カズマの妹が異世界に来る話。   作:マッキーガイア

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1話:名前

「……兄さん…兄さん…」

 

私の声が部屋に響く。家の中はシ~ンと暗く、誰も居ない、何も無い。

 

気付いたら父さんがいなくなっていた。気付いたら母さんがいなくなっていた。

 

あんなに温かかった居間はいつの間にか冷たい冷ややかな場所になっていた。もう手元には何もなかった。

 

場所は兄さんの部屋、ゲームもフィギュアも数日前に売りに出していて部屋はいつしかベッドだけの空間と化していた。

 

そのベッドの中に一人私はくるまっていた。こうした日々がもう4,5カ月続いている。もうとっくの昔に心が壊れていた。

 

「……兄さん……」

 

私の平和の象徴。

私の幸せの象徴。

 

……無くなった…

 

ずっと兄さんに頼り尽くしていたんだ。心の平穏をずっと任せっぱなしにしてたんだ。多分それは依存の域だったんだろう

駄目だなぁ…

 

 

兄さんが居ないと私は………幸せにすら、なれないのか。

 

 

痛感する。

 

 

きっとみんなそうだったんだ。父さんも母さんも…あの兄さんの幼馴染とかいう人も…

 

みんな、兄さんに狂ってたんだ。

 

 

 

「………っ、」

 

 

一瞬、兄さんに会いたいなと思ってしまった。情けない。まだ、兄さんに求めるのか、あの時も、あの時も、ずっと助けられてた。流石にもう……

 

 

 

 

でも…ああ、会いたくて会いたくて会いたくて会いたくて(交わり合いたくて)会いたくて会いたくて会いたくて

 

 

 

 

 

 

ボンっ、

 

 

 

 

音が聞こえた。まの抜けた破裂音は何かを照らし出した。

 

ガヤガヤと布団の外で何か騒がしい声が響いている。

 

なんだか暖かい気分になるけど、これも幻想だって気付いてる。

 

 

 

 

 

「あれ、俺の布団…か?」

 

 

 

 

 

それは聞き覚えのある声だった。

 

 

 

 

 

 

 

☆ーー☆ーー☆ーー☆ーー☆ーー☆ーー☆ーー

 

 

白い煙は円を描きながら宙を舞うと一気にみんなの視界を奪った。

 

しかしまぁ、こんなに被害を被るものなのか?テレポート装置ってやつは、もうちょっとどうにかならないのか、

もう手元にないだろう例のテレポート装置に内心愚痴る。これで失敗だとかだったら笑いもんにもならないぞ、ったく

 

煙がムクムクと舞い上がり俺の視線を奪っていく。

 

はぁ……成功か?

 

 

「ごほっごほっ!な、何が起こったんですか!?また変なの触りましたねカズマ!前回の事と言い懲りて無いんですか!?本当に!!」

 

「何だこれは!…ま、まさか!か、カズマめ!私の視界を奪ってあんな事やこんな事をする気だな!それもこんな公衆の面前で!!さぁ!やれ!今すぐやれぇぇ!!」

 

「ははは、終わった…終わったわ、私の女神生……」

 

あ、失敗だな。

 

一瞬で理解できた。あの賑やかな声はアイツらだ。

 

「ウィズ…やっぱこれ不良品だわ。」

 

煙の向こうでそう言う。

「あ、」って、おい、今やっぱりって顔したよな?

 

「ったく、こんなの買いこんで…後で100%どやされるな、」

 

「う、、今から言い訳考えないと…」

 

まだ顔が見えないウィズは頭を抱えていた。

 

…あれ、そういやこれは使用者の家族を連れてくるみたいな道具だったな…

しまった親父たちに迷惑はかけられねーな…ああ、連れてきちまったらマジで面倒くさい事になるぞ!?

 

「……やばい…」

 

つぶやくと煙の中を懸命に探す。

人影は1、2、3、4、…ウィズとアクア、奥にめぐみん、そしてダクネス。

一人増えてる訳でもなさそうだ。

 

「徒労であって欲しいが…」

 

周りが見えない状況で一歩前に進む。たしかここら辺に水晶を投げたはずなんだが

足で探す。

 

あれ、此処か…?

 

よく見る。煙に隠れながらも何かが見えた。

 

「あれ、俺の布団…か?」

 

何かが煙の中心にあるとわかったらかなり懐かしいものが出てきた。何ヶ月ぶりに会っただろうか俺の恋人!

 

え、いや、新しい布団…?

 

う、浮気じゃないよ!NTRだよ!

 

 

「よがっだぁああああああ!!!!」

 

 

次の瞬間、腰に大きな衝突を受けたかと思うと俺は横に吹っ飛ばされていた。

よく見るとアクアが俺に馬乗りしている様だ。

 

「もうどうしたんですか、アクア、カズマが死んだみたいに、」

 

めぐみんがアクアに向かってそう呟く。

 

ビクッ、

 

あれ?布団が動いた気が…気のせいか、

 

「がじゅまさぁぁぁぁん!!」

「やめろ鼻水つけんな汚い!」

 

アクアがこちらに気付いた様で俺にタックルをかましてきやがった。

ちょっ、涙まで付けっ…!?

 

 

 

「うわぁぁあぁぁぁん!!」

「うわああああああ!!!」

 

 

クリーニングに最低三回かけなくては(使命感)

 

「ま、まてアクアいい加減降りろ!

この状態は非常にまずい!」

 

俺の上で馬乗りになって泣いているアクア。

や☆め☆ろ

これ以上鼻水を付けんな!

 

 

数分後アクアの頭には大きなタンコブがあった。

 

 

「ぐす…グスンっ、殴らなくても…」

 

「俺は相手が女だろうがドロップキックを喰らわせられる男だっつたろ。」

 

 

目の前で正座しているアクアを横目にやっと目の前の不自然な布団に目をやる。

 

…さっきから妙に動いているような気がするのは俺の気のせいだろうか。

 

でも…これ…俺の布団だよな、

 

わざわざ俺の布団で寝る奴なんてうちには居ないはず…

 

お袋はやらん、

 

親父だってやらんだろ?

 

妹は絶対「キモい、ありえない」だろうし、

 

 

「…まったく、誰だよ…」

 

 

 

 

俺はゆっくりと布団に手をかけた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

混乱している。

 

聞き覚えのある声、

 

雰囲気、

 

なんだろう、この感覚は、、、涙が止まらない。

 

 

「…ヒック……うぅ……お兄ちゃん…」

 

 

心から溢れたのは子供の時の兄の呼び方だった。

 

…会えないなんて………嫌だよ、

 

まだお兄ちゃんとやりたい事がいっぱいあった、

昔は一緒に行ってたお祭りにだってまた一緒に行きたかった。

またお兄ちゃんと一緒に川魚釣りしたり虫取りしたりしたかった。

お兄ちゃんの馬鹿な話聞いて、笑って、そして……そして…

 

 

 

私の名前を呼んで欲しかった…

 

 

 

夢物語をまだ語っている。

 

 

 

心がすり減っている。

 

 

「…まったく、誰だよ。」

 

 

やめてよ……やめて!!

 

これ以上光を見せないで、

 

これ以上その温かさを感じさせないで、

 

 

 

これ以上私に……お兄ちゃんを…思い出させないでよ…

 

 

 

 

 

次の瞬間、光が覆った。

 

 

 

 

 

 

 

「"カエデ"…?」

 

 

 

 

 

その光は久しく忘れていた私の名前を呼んでくれた。

 

 

 

 

 

 

「お兄ぢゃん…」

 

 

幼馴染ちゃんの名前何にしようかなぁ、

  • 神藤 花
  • 花餅 和泉
  • 小崎 幸恵
  • 幼馴 染(そまる)
  • 柚木 幸
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