ぷりーずへるぷみー   作:とんこつラーメン

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色々あって、完全に吹っ切れました。

最初は鬱描写が多いシリアスな作品を書きたかったのですが、迷走している内にやっぱり自分には頭空っぽで書けるような作品の方が性に合っている事に気が付きました。

ので、今回は久し振りに自分の趣味&性癖全開でいきます!

後はもう知らん!!!











助けてください

 IS学園。

 それは、女性しか稼働させられないパワードスーツ『インフィニット・ストラトス』、通称『IS』の操縦者を育成する為に創設された非常に特殊な学校で、その特殊性であるが故に、ここは殆ど女子高と化していた。

 基本的に通っている生徒は女子しかおらず、教師もまた女性ばかり。

 ごく僅かにいる男性といえば、外部から雇っている用務員ぐらいか。

 

 そんな、世の男性達が羨むような女の花園に、今年は二人のイレギュラーが入学していた。

 

 男でありながらも何故かISを起動させてしまった男子達がいた。

 周りが女ばかりの環境で、彼らはどう過ごしていくのだろうか。

 

 なんて言ってみたが、実は約一名の方は特に問題は無い。

 問題なのはもう一人の方にある。

 

 もうタグでバレているので言ってしまうが、もう一人の方は『男の娘』なのだ。

 そう…皆の大大大好きな、性別は立派な男なのに見た目が完全に美少女な感じのアレだ。

 一目じゃ絶対に男だとは断定できない第三の性別だ。

 

 しかも、彼は一人目とは違って大きな後ろ盾なんて全く無い。

 この世の中、二番煎じには誰もが冷たい反応を示すものだ。

 政治家や研究者という一般人からしたらいい印象なんて微塵も無い連中は特に。

 

 このままでは命を取られるだけでは済まない!

 最悪、政府管轄の研究所で細胞の一片まで分析されて、未来永劫に渡って死ぬことすら出来ない地獄が待っている!

 …という超ネガティブな事を勝手に考えた周りの連中が、彼にある事を提案した。

 

 そう……『女装』だ。

 皆好きだろ? 『女装男子』

 男の娘で女装だなんて、その手の性癖の人間達を一発でノックアウトすることは間違いない。

 

 さぁ……萌える準備は出来たか?

 ここからが本番だ。

 では存分に……萌えるがいい。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 

 IS学園一年一組。

 入学式を終えて教室に集まった新入生達は、さっきから数名を除いて殆どの者達がある一点に注目していた。

 

「うぅ……周りからの視線が痛い…」

 

 よりにもよって教壇の目の前、真ん中の一番前という最強の特等席にいる一人の男子生徒。

 彼の名は『織斑一夏』。

 ひょんなことから男の身でありながらISを動かしてしまった、運がいいのか悪いのかよく分からない思春期真っ盛りの15歳の少年だ。

 ひょんなことの内容は、多分彼が後で話してくれることだろう。

 

「俺の事が珍しいのは分かるけどさ……こうも注目されるとキツいんだよな……。なぁ、お前もそう思わないか?」

「勝手に話しかけてくんな。この場でキスして舌入れるぞゴラ」

「お前にされるのなら喜んで」

「死ね」

 

 冗談で言ったのに真顔で受け入れられてしまった。

 一夏が話しかけたのは、彼の真後ろにいる女子生徒…の格好をした男子生徒だ。

 といっても、顔に体付きは勿論のように女のようになっていて、制服も当然のように女子仕様。膝まで伸びた美しい天然の濃い茶髪が彼が男性であることを全力で隠蔽していて、昔懐かしのスカート捲りでもされない限りは、まずバレることはないだろう。

 

 そんな彼の名前は『飛世(とびせ)咲耶(さくや)』。

 男でも女でも通用する中性的な名前が、彼の女装に更に役立っていた。

 

 咲耶と一夏は所謂『幼馴染』で、小学生の時からの腐れ縁だった。

 二人の他にも幼馴染はいるが、それは追々紹介していこう。

 

「お前のせいでオレがこんな目に遭ってるんだぞ……分かってるのか?」

「それはマジで悪かったって。あれから何度も何度も謝ったじゃんか」

「口だけじゃなくて行動で示せ」

「具体的には?」

「それは…………」

「考えてないのかよ」

「う…うっさい」

 

 墓穴だったのか、恥ずかしそうにそっぽを向く咲耶を見て、一夏は表情を変えないまま心の中でほくそ笑んだ。

 

(なんか、マジで咲耶が女だって錯覚しそうだよな。いや、本当は立派な男なんだけど。つーか、咲耶が彼女なら普通に大歓迎なんだけど。なんとかして日本でも同性婚って出来ないのかな~)

 

 もうお分かり頂けたと思うが、一夏は完全に咲耶に惚れている。

 男だと分かった上で、だ。

 つまり、単なる変態である。

 

「っていうか、担任はまだ来ないのかよ。マジで遅すぎないか?」

「確かに。なんかあったのか?」

 

 二人が担任の遅延に懸念していると、ふと一夏ではなく自分に向けられている視線を咲耶は感じた。

 その視線の主は窓際の席の一番前にいた。

 黒い髪のポニーテールが特徴的なスタイルのいい美少女。

 咲耶と一夏は彼女の事をよ~く知っていた。

 

「あれ…箒じゃね?」

「だよな? いや、咲耶へ熱い視線を向けている時点でそうじゃないかとは思ってたんだけどな」

「マジか。お前って昔から無駄に勘だけは鋭いよな。碌に足し算も出来ないくせに」

「いや、流石の俺もそれぐらいは出来るからね?」

「1837499873772667+1167827788377996は?」

「桁が違い過ぎるわ。んな計算できるか」

「ほら、やっぱり出来ない」

「んじゃ、お前は解けるのかよ」

「…………………」

「そこで黙るんかい」

 

 この場で大声を出す程の度胸なんて二人には微塵も無いので、さっきからやっているコントは全て小声でお送りしている。

 それでも、周りの女子達にはばっちりと聞こえているのだが。

 

「あの子…彼と仲良さげだよね…」

「彼女なのかな?」

「中学時代から付き合ってたとか?」

「有り得るかも。かなりの美少女だし」

 

 どうやら、本物の女子から見ても咲耶は女にしか見えないようだ。

 本人がこれを知ったら、膝から崩れ落ちてからの男泣きのコンボが待っている。

 

 早く来て下さい担任の先生。

 そんな男子二人の願いが神様に聞き届けられたのか、ようやく教室の扉が開かれて、そこから教師と思わしき緑の髪の眼鏡を掛けた女性が入ってきた。

 

「皆さん、お待たせしました」

((本当に待ちまくったよ))

 

 こんな状況でなければ、二人は息の合ったコンビネーションでツッコんでいただろう。

 

「私は副担任の『山田真耶』といいます。これから一年間。よろしくお願いしますね?」

 

 シーン……。

 そんな効果音さえ聞こえてきそうな静寂。

 誰も返事をしない。勿論、彼等もしない。

 何故なら、絶対に悪目立ちをするから。

 心の中で謝りながら、今だけは沈黙を貫いた男子二人。

 そんな状況にちょっとだけ泣きそうになりながらも、真耶はなんとか立ち直り、教壇の前に立った。

 

「で…では、まずはレクリエーションとして皆で自己紹介でもしましょうか。そうですね…出席番号順でいきましょう」

(げっ!?)

 

 出席番号順。

 高校における出席番号順とは、誕生日が早い者から番号が少なくなるのではなく、あいうえお順になっている。

 つまり、織斑の『お』は、かなり早い段階で順番が回ってくる事になる。

 それとは逆に、飛世の『と』はそこそこ後ろの方なので、咲耶は心の中で一夏に向かって『ざまぁwww』と思っていた。

 

「では、まずは『あ』から始めましょうか」

 

 一夏の事なんて知った事じゃないといった感じで、自己紹介タイムが始まった。

 果たして、順番までに彼は自己紹介の内容を考え付くことは出来るのか?

 

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 とは言ってみたが、この短い時間の間に自己紹介の内容を簡単に思い付くほどの頭脳があれば、最初から一夏は悩んだりなんてしていないのだ。

 時間とは非情なもので、あっという間に一夏の番が回ってきた。

 

「では、次は織斑くん。お願いします」

「は…はい」

 

 少しでも時間を稼ごうと、ゆっくりと立ち上がるが、そんな事で稼げる時間なんて微々たるもの。

 結局は言わなくてはいけなくなるのだ。

 

「うぐ……!」

 

 立ったことで更に教室中からの視線が濃密になる。

 完全に晒し者にされている状態で正常な思考なんて出来る筈も無く、一夏は一刻も早く席に着きたいという欲求を強く抱くようになった。

 

「にゃっはっはっ~♡ ほれほれ~、早く言わないと後がつかえてるぞ~。お・り・む・ら・きゅん♡」

「咲耶……」

 

 ここであざとくウィンクからのニッコリ笑顔。

 これを自然とやっているのだから恐ろしい。

 

(こ…こうなったら自棄だ! こんなもんは適当に言っておけばいいんだよ!)

 

 軽く深呼吸をしてから、素早く一言。

 

「織斑一夏です! よろしくお願いします!」

 

 それだけ言ってから、すぐに着席。

 真耶が『趣味とかは…』と言い掛けたが、それよりも先に一夏の方が早かったので、そのまま先に進むことに。

 

 一方の一夏は『やったぜ!』といった感じのドヤ顔を咲耶に見せるが、肝心の咲耶の顔は恐怖によって真っ青に染まっていた。

 

「い…一夏……」

「ん? どうした?」

「ま…前……前…いる……」

「前?」

 

 言われるがままに前を向くと、そこには黒いスーツを着た黒髪の美女が腕を組みながら仁王立ちで立っていた。

 その表情は鬼のように怒り、その手には堅そうな出席簿が握られている。

 ゴゴゴ……という効果音が文字で見るほどに教室の空気が一気に重くなった。

 

「お前は…自己紹介すらもちゃんと出来んのか……!」

「げっ!? バルバトス・ゲーティアっ!?」

 

 ここでバゴンッ!! という確実に人体からなってはいけない類の衝撃音が聞こえたと同時に、一夏の頭の上にたんこぶが出来て机の上に倒れる。

 

「誰がバルバトスだ。私は相手がアイテムを使ったぐらいで秘奥義なんぞ出さん」

 

 いや、その割には今の一撃が十分に秘奥義級の破壊力が有りそうな気がするのは気のせいだろうか。

 

「ち…千冬姉……」

 

 なんとか意識を回復した一夏が顔だけでも起き上がらせようと試みると、追加の一撃。

 たんこぶが二つになって、まるで鏡餅みたいになってしまった。

 

「私の事は『織斑先生』と呼べ。いいな」

「いえす……まむ……」

 

 手をピクピクさせながら返事をする。

 周囲の生徒も真耶もオロオロとしているが、二人の事を知っている者からすれば割と見慣れた光景なので、特に何も言わなかった。

 

「お…織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」

「あぁ。私が来るまでクラスへの挨拶などを任せて悪かったな」

「いえ。副担任として仕事をしただけですから」

 

 さっきとは打って変わっての優しい声色。

 こっちの方が素なのかもしれない。

 

「おっと。そうだ」

「ん…? ひにゃぁっ!?」

 

 ここから彼女の挨拶が始まると思いきや、いきなり咲耶の方に歩いていき、顔を思い切り近づけてからの優しい抱擁。

 

「咲耶は私の事を好きな風に呼んでくれていいんだぞ? 『千冬お姉ちゃん』でも『千冬お姉さま』でも『ちーねーたま』でも、なんでも可だ」

「い…いや…オレも織斑先生でいいです……」

「そうか? ならば、プライベートの方で『お姉ちゃん』と呼んで貰う事にしよう」

「既に確定事項なのかよ……」

 

 最後ら辺に登場したにも拘らず、第一話から主人公達よりもぶっ飛んだ言動をしている彼女こそが、一夏の実の姉であり、この一年一組の担任でもある『織斑千冬』その人で、幼い頃から咲耶の事を溺愛している大人組の一人だ。

 

 勿論、家族であり弟でもある一夏の事もちゃんと大切に想ってはいるが、それはそれ、これはこれ。

 

 まだまだ説明していない部分が沢山あるが、それはこれから明らかになっていくだろう……多分。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




女装の理由、なんで咲耶もISを動かす羽目になったのか。

それらはすぐに明らかになります。

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