ある日の事だった。
「練習に付き合ってくれてありがとう! 飛鳥くん」
「いえいえ…」
ライブハウス「CiRCLE」でRoseliaが練習をしていたが、そこに一丈字飛鳥もいた。成り行きでRoseliaの練習を見学する事になったのだ。
あこ「それにしてもリサ姉遅いねー」
燐子「事故にあってなければいいんだけど…」
「ゴメーン。遅くなっちゃった…」
あこと燐子が会話をしていると、リサが現れたがびしょぬれだった。
あこ「どうしたのリサ姉! びしょぬれだよ!」
飛鳥「外、雨が降ってたんですか?」
リサ「そうなのー…って、飛鳥くんも来てたんだ。いらっしゃい」
飛鳥「あ、どうも…お邪魔してます」
紗夜「それよりも早く着替えた方が…」
友希那「着替えなんてあるの?」
友希那がそう言うと、皆が悩んでいた。
友希那「そういえば一丈字くん。あなた、今日体育あったわよね?」
飛鳥「ええ。一式持ってきてますが…」
友希那の言葉に飛鳥が困惑しながら返事をして、リサを見た。
飛鳥「少々汗臭いかもしれませんが…」
リサ「いいよいいよ」
飛鳥「ダメだって仰ってますよ」
リサ「…いや、ダメとは言ってないんだけど。それじゃ、お言葉に甘えていい? 洗って返すから」
そんなこんなで飛鳥のジャージ一式を借りる事にしたリサ。
リサ「お待たせ~」
あこ「おおーっ!!」
紺色のジャージという地味な服装であるが、素材が良いせいかとてもキラキラしていた。
あこ「リサ姉、凄く可愛い~!!」
燐子「素敵です…」
リサ「そ、そう?」
あこ、燐子、リサが会話をしているのを、飛鳥、友希那、紗夜が見守っていた。
友希那「身長が違うからダボダボね…」
紗夜「ええ…。上を着る必要はあったのかしら?」
飛鳥「……」
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あこ「そうだリサ姉!! あこの服着てみてよ!」
リサ「えっ…今着替えたばっかりなのに…」
燐子「私も見てみたいです…」
友希那「それじゃ、入ってくるところから…」
紗夜「待ってください」
紗夜が割って入った。
紗夜「宇田川さんの服はどうするんですか?」
あこ「あこがそのジャージを着ればいいんですよ」
紗夜「なっ…。と、殿方のジャージですよ!?」
あこ「リサ姉が大丈夫なんだから、あこだって大丈夫ですよー。ね、飛鳥くん?」
飛鳥「宇田川さんが着ていただく分には問題ございませんが…」
飛鳥が困っていた。
友希那「本人の許可が出ているから、さあ」
リサ「さあって!!」
しかし、そんなこんなであことリサが衣装チェンジをした。
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リサ「じゃーん」
あこ・燐子・紗夜・友希那(かわいい)
あこの服に着替えたリサがお披露目をしたが、評判が良かった。飛鳥もリサの服を見ていたが、困惑していた。
リサ「ど、どうかな…」
あこ「とっても可愛いよ!」
リサ「飛鳥くん。どう?」
飛鳥「可愛い事は可愛いですけど、なんか印象変わりますね…」
リサ「どんなふうに?」
飛鳥「何ていうか昔はやった小悪魔系みたいな感じですかね」
友希那「リサは元々派手だからというのもあるわね」
あこ「もっと見たーい!!」
燐子「あ、それじゃ今度のライブの衣装のサンプルを…」
リサ「な、何かフリフリ過ぎない…? ピンクだし」
燐子から渡されたフリフリの衣装を見て、リサが少し頬を染める。
飛鳥(…ちゃんと服あるじゃない)
飛鳥がそう思っていたが、
リサ「いや、流石にこの格好で帰るのは恥ずかしい。目立つから…////」
飛鳥「あ、そ、そうですか…」
そんなこんなで着替えてみると、
リサ「ど、どう…?/////」
あこ「可愛い!!」
リサが少し恥ずかしそうにお披露目すると、相変わらず評判が良かった。
リサ「これ、どっちかっていうとパスパレじゃない…?」
燐子「でもよく似合ってます…!」
リサ「そ、そう?」
友希那「サンプルは他にもあるわ。これも来てみて!」
猫っぽいコスプレ衣装
リサ「にゃ、にゃーん…//////」
あこ・燐子・紗夜(可愛い)
友希那「……♥」
飛鳥「!!?」
リサが猫っぽいコスプレをすると、あこたちの評価も良かったが、友希那の表情が蕩けていて,飛鳥が驚いていた。
燐子「これはどうですか…?」
野生児
リサ「あ~ああ~…」
友希那・あこ・燐子・紗夜(可愛い)
あこ「こんなのもー!!」
全身白タイツ
リサ「……」
友希那・あこ・燐子・紗夜(可愛い)
飛鳥(すっかりおもちゃや…)
とまあ、リサは完全におもちゃにされて、飛鳥は困惑していた。
リサ「も、もういいかな…。練習しなきゃだし…疲れてきた…」
リサが困惑したが、友希那達は完全にスイッチが入っていた。
友希那「完全に面白くなってきたわ」
紗夜「……/////」
燐子「ほ、他に何か…」
結局、その日はリサのコスプレショーで終わった。
飛鳥(今井先輩…お気の毒に…)
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しかし、本当に気の毒なのは勿論こいつだった。
飛鳥「……」
後日、バンドリ学園に登校した飛鳥だったが、Roseliaのファンらしき男達にいちゃもんをつけられていた。この様子からある程度飛鳥は察した。
「おい、一丈字ぃ…!!」
飛鳥「何でしょう」
「お前聞いたぞ。Roseliaの練習に参加した挙句、リサちゃんとあこちゃんに自分のジャージを着せたそうだな…」
飛鳥(どうして分かるんだろう)
飛鳥が困惑していた。
飛鳥「ええ。今井先輩が雨に濡れて着替えが無かったという事なので…」
飛鳥がそう言うと、ファン達が喚きだした。正直見苦しいったらありゃしない。
「貴様ぁ!! もしかして今ジャージを持っているのかぁ!?」
「リサちゃんとあこちゃんのぬくもりを感じながら体育を受けようとしてるのか!?」
「そうはいかんぞ!!」
「そのジャージをよこせぇ!!」
あまりの気色悪さに飛鳥は言葉を失いかけたが、
飛鳥「あのジャージでしたら、氷川先輩が処分しましたよ」
「!?」
飛鳥「こうなる事を恐れての事です。ジャージは弁償するから、こちらに渡してくれって」
「紗夜ちゃんに何させとんじゃあああああああああ!!!」
「許せねぇ!! 本当に許せねぇ!!」
「Roseliaを財布代わりにしやがって~!!!」
「今日こそぶちのめしてやる!!」
どう考えても自分のせいにしようとする男子生徒達を見て、飛鳥は完全に呆れかえっていた。
「覚悟は出来てんだろうなぁ…?」
男子生徒達は拳を鳴らして、飛鳥をボコボコにしようとしていたが、飛鳥は静かに目を閉じた。
飛鳥「それはあなた方の方だと思います」
「は!?」
飛鳥「後ろをご覧ください」
「!?」
飛鳥に言われて男子生徒達が後ろを振り向くと、ごみを見る目で男子生徒達を見つめる友希那・紗夜、引き気味に苦笑いするリサ、完全におびえている燐子の姿があった。
あこ「あこもいるよ!!」
あこが遅れてやってきた。
飛鳥「ちなみにこうなる事を想定して、氷川先輩達とは打合せ済みです」
友希那「あなた達」
「は、はいっ!!」
友希那が青筋を立てた。
友希那「今度の学内ライブ、女子限定にするから。じゃ」
そう言ってRoseliaが去っていくと、男子生徒達は慌てて友希那達を追いかけていった。
飛鳥「はぁ…」
飛鳥は進歩のない男子生徒達を見てため息をつきながら、教室に戻っていった。
おしまい