ある日の事だった。
飛鳥「たまには親孝行すっかな」
飛鳥は広島にいる親族にギフトを送る為、デパートに来ていた。
飛鳥「広島まで配達」
「はーい」
飛鳥はデパートの特産品売り場にあった東京で有名な洋菓子店のお菓子の詰め合わせを注文した。
「3000円です」
飛鳥「はいはい。3000円ちょうどで」
「丁度ですね。今度の土曜日の夕方にお届けします」
飛鳥「宜しくお願いしまーす」
そう言って飛鳥は注文を終え、家に帰るためにデパートから出ようとすると、
「君。ちょっといいかね」
飛鳥「?」
飛鳥が後ろを振り向くと、そこには蘭の父親がいた。和服を着ていて、とてもダンディである。
飛鳥「あっ!!」
飛鳥は見覚えがあった。以前林間学校でつぐみを助けた事で、つぐみの実家に呼び出された時に出会ったのだ。
飛鳥「…これはこれは。ご無沙汰しております」
蘭父「君はこんな所で何をしているのかね?」
飛鳥「ああ。母にギフトを送ってたんですよ。私一人暮らしなので…」
「一人暮らし?」
飛鳥「ええ。進学のために…」
蘭父が一人暮らしという言葉に反応すると、飛鳥が苦笑いした。
蘭父「そうか…」
飛鳥「はい」
蘭父が眼鏡をくいっと上げ、飛鳥を見ると飛鳥はまた苦笑いした。
飛鳥「えーと…。美竹さんはこちらにはどのようなご用件で」
蘭父「私は娘のライブを見に来たのだ」
飛鳥「え?」
飛鳥が驚くと、蘭の父もあっけにとられた。
蘭父「…知らなかったのかね?」
飛鳥「え、ええ…。私は買い物に来ただけなので…」
本当に知らなかった飛鳥は困惑していた。
飛鳥「そういや、このデパートの屋上に特設会場があったので…そこでライブをするのでしょうか?」
蘭父「そうだ。君もてっきりライブを見に来るものだと…」
飛鳥「あははは…」
飛鳥が苦笑いした。
飛鳥「まあ、私は邪魔みたいなのでここで失礼しますね」
蘭父「待ちたまえ。誰も邪魔だとは言っていないだろう」
飛鳥「えーと…」
蘭父「それとも、私の娘のライブに不満があるのかね?」
蘭の父がにらみを利かせると、飛鳥はまたしても苦笑いした。以前、蘭がライブをする事に大して好意的ではなかったとモカから聞いていた為、変わりように驚きを隠せなかった。
飛鳥「本当にお邪魔しても宜しいのでしょうか」
蘭父「構わん。一緒に来たまえ」
そう言われ、飛鳥は蘭の父についていった。
飛鳥(まあ…この様子だと、それなりに上手くやってるみたいだな)
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そして屋上にやって来ると、ライブ会場がさまになっていて、特設会場には既に多くの客がいた。
飛鳥(結構大きなライブ会場だな…)
蘭父「……」
蘭の父とライブ会場を見渡していた。整理券が間に合わず立ち見だったが、立ち見でも十分に蘭達の雄姿を見届けるには十分すぎた。
「Afterglow楽しみだな!」
「そうだな」
という声が聞こえると、蘭の父も少しだけ機嫌が良くなり、飛鳥も安心していた。
「ひまりちゃんのおっぱいでかいって本当かな?」
「巴姐さんに踏まれたい…」
「モカちゃんになじられない…!」
「つぐみちゃんのお腹に顔をツッコミたい…!!」
蘭父「……」
一気に機嫌が悪くなり、飛鳥が辟易した。
「蘭ちゃんにhshsしたい」
「prprしたい」
「くんかくんかしたい」
「いっそのこと抱きた」
男性客が変態的な発言をしたため、蘭の父が怒り狂って突っかかろうとしたが、飛鳥が慌てて取り押さえた。
飛鳥「あのお父さん!! 落ち着いてください!!」
蘭父「貴様にお義父さんと呼ばれる筋合いはない!!」
飛鳥「字が違いますから!!」
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その頃蘭たちはというと…。
ひまり「よーし! 皆がんばるぞー!! えいえいおー!!!」
ひまりが叫ぶが、誰も答えない。唯一つぐみが苦笑いしていた。
ひまり「乗ってよぉ…」
蘭「やだよ恥ずかしい」
ひまり「…もっと恥をかく呪いかけてやる」
巴「はいはい。バカな事やってないで行くよ」
ステージライブは数組行われ、Afterglowの出番になった。蘭たちが出てくると、大歓声が上がった。前2組は男だけのグループのライブであまり盛り上がらず、ここにいるほとんどの客がAfterglowのファンである。
蘭「今日は私達のライブを…」
蘭が飛鳥と蘭父に気づき、固まったが、何とか持ちこたえた。
蘭「た、楽しんでいってください!」
最後まで言い切ると大歓声が上がったが、蘭は何で来たんだと飛鳥と父親を睨みつけていた。
つぐみ「一丈字くん!?」
ひまり「それに蘭のお父さんも!!」
巴「妙な組み合わせだな…」
モカ「面白くなってきたー」
蘭(ちっとも面白くない!! 一丈字はともかく、何で父さんがここにいんのよ!!!/////)
蘭が頬を染めたが、お客さんがいる手前地を出すわけにいかないので、ライブを決行した。
父親の前で歌う恥ずかしさもあったが、何とか乗り切り、ライブは大成功させた。
飛鳥(あ、コレNARUTOの奴だ…)
「ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
演奏が終わり、大歓声が上がった。
「蘭ちゃーん!!」
「ひまりちゃーん!!」
「モカちゃーん!!」
「つぐみちゃーん!!」
「巴ちゃーん!!」
という声が上がり、蘭たちも演奏しきって満足そうにしていた。
飛鳥(…そういや仮装大会で見たライブもこんな感じだったなぁ)
飛鳥が仮装大会の事を想いだして、蘭の父を見ると、感涙していた。
飛鳥(やっぱり親バカだ…(汗))
その時だった。
「やっぱりもう我慢できない…」
「?」
するとファンがステージに上ってきて、蘭に近づこうとした。
蘭父「蘭!」
飛鳥「……!」
飛鳥が超能力でファンを腹痛にさせたが、
「ふふふ…こんな事もあろうかと、おむつをはいてきたのだ!!」
すると男は蘭をはかいじめにした。
「美竹蘭はオレが頂いたぁ!!」
男の言葉に会場はパニックになった。
つぐみ「蘭ちゃん!!」
巴「このぉ!!」
「おっと動くなよ!! 動いたらどうなるか分かってるよな!?」
ファンが蘭を強く抱きしめたが、その間に飛鳥は超能力で存在感を消して移動していた。
蘭「くそっ!! 離せ!!」
蘭が後ろから股間を蹴り上げたが、違和感を感じた。
「残念だったねぇ。こんな事もあろうかとちゃんと対策はしてるんだよ。それにしても蘭ちゃんにキンタマ蹴られた…♥」
という男の恍惚な表情に一同がドン引きした。
蘭父「あの男…!! 私の娘になんてことを!! 許せん!!」
激昂したその時飛鳥がいない事に気づいた。
蘭父「!!?」
「さあ! 僕と大人しく来るんだ!!」
蘭「助けて!!」
「蘭ちゃん!!」
その時、飛鳥がステージまで来て、男に一撃手刀を食らわせて気絶させた。
「!!?」
何が起きたか全くわからず、蘭たちもファン達も驚いているが、飛鳥が黙々と男を連れ去った。シーンとする一同だったが、蘭の父親がステージに上がったことで状況が一変した。
蘭「と、父さん!!」
すると蘭の父が蘭を抱きしめた。
蘭「!!/////」
蘭父「良かった…本当に良かった…!! お前が死んでしまっては、私はもう生きていけん…!!!」
蘭父がそう言うと、蘭が顔を真っ赤にして、困った顔をしていた。
蘭「や、やめてよ恥ずかしい!!!//////」
ファン達が騒然としていた。
「おい! 誰だよおっさん!!」
「蘭ちゃんから離れろ!!」
「殺すぞ!!」
と、ブーイングを上げるが、飛鳥は超能力で音声をスピーカーから音声を流した。
『えー。皆さま落ち着いてください。現在、壇上に立たれているお方はAfterglowのボーカル・ギター担当・美竹蘭さんのお父様です!』
「!!?」
飛鳥「皆さま。ここは何も言わず、見守ってあげてください」
飛鳥が毅然とした態度で言い放つと、ファンが大人しくなった。
飛鳥「それでは、私はこれで失礼します!」
飛鳥はそのまま逃亡した。
ファン達が顔を合わせると、さっきよりも大きな歓声が響き渡った。
「良かったなー!!」
「良かった良かったー!!」
「これからも頑張れよー!!」
「お義父様―!!!」
観客からお父様コールが沸き上がると、蘭の父が激昂した。
蘭父「貴様らにお義父様と呼ばれる筋合いはない!!」
蘭「もうやめてよぉ!!!(泣)/////」
蘭が恥ずかしさのあまり涙目になると、それがファンのハートを貫いた。そして残りの4人は苦笑いした。
飛鳥(さて、後始末後始末…)
飛鳥が超能力で蘭達の記憶を改ざんした。
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後日…
蘭「待てぇえええええええ!!!!///////」
学園内で飛鳥は蘭に追いかけまわされていた。というのも、記憶を完全に消すとかえって怪しまれるため、一応やった事は記憶に残したが、具体的にどういう事をしたかだけを消したのだ。
だが、結果的に飛鳥が囃し立てた事で、自分の父親が目立ってしまい、最終的に恥をかかされたので飛鳥は蘭に追いかけまわされた。
ひまり「…なんか、本当に謎が多いよね。一丈字くん」
巴「ああ…」
つぐみ「うん…」
モカ「でも、おもしろ~いwwwwww」
唯一正体を知っているモカはニマニマしていた。
蘭「絶対に許さないからぁ!!!」
飛鳥(これが現実!!!)
おしまい