全バンド一貫! バンドリ学園! エンドレス   作:ダシマ

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 前回までのあらすじ

 龍狐の仮面をかぶった男の正体が気になっていた千聖だったが、Pastel*Palletes全員での映画の出演が決まった為、そっちに集中することに。

 だが、共演者の主演俳優が親のすねをかじったバカ息子で、ひと悶着があったが…?


***********************


第227話「Pastel*Palletes映画大作戦!・2」

 

 

「出ていくのはあなたの方ですよ。脛梶さん」

 

 突如現れた助監督らしき男が理太郎に対して首を宣告した。理太郎は当然納得するわけもなく、青筋を立てて暴言を吐いた。

 

理太郎「は? オレに出ていけだと? 舐めてんのかお前…」

「いやー。舐めてるのはどう考えてもあなたの方だと思いますよぉ?」

 

 助監督は悪びれた様子もなく笑ってみせると、パスパレは驚きが隠せなかった。

 

理太郎「クビだクビ!! お前みたいな奴はオレの映画にはいらない!!」

助監督「いやー。そうは言いましてもねぇ。そういう訳にはいかないんですよー」

 

 他の共演者たちも何事かと驚いていたが、一番偉い監督は何も言わず、腕を組んで座っていた。

 

助監督「それに、オレの映画って言ってますけど、あなただけのものではありませんからね?」

理太郎「うるさい!! ごちゃごちゃ訳の分からない事を言いやがって! 撮影の邪魔をするな!!」

助監督「撮影の邪魔と言われましてもね~」

 

 助監督は理太郎をバカにしたように笑うと、理太郎が歯ぎしりをした。

 

理太郎「お前、いい加減にしないと本当にこの映画をぽしゃらせるぞ!! そうすればお前の首も確実に…」

助監督「構いませんよ?」

「!!」

助監督「スポンサーが無くても、本気を出せば映画は作れますので」

 

 助監督が堂々と言い放つと、理太郎が青筋を立てるかと思いきや…。

 

理太郎「あっそ」

 

 理太郎が急に冷静になると、助監督は口角を下げた。

 

理太郎「それじゃオレ帰るわ。そんなに言うならスポンサーの件も撤収~。映画、楽しみにしてるぞ~」

 

 そう言って理太郎が帰っていった。スタッフが青ざめ、共演者が困惑する中、助監督は監督の方を見た。

 

助監督「帰っちゃいましたね~。監督~」

監督「ああ。だが、代役は既に立ててある」

「!!?」

助監督「流石ッス監督! あ、ちなみに音声も残しときやした~」

監督「ご苦労。それじゃ、主役がいない所だけを先に撮るぞ!!」

「え、ええっ!!?」

 

 監督の発言に皆が驚く中、千聖は助監督をじっと見つめていた。

 

千聖(…あの変装。もしかして)

 

 どう見ても飛鳥としか思えず、険しい顔をしたその時だった。

 

日菜「あっ! 飛鳥くんだ!!」

千聖「!!?」

 

 日菜がある方向に指をさすと、千聖がはっと気づいて日菜が指をさした方を見た。すると、そこには確かに飛鳥の姿があった。キョロキョロ見渡している。

 

千聖(えっ!!?)

 

 助監督が完全に飛鳥だと思っていた千聖は驚きが隠せなかった。

 

日菜「おーい!! 飛鳥くーん!!」

飛鳥「……」

 

 日菜が声をかけると、飛鳥が苦笑いしてお辞儀した。そして助監督がすぐ横をすれ違って去っていった。

 

千聖(…やっぱり、色々考えすぎたようね)

 

 千聖は自分が考えすぎていたと判断した。これでもリアリストで現実しか見ていないつもりだったが、飛鳥の事をずっと追いかけていた事に気づき、自分を恥じた。

 

千聖(これじゃ彩ちゃんの事言えないわ。もっと頑張らなきゃ)

 

 千聖がそう考えると、飛鳥も去ろうとしていた。

 

日菜「あっ! 待ってー!!!」

飛鳥「……」

 

****************

 

 撮影はいったん中断になり、飛鳥はPastel*Palletesと会話をしていた。

 

彩「どうしてここに?」

飛鳥「招待状を貰ったので、ちょっとだけ見ていこうかなと」

「招待状?」

飛鳥「今回の映画のスポンサーが林グループじゃないですか。で、その会長さんのお孫さんと同級生だったので、そのよしみで貰いました」

千聖「そういやそんな事言ってたわね…」

 

 千聖が飛鳥の事をじっと見つめていたが、飛鳥は自然体だった。

 

飛鳥「で…一体何が起きたんですか?」

麻弥「それがですね…」

 

 麻弥が事情を説明すると、飛鳥は少し驚いていた。

 

飛鳥「そうなんですか…」

日菜「飛鳥くん。林グループのお嬢様と友達なんだよね? その子に頼んで、あの人をクビにして貰う事って出来ないの?」

麻弥「ひ、日菜さん!!」

飛鳥「まあ、頼むこと自体は出来るかもしれませんが、その必要はなさそうですよ」

「え?」

 

 飛鳥の言葉にパスパレメンバーが反応した。

 

飛鳥「さっきの人が何か対策を立ててるみたいですし」

千聖「そうだといいのだけれど…」

 

 千聖が飛鳥を見つめていたが、飛鳥は至って普通にしていた。

 

飛鳥「どうされました?」

千聖「い、いえ。何でもないわ…」

 

 この時、千聖は思った。やっぱり飛鳥が怪しいと。いつも自分達とそんなに関わろうとしない飛鳥が何故かこのタイミングに限って自分たちに近づこうとして、なおかつ冷静だったからだ。

 

千聖「ねえ」

飛鳥「何でしょう」

 

 すると、千聖がこんな事を言いだした。

 

千聖「ここに来た本当の目的は何?」

飛鳥「包丁を買いに来ました」

 

 千聖が鎌をかけようとしたが、飛鳥が即答をして固まった。

 

彩「ほ、包丁…?」

飛鳥「折角京都に来るので、料理をする為の包丁を見ていこうかなって思ったんですね。贔屓にしてる所があるんですよ」

麻弥「そ、そうだったんですか!?」

 

 飛鳥が淡々としゃべっている様子を見て、千聖が困惑していたその時、

 

「あ、すいやせ~ん」

「!」

 

 助監督がやってきた。

 

助監督「パスパレさんのスケジュールなんですけど~。脛梶さんがいない所だけ先に撮ってしまって、明日代役の俳優さんと撮影する形になりやしたので、宜しくお願いしや~す」

「あ、はい。分かりました」

助監督「もうすぐ撮影始まりやすので~」

 

 そう言って助監督が去っていった。

 

飛鳥「さて、そろそろ私も行きますね」

日菜「えー。見ていかないのー?」

飛鳥「お気持ちは有り難いのですが、撮影の邪魔になるといけませんので」

 

 飛鳥が千聖の方を見て話すが、

 

千聖「いいわよ。好きなだけ見学しなさい」

「えっ!!?」

 

 飛鳥ではなく、他の4人が反応した。

 

彩「ち、千聖ちゃんどうしちゃったの!?」

日菜「普段は集中できないから、ギャラリーは入れたくないって言ってたのに…」

麻弥「珍しいですね…」

イヴ「な、何かあったんですか…?」

千聖「そ、そんなに心配する事かしら…?」

 

 予想外のリアクションが帰ってきたため、千聖も思った他困惑していた。

 

飛鳥「ありがとうございます」

スタッフ「パスパレの皆さん、お願いしまーす」

パスパレ「あ、はーい!!」

彩「それじゃあね。一丈字くん!」

飛鳥「はい、頑張ってください!」

 

 そう言ってパスパレが去っていき、そのタイミングで助監督が急用の為、現場を去る事をパスパレにも聞こえるように伝わった。

 

 そして飛鳥もその場を去ろうとするが…。

 

飛鳥(役に集中できるように…)

 

 そう言って飛鳥は超能力で千聖の記憶から、自分への疑念を消滅させた。

 

 

 

つづく

 

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