全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第186話「ヒーローだって悩んでる Ver.A」

 

 

 それはある日の事だった…。

 

「遅くなっちゃった…」

 

 蘭、ひまり、巴、つぐみの4人が夜道を歩いていた。モカはアルバイトの為不在だった。4人もいるから安心だと思われたが、突如電灯が全部消えた。

 

「!!?」

 

 突然全部切れた事で、4人は不安に駆られた。

 

ひまり「な、なにっ!!? 停電!!?」

つぐみ「いや、周りは電気がついてるみたいから違うけど…」

巴「何で突然全部切れるんだよ!!」

蘭「こわい…」

 と、蘭が震えだした。

 

ひまり「うう…こんな時モカがいてくれたら少しは安心なのに…」

つぐみ「う、うん…」

 

 ひまりとつぐみがそう言うと、4人が身を寄せ合ったその時、後ろから誰かが追いかけてきた。

 

巴「う、後ろから誰かが追いかけてくるぞ!!」

蘭「い、いやあああああああああああああああ!!!!」

ひまり「いやああああああああああああ!!!」

つぐみ「ま、待ってぇええええええええええ!!!」

 

 巴の一言に驚いた蘭とひまりが真っ先に逃げて、巴とつぐみが追いかけていった。

 

「待ってよ蘭ちゃん!!!」

「僕だよ!! ひまりちゃん!!」

「巴ちゃんは僕が守る!!」

「つぐみちゃあああああああああん!!!」

 

 …声をかけた犯人はバンドリ学園の男子生徒達だったのだが、下心が丸出しな上に走りながら叫んでいたので、声が変な感じになって、あからさまに不審者みたいになっていたのだった。しかも運悪く電灯が全部切れるという縁起の悪い事態も起きていたので、蘭達は完全に不審者だと思い、逃走していた。

 

蘭・ひまり・巴・つぐみ「いやぁああああああああああああああ!!!!」

「待ってぇええええええええええええええええ!!!」

 

 と、蘭達の悲鳴は町中に響き渡った。

 

「…あの声は」

 

 飛鳥が近くを通っており、蘭達の悲鳴に気づくと超能力で蘭達の様子を見た。

 

飛鳥「何があったのかわからないけど、パニック状態になってるな…」

 と、飛鳥は現場まで近づいて、超能力で蘭達を落ち着かせた。

 

蘭「…ハァ、ハァ。あれ?」

ひまり「な、何だろう…急に心が落ち着いてきた…」

巴「ああ…」

つぐみ「はぁ…はぁ…」

 

 そして追いかけてきた男子生徒達にも超能力をかけて落ち着かせ、両チームが向き合った。

 

「あっ…」

飛鳥「……」

 これで少しは仲よくしてくれるかと飛鳥は確信していたが…。

 

ひまり「ゲッ!!」

飛鳥「?」

巴「お、お前ら!! こんな所までつけまわしてくるなんて!!」

蘭「最悪…」

 

 飛鳥は一体何のことかわからず、超能力で覗いたが…。

 

 …男子生徒達は日頃からAfterglowに対していやらしい目で見ていたのだ(特にひまりの胸)。バイト先にも押しかけては体をジロジロ見ていたのだった。

 

飛鳥「……」

 飛鳥は額を手で抑えた。せっかくチャンスを作ってやろうと思ったが、自分が何もしなくても勝手に自滅していたので呆れて言葉が出なかった。

 

「違う!!」

「僕たちは女子だけで帰ってる君達が心配だったんだ!」

「電灯が全部消えて震えていたじゃないか!」

「さあ、僕たちと一緒に帰ろう…」

 

 と、男子生徒達が説得したので、飛鳥が頭の中をのぞいたが…。

 

 全員いやらしいことを考えていた。普通にAfterglowからお礼を言われたりお世辞を言われるのを想像してるだけならまだ良かったが、どさくさに紛れて体を触ろうとしたり、ましてや性行為を想像している輩もいた。

 

飛鳥(一人くらい本気で心配してる奴いねーのかよ!!!)

 飛鳥は心の底からあきれ果てた。こんな形でヒーローになってもちっとも嬉しくないし、ましてや広島に帰れるのはいつになるんだと飛鳥はそう思っていた。

 

 ずっと高見の見物でいたかったが、ずっと隠れているとストーカーと間違われる上に、蘭達がずっと警戒して話が進まない為、仕方なしに顔を出す事にした。

 

飛鳥「あのー」

「?」

飛鳥「騒がれてましたけど、どうされました?」

 と、飛鳥が顔を出すと男子生徒達が嫌そうな顔をし、4人はぱあっと表情を輝かせた。

 

「ああ!? てめーには関係ねぇよ!!」

「あっち行け!!」

「邪魔なんだよ!!」

飛鳥「そうですか」

ひまり「いや、そうですかじゃないよ!!」

蘭「アタシ達、こいつらにつけまわされたんだけど」

「誤解だ!!」

飛鳥「……」

 飛鳥が考える。

 

飛鳥「美竹さん達が男子生徒達に追いかけられてる所は目撃しましたが、ちょっとそれだけで判断は…」

蘭「アタシ達の言う事、信用できないの?」

ひまり「ちょ、ちょっと蘭!」

飛鳥「まあ、少なくともこの方たちは前にも絡まれたことがあったので、恐らく美竹さん達の言っている方に分がありますね」

「てめー!! 適当な事言ってんじゃねぇよ!!」

「殺すぞ!!」

飛鳥「殺すなんて言葉、今ここで言わない方が良いですよ」

「は?」

 飛鳥が腕を組んだ。

 

飛鳥「最近この辺で不審者が出てるって話ですから」

「!!?」

 

 飛鳥の言葉に皆が驚いた。

 

飛鳥「まあ、そちらの方々は動機はどうであれ、本当に美竹さん達の事を心配してたんですよね?」

「あ、ああ!! もちろんだ!!」

「てめーなんかに言われなくても!!」

「ていうか大体てめぇ、言い方が偉そうなんだよ!!」

飛鳥「乱暴な言葉づかいも大概ですよ。それよりも早くここから移動しましょ?」

「……」

 

 そう言って飛鳥達が移動しようとしたその時、突如ライトが浴びせられた。

 

飛鳥「!!」

 

「いました!!」

蘭「え!?」

 すると警察官達が飛鳥に近づいた。

 

「君だね?」

飛鳥「……」

 

 警察官の言葉に蘭達が驚いた。

 

「ま、まさか不審者って一丈字の事だったのか!!」

「なんだかんだ言って、蘭ちゃん達を騙して強姦するつもりだったんだ!!」

「失せろ!! 二度とその面見せるな!!」

 と、男子生徒達が騒いで、蘭達は信じられなさそうにしていた。

 

警察官「…何を言ってるんだね? 君達は」

「え?」

 警察官は飛鳥を見た。

 

警察官「一丈字飛鳥くん。君だね? 最近ここをうろついていた殺人犯を捕まえてくれたのは」

飛鳥「……」

「えええええええええええええええ!!!?」

 皆が驚いた。

 

飛鳥「事情聴取は全て済ませた筈ですが…」

警察官「済まなかったね。不審者を捕まえたとはいえ、一人で帰した事が問題だったんだ。さあ、私と一緒に来なさい」

飛鳥「あ、その前にお願いしたい事が一つあるんですよ」

「何だね?」

飛鳥「こちらにいる方々を、自宅まで送って貰えませんかね。特にあちらの女の子4人は別件ですが、怖い目に遭ったらしくて…」

「そうだったのか。分かった。パトカーを手配しよう」

飛鳥「出来れば女の子達は、女性警官の方でお願いします。男性だと性別が違うという事でちょっと…」

「…そこまで気づかいが出来るあたり、流石だ」

 

 と、飛鳥の計らいによって、蘭達(と、男子生徒達も)は自宅までパトカーで送られる事になった。

 

ひまり「あの、一丈字くん。本当にありがとね!?」

飛鳥「いえいえ。後の事は心配しないでゆっくりお休みください」

巴「ていうかお前、殺人犯を捕まえたって…」

飛鳥「ああ。私に襲い掛かろうとしていたのを返り討ちにしただけですよ。包丁を持っていただけで大したことはございませんでした」

蘭「いや、十分大ごとなんだけど!!?」

つぐみ「本当に大丈夫なの!!?」

飛鳥「大丈夫ですよ。それではまた学校で」

 

 そう言って飛鳥はつぐみ達と男子生徒達を見送ると、警察官に家まで送られた。

 

*******************

 

 その後、不審者が捕まったことは学校中で公表され、生徒達は安堵していた(この時、集会では飛鳥が捕まえた事は伏せられていたが、口コミで全部バレた)。

 

 暫くは集団で下校し、人気のない道を通らないようにとの事だったのだが…。

 

「蘭ちゃん! 僕が今日から送ってあげるよ!」

「ひまりちゃん! 今度からはオレと一緒に帰ろ!?」

「巴ちゃん! バイト先まで出迎えしてあげるよ!」

「つぐみちゃん!!」

 

 と、男子生徒達が事前に蘭達に言い寄るようになった。蘭、ひまり、巴は鬱陶しがっていて、つぐみは苦笑いしていた。当然モカにも言い寄ってきたわけだが…。

 

モカ「モカはだいじょーぶー。とーっても強い人にボディーガードを頼んでるから~」

「!!?」

 

 放課後…

飛鳥「……」

つぐみ「ご、ごめんね一丈字くん…」

 5人纏めて送迎する事になったが、後ろに男子生徒達がついてきていた。

 

飛鳥「これ、私が出る意味あります?」

巴「細かい事は気にすんなって!」

蘭「あいつら絶対何かしてくる…」

ひまり「私身体をジロジロ見られる…」

飛鳥「……」

 ひまりの言葉に飛鳥は何も言わなかった。

 

「一丈字の野郎…!!」

「どこまでも卑怯な手を使いやがって!!」

「1人くらいよこせっつうの!!」

「オレ、やっぱりあいつ嫌いだ!!」

 

 と、文句垂れながら飛鳥とAfterglowについて回った。

 

蘭「アタシはその100倍あんた達が嫌い」

モカ「ああいう所だよね~」

ひまり「一丈字くんも大変だよねー。ああいうのに絡まれて…」

飛鳥「…そうですね」

 

 飛鳥としては、ストレス発散の為に最近は弦巻家の施設を借りて、古びたサンドバックなどを思いっきり殴り飛ばしているので、胃が痛くなるという事はなかったが、それでもやっぱりしんどかった。

 

巴「本当にいつもお疲れさん。ラーメン食べに行こうぜ!」

つぐみ「こ、困ったことがあったら言ってね?」

飛鳥「ありがとうございます…」

 

 と、飛鳥は心の中でぐったりしていた。

 

 

おしまい

 

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