心を持つというのは幸せで不幸です
物事は表裏一体。
上手く整理できない時は
お酒でも飲みながら騒いで忘れましょ
スナック フリートまもなく開店です
情事を終え上半身を起こす、満足げに大口を開けて寝る男を一瞥し
「まぁ、悪くはなかったヨ、悪くはネ」と呟きシャワーを浴び服に着替えてホテルの部屋のドアを開けた。
そこはいつか来たお店のバックヤードだった。
最初に来た時は、あの時のテートクがバーテンで私たち姉妹がお客だったのよネー。懐かしいナ、オリジンはワタシだけになっちゃったヨ…
お客さんを迎える準備をしながら
アレこれと思い出に浸る。
途中、訪問者が現れたけド後ろからだったので放っておいたネー…そんなこんなで時間が経ち、入り口のベルが鳴る
さて、気分転換も兼ねて勢いよくいってみヨー!
「Welcome to Snac Fleet!」
「ってアカかー。張り切って損したネー」作業服を着た桃色の髪をポニーテールにした疲れ切った顔の明石オリジンと呼ばれる艦娘が入り口に立っていた。
明石「おっす、金剛。ちょうど良かった、何か適当に出してくれ…疲れたぁ〜」明石はカウンター席によっこらせーび、と呟きながら催促をする
金剛「ハイ、お疲れ〜。」茶色の瓶にWestmalleとロゴの入ったモノを2つ両手に持って片方を明石に差し出す。
明石「お疲れぇ」金剛と瓶を重ねて鳴らし、互いにラッパ飲みをする
明石「180ミリの修正依頼がうるさくってさー、武蔵を筆頭に「例の一族」がさー!練巡や駆逐はそもそも対象外だっつーの!もう!」
ドン!とカウンターテーブルに瓶を乱暴に立てる
金剛「アー、あの「ロマン砲」ネ笑」と苦笑い。
明石「アンタの妹も煩いんですケド!」テーブルに備え付けのナッツを貪り、瓶を煽って空にしてカウンターに置く
金剛「同じモノもう一本いっときなネ」新しい瓶を置き、明石はまたラッパ飲みをする
お酒を適当にコロコロ変え、互いに料理を食べながら話は進んでいく
明石「ムコ探しはどーよ?」
金剛「ダメネー、今日もここ来る前に目を付けてた子と寝て来たんだけどサー、悪くはなかったけど俺凄いだろ?が煤けて見えて萎えタ」
細長いタバコに火を付け煙を自分の左側に吐き出す。
明石「ご愁傷様。オレはやっぱ男なんて無理、前世のこの記憶は仕事には役立つけどさー、無理、男に挿れられるなんて絶対に無理」
金剛「その点は同情するネ、ワタシも最近はバイブの方が全然イイ。男の方が気持ちよかった時もあったけド、男の思惑を知らなかったからサー昔は。」トントンと灰を落としてカウンターに肘をつく
明石「まぁね、元男しては艦娘は本当に理想の処理道具っての良く分かっちまう。そりゃ、艦娘を経験しちゃったら人間の女とヤル理由は子作りメインになっちまうの分かるわ、そうでない男はそもそも艦娘に関わろうとしないからな。」
金剛「ヒトの女の体でテートクたちとイチャラブできるのはいいけど、デメリットの方が多い気がするワ。イッチョージュッタンくらいネ笑」
明石「本当なんで女の体なのかね。艦娘の裸とか見て濡れる股じゃなくてそそり勃つチ◯コが欲しかった…。」ジョッキを煽り大きくため息をつく
金剛「男の快感ってどんな感じ?女の快感自体に不満はないケド気になる」
明石「うーん、女の方はディルドやバイブ経験しかないけど…男は集束、女は拡散って感じ。男は全身の隅々からチ◯コに向かって快感の波が集まってそれを一気に放出するんだよ。それで力尽きるから賢者タイムという満足しきる感じがある。女は子宮から快感が全身の隅々に伝わるのよ、完全に逆。だから女の賢者タイムは持続という名残りが残るのさ。オレは断然男の感覚の方が良い、心が男だからなー。メスイキは好きじゃない。」
金剛「へー、全然違うのネ。でももう見て濡れることはなくなっちゃったヨ、裸になってヤルことが確定して初めてって感じ。戦闘も嫌じゃないけど、これだけ時間経つと何の感慨もなくなっちゃったヨ」
金剛・明石「ままならないねぇ」
金剛「妹たちとのお茶会も楽しい、戦闘もそこそこ、男とヤルのは飽きてきたけど沈んだ子たちに比べれば恵まれてる。生き残ってるワタシがあの子達が何としてでも欲しかった日常をこんな風に使い潰すのはやりきれないワ」
明石「沈んだ子たちだって、沈まずに長く生きれば同じ悩みを持っただろうさ、だからそこは気にするなよ。」
金剛「アカが男だったらなぁ…これだけワタシ達を理解できる男なら幸せになれるのに、で?バリとはどうなのよ?」
明石「あー、ここで突っ込んで来るか笑。変わらずだよ、親友の位置を頑張ってキープしてるけど、辛い。バリが欲しい、男として。」
金剛「両想いなのに、見ていて悲しくなるカラ何とかしてヨ」
明石「すまんな。オレはどうしても男としてバリを愛したいんだよ…性転換が無理でも生やすくらいはと頑張ったりもしたけどダメだった。心の繋がりはもちろん大事だけど、同じくらい体の繋がりもオレにとっては大事なんだよ…チクショー。バリ可愛いよバリ、めっちゃ愛してる。」愚痴を言った瞬間、ガタン!と何かが動く大きな音がバックヤードから聞こえた。
明石「ん?何の音?」
金剛「アー、微妙なバランスで積んでいたアレが落ちたカナー。ちょっと直してくるヨ。」バックヤードからペチンと何かをはたく様な音がしたのち、金剛は戻ってきた。
金剛「そうそう、そう言えばサー…」
コロコロと話題が変わり、しばらくしてお開きとなる。
明石は「あの一族」を唸らせる改修やってやろーじゃないの!と意気込んで出て行った。
金剛はバックヤードに戻り何かに話しかける
金剛「で?どうなのヨ、バリ」バリと呼ばれた夕張オリジンがバックヤードの椅子に座っていた。
夕張「そりゃあ、私もアカのこと大好きよ?でもアカと同じなの。やっぱり心だけじゃなくて体も女として愛されたい…ハァ〜」
金剛「流石にああすれば?これすれば?は2人を知り過ぎてて逆に何も言えないネー。何とか幸せになってヨ、2人とも。」夕張の肩をポンと叩く
夕張「ありがと、金剛。聞いてもらえるだけでも私たちは幸せよ?私は男どころか道具も経験ない指だけ女なんだけどさ、女同士の経験…ある?」
金剛「ワタシもナイネー、オリジンのオーイとキタカミならあっただろうけど、もういないからネ」タバコに火を付け天井に煙を吹きかける
夕張「アカがあんなんだから、私から動くしかないかな?ぶっちゃけこのままは流石に辛くなってきた。もう15年は余裕で経ったし!」両頬を手のひらでペチン!と叩く
金剛「ま、ギクシャクじゃなくて進むだけの未来しかバリ達には見えないからその点は安心して見てられるヨ、ファイトネー!」
夕張「女同士を体験したら、どうだったかみんなに教えてあげるわ笑」
金剛「Oh、ワタシはノーサンクスね笑」
夕張も帰り、片付けを終えて金剛も帰って行った。
ーとある日の鎮守府ー
「金剛さーん!こないだ教えてくれた映画面白かったよ!」
「金剛さん、おはようございます!この街のおすすめレストラン教えてください」
「金剛さん!」「金剛のアネキー!」
寮から職場へ向かう途中、いつも通り様々な子から話しかけられる
今日もいい日ネー!と鼻歌まじりで歩いていると花壇を整える40代くらいの男性が目に入った。
金剛「ヘーイ!テイトク。グッドモーニンッ!」座って作業する男性の背中に後ろから飛びつく
男「おっとと!やぁ、金剛ちゃんおはよう。毎回言うけど僕テイトクじゃないからね?環境整備員だからね?」
金剛「それを言うならワタシも「ちゃん」ではナイデスー、もうニアーおばあちゃんネ。2人の時だけしかテイトク呼びしてないから問題ナッシングネー!」男から離れてサムズアップ。
男「今日は出撃あるかい?午後から雨が降るから撥水コートしておきなね」雲ひとつない空を見上げ金剛に告げる
金剛「サンクス、テイトク!テイトクの予報はいつも100%ネー、みんなにも伝えるネ」
離れた場所から同じ巫女衣装の3人組が2人を見守る
「金剛お姉様は皆さんのことは良く気がつき、色んなアドバイスをくれますが自分のことには疎いんですよねー。」
「まぁ、そこを含めてのお姉様ですから。私たち外野がとやかく言わない方があの人たちには良いかと。」
「金剛お姉様は勝手に幸せになりますよ、それ以外の未来は私の頭脳を持ってしても見えませんし。それより早く改修された180ミリを試したいのでお姉様誘って演習場行きましょうよ?」
「「きりしまぁ〜」」
とある巫女衣装4姉妹の長女は姉妹のオリジンが沈んでから、皆のために動くようになった。性能的には自分の量産型と変わらず、個体によってはその量産型の後追いであることもあった。
まだそれなりに数のいるオリジン同様「二つ名」持ちであるが、この金剛だけは仲間ではなく、ある日突如現れた敵である金の装飾品を首辺りに付ける深海凄艦のボスが名付けたとまことしやかに伝えられている
その金剛を見たら、必ず短期決戦で挑むこと。
でないとどこからともなく力を増した増援が際限なく現れる
大破状態から仕留められなかったら我々は轟沈を強いられる
「百鬼夜行」金剛オリジン
屈託のない笑顔をいつも振りまき、周りのものも笑顔に釣られて幸せを感じる。「艦娘の太陽」「永遠のお姉様」彼女を讃える言葉とても多い
彼女の幸せのため、鎮守府が総出となって奔走するお話はまた別の視点から語りましょう。
あの鎮守府は今日も明るい1日が始まる
ー「新兵器マガジン」(不定期発行)ー
明石考案、夕張重工作成
「08式180mmキャノン砲」ロールアウト
艦娘表記の35.6cmなどに見られる便宜上のサイズではなく、本物の180mm砲弾を使用の長距離支援砲
表紙を飾るのは海面から見上げる形で映る、某雲型2番艦が膝を立て股の所から砲が伸び上で見切れている。その後ろで少しダルそうに右肩に砲を乗せた褐色艦娘が写る
青葉のベストショット10に入ると本人が豪語し、まるで戦場の一コマを写したかの様な1枚で鎮守府外でもかなりの売れ行きを誇ったらしい
一応、中身には「重巡・戦艦用」と書いてある
この本を見た全国の某雲型3番艦以下から凄まじいクレームが入ったとか入らなかったとか…
「まあまあってとこね」先日発行された兵装雑誌を閉じ、イスの背もたれに体を預けながら船室から外を見る
白と赤を基調とし胸元に赤い簡素なリボンが付いている制服の艦娘。
中国まで陸路を使い、沿岸部から船で日本に向かっている
世界一艦娘が多く、世界一敵が多い極東の島国
オリジン、量産型関係なく轟沈者が出る激戦区
多種多様な姫級が存在する未知の海域…
私と姉さんはそんな所へ向かっている。
グラスコードのついた眼鏡のポジションを直し、テーブルを挟んで向かいにいる姉に声をかける
「姉さん、イタリア艦の凄さを見せつけてあげましょうね」
「ふふっ、ローマったら。まずは日本に慣れるために訓練基地よ?でも私たちの力で戦果をあげて、イタリアに凱旋ってのも悪くはないかもね」
後にこの姉のせいで凱旋どころか滞在延長申請を本国に送り続けることになることを、この時のローマは知らなかった。
某ゲームの続編が生まれるキッカケとなった姉妹がもうすぐやってきます(大体、姉のせい)