【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

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この回は書いてて楽しかった。やっぱりヒーローは変身してナンボ。


10話 ポンコニトリックス

「よし、じゃあ出席番号順にならべ。最初は50メートル走だ」

 

担任の気まぐれで急遽始まった【チキチキ!だれが除籍処分になるでしょーか】。最下位は学校から去る、という特殊すぎる体力テストに困惑しながらも皆は準備をする。

 

「まずは蛙吹、飯田だ」

 

クラスメイト二人が走り出す。待機中のベン、緑谷、麗日は手持無沙汰となり喋りだす。

 

「えっと、ベン君?だっけ?あたしは麗日お茶子!よろしくね」

 

「ああ、よろしく」

 

「ベン君の個性は…あのトカゲ見たいな奴に変身する能力?」

 

麗日は試験開始の際ベンがXLR8に変身するところを見ている。フォーアームズになっているときのも会ったが、変身解除を見られていなかった。ゆえに麗日はベンが単一の変身型だと予想する。

 

「トカゲって…XLR8のこと?あいつはトカゲじゃなくて恐竜!!」

 

その違いは大してないのだがベンは気にする。ヒーローは何よりもかっこよさが重要なのだ。ちなみにそれはお子様にも言える。

 

「そういえば君は2種類の姿に変身していたな。複合型なのか?」

 

麗日とは違う考察で会話に入るのは飯田。50メートルを走ったにも拘わらずその息は乱れていない。それは全力疾走をしていない、いや出来なかった。ことを意味していた。

 

「ああ、お前はXLR8とフォーアームズを見てたのか。ふっふっふ、君たち、ボクの力はそんなもんじゃない!このオムニトリックスで僕は10タイプのエイリアンに変身できるんだ!!!」

 

ペラペラしゃべるベン。そんな彼に対し小声で突っ込む緑谷

 

「ちょっとベン君!!それ言っちゃ駄目な奴じゃなかったの!!?」

 

ハッとするベン。オムニトリックスによって変身能力を得たことは日本ではベン、緑谷、そしてオールマイトのみが知っている事実であり、また口外禁止であった。

 

「10も!?オムニトリックスとはその時計のことか!?」

「エイリアンって何!!」

 

矢継ぎ早に質問を投げ返る二人に対し当のベンは、

 

「えと…」

 

困っていた。いつもならばよく回る舌だがこういう時に限って油が乗ってない。

あたふたするベンに緑谷が助け舟を入れる。

 

「ベン君は変身型の個性持ちなんだ。けどその個性に体が追い付かなくて制御しきれなったんだって。その時計はそのためのサポートアイテムなんだよ。ベン君は10の変身体のことをエイリアンって言ってるんだ」

 

ベン、緑谷、オールマイトで考えた外向けのオムニトリックス概要を二人に説明する。考えたのは春休みよりも前だが完璧に回答する緑谷。偏差値70を超える雄英に入れただけはある記憶力である。ベンも入っていたが、ベンはベンの力、といえるのかはわからない。

 

「へー、そーなん!」

「なるほど、だから2種類の姿に変身でき、変身の瞬間には時計を押していたのか」

 

「そういうこと。10タイプなんだよ?今回の体力テストもバッチリさ!!」

 

QBAANN!!

 

得意げに話したかと思うとウォッチを起動し変身するベン。変身したのは

 

「じゃ、行ってくるよ!」

 

50メートル走には適役のXLR8であった。

 

「なっ!!ベン君」

 

驚き何かを伝えようとする緑谷。しかしスタートラインに立ったベンには伝わらない。

 

「位置について、よーい、どん」

 

【ピッ】

 

相澤の覇気のない掛け声とほぼ同時にゴールする。

 

「…テニスン 記録 0.22秒」

 

【す、すげぇ!!!】

【今ほとんど見えなったぞ!!】

【あんな奴いたか!?】

 

クラスメイトからは驚嘆、そして賞賛の声が飛びかう。その言葉を聞き最高にハイってやつになりながら緑谷たちの元へ行くベン。XLR8のまま、ウキウキと自慢げに話す。

 

「どーよ。これがボクの力さ!!」

 

「すごいな!俺もスピードには自信があったが…まるで見えなかったよ…!」

「私もこんな速い移動初めて見たよ!!」

 

「ふふふ、今ならサインもしてあげるよ…ん?どうしたイズク。そんな、やっちゃったみたいな顔して」

 

ベンからの質問に対し、深刻な顔をして問う緑谷。

 

「…ベン君。今体力測定してるのは僕ら1-Aだけだね」

 

「そうだな」

 

「一つの競技10分、いや、ものによっては5分かからないものもあるよね」

 

「だろうな」

 

「最後に…ベン君は残り7種目どうするの!!!??」

 

「…?アッ!!!!」

 

一様に小首をかしげる飯田、麗日。その反対に元々青い顔を更に青くするベン、いやXLR8。

 

「XLR8の能力は快足だけどパワーが全然ないじゃないか!!次の種目は握力!!超記録なんか出せっこないよ!それに」

 

「インターバルがある…」

 

そう、今の変身が解けても5分は変身できない。つまりベンは今から少なくとも2種目、下手をすれば3種目超記録が出せないのだ。

 

「…イズク、ちょっとその辺で暴れてくんない?そんで時間稼いでよ」

 

「いやだよそんなの!!」

 

エイリアンヒーローのモラルはそんじょそこらのヒーローとは異なるようだ。悪い意味で…

皆で移動しての握力測定が終了し、次は立ち幅跳び。ギリギリXLR8の変身を保っているベンは自分の番をまだかまだかと急いていた。

 

「先生!!まだ!?ボクはやくしていい!?」

 

「何を言ってんだ。順番は守れ。これ小学生で習うことだぞ」

 

ディノサウルス型のエイリアンの姿であろうと中身はあくまでベン。XLR8であればまだその脚力で記録が出せるかもしれない。そう思い無茶な談判を試みるも失敗。

 

順番を待つ。

「…次はテニスン、常闇だ」

 

「よしきた!!」

 

待ってましたと言わんばかり位置につくベン。1、2の3で飛ぶ2の状態に入る。腕を後方に跳ぶタメを作る。

 

前にも言ったがこの世界は夢が現実となった世界。そう、どんなにファンタジーだろうと、夢物語が成ろうと、現実である。そして現実は残酷だ。

 

死神が歩いてくる音。のちにベンはこの音をそう呼称するようになる。

 

Pipipipipi QBAANN!!

 

ジャンプが先か解除が先か。空中に跳んだ瞬間のベンは赤い光に包まれ、人間体の姿で着地する。その記録は

 

「…テニスン 記録 1.22メートル」

 

無残であった。まだ最初から人間体であった方が記録は出せていた。飛ぶ瞬間に解除されたため力の入れ具合を失敗にこの記録となったのだ。

 

「マジかよ…!!このポンコツ!!どうせならあと5秒遅れろよ!!」

 

オムニトリックスに悪態をつくベン。傍から見れば時計に何の文句を言ってるのだろう、といったところだ。

 

そんなベンをじっと見つめるものが1人、いや2人いた。

 

最悪のタイミングで変身が解けたことでその後の上体起こし、反復横跳びもクラス最下位になるベン。

 

「こんなのおかしいって!!何でボクが!!」

 

「ふむ、テニスン君は身体の力はそれほどなのか。いや、身長の割にはかなりの能力なのだろうが…」

 

まじめに考察する飯田だったが、その言葉はベンの心へのボディーブローとなる。

 

「…うるさい!ボクに身長のことを言うな!!いいんだよ!もうウォッチも復活したし」

 

腕を掲げ緑光を放つオムニトリックスを見せつける。

 

「なんとかなりそうだね」

 

緑谷が声をかける。ちなみに彼の成績はクラスでもトップ5に入る。そもそも増強系の彼にとっては最も有利なテストであったのだ。

 

「ああ、残るはソフトボール投げ、持久走、長座体前屈だ。前2つは変身したまま受けられるから最下位にはならないよ!」

 

「ソフトボール投げ、持久走、となると…」

 

「ああ、フォーアームズだ!!」

 

次なるエイリアンヒーローを決める。その言葉に飯田もうなずく。

 

「フォーアームズ、というとあの4本腕…やつか!確かにすごいパワーだったしな。クラストップも狙えるだろう」

 

「え?!あの赤い人ベン君だったの!?じゃあデク君お姫様抱っこしてたのは…」

 

「麗日さん!?」

 

緑谷にとっては忘れたい出来事を平気で思い出させる麗日。

 

「そうさ。じゃあそろそろ順番だしやりますか!」

 

キュイン、キュインとダイヤルを回しフォーアームズにシルエットを合わせる。

 

「さあ!ヒーロータイムだ!!!」

 

勢いよくボタンを押す。

 

QBAAANN!!

 

ウォッチから放たれる光に緑谷達は目を細める。

 

光が消え、変身したベンが現れる。その姿を見て最初に口を開いたのは麗日だった。

 

「ち、がうよね?」

 

その体は黒と白が大半を占め、頭部周辺には緑色のラインが入っていた。凹凸はなく、その姿を表するならば、“生きた作業着”だった。

 

 

 

 




何気にオムニトリックスはドラえもんと同じで、ポンコツなんですよね。しれっと解除時間早めたり、別にエイリアンに変身したりして。まあそういうときの方も好き。なんならそういうときの方が面白い(笑)

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最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
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