全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第187話「ヒーローだって悩んでる Ver.B」

 

 それはある日の事だった…。

 

「遅くなっちゃった…」

 

 蘭、ひまり、巴、つぐみの4人が夜道を歩いていた。モカがバイトの為不在だったが、少しでも上達しようと練習に励んでいたが、気が付けばかなり遅くなっていたのだ。

 

「!!?」

 

 突然周りの電灯が全部切れて、暗くなったことで4人は不安に駆られた。

 

ひまり「な、なにっ!!? 停電!!?」

つぐみ「いや、周りは電気がついてるみたいから違うけど…」

巴「何で突然全部切れるんだよ!!」

蘭「こわい…」

 

 あまりの縁起の悪さに蘭が震えだした。

 

ひまり「うう…こんな時モカがいてくれたら少しは安心なのに…」

つぐみ「う、うん…」

 

 ひまりとつぐみがそう言うと、4人が身を寄せ合ったその時、巴が後ろから誰かが走ってきている事に気づいた。

 

巴「う、後ろから誰かが追いかけてくるぞ!!」

蘭「い、いやあああああああああああああああ!!!!」

ひまり「いやああああああああああああ!!!」

つぐみ「ま、待ってぇええええええええええ!!!」

巴「お、置いてくなぁああああああああああ!!!」

 

 巴の一言に驚いた蘭とひまりが真っ先に逃げて、巴とつぐみが追いかけていった。

 

「待ってよ蘭ちゃん!!!」

「僕だよ!! ひまりちゃん!!」

「巴ちゃんは僕が守る!!」

「つぐみちゃあああああああああん!!!」

 

 …声をかけた犯人はバンドリ学園の男子生徒達だったのだが、下心が丸出しな上に走りながら叫んでいたので、声が変な感じになって、あからさまに不審者みたいになっていたのだった。しかも運悪く電灯が全部切れるという縁起の悪い事態も起きていたので、蘭達は完全に不審者だと思い、逃走していた。

 

蘭・ひまり・巴・つぐみ「いやぁああああああああああああああ!!!!」

「待ってぇええええええええええええええええ!!!」

 

 と、蘭達の悲鳴は町中に響き渡った。

 

「…何やってるんだ?」

 

 飛鳥が近くを通っており、蘭達の悲鳴に気づくと超能力で蘭達の様子を見たが、理由に気づいて困惑していた。

 

飛鳥「かなりパニック状態になってるな…。このままだと危ないかも」

 と、飛鳥は現場まで近づいて、超能力で蘭達を落ち着かせた。

 

蘭「…ハァ、ハァ。あれ?」

ひまり「な、何だろう…急に心が落ち着いてきた…」

巴「ああ…」

つぐみ「はぁ…はぁ…」

 

 そして追いかけてきた男子生徒達にも超能力をかけて落ち着かせ、両チームが向き合った。

 

「あっ…」

飛鳥「……」

 これで少しは仲よくしてくれるかと飛鳥は確信していたが…。

 

ひまり「ゲッ!!」

飛鳥「?」

巴「お、お前ら!! こんな所までつけまわしてくるなんて!!」

蘭「最悪…」

 

 飛鳥は一体何のことかわからず、超能力でひまり達の頭の中を覗いたが…。

 

 …男子生徒達は日頃からAfterglowに対していやらしい目で見ていたのだ(特にひまりの胸)。バイト先にも押しかけては体をジロジロ見ていたのだった。

 

飛鳥「……」

 飛鳥は額を手で抑えた。せっかくチャンスを作ってやろうと思ったが、自分が何もしなくても勝手に自滅していたので呆れて言葉が出なかった。

 

「違う!!」

「僕たちは女子だけで帰ってる君達が心配だったんだ!」

「電灯が全部消えて震えていたじゃないか!」

「さあ、僕たちと一緒に帰ろう…」

 

 と、男子生徒達が説得したので、飛鳥が頭の中をのぞいたが…。

 

 全員いやらしいことを考えていた。普通にAfterglowからお礼を言われたりお世辞を言われるのを想像してるだけならまだ良かったが、どさくさに紛れて体を触ろうとしたり、ましてや性行為を想像している輩もいた。

 

飛鳥(Oops…)

 飛鳥は心の底からあきれ果てた。こんな形でヒーローになってもちっとも嬉しくないし、ましてや広島に帰れるのはいつになるんだと飛鳥はそう思っていた。

 

 ずっと高見の見物でいたかったが、ずっと隠れているとストーカーと間違われる上に、蘭達がずっと警戒して話が進まない為、仕方なしに顔を出す事にした。

 

飛鳥「あのー」

「?」

飛鳥「騒がれてましたけど、どうされました?」

 と、飛鳥が顔を出すと男子生徒達が嫌そうな顔をし、4人はぱあっと表情を輝かせた。

 

「ああ!? てめーには関係ねぇよ!!」

「あっち行け!!」

「邪魔なんだよ!!」

飛鳥「そうですか」

ひまり「いや、そうですかじゃないよ!!」

蘭「アタシ達、こいつらにつけまわされたんだけど」

「誤解だ!!」

飛鳥「……」

 

 飛鳥が考える。よくライトノベルの主人公が「面倒くさいことに巻き込まれてやんなっちゃうぜ」的な事を言うが、全く持って同感だった。本気でめんどくさいし、これを見てる読者に対しても「お前もそう思うだろ?」とも聞きたくなってしまうくらいだった。

 

飛鳥「美竹さん達が男子生徒達に追いかけられてる所は目撃しましたが、ちょっとそれだけで判断は…」

蘭「アタシ達の言う事、信用できないの?」

ひまり「ちょ、ちょっと蘭!」

飛鳥「大丈夫ですよ。少なくともこの方たちは前にも絡まれたことがあったので、恐らく美竹さん達の言っている方に分がありますね」

「てめー!! 適当な事言ってんじゃねぇよ!!」

「殺すぞ!!」

 

 と、男子生徒達が喚くが飛鳥は冷静に突っぱねた。

 

飛鳥「殺すなんて言葉、今ここで言わない方が良いですよ」

「は?」

 飛鳥が腕を組んだ。

 

飛鳥「最近この辺で不審者が出てるって話ですから」

「!!?」

 

 飛鳥の言葉に皆が驚いた。

 

飛鳥「まあ、そちらの方々は動機はどうであれ、本当に美竹さん達の事を心配してたんですよね?」

「あ、ああ!! もちろんだ!!」

「てめーなんかに言われなくても!!」

「ていうか大体てめぇ、言い方が偉そうなんだよ!!」

飛鳥「それよりも早くここから移動しましょう? 風邪引きますし」

 飛鳥がそう言うと、

 

「何でてめーの指図なんか受けねぇといけねぇんだ!!」

「いい加減にしねーとマジで殺すぞ!!」

「ムカつくムカつくムカつく!!!」

 と、男子生徒達が発狂したが…。

 

「君達」

「!!」

 

「さっきから殺すとかという言葉が聞こえてるけど、どういう事だね?」

 中年の警察官が現れた。

 

蘭「言葉の通りです」

飛鳥「あの、美竹さん?」

「ま、まさか最近出回ってた不審者が高校生だったなんて…」

「君達、ちょっと署まで来なさい!!」

「な、何でオレ達が!!」

「来ないと公務執行妨害だぞ!! おい!!」

「はっ!!」

「は、離せぇ~~~~!!!!!」

 

 と、男子生徒達は警察官達に連れていかれた。

 

飛鳥「……」

 飛鳥は茫然としていた。

 

つぐみ「あ、えっと…一丈字くん。助けてくれてありがとう」

飛鳥「あ、いえ…」

 飛鳥がつぐみを見た。

 

ひまり「さーて! 一丈字くんが来てくれたからこれで安心ね! 帰るわよー!! えいえいおー!!」

巴「ひまり。近所迷惑」

ひまり「あ、はい…」

 ひまりが項垂れたその時がさっと音がした。

蘭・巴「ひぃいいいいいい!!!」

 と、蘭はつぐみに、巴はひまりに抱き着いた。

 

飛鳥「大丈夫ですか?」

蘭「大丈夫じゃない…。一秒でも早くここから離れよう…!!」

飛鳥「あ、はい。それじゃ私は後ろ見てるので…どなたか前見て貰っていいですか?」

「!?」

飛鳥「あなた方の背中は私がお守りしますので」

蘭・ひまり・巴・つぐみ「……」

 

 こうして飛鳥は蘭達を無事に家に送っていった。

 

飛鳥「…スーパーに買い物に来ただけなのに、とんだ寄り道しちゃったな」

 飛鳥はスーパーで買い物をしていたが、お目当てのものが売り切れてガッカリしていた。

 

******************

 

 翌日。全校集会が行われ、不審者が捕まったことが報告された(飛鳥が捕まえたが、公表される事はなかった)。とはいえ、暫くは一人で帰らないように通達された。蘭達は飛鳥を見ていたが、飛鳥は気にすることはなかった。男子生徒達もまた飛鳥の事を恨めし気に見ていたが、本当に気にすることはなかった。

 

 そして放課後

 

「蘭ちゃん! 僕が今日から送ってあげるよ!」

「ひまりちゃん! 今度からはオレと一緒に帰ろ!?」

「巴ちゃん! バイト先まで出迎えしてあげるよ!」

「つぐみちゃん!!」

「モカちゃ~ん!!」

 

 と、男子生徒達は懲りずに蘭達にアタックを仕掛けていて、鬱陶しがられていた。

 

 

飛鳥「ダメだこりゃ…」

 飛鳥はそう首を横に振って、その場を後にした。

 

 

おしまい

 

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