全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

74 / 492
誤字報告ありがとうございました。


第168話「誰がために(前編)」

 

 

 ある日の事だった。

 

リサ「飛鳥くん!! 本当にありがと~!!!」

飛鳥「……」

 

 飛鳥はリサから泣きながらお礼を言われていた。両手を握られ、上下に激しく振られて飛鳥は困惑していた。

 

というのも、飛鳥はリサをつけ狙っていたストーカーを撃退したのだった。しかもその正体は金髪のイケメンだったが、あからさまにチャラ男だった。警察に身柄を取り押さえられた時も大暴れしていたが、そのすきに飛鳥はリサを連れて避難させたのだ。

 

飛鳥「何とかストーカーの身柄を警察に引き渡すことは出来ましたが、油断はしないでください」

リサ「うん。ありがとう…」

飛鳥「明日からは一人で登下校はしないでください」

リサ「分かった。ちょっと友希那やRoseliaのメンバーにも連絡しとく」

飛鳥「それでは失礼します」

 

 こうして、騒動は収まったかに見えたが、問題はここからだった。

 

**********************

 

 後日、バンドリ学園内にて…。

 

麻弥「えっ!!? 一丈字さんが!?」

日菜「リサちーをつけてたストーカーをやっつけたの!?」

薫「儚い…」

リサ「そうなの…」

 リサが苦笑いしながら、2組の仲間と話をしていた。男子達も耳をダンボにして聞いている。

 

リサ「今度何かお礼をしないと…」

友希那「気にしなくていいわよ」

リサ「そういう訳にはいかないでしょ!」

 リサが友希那を睨んだ。

友希那「女子から、それもRoseliaの今井リサからお礼なんてされたら、学校に居づらくなるわよ。あの子、同級生と上手くいってなかったって言ってたし」

リサ「……」

 リサたちが反応した。

 

友希那「そしてこんな事も言ってたわね。そういう嫌な思いをしてきたから、『ありがとう』っていう言葉がとても心に響くんだって」

 友希那がリサを見た。

 

友希那「リサ。あなたの『ありがとう』っていう言葉が、あの子への一番のお礼よ」

リサ「…友希那」

友希那「今はそっとしてあげなさい。それだけ私達も有名になった証拠よ」

 友希那の言葉にリサが俯いた。

リサ「分かった。そうする…」

 そして教室の廊下で飛鳥が聞いており、その場を後にした。ちなみに存在感を消していた為、誰にも気づかれる事はなかった。

 

********************

 

 その日の放課後

 

飛鳥「……」

 下校しようとした飛鳥だったが、目を疑う光景を目の当たりにしていた。

 

「いや、そこまでしてくれなくていいよ…」

「いや! オレ達が家まで送る!!」

 と、バンドガールズは男子生徒達にガードされていたが、正直暑苦しい。

 

飛鳥(大変だな…)

 飛鳥は一言だと思いながら去っていこうとしたが、燐子も男子に囲まれて震えていた。

 

飛鳥(あっ…)

燐子『た、たすけて…』

 燐子は涙目で助けを求めていた。

 

飛鳥(こりゃダメだな。でも声をかけるとアレだし…えいっ)

 飛鳥が超能力で男子生徒達を燐子から遠ざけた。

 

燐子「?」

飛鳥(ま、これで大丈夫かな…) 

 飛鳥が笑みを浮かべると、そのままスーッと存在感を消した。

 

あこ「あ、りんりーん!!」

 と、あこが中等部の校舎からやってきて、そのまま合流した。

 

飛鳥「帰ろう」

 そう言って飛鳥が帰ろうとしたその時だった。

 

「あ、君達Roseliaの白金燐子ちゃんと宇田川あこちゃんだよね?」

「!!?」

 あからさまに何か女性関係にだらしなさそうなDQN5人組がやってきた。

 

燐子「……」

あこ「そ、そうだけど何…?」

「リサちゃんがストーカーに遭ったらしいじゃん」

「女の子二人だけで下校するのは危ないよー?」

「オレらが送ってってあげるよ」

 燐子はあからさまにおびえていた。

 

飛鳥(…まさかとは思うけど)

 と、飛鳥がDQN達の脳内を覗き込んだ。

 

「うひょー。上玉2人ゲット♥」

「前々から白金、いい身体してると思ってたんだよなぁ…」

「もう一人はまあ…ちんちくりんだけど可愛いからいっか☆」

飛鳥(あ、ダメだ)

 飛鳥が再び超能力でDQNを遠ざけようとすると、

 

「くそう!! なんでオレ達は燐子ちゃんから離れてたんだ!?」

「今からでも遅くない!!」

 と、男子生徒達が燐子とあこに近づこうとした。

飛鳥(あ、そうだ)

 飛鳥が超能力を一旦解くと、DQN達が男子生徒達に気づいた。

 

「あ? 何お前」

「え、えっとぉ…」

 そして飛鳥が超能力を使って2グループを遠ざけさせた。DQN達が男子生徒達にいちゃもんをつけさせた。あこと燐子は何が起きているか分からない状態だった。

 

飛鳥(これ以上は怪しまれる)

 飛鳥が燐子とあこに近づいた。

 

飛鳥「どうされました?」

燐子「……」

あこ「あ、あのね! さっき怖い男の人たちがあことりんりんを…」

 その時、燐子が飛鳥に抱き着いた。

 

飛鳥「!!?」

燐子「こわかった…うぇええええええん…」

 燐子はただでさえ人混みが苦手て、ましてや自分よりも体が大きくて顔が怖い男達に囲まれたら泣くのも無理はなかった。

 

飛鳥(だからって私に泣きつかなくても…まあ、仕方ないか。宇田川さんも年下だからね…)

 飛鳥が困惑していた。当然他の生徒達も見ていた。

 

「燐子!! あこ!!」

 友希那、紗夜、リサが男子生徒達を振り払ってやってきたが、男子生徒達もついてきた。

 

リサ「どうしたの!?」

飛鳥「えっと…白金さんを護衛しようと男子生徒の皆さんが取り囲んでいたんですよ。で、白金さんは声が出なくなったみたいで…」

友希那「燐子が人混み苦手なの分かってんのかしら…」

 飛鳥の報告に友希那が青筋を立てた。

飛鳥「で、一回どこかに行って、宇田川さんが合流したのですが、今度は別のグループが来てまた取り囲んだんです」

紗夜「…それで?」

飛鳥「で、一回声をかけたグループが戻ってきたんですけど、後から来たグループがメンチを切ってそのままどっか行ったんですけど…あれ、絶対如何わしい事するつもりでしたね」

友希那「…あなたは止めに入ったの?」

 友希那の問いに飛鳥はある事を考えた。

 

飛鳥「すみません。見てただけでした」

 と、言い放った。

 

友希那「そう…」

飛鳥「はい」

 飛鳥がそう言うと、

 

「何やってんだよ!!」

「すぐに助けに行けや!!」

「やっぱりストーカーを退治したってのは嘘なんじゃないのか?」

「オラ! 燐子ちゃんとあこちゃんはオレ達が送るから、お前はさっさと帰れ役立たず!」

 と、男子生徒達は飛鳥を中傷した。

 

飛鳥「…失礼します。宇田川さん、白金先輩。申し訳ありませんでした」

 そう言って飛鳥は去っていった。

 

あこ「センパイ…」

燐子「……!」

 

 

つづく

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。