関係者でも行こうと思っても行けない不思議な場所
カウンターとソファーテーブル1セットのみの小さな酒場
そこが必要な者が、時には店に立ち、時には客になる。
今夜の主役は「鹿島」の様です。
カランカランカラン…場末の酒場にピッタリな入店の鐘が鳴る
鹿島「いらっしゃい、カウンターで良いかしら?うふふ」
案内をされた男がカウンターの椅子に座る、制服から見てどこかの提督のようだ。
鹿島「何にします?ついでに私も一杯頂くわ」
男はビールを頼み鹿島はウイスキーをロックで飲むようだ。
鹿島「そう、秘書艦と上手くいってないのね…まぁ、よくある話ね」
ウイスキーを少しずつ含みながら男の話しに適当に相槌を打つ
鹿島「規律?風紀?くっだらないわ。大所帯である以上確かに必要よ?でもね、貴方が抱えている問題は男女の話しよ。選択肢は2つ、ヤるかヤらないか」
男はもごもごと反論するが力がない
鹿島「提督学校に常駐風俗の設立を嘆願しようかしら?童貞坊やの青臭い理想を私達に当てはめないで欲しわ」
おかわり頂くわね…空いたグラスに直接ウイスキーを足していく
提督「酷い言われようだ、でも国のため国民のために命を賭して戦っている艦娘に私個人の欲を…他の者にも示しがつかn…バシャッ!」言い切る前に鹿島が割り材の水を引っ掛けた。
鹿島「ホント気持ち悪い。私達艦娘が国・国民のために戦う?ハッ!笑っちゃうわ。そんな思いで戦って私達には何のメリットがあるのかしら?」
と言い捨てタオルを投げつける
鹿島「よくお聞きなさい、坊や?私達は自分のため、仲間のため…または愛しい人のために戦うのよ?国や国民なんて結果論よ?」グイッとグラスを煽る
提督「それも分かるが、少なくとも私は平和を志して身を捧げる思いで軍に入った。提督という役目を受けた以上、先ずは平和を…ドンッ!」目の前に丸いビリヤードの玉のような氷が入ったグラスが置かれる
鹿島「ビールが空になったわ…次は私のお任せで良いわよね?」男は無言でコクコクと頷く。グラスにウイスキーが注がれていく
鹿島「マッカラン シルバーシール。貴重品よ?葉巻との相性も最高。」鹿島は紙巻きタバコのような大きさの茶色い棒を咥えて火を点ける。煙を口に軽く含み男に吹きかけ、霞んだジッポを見せつける。吸う?
提督「タバコは吸わないんだ、ではこれを頂こう。」注がれたウイスキーを軽く口に含む、ウイスキー独特のアルコール刺激があるが嫌な感じはしない。飲みやすい。
鹿島「私達艦娘は付喪神みたいな者よ、でも何故か人間の女の作りにされた。スペック的には人間の上位互換ね…。でもね、心は人間と何ら変わりはないのよ?」グラスをカラカラと回しながら話す。
鹿島「平和への思いなんてわざわざ口に出すものではないわ、坊や。貴方たち提督は持ってて当たり前のもの。そして考えなさい、人間の上位互換の我々が提督をやらず人間が提督をやるのはなぜか…?」身を乗り出し豊満な胸をカウンターに乗せ男の顔に自身の顔を近づける
提督「…っ」美しい整った顔が酒により僅かに頬を染め、瞳は潤んでいる。余りの艶かしさに言葉が出ない
鹿島「私達は繋がりを求めているの、私達を生み出した何かは深海悽艦ではなく人を選んだのよ。人として応えなさい、貴方のためにその身を削って尽くすその子に」もとの位置に戻り紫煙を燻らす。
提督「正直、愛しい気持ちは持っています…理想を盾に逃げているのも分かっています。」
鹿島「そうそう、童貞坊やから素直さを取ったら存在価値はないわ」ニッコリと微笑むが言葉が常にダイレクトだ。
提督「こんな私なのにアピールしてくるのは秘書官だけではなく…「全部抱けば良いのよ」
鹿島「貴方の秘書艦がどうかは分からないけど、私達は願いながら入渠すれば処女膜だって再生されるわ♡女にも欲はあるの。アピールしているってことは貴方は認められているの、そして自分の認めた男に認めて欲しいと思うのは自然なことだわ。もちろんオンリーワンで愛してもらえればそれはそれで幸せよ?でもね、私達の仲間意識は人間とはちょっと違うわ、まぁ、例外もいるけどね…」新しいグラスを氷を2つ用意して自分と男の空になったグラスを下げ、ウイスキーを注ぐ。
鹿島「あ〜本当美味しいわ、うふふ」新しいシガーに火を点ける
提督「複数なんて難易度高すぎですよ。ですが…切り出し方が…」テーブルのチョコレートをかじりながらウイスキーを飲む、美味い…
鹿島「童貞坊やにムードある誘いなんて期待してないし、むしろされたら気持ち悪いわ。辿々しくていいのよ、素直な気持ちをぶつけなさい。そうね、執務終了後にすぐとかがいいわね。貴方がどもって言葉が出なくてもその子は察して真剣に聞いてくれるわ、そして待ってる。」グラスを回しながら昔の自分を思い出すように目を閉じる
鹿島「いいこと?その子と済ませたら他の子達のアピールも激しくなるわ、仕事に差し支えない程度に頑張りなさい♡」微笑みながらウインクをする
提督「….///」お酒とその色香に提督の提督は元気になる
鹿島「後付けになっちゃうけど、貴方の艦隊運用能力も上がるわ。艦娘がどういうものかを理解した貴方は場面ごとに最適解が分かるようにもなる」
提督「ふ、複数は今の自分には荷が重すぎます!ですが、あの子には必ず想いを伝えます!」決意の一気飲み
鹿島「もし、その子が初めてではなくても…あ、初めてにもなれるけど…その子は貴方だけのモノよ♡どっしりと構えなさい!ていうか、坊やだからリードしてくれる子の方が良いかしら♡特別に授業してあげましょうか?提督さん!うふふ♡なんてね」
提督「…///」話が高度すぎてついていけない
鹿島「認められた私達は更に強くなる、頑張りなさい」指で固まっている男の額を突く
提督「あ、あのお会計を!」あたふたしながら男は立ち上がる
鹿島「良いのよ、このお店は少し特殊なの。来ようと思っても来れないし、私もここに立つかそちらに座るか分からないの。もう会うこともないかも知れないけど応援しているわ、行きなさい。」伝票を持った手をヒラヒラさせて退店を促す
出口で深々と頭を下げ男は出て行った。
鹿島はバックヤードに入り伝票をある艦娘に渡す。
鹿島「はい、姉さん。こちらよろしくね♡」
艦娘「ありがとう…、鹿島」
鹿島「良い男になったなぁ、昔のあの人そっくり!」ポッケからパスケースを出して見開く。そこには男によく似た軍服姿の提督と満面の笑みで腕を組む鹿島の姿があった。
艦娘「お代を済ませてくるわ、良い男に育てるわ」伝票を顔の横でヒラヒラさせてホールに出て行った。
鹿島「親子二代で練習巡洋艦を食べちゃいますか…うふふ♡」
看板をしまい今日の営業はお終い。
鹿島「お疲れ様でした♡」
こんな感じで進めていきまする…