【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
ついに、やっと、1話目を書き終えました!!
ピピピピッ!!ピピピピッ!!ピピピピッ!!
「んも~…うるさいなぁ…」
けたたましく唸る目覚ましを寝ぼけ眼で止める少年。
が、
【08:25】
その針が指し示す時刻を理解すると、
「うげぇっっっ!!」
ベッドから跳ねあがる。
口を大きく開けたまま動かない彼に対し、部屋に入ってきた母は冷たく言い払う。
「何回起こしても起きなかったんだから。おとなしく怒られてきなさい」
今日は4月1日。
これまで長期休みだった学校もその門を開ける。
彼の家から学校までは電車で一時間。
今日から2年生というめでたい日に、彼は遅刻することが確定してしまう
普通ならば。
「…行ってきます」
バタン!
掃除機をかける母親を確認して玄関の戸を閉める。
彼の目の前には住宅街が広がっている。
扉を背に少年は辺りを見まわす。幸いと言っていいのか、周囲に人影は見当たらない。
キョロキョロと、まるでこれからイタズラするかのように、念入りに周囲を確認する。
そして、
「よし…これなら…」
そう呟いたかと思うと、少年は左手首に目をやる。
そこには、小さな緑色の腕時計が。
ニヤリと笑うと腕時計、
いや、
【ウォッチ】のダイヤルを回し始める。
すると、
QWAN
と音を立てて、ウォッチは3Dホログラムを映し出す。
そこに投影されていたのは、人型寄りだが、決して人ではない何か。
「遅刻することは悪いことだから、これは仕方ないよね!!」
言い訳するかのように叫んだかと思うと、
少年は右手を振り上げ、
そのダイヤルを
強くたたく。
QBANN!!!!!
緑色の光と、奇妙な音が、住宅街に広まった。
・
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キーンコーンカーンコーン
ここは雄英高校。
4月1日の今日、ついに学校が再開する。
その始業のチャイムが鳴り響いているわけだが、
教壇に立っている浮浪者のような男はため息をつく。
「さて…今日から新しいクラスなわけだが…はぁ。一人いないな…」
おそらく教師だと思われる男の発言に、橙色の髪をサイドに束ねた女生徒が答える。
「あの…多分…」
「いや、誰かはわかっている。ただ、予想通り過ぎて驚いているだけだ。…遅刻者は放っておいて、はじめ…」
STOOPPPPPP!!!!
彼の言葉が終わる寸前、
ブレーキ音がしたかと思うと、
「セーフ!!!!!」
小型の恐竜が扉を開けた。
体の至る箇所に人工的な機器が付随している、青と黒に彩られた恐竜。
人語を解するディノサウルス?古代生物の改造?
いいや、ちがう。
「アウトだ、テニスン。色々とな」
QBANN!!!!!
さきほど同様、その音と緑色の光が周囲に広がると、
「…うそでしょ!?」
数か月前世界を救った、
そして、
たった今始業式に遅刻した少年、
ベン=テニスンが立っていた。
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世界総人口の約8割が超常的な力:「個性」を持つ超人社会。
この世界では一般市民の他に、2種類の人間がいた。
まずはヒーロー。
超常的な力を駆使し、人々を救う、コミックさながらの存在。
その反対の存在、
超常的な力を、悪意あるいは本能に従って乱用し、社会に仇なす存在。
ここ、雄英高校はヒーロー育成校として日本トップクラスの教育機関である。ゆえに、敵に狙われる危険も少なくはない。
5月にはUSJへ、8月には林間合宿先への襲撃を受けたほどだ。
そして数か月前、その総仕上げと言わんばかりに、日本全土を揺るがす敵集団が現れた。
彼らはその身体に謎の改造を施し、個性を強化、あるいは複数の個性を保持していた。
当然、ヒーロー達も苦戦し、多くの者はその職を捨てた。
が、それでも諦めなかった者たちにより、敵連合のボス 死柄木弔の撃退に成功。
社会に再び安寧を保たらし、平和を取り戻した人物。
それが、
「ベン=テニスン。個性を公共の場で使うことは法律で禁止されている。つまりだ。遅刻するからといって己の個性をつかうなんて、その場しのぎにもならない愚行なんだ。分かるな?」
「けど他の人はガンガン使ってるじゃん…あと、いい加減この布…解いてくれない?首がしま…グエッ!」
担任から折檻を受けているこの少年 ベン=テニスンである。
隣のクラスに在籍する緑谷出久とともに、彼はAFOに支配された死柄木を救うことに成功。
そのまま死柄木率いる敵連合を監獄へと送った。
「お前の個性出力は一歩間違えれば周囲に迷惑がかかる。それすらわからないならとっとと辞めるんだな。」
ベン=テニスンの個性は【変身】。
自身の想像する
その力は様々で、硬くなることも、速くなることも、強くなることもできる。
制限時間があるのがデメリット。
ということにしている。表向きには…
ベンを締め上げるのを止めると、男はだるそうに挨拶。
「さて…今日からこの2年A組の担任となった相澤消太です。よろしくね。」
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抹消ヒーロー イレイザーヘッド。個性【抹消】を駆使し、裏で暗躍する犯罪者を取り締まるアングラ系ヒーロー。
現在は雄英高校で教鞭をとっており、去年までは1年A組の担任であった。
そんな彼は今現在、2年A組内で、今後の展望を話している。
「さて…今日から君たちは2年生になるわけだが…今後の課題は…」
「はい!!緊急時における個性使用許可証:通称仮免の取得です!!」
相澤の話を遮り元気よく答えるのは眼鏡を掛けた少年、飯田天哉。
「まだ話している途中だ。」
「も、申し訳ございません!!つい…」
「今飯田が言った通り、本来なら君たちには仮免取得のため、必殺技を学んでもらう予定だった。だが、」
前置きを入れる彼の言葉を生徒たちは反芻する。
【だが?】
「特例により、隣のB組含め、君たち全員に仮免が交付されることとなった。」
【…ええええええええ!!!???】
クラス中が目を見開き驚く。
無理もないだろう。
仮免取得試験は例年50%は落ちる。訓練されたものでさえ、半分は涙するのだ。
そんな貴重な仮免を、たかが高校2年生に交付するのは普通ではありえない。
「理由はだな…」
説明を入れようとする相澤に横やりを入れるのはベン。
「そんなの、ボクらが天才だからに決まってるじゃん!!まあ?ボクはもうUSAヒーロー免許は持ってるけどね!」
「ベン!!あんたは黙ってなさい!!」
ペシン!
調子に乗った彼を、姉御肌の拳藤は平手で諫める。
「あいた!なんだよ!」
「今はまじめな話してんの…先生…もしかして、ヒーローの不足…のせいですか?」
拳藤の指摘は鋭かった。
先の戦争により、ヒーローは激減していた。
一時期は避難所でしか息が出来ない生活を強いられた日本。
皆の怒りは日に日に溜まっていき、その矛先はヒーローに向かうこともままあった。
それだけではない。
これまでは命が係わるような事件はそうなかった。
一定の能力ある者なら、楽に、効率よく、自尊心を満たしながら高所得をめざせる職業。それがヒーローだった。
が、敵連合の傀儡である脳無や
そのため、ランキングの上位下位にかからわず、ヒーローを辞める者が続出したのだ。
現在は戦争以前の生活レベルに回帰してはいるが、辞めたヒーローが戻ってくることはほとんどなかった。
ゆえに、拳藤の【仮免交付はヒーロー候補生を少しでも早くヒーローにするため】という予想は、公安の意図をほぼほぼ当てていた。
彼女の指摘に対し、
「ま…大体あっていると思う。」
頭をポリポリと掻きながら首肯する相澤に皆は落胆する。
自分達の実力が認められたわけではない。ただ、早くヒーローにするための特別な措置。
この仮免は、本来の意味での仮免ではないと言われた気がしたのだ。
若干項垂れるクラスの者。まじめなものほどこの事実を重く受け止めていた。
彼らの憂いた表情を見て、相澤は目を細める。
そして、前髪を掻き上げながら、
「だが、それだけじゃあない。」
鼓舞する。
「君たちはこの半年で、それこそ何年分もの経験値を得たと思う。死と隣り合わせの状況下でも、よく俺たちをサポートしてくれた」
いや、彼にとっては鼓舞ではないのだろう。ただ、事実を述べているだけなのだ。
「だから、この仮免交付は」
ニヤリと笑い彼は、
「合理的だ」
そう言った
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珍しく笑った相澤に元A組は感動を覚える。彼が自分たちを真っ向から認めてくれるのは珍しい。思わず胸を震わせた。
しかしその逆に、元B組である宍田はやや冷静に尋ねる。
「イレイザーヘッド!それではこれからの我々の目標はなんでしょうか!」
「ああ…君たちは仮免を取得したわけだが…
未だ組織化されている敵に対して、君たち一人で挑むには早すぎる。
そこでだ…」
・
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ここは運動場γ。運動場、といっても普通のそれではない。
一つの町を覆えるほどの広大な土地。その一角を担う、工場地帯を模した戦闘訓練場。
それが運動場γである
「で、結局今から何するんだっけ?」
まるで話を聞いていなかったと思える発言をしたのはまたもやベン。
時計をいじりながら呟く彼に対し、
「あんた、さっきまで何聞いてたの。チーム戦よチーム戦。」
彼の姉役となっている拳藤が答える。
今後ベン達が目標とするのは【インターン活動】。
プロヒーローの事務所に赴き、実際のサイドキック同様就労するのだ
プロは常に複数人で動く。あらゆる事象に対応するために。
もちろん一人ですべてをこなせることは素晴らしいし、理想的である。
だが、万人がそうなれるとは限らない。誰もが引退したオールマイトのように、天才ではないのだ。
だからこそ組織で動き、より多くの人を救う。
それが現代のプロヒーローなのだ。
当然、インターンに参加する彼らも、その域に達さなければならない。
近年凶暴化する敵対策として戦闘力強化。
インターンのための連携力強化。
その両方を鍛えるためのチーム戦だった。
さらに、合理主義者である相澤の意図はそこに留まらない。
クラス対抗戦にすることで、学年全体の結束力を上げるとともに、クラス内の自己紹介をも兼ねるのだ。
その意図を全てくみ取り、事細かにベンに説明する拳藤。
体育祭からの短い付き合いだが、濃密な時間を送った彼らには、見えない絆が結ばれている。
主に矢印が出ているのは拳藤からだが。
「ふーん。で、相手は?」
拳藤の丁寧な説明に対し、まるで興味を示さないベン。彼の好奇心は未だ手首の時計だ。
「僕達だよ」
が、その声が聞こえたことで態度は一変する、
ベン達の前にいるのは、緑谷と心操。
「イズク!!とヒトシ!?」
「クラスは別れちゃったけど、授業は一緒みたいだね」
中学3年で出会い、
2人の直接対決は体育祭以来。
嫌でも燃えるベン。
「へへ、なんでもいいや。イズクと勝負なんていつぶりだよ!絶対ケチョンケチョンにしてやるもんね」
「僕らだって負けないよ!!!」
そう答えた緑谷が目線を送るのは隣の心操。
ヘラリと笑顔を作ると、
「俺だって負けられないよ。ただでさえ遅れてるんだから。」
「あれ…?そういえばいつの間にヒーロー科になったの?!」
目を丸くするベンに対し、冷静に拳藤は突っ込む。
「あんた、本当に他人に興味ないわね。自分のチームすら分かってないんじゃない?」
図星であった。
「えーと…誰だっけ?」
「私ですわ」
目を泳がせたベンの頭上から声が。
その正体は【創造】の個性を持つ八百万。
そして、もう一人、
「ぼーくのことを忘れるなんてなんて奴だ!!!さすがは元1年A組といったところかな!!?いいのかな!?そんなんで勝てるのかな!?不安だなぁ!!」
そうベンを煽るのは物間。彼の幼稚ともいえるその煽りを
「なにをぉ!!」
ベンは真っ向から受け止める…
「はぁ…頼むから問題児は1人にして…」
ベン、八百万、物間という個性的なメンバーを見て、拳藤はため息をついた。
このメンバーで挑むのは、
緑谷、吹出、心操、麗日という、これまた個性的なメンバーなのだから。
いかがだったでしょうか。
久しぶりの投稿でかなり内容がぶれているかもしれません。が、徐々に感を取り戻していくので応援よろしくお願いします!!
第2部については別作品としましたので、こちらの登録、評価をお願いします!!
↓↓↓
https://syosetu.org/novel/286471/
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章