全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第163話「人に頼る事」

 

 

 それはある夜の事だった。

 

リサ「残業遅くなっちゃったー」

 リサが一人で帰っていた時の事だった。

 

リサ「……」

 リサはチラチラ後ろを見ていた。そう、誰かにつけられていたのだった。

 

リサ(もしかしてストーカー…。どうしよう。この辺暗いから…)

 恐怖で縮み上がりそうだったリサは意を決してその場を走り去った。すると舌打ちする音が聞こえ、そのまま追いかけてきた。

 

リサ(や、やだ!! 誰か助けて!!!)

 と、リサがそう思いながら走ったその時、前方から飛鳥が歩いてきた。

 

リサ「!!?」

飛鳥「!!?」

 

 リサが突然走ってきたので、飛鳥は驚いた様子だった。そしてリサも飛鳥に気づいて、そのまま飛鳥に近づいた。そしてリサを狙っていたであろうストーカーはその場を後にした。

 

飛鳥「どうされたんですか?」

リサ「…怖い」

飛鳥「え?」

 リサは飛鳥にしがみついていた。

 

飛鳥「もしかして…」

リサ「うん…」

 消えてしまいそうなか細い声でリサが返事をすると、飛鳥は何も言わずにリサを家まで送り届ける事にした。

 

 そして…

 

「あら? リサと一丈字くんじゃない」

飛鳥「湊先輩」

 家の前まで来ると、友希那も偶然家に帰ろうとしていた。

 

友希那「リサに至っては震えてるわね。どうしたの?」

飛鳥「それが…」

 

 飛鳥が事情を説明した。

 

友希那「…卑劣極まりないわね」

飛鳥「恐らくアルバイトで一人になるのを狙われたんでしょう」

リサ「……」

 リサは涙目だった。

 

友希那「分かったわ。ありがとうね」

飛鳥「いえ、今後は極力一人で帰らないようにしてください。もし可能であればおうちの方に迎えに来ていただくなりしてください」

リサ「わ、分かった…。ゴメンね飛鳥くん。迷惑かけて…」

飛鳥「いえ、私は大丈夫です…」

 

 そう、こういう仕事をする為に広島から来ている為、飛鳥にとってはどうって事はないのである。

 

飛鳥(かといって、何も起こらないままが一番良かったんだけどね…)

 

 飛鳥は遠い顔をした。

 

友希那「リサ。明日からは私と一緒に登校しましょう。少なくともリスクが減る筈だわ」

リサ「う、うん。ありがとう…」

飛鳥「それからお手数ですが、白金先輩達にも知らせて頂けませんか?」

友希那「分かったわ」

飛鳥「ありがとうございます。学園の先生達にも知らせた方が良いかと思われます」

友希那「そうね。それは3人で行きましょう。1人よりも3人で行った方が信ぴょう性があるわ」

飛鳥「了解しました」

リサ「……!」

 リサが飛鳥と友希那のやり取りを見て、ジーンと感動していた。

 

飛鳥「そういう訳ですので今井先輩。まだ油断はできませんが私達も出来る限りの事はします。ですので、あまり心配し過ぎないでください」

リサ「ううん。ごめんね、こんな事に巻き込んで…」

友希那「いいのよ。言い方古いかもしれないけど、男だもの。ねえ?」

飛鳥「ええ。もしも今井先輩の身に何かあってはいけませんし、そこは思い切って頼って頂いても問題ございません」

リサ「!」

飛鳥「それでは、私はここで失礼します」

友希那「ええ。ありがとうね」

飛鳥「おうちの方にも事情を伝えて、細心の注意を払ってもらうようにしてください。湊先輩の家も同様に」

友希那「…ええ」

飛鳥「また何かあれば連絡ください。その時は一緒に何か考えましょう。それでは」

 そう言って飛鳥は去っていった。

 

リサ「……」

友希那「…やけに慣れてる感じがするわね」

リサ「友希那もね…」

 

 その後、友希那とリサはそれぞれの両親に事情を伝えて、父親に見張りをして貰いながら眠りについた。

 

 そして飛鳥はすぐさま依頼主であるこころの黒服に連絡を入れ、ストーカーを捕まえて貰うように依頼した。

 

飛鳥「はい…はい…それでは宜しくお願いします…」

 

*****************

 

 翌日

 

「何!!? ストーカーだと!!?」

 友希那、飛鳥、リサの3人が職員室で教師と相談をしていた。

 

友希那「対策を打ってほしいのですが」

飛鳥・リサ「……」

「うーむ…」

 教師は渋った表情をしていた。あからさまに見回りをするのはめんどくさいという感じだった。

 

飛鳥「難しければ弦巻財団に依頼します」

「わ、分かった!! 職員会議で話をしてみる!! だから弦巻財団に連絡はしないでくれ!!」

飛鳥「お願いしますね」

 

 教師の慌てた様子に飛鳥は冷徹な声色で言い放った。弦巻財団はこの学校に資金を援助して貰ってる立場なので、もし依頼なんてされようものなら、こころをないがしろにしてるとみなされて…それはもう恐ろしい事になる。

 

 職員室を出た3人。

 

友希那「全く困ったものね。自分たちが行かなくても他に手はあるだろうに」

飛鳥「そうですね…」

リサ「……」

 

 と、飛鳥と友希那が愚痴をこぼしていた。

 

リサ「あ、あの二人とも…」

飛鳥・友希那「?」

 飛鳥と友希那がリサを見た。

 

リサ「本当にありがとう! 2人がいてくれて助かった!」

 と、頭を下げた。

 

飛鳥「構いませんよ」

友希那「そうよ。Roseliaでいる時はそれなりに厳しい態度を取らなきゃいけないけど、こういう時は助け合うものでしょう」

リサ「ゆ、友希那ぁ~」

 リサが泣きじゃくって友希那に抱き着いた。

 

友希那「人前よ。恥ずかしいからやめて頂戴/////」

リサ「だってぇ~」

 

 そんな様子を飛鳥はほっこりした様子で見ていた。

 

「おーい!!!」

「?」

 

 紗夜、燐子、あこがやってきた。

 

友希那「紗夜、燐子にあこ」

あこ「聞きましたよ! リサ姉ストーカーに遭ってるって…」

友希那「ええ。それで学校に協力して貰うように言ったわ」

燐子「…どうして一丈字くんが?」

友希那「ストーカーに追いかけられてる所を助けてくれたのよ」

飛鳥「助けたっていうより、偶然出会って…」

友希那「それでリサが助かってるなら助けたのと同じよ」

紗夜「そ、そうだったんですか…」

飛鳥「学校には学校周辺などをパトロールをして貰うように依頼して、あと弦巻財団に一目が付きにくい場所をこの地域と、その周辺の地域を見てもらうようにお願いしました」

リサ「!!?」

友希那「あなた、そこまでしてくれたの…?」

飛鳥「…弦巻さんが無茶な事を言う前に、手を打ちました」

 飛鳥が腕を組んで困惑した表情を浮かべた。

 

紗夜「それもそうだけど、弦巻財団の人たちをそういう風に動かせるようになったのも驚きなのだけど…」

飛鳥「もう何かあったら言えって言われてるもんで…」

 リサが飛鳥を見つめた。

 

リサ「あの、飛鳥くん…」

飛鳥「あ、今井先輩以外に被害を出さない為ですので…」

リサ「ううん。ここまでやってくれてありがとう。本当に感謝してる」

 リサが頭を下げた。

 

リサ「だけど…どうしてここまでやってくれたの?」

飛鳥「中学の時も通り魔がいて、皆苦労させられたんですよ」

「!!?」

飛鳥「部活をやってた人は部活動が禁止になって、とある部活は試合とか大会を棄権せざるを得なくなってしまったんです。そういう人達を見てきたので、もう出来る事はやっておこうかなって。丁度弦巻財団の人たちも協力してくれるとの事なので、力を貸していただきました」

 飛鳥が苦笑いした。

 

飛鳥「今井先輩。あまり気に病まないでください」

リサ「!」

 飛鳥が真剣な表情をした。

飛鳥「これ以上被害を拡大しない為です。ここにいる皆さんの為にもご厚意に甘えてください」

リサ「……」

飛鳥「それでは、失礼します」

 そう言って飛鳥は去っていった。

 

リサ「飛鳥くん…」

 

 そして飛鳥がRoseliaのいない所まで歩くと…。

 

「いや~。カッコよかったよ~?」

飛鳥「……」

 飛鳥が横を向くと、モカがいた。

 

飛鳥「…見てたんだ」

モカ「まあね~」

 モカはのほほんとしていた。

モカ「アルバイトの事はモカちゃんに任せといて~。一緒に帰ってあげるから~」

飛鳥「ありがとう」

 

 そして、名前は伏せられたもののリサがストーカーにあった事が学校中に伝えられ、一人で下校しないようにと催促された。だが、Roseliaが話をしていた様子からすぐにリサがストーカーされていた事が分かった。

 

「リサちゃんがストーカーされた!!」

「許せねぇ!!」

「リサちゃん。今日は一緒に帰ろう!」

「いや、オレと!!」

「オレオレ!!」

 

 と、2年2組では男子生徒達がリサを守ろうと必死だったが、どう考えても下心が丸出しだった。仲は悪くはないのだが、リサが結構分け隔てない性格である為、自分にもチャンスがあるんじゃないかと勘違いしていたのだ。

 

友希那「リサは今日私と帰るから」

「そ、それじゃあオレ達も一緒に…」

友希那「結構よ」

 友希那がきつい視線をぶつけながらけん制した。

 

「そんな事言わずに…」

「非常事態だからさぁ…」

 と、男子生徒達がしつこく言い寄っていた。

リサ「そ、それだったらお言葉に甘えてみようかな」

 リサは事を収める為にそう言うと、男子達は喜んだ。

 

飛鳥「……」

 飛鳥は存在感を消して陰から様子を見ると、何もなかったかのように去っていった。

 

 そして、リサと友希那は男子達と一緒に下校する事になったのだが…。

 

「おい、お前もうちょっと詰めろよ!」

「てめーがどけよ!!」

 と、あからさまに自分とリサに近づこうとしてもめていた。これには友希那も眉間にしわを寄せていた。リサはそんな友希那に対して申し訳なさそうにしていた。

 

 大人数で帰っている為、ストーカーに襲われる心配はないが、後ろで男子がずっと騒いでいる為、恥ずかしい。

 

 そして飛鳥はというと…。

 

飛鳥「連絡が来るのを待ちましょう」

モカ「そうだねー…」

こころ「早く捕まるといいわね」

 

 モカやこころと一緒に犯人が捕まるのをカフェテリアで待っていた。その時、飛鳥の携帯が鳴った。

 

飛鳥「もしもし…はい、はい、そうですか! はい…はい…分かりました! 本当にありがとうございました!」

 飛鳥が電話を切った。

 

モカ「どうしたの~?」

飛鳥「犯人が捕まったって」

モカ「はっや」

飛鳥「となりの区域で捕まったみたいで、ターゲットも変えていたみたいだ」

モカ「顔も見られたかもしれないって、リサさんは断念したんだろうねぇ~」

飛鳥「そうだな。だけど、暫くの間はちょっとパトロールしてもらうか…」

 

 そしてまた翌日

 

リサ「ほんっとーにありがとね飛鳥くん! 色々してくれて!」

飛鳥「いえいえ…」

 リサが頭を下げた。

 

飛鳥「犯人は捕まりましたが、油断はしないでください。犯人が捕まったとはいえ、他にもいる可能性はございます」

友希那「分かったわ」

「そうそう!!」

「?」

 男子生徒達が現れた。

 

「雑用ご苦労さん!!」

「引き続き、リサちゃん達はオレ達と一緒に帰る!!」

「だからお前はひっこめ!!」

「残念だったな!!」

 

 そう言うが、飛鳥はふっと笑った。

 

飛鳥「これだけいれば、ストーカーも襲い掛かってこれませんね」

友希那「そうね。でも鬱陶しいわ」

「それは友希那ちゃん達の事を想って!!」

友希那「…そう。ならもう十分よ。当面は私のお父さんが迎えに来てくれる事になったから」

「!!?」

飛鳥「……」

 

 友希那も友希那で男子達からリサを守る為に、手を打っていたのだ…。

 

友希那「行きましょリサ。練習しにライブハウスに行くわよ」

リサ「え、えっと…皆もありがとねー」

友希那「あなたもちょっと来なさい」

飛鳥「え、あ、ちょっと…」

 

 と、友希那は飛鳥を強制的に連れて行くと、男子生徒達は罪の擦り付け合いを始めた。

 

 

おしまい

 

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