全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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第224話「ハーレムを捨てた一丈字飛鳥」

 それはある日の事だった。

 

香澄「ねえねえ! 皆でお花見しようよ!」

 

 1組の教室で香澄がそう言いだした。

 

こころ「いいわね!」

はぐみ「やろうやろう!」

 

 香澄の提案にはぐみとこころが賛成すると、他のバンドガールズも賛同した。

 

たえ「Afterglowや2年生の先輩達も誘おうよ」

香澄「うん!」

 

 そう言って友希那達にも声をかけ、バンドガールズ25人でお花見をする事にした。

 

香澄「あ、そうだ。飛鳥くんも誘う?」

「!」

 

 香澄の提案に一部のメンバーが困惑した。飛鳥は悪い人物ではないが、女子25人の中に男が1人だけというのは、本人も居心地があまり良くないだろうと、有咲たちは考えていた。

 

こころ「勿論よ!」

美咲「あ、ちょっと待ってこころ」

こころ「どうしたの?」

 

 こころがそう言うと、美咲が待ったをかけた。

 

美咲「一丈字くん男の子だし…、やっぱり気を遣うんじゃない?」

有咲「そうだな。男子とかもうるさいし」

香澄「えー! そんな事ないよー」

こころ「そうよ。飛鳥も一緒にいたら楽しいわよ」

美咲「そうかもしれないけどさぁ…」

 

 美咲や有咲も飛鳥が花見に参加する事は特に反対はしていない。だが、さっきも言った通り、女子の中に男子がいるというのもアレだし、女子のみでお花見がしたいというメンバーもいるかもしれない。なかなか難しい所である。

 

たえ「まあ、一丈字くんの都合も聞いてみたらどう?」

香澄「そうする!!」

 

**************

 

 3組の教室

 

飛鳥「あー…すみません。実はこの日、用事があるんですよ」

香澄「えー! そうなの!!?」

飛鳥「そうなんですよ」

 

 香澄達が飛鳥を誘いに来たが、飛鳥は用事があるからと断った。

 

香澄「日にち変える?」

たえ「けど、皆が集まれるのはこの日しかないよ」

飛鳥「私の事は気にしないでください」

 

 飛鳥がそう言うと、沙綾が困った顔をした。

 

沙綾「一丈字くん…」

飛鳥「何でしょう」

沙綾「もしかして…。私達に気を遣ってる?」

飛鳥「はい」

 

 飛鳥があっさり認めたので、皆がずっこけた。

 

飛鳥「参加されるのって、バンドやってる方たちですよね?」

たえ「うん。うちやアフグロ、パスパレ、ロゼリア、ハロハピ」

飛鳥「そんな環境の中に入ったらどうなるかお判りでしょう」

有咲「…少なくとも、パスパレファンやロゼリアファンが黙ってねぇだろうな」

美咲「だと思った…」

 

 そう言って有咲と美咲が苦笑いしたが、

 

こころ「黒服さん達に警備をして貰えばいいのよ」

飛鳥「まあ、警備は問題ないとして、やっぱりファンの方々が黙ってないですよね」

有咲「ホントそれだよな…」

飛鳥「それに、女子だけでお花見したいって人がいるかもしれませんし」

こころ「そんな事ないわよ」

飛鳥「皆さんも気を遣っていいよいいよって言いますけど、そうとは限りませんよ」

こころ「どうして?」

飛鳥「男性の前だと話しづらい事とかあるでしょう」

こころ「例えば?」

飛鳥「女性のデリケートな話とか」

 

 飛鳥が腕を組んで言い放った。

 

こころ「デリケートな話って?」

飛鳥「例えば…」

有咲「言わんでいいわ!!」

美咲「ゴメン。ホントにゴメン一丈字くん」

 

 話が平行線のまま、その場はお開きになり、飛鳥の参加に至っては残りのメンバーで決める事になった。

 

飛鳥『…1人でも反対者がいれば不参加で』

 

*************

 

 その結果…。

 

沙綾「ゴメン一丈字くん。お花見の件だけど、今回は…」

飛鳥「その方が良いですよ」

 

 反対者が出た為、飛鳥の参加はなしになった。伝えに来た沙綾が申し訳なさそうにするが、飛鳥は至っていつも通りだった。

 

有咲「やっぱり女同士で花見がしたいってよ」

飛鳥「そりゃそうですよ。ゆっくり楽しんできてください」

美咲「ゴメンね…。こころが我儘言って」

飛鳥「いえいえ」

 

 こうして飛鳥の不参加が決まった。

 

**************

 

 そして香澄達のお花見当日。バンドガール25人が集まり、ビニールシートを敷いて桜の下でお花見をしていた。

 

こころ「イエーイ!!」

美咲「切り替え早…」

 

 飛鳥が参加できなくなってショックを受けていると思われたが、すぐにケロッと忘れたかのように、こころがはしゃいでいた。

 

リサ「…飛鳥くん。あたし達に気を遣って辞退したんだよね」

紗夜「確かに、女子の中に男性がいるというのはあまり好ましくありませんが…」

 

 自分たちに気を遣ってお花見を辞退した飛鳥を皆が気にかけて、気持ちが沈んでいた。

 

こころ「お花見はまたいつでも出来るわよ」

花音「こころちゃん…」

こころ「飛鳥が気を遣ってくれたんだもの。あたし達はあたし達で楽しみましょ!」

「……」

 

 こころの言葉にメンバーたちは申し訳なさそうにしていた。

 

有咲「そ、そうですよ! 一丈字だってその…男子だから、やっぱりそういう女子だけで話がしたいってのが分かってくれたんですよ!」

美咲「そうですよ」

 

 有咲と美咲がフォローに入ると、皆が元気を取り戻したが、まだ腑に落ちなさそうだった。

 

香澄「やっぱり今からでも飛鳥くんを呼んでみようよ! こころん!」

こころ「分かったわ。それじゃ電話かけるわね!」

 

 こころが飛鳥に電話をかけたが、飛鳥は電話に出なかった。

 

こころ「出ないわね。いないのかしら」

沙綾「そういえばなんか用事があるって…」

有咲「花見には参加しないと思って、予定入れたんじゃねーの? 花見を始めようぜ!」

 

 こうして、香澄達は飛鳥抜きで花見をする事にした。最初は飛鳥の事を気にかけていたが、次第に元気を取り戻して全く気にすることなく、楽しむことが出来た。

 

***************

 

 その頃、飛鳥というと…。

 

 

 別の場所で1人花見をしていたが、酔っ払いが誤って桜の木に火をつけて引火し、そのまま他の木に燃え移るといった大惨事になった。飛鳥は落ちていた狐のお面をかぶり、超能力を使って消火活動をし、なおかつ煙を吸って倒れている人間を発見しては、安全な場所に運んでいた。消防車と救急車が来るまでたった一人で救助作業に勤しんだ。

 

 そして周りに悟られないように、いつものように存在感を消して、人知れず戦っていた。

 

 

飛鳥(画面の前の皆さん。これからのレジャー…火の元には気を付けてください!!)

 

 

おしまい

 

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