全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第170話「オレは一人じゃない!」

 

沙綾「それはそうと今までどこ行ってたの?」

飛鳥「河川敷にいました」

リサ「そうだろうと思って探したけどいなかったわよ!?」

飛鳥「草むらがあったでしょう。そこにいました」

リサ「…道理で見つからなかったわけだ」

 リサが視線を逸らした。

友希那「あなたが殴られたのは草むらに入る前? 後?」

飛鳥「後です。帰ろうとした時に殴られました」

 と、飛鳥はそう言い放った。

 

飛鳥「皆さん。ご迷惑をおかけして、本当にすみませんでした」

「……」

 飛鳥がそう言うと、香澄達は何とも言えない顔をした。

 

友希那「それで?」

飛鳥「……」

 飛鳥は友希那を見つめた。

友希那「これで終わると思ってるの?」

飛鳥「いいえ。これからです」

友希那「……」

千聖「そうね。また私達と関わるたびに男子達が一丈字くんに襲い掛かる可能性があるわ」

「!!?」

飛鳥(まあ、それは返り討ちに出来るんだけど…)

 飛鳥が困惑した。

 

香澄「ちょっと待ってよ…」

「!」

 香澄の声が震えていた。

 

香澄「どうして…どうして飛鳥くんがこんな目に遭わないといけないの…?」

飛鳥「私が嫌われているからです」

 飛鳥があっけらかんと言い放った。

香澄「だって飛鳥くんは燐子先輩やあこちゃんを助けたんでしょ!? 此間だってリサさんを助けたのに何で!!」

友希那「そんなの簡単よ。助ければ助ける程私達の興味は一丈字くんに向く。それが面白くないのよ」

紗夜「…なんて愚かな事を」

 友希那と紗夜の言葉に香澄が俯くと、あこが俯いて震えた。

巴「…あこ?」

 するとあこが泣き出した。

 

あこ「あこ、くやしい…!! センパイがリサ姉やあこ達の為にこんなに頑張ってくれたのになんで…!!」

 飛鳥がある事に気づいた。

 

飛鳥「そういえば、クラスの人たちと一緒に帰ったんじゃ…」

友希那「ああ。あなたの悪口ばっかり言ってたから、頭にきて置いてきたわ」

紗夜「最低極まり無いですね」

リサ「アタシも今回はキレちゃった…」

 友希那達の回答に飛鳥は困惑した。

 

香澄「そうだよ!! 飛鳥くん何も悪くないじゃん!!」

 と、香澄が叫んだ。

飛鳥「戸山さん。お気持ちは有り難いですが、私が殴られた事はもう過ぎた話です」

友希那「過ぎた話?」

 友希那が青筋を立てた。

飛鳥「問題はここからです。ただでさえ学校の周辺にはストーカーがまだ潜んでいる可能性もあります。その辺について真剣に話し合った方が…」

 飛鳥が友希那を見た。

友希那「…それもそうね」

 すると、

 

香澄「私達がバンドをする度に飛鳥くんが苦しい思いをしてたんだね…」

飛鳥「ちょっと違いますね」

有咲「って! なんで軽い感じで言ってんだよ! こっちは真剣にお前の事で悩んでるのに!!」

飛鳥「そんな事ないよって言っても、聞いて貰えそうになかったので、意識して欲しかったんですよ」

 飛鳥が香澄を見た。

香澄「何が違うの!? だって飛鳥くんは…」

飛鳥「バンドは続けてください。寧ろ、続けてくれないとそれこそ一番苦しい思いをします」

香澄「!」

 飛鳥が真剣な表情をした。

香澄「でも…今のままでバンドなんかやったって全然楽しくない…」

飛鳥「まあ、そうですよね」

 飛鳥が普通に返すと、友希那が口を開いた。

友希那「私に考えがあるわ。皆、協力して頂戴」

「?」

 すると友希那はとんでもない事を言いだした。

 

飛鳥「えっ…」

友希那「皆もどうかしら?」

 友希那が他のバンドのメンバーを見た。

 

香澄「……」

沙綾「うちも大丈夫です。ちょっと香澄を休ませた方が良いので…」

有咲「……」

 

蘭「…仕方ないですね。巴がブチ切れてるので」

巴「蘭。悪いがアタシも許せない。あこを泣かして、一丈字をこんな目に遭わせといて、ライブなんかできるか!」

 

彩「私達も賛成だよ」

イヴ「ウチイリです!」

麻弥「よ、良く知ってましたね…」

千聖「ええ。アイドルと言っても人間だもの」

 

あこ「あこ達も賛成!!」

紗夜「そうですね。今の状態でバンドをやる意味がありませんから」

燐子「……」

 

薫「子猫ちゃん達には私から説明しておこう」

美咲「お願いします」

 

 なんと、5バンドが一斉に学内ライブをストライキするという内容だった。これに対して飛鳥が驚いていた。

 

飛鳥「ここまで…」

友希那「ライブなんていつでも出来るわ。ましてやどこでだって出来る。楽器さえあれば。でもね」

 友希那が飛鳥を見つめた。

 

友希那「少なくともRoseliaは頂点を目指すの。だから、メンバーを助けてくれたあなたがこのまま傷ついているのを黙ってみるわけにはいかないの」

飛鳥「……」

彩「そうだよ。ここで飛鳥くんを助けなきゃ、私達もまたエアバンドしてた頃に逆戻り。今度こそ終わりだよ」

蘭「あたし達だってそう。あんたには何度も助けられた。今ここで返さないと。でも、今回だけじゃ足りないよ」

香澄「飛鳥くん」

 香澄が涙をこらえて飛鳥を見つめた。

香澄「私だって何度も飛鳥くんに助けられた。おたえも、りみりんも、さーやも、有咲も皆! だから少しくらいバンドが出来なくなっても平気! 皆、飛鳥くんの事が大好きだもん!」

飛鳥「……!!」

 飛鳥が驚いた。するとこころが前に出た。

 

こころ「飛鳥」

飛鳥「!」

こころ「あなた…こんなにも素敵なお友達が沢山できたじゃないの」

飛鳥「友達…」

こころ「年齢も性別も関係ないわ。思いやりの心があれば誰でも友だちになれるのよ。だからね飛鳥」

 するとこころはこう言った。

 

こころ「あなたは一人じゃないわ」

飛鳥「……!!」

 

 すると飛鳥の脳裏に、中学時代の友達が思い浮かんだ。色々喧嘩もしたけどいつも一緒にいてくれたかけがえのない友達だった。

 

 そして飛鳥は香澄達を見渡した。

 

飛鳥「皆さん…」

 飛鳥が口角を上げた。

 

飛鳥「ありがとうございます」

 

***************************

 

 その後、香澄達は学校で学内ライブを自粛することを発表し、本当に学内ライブを自粛した。これに対して生徒達は騒然としていて、犯人探しが行われた。

 

 目撃者も沢山いた為、犯人もすぐに見つかり、呼び出される事に。

 

DQN「オレ達は手を出してねぇだろ!! こいつらが!!」

男子生徒「ひ、必要以上に近づいたんだ! 何が悪いんだよ!!」

 

 と、この期に及んで罪の擦り付け合いをしていた。

 

巴「どっちともうちの妹に手を出そうとしてたんだろう?」

「!」

巴「おまけに一丈字をあんな目に遭わせて…覚悟は出来てんだろうなぁ!!?」

つぐみ「と、巴ちゃん落ち着いて!!」

ひまり「顔も怖いよ!!!」

 

 巴が殴りかかろうとしているのをひまりとつぐみで取り押さえた。

 

男子生徒「くそう!! チクりやがって!!」

DQN「どうしてあんな奴をかばうんだよ!! アイドルやバンドガールがこんなことしていいと思ってんのかよ!!」

友希那「あら、それだったらなんで私達と一緒に帰ろうとしてたのかしら?」

DQN「それは関係ねぇだろ!! お前らは黙ってオレ達の言う事を聞いてればいいんだよ!」

友希那「そう。ちっとも反省してないようね」

 友希那が豚を見るような視線で言い放った。

 

友希那「もう話すことは何もないわ。ライブへの出入りも禁止にするし、私達は本当に自粛するわ。精々ファンから刺されないように気をつけなさい? 行きましょ」

 

 と、バンドガールズが去っていった。DQNは最後まで喚いていたが、結果は覆る事はなく、燐子とあこに迫ったこと、飛鳥にけがを負わせたことに対する制裁を受ける事に。

 

 そして案の定ライブの見学が決まっていた生徒達を筆頭に、学内ライブの再開を希望する声が上がった。

 

紗夜「…来月あたりにしましょう」

友希那「そうね」

リサ「その間はどうしよっか」

友希那「そうね…」

 

 こうなりました。

 

飛鳥「……」

友希那「皆に心配かけた分、沢山付き合って貰うわよ」

飛鳥「それは構いませんが…遊園地なんて意外ですね」

友希那「私が選んだわけじゃないわよ」

 

 飛鳥とバンドガールズが1か月も一緒に遊んでいたのはまた別の話…。

 

 

おしまい

 

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