一丈字飛鳥です。商店街で買い物したら福引券貰ったので、引いてみました。すると、Pastel*Palletesが出る収録番組の観覧券が当たりました。
だけど、興味ないし持ってたとしても面倒な事になりそうなので…。
「おい、一丈字!」
飛鳥「あ、何でしょう」
観覧券を当てたのを見ていたファンらしき男子生徒の方々に差し上げました。
「お前、パスパレのチケットあてただろ」
「オレ達に寄越せ」
飛鳥「あ、どうぞ」
「えっ…」
何か驚いたような顔をしてましたけど、私が持ってても仕方ありませんものね。
飛鳥「いらないんですか?」
「わ、分かればいいんだよ!」
そう言ってその方は私が持っていたチケットを強奪しました。
「パスパレのチケットが手に入るなんてラッキーだなー」
「滅多に当たらないのに馬鹿なやつー」
「ハハハハハハハ!」
と、彼らは私の事を笑ってましたが…まあ、本当に興味ないんで、どうぞごゆっくりって感じなんですけどね。
で、これで話は解決すると思ったんですよ。でも、これで解決しちゃったら話が簡単に終わるし、面白くないんで、終わらなかったんですね。日菜先輩に見られてました。
日菜「飛鳥くん。どうしてチケットを他の人に譲っちゃったの?」
飛鳥「あの人たちの方が欲しがってたようなので」
日菜「…何かあっさり渡したのも気になるんだけど」
日菜先輩はジト目で私を見つめてきました。そりゃそうですよね。理由が理由とは言え、自分が出る番組の収録チケットをこうも簡単に他の人に譲ってるのを見てたらそりゃあいい気持ちがしません。ごめんなさい。
飛鳥「まあ、あのまま意固地になっても奪い取ろうとしてたみたいですし、人目もあったので、譲りました」
日菜「飛鳥くんは優しいんだねー」
…本当に大ごとにはしたくなかったし、興味も大してなかったんですよね。はい。
日菜「それじゃあいいものをあげちゃおうかな!」
飛鳥「え?」
********************
収録番組当日。観覧席にはパスパレのファンや他のアイドルグループのファンがいるが、飛鳥からチケットを譲り受けた男子生徒達もいたが、1人だけだった。
他のメンバーは風邪をひいたり、法事があっていけなくなったり、用事を押し付けようとした親と口論になり、そのまま親を殴って警察沙汰になったりしたのだった…。
「あいつらの分まで楽しんでやるぜ…グシシシ」
と、気持ち悪い笑みを浮かべていた。すると向かい側の特別席に飛鳥が現れた。
「!!?」
飛鳥(氷川先輩から関係者席のチケット貰っちゃったよ。紗夜先輩が行かないからって…)
MC「さて、この番組は若いアイドル達が体を張って、自分たちをPRしていくという番組です! 今回のグループはPastel*Palletesの皆さんと…」
と、MCの女性の紹介でパスパレと他のアイドルグループが現れた。
「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!!! 日菜ちゃあああああああん!!」
「千聖ちゃあああああああああん!!」
「麻弥ちゃああああああああん!!」
「イヴぅううううううううううううう!!!」
ファンの男子生徒達が発狂したが…。
彩(私は!!!?)
彩が呼ばれていない事に気づいて、心の中でツッコミを入れた。そして日菜は関係者席にいる飛鳥の方を見て、飛鳥も日菜の方を見た。すると日菜がウインクしてきた。
飛鳥(あー…皆さん怒ってますよ。怒ってますよ。どーすんのこれ!!!)
日菜が自分にウインクしたことがファンに伝わり、ファンは飛鳥の方を見た。
(なんだあいつ!!)
(日菜ちゃんの彼氏か!!?)
(何であんな奴が…!!)
(女みたいな顔しやがって!!!)
飛鳥(もう出禁になっていいや)
飛鳥は困惑した。
男子生徒(な、何であいつが関係者席にいるんだよ!! さてはパスパレ本人に泣きついたな!!? 卑怯な奴め~~~!!!!!)
飛鳥(違います)
そんなこんなで収録が始まった。
MC「アイドル! パーソナルクイズ!!」
と、クイズ対決が行われた。そしてアイドルたちは水着に着替えていた。当然ながら水着を見ている男性客の顔つきはもうそれは凄かった。
男子生徒(ぶっひょー。なんていいケツだ)
当然ながら鼻の下を伸ばしていたが、飛鳥は
飛鳥(こういう時、見つめていいのかどうか迷うよね…って、氷川先輩! こっち向かない!)
日菜が手を振ってきたので、飛鳥も律儀に手を振りかえした。
MC「メンバーがどれだけの事を知っているか…あの鉄棒にぶら下がりながら答えて貰います!」
「ええええ―――――っ!!?」
MCの言葉に彩たちは驚きを隠せなかった。そしてパスパレと他のグループは行ったが…結果は惨敗だった。
飛鳥(…手を離すなよ)
喋ってる時に思わず手を放してしまったメンバーが多く、飛鳥は片手で顔を覆った。
MC「…さて! ここで嬉しいチャンスがございます!」
「え?」
MC「アイドルたちを助けろ! レスキュープリンス!!」
「!!?」
MC「これはアイドル達に代わって鉄棒にぶら下がりながらクイズに答えてもらうコーナーです! さあ! どなたか挑戦者はいらっしゃいますか!?」
飛鳥(へー…観客参加型か…。今どき珍しいな…)
と、飛鳥は他人事のように見ていた。
日菜「はい!!」
日菜が手を上げた。
「はい、氷川日菜さん!」
日菜「あたし達パスパレは、関係者席にいるあの子にやって貰いたいです!!」
日菜が飛鳥の方を指さした。
飛鳥「ええ――――――――――――――――っ!!!?」
日菜のマイペースぶりに飛鳥は思わず絶叫した。
飛鳥(って、よくよく考えたら氷川先輩の独断だけで決めれるはずがなかったわ…。危ない危ない…)
MC「分かりました! それではこちらにお越しください!!」
飛鳥「ええええええええええええええええええええ!!!?」
まさかのOKが出て飛鳥はまた絶叫した。当然見ていたパスパレファンは大ブーイング。
飛鳥(どうすんだよこれェ!!)
と、飛鳥が日菜を見つめると、
日菜「みんなー。応援してくれたらるんってするから応援して?」
「はい!!」
飛鳥(男って哀しい生き物だわ…)
日菜のおねだりに飛鳥は遠い顔をした。
麻弥「い、一丈字さん…」
彩「が、がんばって…!!」
千聖「……」
千聖は思わず額に手を当てた。
つづく