哉の弟の古堂孫(こどう そん)が座っていた。大きな双葉頭がトレードマークで、大きな瞳が特徴だった。身長は飛鳥より2㎝高い。年齢は1個上である。

 

 数十分走ると、ホースパークにたどり着いた。

 

「よく来てくださいました!」

 と、従業員たちが出迎えた。

 

飛鳥「お世話になります!」

孫「おせわになります」

こころ「お世話になります!」

 

 と、3人があいさつした。

 

飛鳥「早速ですが、問題の馬を見せて頂けませんか?」

「こちらです」

 

 飛鳥の問いかけに従業員が反応すると、そのまま案内された。しばらく歩いた先には、大きな鼻息を立てながら、黒い馬が孫たちを睨みつけていた。

 

「こいつです。名前はジャックナイフって言うんですけど…」

飛鳥「これはまたかっこいい名前を…」

こころ「あなたがジャックナイフって言うのね! 宜し…」

 こころがジャックナイフに近づこうとすると睨みつけて威嚇した。

 

こころ「何をそんなに怒ってるのかしら?」

 こころの言葉に飛鳥が困惑していると、孫は真顔で馬を見つめた。

 

 

つづく

 

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