ルスト&モルド誕生日おめでとうー!
イチャイチャさせたい二人の話。
(ルスト:夏蓮視点)
これは小さい頃の話。
小学生の頃、葉と一緒にいることを揶揄われた私は、羞恥心から葉を傷つけてしまった。
私がお姉さんなんだから、葉を守ってあげなきゃいけなかったのに。
あれから二人で家まで帰ってはきたけれど、あの時に離した手は繋がれることはなく、
気まずさから、黙ってそれぞれの家に入ってしまった。
(また明日続きをやろうねって約束したのに……葉のばか)
昨日二人で進めていたゲームを眺めてそんなことを思う。
いつもなら、空き時間があれば二人でゲームをしていたのに、今日はそんな気分にならずにリビングのソファーでだらけていた。
何もやる気が起きずにもやもやしてたら、お母さんが買い物から帰ってきていた。
「夏蓮?一人なんて珍しいわね。葉くんはどこ?」
「……知らない。多分(葉の)家」
「どこに行くにも一緒だったじゃない。寝る時もお風呂の時も」
「ちょっ!低学年の時にはお風呂は別に入ってたでしょ!」
「でも寝る時は一緒だったでしょ?」
「…………」
「機嫌悪いわね?喧嘩でもしたの?」
「……別に。喧嘩なんて、してないし」
喧嘩はしていない。
ちょっと嫌なことが……嫌な事を言ってしまった、だけ、だ。
私の顔を覗き込んでくるお母さん。
じっと見られていると、責められているように感じて、
傍にあったクッションを抱き寄せて顔を埋めてしまう。
「あなた達でも喧嘩するのねぇ……」
「……だから喧嘩じゃない。私が嫌なことを言っちゃったの」
罪の告白。
今日の帰り道、揶揄われたこと。
追い払おうとしたけど、ムカついて恥ずかしくて。
私が、葉を、好きじゃない!って言ってしまったこと。
お母さんは静かに聞いていた。
私の話が終わると抱きしめるように、私を捕まえた。
――怒られるのかな……怒られたいな……。
そんなことを思っていた私に、お母さんは言う。
「あなた達は、お互いが好きかどうかなんて、確かめる必要なかったものね」
「…………」
「ねぇ夏蓮。好きなことを嫌いって言うのは、とってもつまらないわよ」
「……嫌いなんて言ってない」
怒られるなら素直に受け入れよう。
そう思っていたはずだったのに、口から出たのは反論だった。
「そうね、好きじゃないって言っちゃったんでしょう?」
「……うん」
――なんであんなこと言っちゃったんだろう。
「……おこらない、の?」
「ばかね。泣くほど反省してるのに、怒る必要ないでしょ」
「泣いて、ないっ!」
涙は零れてなければセーフのはずだ。
潤む視界から零れ落ちないように、ぎゅっと目に力を入れる。
酷いことを言ったのは私で、言われたのは葉だ。
だから泣くなら葉の方なのだ。私じゃない。私は泣いちゃいけない。
お母さんは、まるでぐずる子を泣き止ませるように、
強く抱きしめたまま、しばらく背中をさすっていた。
「でもね、夏蓮。覚えておいてほしいの。好きって伝えるのは素敵なことよ」
その後気がついたら、私は眠っていたらしい。
最近ゲームのし過ぎで寝不足だったかもしれない。
泣き疲れて眠った説は、認められないので却下だ。
翌日。家のドアを開けると、葉が待っていた。
「あ、夏蓮。早く行かないと遅刻しちゃうよ」
謝ろうと思っていた私は、葉の顔を見て固まってしまった。
そんな私に手を伸ばして、早く学校に行こうと急かす葉。
あっさりと手を繋がれ、そういえばいつも手を繋いでいたことを思い出す。
どっちから繋いでたっけ?――いつもは私から繋いでいたような気がする。多分。
葉に手を引かれるように歩いていく。
いつもは何話してたっけ。いや先に謝らないと……。
「……ねぇ、葉」
葉が振り返る。
いつもより目の位置が高い気がする。
また、背が伸びたんだろうか。
いやそんなことより、も。
「あのさ――」
「夏蓮。昨日はごめん!」
葉が先に謝ってきた。
なんで葉が謝るのだろう。
悪いのは酷いことを言った私なのに。
「夏蓮……僕さ。昨日帰ってお父さんと話をしたんだ。僕は「あー!またお前ら一緒にいる!」」
「またかよー」「やっぱり好きなんじゃん!」「いけないんだー!」
葉の話を遮るように、また、昨日の知らない奴らが出てきた。
ムカつくし煩いので、やっぱりボコった方が平和のためだ。
そう思いながら前に出ようとした私を、葉が押しとどめながら、
「そうだよ。僕は夏蓮が好きだ」
そんなことを言うので、心臓が止まるかと思った。
ぎゅっとなった心臓に燃料が流れるように、昨日のお母さんの言葉を思い出した。
『好きって伝えるのは素敵な事よ』
(好き……?葉が?夏蓮ってだれ?……私?)
ボーっとしていた私を呼ぶ葉の声に我に返ると、謎の馬鹿達は居なくなっていた。
何故か分からないが、居なくなってくれたのならどうでもいい。
そんなことよりも、ちゃんと確認しておかないと。
聞き間違いかもしれない。だって私は昨日酷いこといったのに。
「……ね、ねぇ、葉」
「どうしたの、夏蓮」
「葉は、私の事好きなの?」
「うん。夏蓮が好き。ちゃんと言っておきたかったんだ」
葉は私の事が好き。不思議と嬉しくなる。お母さんの言ったとおり、
好きって伝えるのは素敵だ。なんかもぞもぞふわふわする。
そうだ。私もちゃんと伝えないと!
「そっか、うん。わ、私も、葉好きだよ!」
口ごもってしまった。葉はズルい。
ちょっと悔しかったので、少し仕返しをしよう。
「…………葉。キス、する?」
「え!?あ、えっ!?」
よし勝った。動揺してすきだらけの葉にキスをする。
顔が近い。葉の瞳に私が映ってる。あれキスって呼吸どうするんだっけ。
――まぁいっか。我慢しよう。
10秒ぐらいだったかな。二人とも息が出来なくなって口を離す。
咳き込む葉と満足した私。
恥ずかしいけど、今度はちゃんと私からした。うん。
「けほけほ!もう!夏蓮は突然なんだから……」
「……じゃあ次は、葉からして」
葉は「死ぬかと思うような長くはしないからね」と言って、軽く触れるようにキスをした。
「もう終わり?葉は気合が足りない」
「キスに気合は必要ないと思うよ、夏蓮」
文句を言った私に、葉はいつものような返答をする。
それが無性におかしくて、二人で顔を見合わせて笑う。
葉の顔は赤かったけど、私の顔も同じようなものだと思う。
やっぱり葉と一緒にいると安心する。ちょっと頼もしくなった気もするけど、葉は葉だ。
ちょっとずつ世界が変わっても、私たち二人はこれからも――。
読んでいただきありがとうございました。
妄想を文章でちゃんと(?)出力したことなかったので、かなり苦戦しました。
なんとか読めるものに仕上がっているとよいのですが。
二人にイチャイチャしてもらうだけの話だったはずなんですけどね。どうしてこうなった!
最初の予定では、手を握ってキスしてもらうだけの妄想だったんですよ、これ。
まぁいいや!(思考放棄)