【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
小ぶりな雨で濡れる装備。雨の日や冬は、エンジンがかかるのに時間がかかる。それでも、市民が目の前にいるのに、言い訳するのは、ヒーローじゃない。
オールマイトを憧れとする爆豪は、未知なる敵と対峙する。
巨大な宇宙恐竜、U.ヒューモンガソー。
アルビードがアズマスから盗んだアルティマトリックスは、強力なエイリアンをさらなる化け物へと仕立て上げる。
互いに動かない。が、爆豪らが動かなかったのは警戒の為。アルビードが動かなかったのは、走り去っていくベンを見ていたから。
自分に注意を払わない敵に対し、爆豪は憤る。
「どこ見てんだクソ敵がぁぁ!」
BOMM!
先手必勝と言わんばかりに猛る。
爆破による飛行で空へと浮く。そして、冬服の防・発熱機能により、爆ぜる汗腺を刺激する。
「
BOMBOMM!! BOMBOMM!
掌全体の爆破を一点に集め起爆。これにより爆破は銃撃化し、貫通力も増す。一発でも敵を退ける銃爆撃を容赦なく連射。
が、
「邪魔だ」
BBWOON!
ただ腕を振るだけ。
たったそれだけで、渾身の徹甲弾はかき消され、爆豪もろとも吹き飛ばされる。
「ガッ!?」
ホテルのガラス戸を突き破り、壁にめり込む。ホテルに張られていたバリケードは、ボウリングのピンのように弾きとぶ。
「爆豪っ!!」
敵の様子見と爆豪のサポートに回ろうとしていた轟。建物内から戻らない爆豪を心配するも、すぐにその余裕はなくなる。
「…っち!」
ノッシノッシと5メートルはあろう足裏で、車を踏み潰しながら進むアルビード。
背中側にいる爆豪を守るため、轟は防壁兼攻撃を試みる。
「穿天氷壁!!」
PAKIPAKKIII!!
右手を地面スレスレにさらい、氷を出現させる。
普段は広域制圧、多人数への攻撃だが、今回は違う。
ただ巨大な一体のための、巨大な氷壁。
体育祭で見せた最高出力氷壁をいとも簡単に顕現させる轟。それは、この半年間での成長を示す。
美しい半透明の結晶が敵を襲う。飲み込まんとする氷は、10キロ先からでも判別可能なほど巨大だ。
しかしそれも、
「ふんっ!」
CRASHH!!
アルビードの拳で容易に砕かれる。敵を襲ったはずの氷塊。一瞬で粉々になった結晶は、氷柱となって轟に降りかかる。
「一発かよ…」
WHHOMM!
左腕からは赤く燃ゆる炎。
火炎放射で、氷を溶かしつつ、敵に牽制を入れる。自身と敵の間にある炎の壁は生物すべてが恐れるはずだ。
彼の考えのとおり、炎の向こう側で、アルビードの動きは止まる。
功を奏したのかと一瞬気を抜く轟。
しかし、その揺らめく炎の先から見えたのは、敵の銃口。さきほど、遠目から見た銃撃を思い出す。
「っ膨冷…」
(いや、駄目だ!威力が足りねえ…!!)
氷で冷やした空気を熱で膨張させ爆発を起こす“膨冷熱波”。
通常の敵には十分すぎる火力なのだが、これでは足りないと判断。
すぐに、奥義へと移行する。
(体中の熱を、引き上げろ!!)
瞬間、彼の周囲には陽炎が発生する。地面は焦げ、周囲の車は溶けだす。
熱が体に籠り、蕩けそうな脳を制し、放つのは
「赫約熱拳!」
父であるエンデヴァーから教授され、この半年で身に着けた究極奥義の一つ。
轟の左半身からは勢いよく焔が舞う。そしてそれらは左腕に集約し、さらに、拳一点に集中する。
「噴流熾炎!!!」
WHHOOMMM!!!
荒ぶる炎は炎塊となり、吹き出すマグマのように轟から放出される。
数発の弾丸を、圧倒的高熱、高圧の炎が飲み込む。
そこまでして、ようやく、
銃撃は弱まる。
轟の体を吹き飛ばす程度に。
DOM!DOMDOM!!
「ぐあっ!!」
爆豪同様、体をビルの壁に叩きつけられた。その時思い出すのは、神野での父の戦い。
アルビード扮するダイヤモンドヘッドに、勝てないながらも追いすがった父。
(あいつも…こんな気持ちだったのか?)
額から血を流す轟。少しずつ意識が薄まるのを感じる…彼の眼は、徐々に閉じていく
・
・
・
ホテル一階内部。周囲にはバリケードが張られていた。過去形なのは、さきほど自分が破壊したから。
爆豪は、背中に刺さるガラスを気にも留めず、思考を巡らせる。
(くそがぁぁ!!オレの攻撃も、半分野郎のも、全く効いてねぇ!あり得ねぇ耐久力、パワー!遠距離にも対応できるマシンガン…それこそ…)
脳裏に浮かぶのはオールマイト、そして、イカれた幼馴染。
先のベンを自称する青年は逃げれたのだろうか。いや、普通の人間の足ではそう遠くにいってないだろう。
ならば、まだ時間を稼ぐ必要がある。
“勝つこと”のみに執着する爆豪
だったが、小さいころから隣で、
“救けること”にのみに執着する人間が隣にいたためか、今、彼は、無意識にその身を動かす。
(救けて…勝つ…!!)
ホテルの瓦礫を押しのけ、壁にめり込んだ轟を鼓舞する。
「…轟ぃ!!何寝てんだこの天然半分がぁ!!」
「…爆豪」
本当はやりたくない。だが、救けて勝つためにはこれしかない。
「耳貸せや!!」
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・
・
チャンスは一度。何度も使える手ではない。
「お前が知ってたとはな…」
「ああ!?勝手に俺の特訓場にいたんだろうが!!」
「ああ、わりぃ。お前も使ってたんだな。今度から声をかける」
「うぜぇ!!そういうことじゃねぇわ!!」
・
・
・
(ベン=テニスンは逃げたか…所詮、こんな辺境の星でオムニトリックスを遊びに使っていたガキだ。僕には敵わない。)
アルティマトリックスの性能に十二分に満足するアルビード。ベンとの戦闘、爆豪らとの戦闘であまりダメージが入っていないため、変身時間にも不安はない。
「さて、そろそろ、…?」
背後からの気配を察し振り向く。
すると、建物から2人の少年が出てくる。
「たった一発で足を引きずり、血を吐くとはなんて脆い種族だ」
そう見下した彼に、雄英生は吠える。
「おめぇは絶対ぇぇ、ぶっ殺す!!」
BOM!と爆ぜ、勇猛果敢に突っ込んでいく爆豪。
さきほど同様、腕で振り払おうとするアルビード。
しかし、敵のパワーを学習した爆豪は、ギリギリのところで避け、今度は彼の眼前に迫る。手を伸ばせば彼の眉間に触れるほどの位置。
「こんだけ近づけば…どっちかは食らうだろうが!!」
左手の爆液は圧縮し、右手の爆液は拡散。それぞれ爆発の温度を調整することで、
「
周囲を真っ白に照らす閃光とともに、周囲を包むのは黒煙。敵の視界を奪うことに特化した、嫌らしい一手。
その意図に気づき、咄嗟に目を瞑ったアルビードだが、どちらにせよ煙幕で視界は真っ黒。
アルビードは一瞬爆豪と轟を見失う。
「っち、面倒な…フッ!!」
目を押さえながら、息を吹く。それだけで周囲の煙は彼方へと霧散。
開けた視界には、
誰もいなかった。
「遅せぇ!!」
代わりに聞こえるのは懐からの罵倒。
(どんなに強くても、どんなに踏ん張りがきく奴でも、真下からの攻撃で浮かないわけがねぇ!!)
爆豪の考える通り、生物が地面に足を付けたまま、下からの力に耐えることは難しい。
というのも、そもそも重力という地球の作用がその機能を果たしてくれるから。
逆に言えば、ヒューモンガソーの体重何千トンを浮かばせるパワーさえあれば、
彼を空中へ運ぶことはできる。
「とりあえず…死にやがれぇぇ!!!」
カチャンと外れる籠手。この籠手は本来、リスクなしで最大火力を撃つ道具。
だが今回は、本来とは異なる用法で敵を討つ。
両籠手を外し、敵の懐へ投げる。これで普段の最大火力2発分。
さらに、籠手めがけて放つのは、反動有り最大火力。
「
BOOOMM!!
オレンジ色の閃光は、敵の体を爆破していく。
そして、籠手に溜められた爆液に攻撃が到達したとき、さらに爆発は激化する。
「ふっっっっ飛べ!!!」
BBBBOOMM!!
今爆豪が出せる、最高最大火力の爆撃により、ヒューモンガソーの巨体は宙へと舞う。
「っ?!」
予想外の一撃に空中での姿勢制御が崩れるアルビード。いくら彼とて、空中で自在に動けるわけではない。むしろ、その体躯が仇となって、身動きがとれない。
そんな苦手な空中で待っていたのは、体中に霜を下ろした轟。
(赫約熱拳は体中の熱を引き上げ、集約し放つ技。これを、右に応用する!!)
「蒼零凍拳!!!」
本来、彼の右は氷を顕現させる力。地面から氷を出現させ、もしくは地面を伝わせて敵を氷で覆う。
どちらも、あくまで“氷”で攻防していることには変わりない。
だが、限界まで熱を引き下げ、敵に触れるこの技は、
「玉塵零度!!!」
内部からの凍結を引き起こす。
PAKIPAKIPAKI!!
冷気が轟の右手から伝わり、敵の心臓部へ到達。その瞬間から臓器、体液、骨格全てが凍り始める。
FRFEEZEEEE!!!!
アルビードの体は、轟とともに落下したときには、体中が固まっていた。
「っはぁ、はぁ…」
轟は白い息を吐きながら、左の炎で体温を戻そうとする。しかし、まだ慣れていない技であったため、意識がぼんやりする。
まるで雪山に何十時間もいたかのように、震えが止まらない。
隣の爆豪も、容量超過爆撃により、両腕が痺れ、軋む。しかし、その痛みと、
「…へっ!!俺に勝てるやつなんざ!!どこに…」
もいない。そう言おうとしたとき、聞こえた。
GANN
小さな起動音が。
ガシン、ガシンという、まるで兵器が運ばれるような。
DOOMMM!!!
凍っているはずの敵からミサイルが飛び出す。それらは周囲の建物に着弾し、爆発。瓦礫の山と大火災を発生させる。
その衝撃と熱で、彼の体中の体液は煮沸し、体は最高潮の状態へと変化する。
「所詮この程度だろ?僻星のサルめ」
生物兵器は宣った。
・
・
・
正直、予想していなかったわけではない。自分達の最大火力で仕留めきれないことは。
しかし、まさか、10秒も持たないとは…
「…く‥そが」
「…ハァッハァ…な…んかいでも、…ぶちこむぞ」
ふらふらと立ち上がる2人の英雄。もう意識を保つことさえ一苦労。
そんな彼らに容赦なく、撃ち込まれるミサイル。
轟が氷を展開しようとするも、もはやそれすら敵わない。
爆豪も手足が痺れ、爆破がおきない。
それでも、前から目を背けなかったとき、
ECHOOOOO!!
横入りした超音波がミサイルを暴発させる。
雨雲まで吹き飛ばす爆発で、仰け反る爆豪たち。
「…な…んだ?」
彼らの前に出てきたのは、
「「「「エコーエコー!!」」」
白く、小さな、
・なんというか、ドラゴンボールでいうピッコロ的立ち位置な感じですね。強いけど、相手が理外の化け物という…
・最後のエイリアンは、番外編に出てきた彼です!
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章