…神さま、神さま、
…なんで貴方はこんな酷いことを簡単に出来るの?
布団の隙間から見える兄の輪郭をなぞりながらそう問う。ずっと私を見つめる兄らしい人はしばらく呆けていた。
なんて…、笑えない冗談、
「…おい、お前…泣いてんのか?」
私の頬を見るとそう言いながら触れようとする。
「辞めて!!触らないで!!」
その手を私は拒否した。
「……っ、」
跳ね返された手に驚きながら男は私を見る、
やめて、そんな優しさ
やめて、そんな髪形
やめて、そんな瞳、
全部兄に似ている。違う、違う…お兄ちゃんは死んだんだ。コレは夢なんだって分かってる。触れられる筈がない、こんな幸せな夢…やめてよ、
「私にこんな夢見せないで!
私にお兄ちゃんをこれ以上汚させないで!
私が悪かったから、私が全部悪かったから
お兄ちゃんを引き止められ無かったのも幼馴染さんを救えなかったのも、全部全部、私の所為だから…だから…だから…」
我慢していた、
我慢できていた物が瞳から流れ落ちる。
「……ぁぅ…」
狼狽えるその男はしばらく私を見つめていた。
☆☆☆☆☆☆☆☆
しばらく呆けていた。
なんでこいつが泣いてんだ?
なんでこいつが後悔してるんだ?
なんで…なんで…
疑問が尽きない、頭が上手く纏まらない。
妹は俺の布団を掴みながらずっと「ごめんなさい…ごめんなさい」と呟いている。
俺は今までに見たことがない妹の姿にしばらくこうして呆ける事しかできなかった。
俺は、こんな弱ったカエデを見たかった訳じゃ無かった。
こんな事になるんだって知っていたらきっとあの時、ゲームなんか買いに行かなかった。きっと…きっと…
…
…俺に何が出来たんだろうな…
「…か、カズマ?」
ふと、後ろから女の子の声が一つ響いた。
めぐみんだろうか、でもそれを判別できないほど今の俺の頭は混乱に満ちていた。
「カズマ…この子は…?
さっきから理解不能な言語を喋っている様ですが…」
あ、そっかカナデは直接召喚されたから言語取得出来ていないのか…
アクアと初めて会った時の事を思い出す。
そういや…紹介しなくちゃな…
頭を切り替えようと立ち上がる…
「こ、こいつは…サトウカエデ…俺の妹だ。義理の…だがな…」
「義理の…?血のつながりが無いのに召喚されたんですか?」
ウィズの言葉に突っかかった
「一応言うが血の繋がりはあるぞ、うちの親父の弟夫婦が事故で亡くなって、その娘をウチで預かったんだ…」
「それでも可笑しいですよ、血縁関係の最も近い人物が召喚されるはずなので召喚されるのは本物の父母か兄弟じゃないと…
確かにここに自分と血縁関係のある人物の元に召喚されるあるいは召喚する事ができます。親戚など血筋的に遠い人間は召喚対象になりえませんって
………あ、れ?」
そこで言葉が止まった。
ウィズの手元を見ると説明書が一つ、、、あれはさっきのヤツの…
「"対象外として、血筋の濃い者が亡くなってしまっている場合だけ、親戚など血筋の薄い者も対象内としてカウントされ召喚対象になる場合があります。"」
「それってまさか…」
「親父とお袋が…死んだ?」
嫌な予感と共に冷や汗が落ちる。
…意味がわからない。なんで?どうして?
疑問が増える。
ウチには親戚も祖父母も…血縁関係がある人間が誰一人として存在しない。カエデを養子として取ってくれる奴なんかいなかった筈だ…
なら、ずっと…ひとりだったのか?
カエデに聞くにも今はマトモな状況じゃない。それにこんな状況で聞ける筈もない。
カエデの顔にいつもの様な笑顔は無く、ずっと後悔の念に押しつぶされていた…
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
謝り続けるカエデの声、
落ちる涙…
…お前は何も悪くないだろ…
なんだよ…なんだよ結局…
…結局、全部俺の所為か…
勝手に死んで色んなとこに迷惑かけて…自分勝手にみんなは幸せに生活出来てるって勘違いして、結局、父母は死に、妹をこんなになるまで追い詰めた。
「ごめんな……ごめんな…カエデ…」
少し躊躇いつつもカエデの頭を撫でる。
そして悔やんだ、こんな口先だけしかこの子に後悔を伝えられない。謝罪が出来ない。その方法が思いつかない。
辛かったろう悲しかったろう。その全てが、俺の死によって齎されている。俺がお前を不幸にした一端を担っている。
「優しく…しないでよ……」
嗚咽混じりにカエデはそう言った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「私にはそんな権利はない、私には…生きる権利なんて」
そこまで言うと兄の幻影は私の言葉を遮る。
「それ以上は言うな、お前は幸せになる権利がある、お前なら誰よりも幸せな人生が送れるだろ、」
そう言う兄に私は怒りを感じる。
前提にこれが私の幻だと知っているから、きっと兄が言っている言葉を自分の奥底にある言葉なんだろうと察しているからこその怒りだ。
まだ私からこんな甘ったれた言葉が出たのだとしたらもう目も当てられない。
「そんなの押し付けだよ、私は幸せになりたいなんて思ってない…いらない、いらないんだよ!」
「だからって、なんでお前が死ぬ必要なんて…」
「お兄ちゃんがいないんなら生きる意味なんて無い!
生きるのにそんな意味しか持てないんだよ!?私は!
そんな人間が生きてて良いと思ってるの!?」
「………っ、」
お兄ちゃんは思わず息を呑む動作をした。
「なんで、お前…」
「ずっと昔から兄さんが居なくちゃダメになってたんだよ、
だからずっと離れようと思ってたのに…
そしたら兄さんが本当にいなくなって…
そしたらみんな居なくなって、何も考えられなくなって…
全部壊れていった…」
「そんなのお前のせいじゃないだろ。」
「いや、私の所為だよ。私がこんな人間じゃなきゃ、もっと他のやり方が出来てた。
みんな居なくならなかった!
お兄ちゃんを……怖がらなくて済んだ!」
恐怖、それは兄に対して、そして自分に対しての恐怖でもあった。
お兄ちゃんに嫌われるのが怖い、でも好きすぎて暴走するかもしれない自分が怖い。兄妹なのに…恋愛の類の感情を抱くのが怖い。
ーー言葉にするのが怖い
ーー目を合わすのが怖い
ーー触れ合うのが怖い。
無償の愛が怖かった。
怖い物ばかりだから、逃げている方が楽でしょうがない。逃げてる時は何も考えずにお兄ちゃんに対する何かを感じることはない。
地方の頭のいい高校に通ったのもそれが原因だった
お兄ちゃんと離れていれば少しはお兄ちゃんを忘れられるかもしれない。勉強漬けになっていれば怖い思いなんかしなくて済む
結果、みんな死んだ。
逃げて逃げて、それが最善策だと思っていて逃げて、
結局何にも残ってない。
何がしたかったんだろう…私は…
なんでお兄ちゃんに向き合おうともしなかったんだろう。
だったらお兄ちゃんに告白でもして嫌われた方が良かった。
そっちの方が被害が少なかったかもしれない。
私が壊れてしまったとしても、みんなが普通の人生を送れていたかもしれない。
だったら、そっちの方が良かった。
ガタ……
私の指が震える。
焦点が合わない。
いきなり不安が湧き出てくる。
その異変に私は驚きもしなかった。
多分、嫌なんだ。
お兄ちゃんに嫌われたくないんだ。
「……嫌だよ…嫌だよ…」
涙が漏れる。声が漏れる。
「嫌だよ…」
ダメだ、これ以上はダメだ。
決壊寸前のダムに大きな波が覆い寄せる。その気持ちの波は私の心のひびを広げていった。
「嫌いにならないでよ…お兄ちゃん…」
ガバッと
体に暖かい何かが覆う、しっかりと包んだその暖かさは何処か懐かしい感じがする。
「何いってんだよ…嫌いになるなんて有り得ないだろ。」
それを聞くと私の身体はぐったりとその暖かさに倒れ伏した。
それを機に、私は意識を失った。
え?投稿初めて約半年で3話も行ってない二次創作作者がいるってマジ?
あ、これカズマというよりKAZUMAって感じだ。
何時投稿が良いですか?
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7時から9時くらい
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10時から12時くらい
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13時から16時くらい
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17時から19時くらい
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20時から23時くらい。
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夜中の12時