全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第194話「ごめんなさい」

 

「だから偉そうな事を言わないでって言ってるでしょ!!」

「何だよ!! こっちは心配してるから言ってるんだぞ!!」

「ちょ、ちょっとやめなよ二人とも!!」

 

 ある日のバンドリ学園。1年2組で蘭と巴が大喧嘩をしていた。周りの生徒が見ている中、ひまりとつぐみは慌てて止め、モカはそんな4人を見つめていた。

 

 そしてその怒鳴り声は3組の教室まで聞こえていて、飛鳥もその怒鳴り声を聞いていた。

 

飛鳥「……」

 

*********************

 

 放課後。授業が終わって飛鳥が教室から出て、2組の教室の方を見ようとしたが、あえて何も言わずにそのまま2組の教室とは逆の方向から下の階に降りていった。

 

飛鳥(前々からモカから聞いてたけど、美竹さんと宇田川さんって結構相性悪いよなぁ…)

 

 アネゴ肌で面倒見の良い巴と、意地っ張りで不器用な蘭。心配していろんな事に首を突っ込もうとした巴に対し、素直になれない蘭は厳しい言葉をぶつけて喧嘩になったと飛鳥は想定していた。

 

 飛鳥は決意した。Afterglowの事については、何も言わないと。

 

飛鳥(あの人たちは必ず立ち直る。じゃなきゃ、Afterglowとしてやっていけないもんな)

 

*************************

 

 夕方、飛鳥は買い物をして帰宅しようとしていた。すると…。

 

飛鳥「あ」

 

 公園に蘭がいたが、元気はなかった。そりゃそうだ。巴で喧嘩して、皆にも迷惑をかけたので罰が悪いのか、家にも帰ろうとしなかった。

 

飛鳥(まあ、そりゃそうなるか…)

 

 と、飛鳥が考えていると別の学校の男子生徒達が蘭に近づいた。どうやら励まそうとしているのか、手を出そうとしているのか分からないが、蘭に話しかけてきた。案の定、蘭は不機嫌になった。

 

飛鳥(写真撮っておこう)

 

 飛鳥が気づかれないようにスマホで映像を撮っていた。そして男子生徒達と蘭は気づかずに、口論した。

 

「こんな所にいたら風邪引くよ?」

蘭「あたしは今機嫌が悪いの!! ほっといて!」

「そういう訳にはいかない!!」

 

 と、男子生徒の一人は蘭の腕を引っ張った。物語の主人公になったと勘違いしているのか、蘭の腕を強引に引っ張る。蘭はとても嫌がっていて、他の男子生徒達も参加して、蘭を連れて行こうとした。

 

飛鳥「まずい!!」

 

 飛鳥が撮影をやめて参加しようとしたが、

 

「一丈字くん何してるの!?」

飛鳥「証拠を作ってるんですよ」

 

 飛鳥は横を向いて話しかけたひまりの方を見た。するとひまりだけではなく、つぐみ、モカ、ひまり、そして巴がいた。

 

「美竹さんが襲われてるんです」

巴「何!? 蘭が!? 蘭!!」

ひまり「巴!!」

 

 飛鳥と巴が走った。

 

蘭(嫌…!! 誰か助けて!!!)

 

 男子生徒達に取り押さえられ、どこに連れていかれそうになり、蘭が涙目になって助けを求めると…。

 

「ら―――――――――――ん!!!」

「!!」

 

 巴の言葉に蘭と男子生徒達は巴たちを見た。

 

蘭「……!!」

「う、宇田川巴!!」

「それに上原ひまりに羽沢つぐみに青葉モカ!!」

「あいつ誰?」

 

 つぐみは心配そうに蘭を見ると巴、ひまり、モカは男子生徒達を睨んでいた。

 

つぐみ「蘭ちゃん!!」

ひまり「アンタ達何やってるの!! 蘭を離して!!」

巴「離さねーとどうなるか分かってんだろうなぁ!!」

モカ「トモちん暴力はダメだよ~」

 

 と、つぐみ達が喋ると男子生徒達はゲスな笑みを浮かべた。

 

「丁度いい。5人もいるならよりいっそう楽しめそうだな」

「おいモブ男くん。オレ達はこの子たちと楽しみたいから…」

 

 男子生徒の一人が飛鳥に近づいた。

 

「さっさと消えろ…よっ!」

 

 と、飛鳥の胸に向かって正拳突きをしたが、手のひらで受け止められた。しかも飛鳥は涼しい顔をしていたので、皆驚いていた。

 

飛鳥「私がモブ男なら、あなた方は精々チャラ男さんって所ですかね」

「!?」

飛鳥「彼女は今不機嫌なんですよ。あなた方の思い通りには決してなりません。お引き取り願います」

 

 飛鳥がそう言うと、男子生徒達は更に苛立った。

 

「てめっ…」

「1回受けとめたくらいでいい気になるなよ!」

「オレ達空手やってたんだぞ!」

飛鳥「ああ、だからですか。そんなんだから女の子の扱い方がヘタクソなんですね。そういうのカッコいいと思ってやってるんですか?」

 

 飛鳥がにこやかにそう言うと、男子生徒は顔を真っ赤にして、モカが噴出した。

 

飛鳥「青葉さん達は後ろに下がっててください。危ないですよ」

 

「て、てめぇ!!」

「許さねぇ!!」

 

 と、2人がかりの男子生徒が飛鳥に襲い掛かったが、飛鳥が返り討ちにした。それに対してモカ以外の4人が絶句していた。そんな中、モカは満足そうにしていた。

 

「な…な…!!」

 

 2人の男子生徒はすっかり伸びて、蘭を人質に取っている男子生徒やもう一人の男子生徒は恐れおののいていた。

 

飛鳥「あんまりこういう姿は見せたくはなかったんですが…。大人しく美竹さんを渡してもらいましょうか。そうでなければ…」

 

 飛鳥が圧をかけた。

 

飛鳥「二度と太陽の元で生活できないようにして差し上げますよ?」

ひまり(言葉選び怖っ!!)

 

 そして巴も割って入り、拳をゴキゴキ鳴らした。

 

巴「つべこべ言わずに蘭を返せや…!!!」

モカ「トモちん顔こわーい」

 

「ひ、ひぎィイイイイイイイイイイイイイイイ!!!」

「おまわりさ~ん!!!!」

 

 と、蘭を放っておいて男子生徒達は逃げ出したが、近くでパトロールをしていたパトカーに追いかけられた。

 

ひまり「あ、そ、そうだ! 蘭!」

 

 ひまり達は蘭の所に近づいて、ひまりが蘭に駆け寄った。

 

ひまり「蘭! 大丈夫!?」

蘭「……」

 

 ひまりの言葉に対し、蘭は横を向いた。

 

つぐみ「心配したんだよ蘭ちゃん」

モカ「そうだよ~」

飛鳥「……」

 

 つぐみやモカも言葉をかけるが、飛鳥は何も言わなかった。それでも蘭はそっぽを向いたが、

 

巴「蘭! 聞いてるのか!?」

飛鳥「宇田川さん落ち着いて。美竹さんはちゃんと聞いてますよ」

蘭「う、うるさい! アンタにあたしの何が…」

 

 蘭がそう言った次の瞬間、ひまりが蘭の左頬に平手打ちをした。

 

それに対して驚く飛鳥、モカ、巴、つぐみ。蘭は予想だにしなかった状況に対して、叩かれた左頬を抑えて放心していた。ひまりは目に涙浮かべて、蘭を睨みつけた。

 

ひまり「いい加減にして!! 皆に迷惑かけといて、いつまでそんな意地を張ってるの!!?」

蘭「……」

 

ひまり「それだったらもう私達4人でAfterglowをやる!」

 

 ひまりが本心でそんな事を言っていないのは、誰だって分かっていた。蘭もである。何としてでも蘭と巴を仲直りさせて、蘭に迷惑をかけた事をひまりはちゃんと分からせたかったのだ。

 

ひまり「蘭は…」

モカ「ひーちゃん!!」

 

 ひまりが続けて言おうとした言葉をモカが叫んで止めた。ひまりはモカを見た。

 

モカ「そんな事言ったらダメだよ。それじゃ蘭やトモちんと一緒だし、リーダーでしょ。一応」

ひまり「モカ…」

蘭「……」

 

 何とも言えない気まずい空気に、飛鳥は困惑しながらも、蘭を見た。

 

飛鳥「美竹さん」

蘭「!」

飛鳥「あなたと宇田川さん達の間で何があったかは存じませんし、口をはさむ気もございません。ただ、喧嘩で関係のない人を巻き込むのはやめなさい」

 

 飛鳥の言葉に蘭が俯いた。

 

蘭「…ごめんなさい」

飛鳥「!」

 

 蘭の言葉に対し、皆が蘭の方を見ると、蘭は震えて涙を流しながら謝っていた。

 

蘭「ごめんなさい…意地を張って…ごめんなさい…迷惑をかけて…」

ひまり「……!!」

 

 蘭の顔を見てひまりも感極まり、泣きながらそのまま蘭を抱きしめた。

 

ひまり「私も叩いたりしてごめん! 蘭にどうしてもわかって欲しくて…本当にごめんなさい!」

巴「蘭…」

 

 巴も蘭を抱きしめた。

 

巴「アタシもごめん! 蘭の事を心配してるって言ってたけど、蘭の気持ちを全然考えてなかった! 本当にゴメン!」

蘭「……」

 

 3人がだきしあっているのを見て、つぐみは口元を抑えて涙を流していた。飛鳥とモカが顔を合わせて苦笑いして、飛鳥が超能力で自分が暴力を振るって他校の男子生徒達を締めあげた事を蘭達の記憶からある程度改ざんした。

 

モカ『あくどい~』

飛鳥『それはそれ、これはこれ』

 

 

おしまい

 

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