【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
12話 コンビ結成
入学初日から除籍のかかった体力測定を受け、度肝を抜かれた少年少女。
しかし彼らには休む暇などない。最高のヒーローとなるには一秒たりとも無駄にはできないのだ。
ただ…トップヒーローには優れた素養も必要なのである。つまり、彼らには超高校級の授業が待っていた。
なんとか数学の授業が終わり、食堂で昼食をとる4人。
「なんなんだよ数学って…算数のままでいいじゃんかよ…」
「どうしたのベン君?揚げられたマグロみたいな顔をして」
「口に物を入れている時は喋らないようにしよう!!!」
「飯田君、声が大きいよ…」
ベンを気に掛けるのは麗日お茶子。口がいささか悪いが裏表がない証拠なのだろう。麗日の質問に対してベンは答える。
「だってさ、なんであんな難しいことをやらなきゃいけないんだよ。因数分解なんてヒーローなっても使わないじゃん」
「今日のは中学校の復習だったぞ?テニスン君、君もこの雄英高校に受かっているのだから、あのくらいはできていたんじゃないのかい?」
そう、偏差値70を超えるここでは皆が天才レベルに頭が良い。一見アホに見えるものでも偏差値は65は超える。
しかしながら、筆記をズルで通ったベンに、今日の授業は難しすぎた。
「そ、それは…」
「まあまあ、これからできるようになるよ、ね、ベン君。さあ食べよう!!」
助け舟を出しつつサラリと話題を変えてくれる緑谷。そんな彼に、さすが親友!と念を送りつつ食事に手を付けるベン。
「そうだ!せっかくおいしい昼食だもんな。特にこの…チリフライ!!いままで食べた中で一番おいしいよ!」
「こんだけおかずがあってなんでチリフライなん?」
好物が最高のシェフによって作られたことに感謝をするベン。傍から見ればサイドメニューが大好物?といった感想を抱くかもしれない。
ベンがチリフライを好きになった理由は、祖父マックスが出すゲテモノ料理の合間に出されていたのがチリフライだったからだ。相対的にチリフライがおいしく感じたことが最大の要因である。
談笑を交えた食事を楽しんだベン達。次の授業の準備のため席を立とうとする。
学食を使った者がいるならばわかると思うが、学食はとにかく狭い。そして狭いものだから後ろを通ろうとしたものとぶつかる。
「あ、ごめ」
「ああ?」
ぶつかった相手が悪かった。ベンがぶつかった相手は将来の【敵っぽいヒーローランキング】TOP10を狙える形相の少年、爆豪克己であった。
「ボーッとしてんじゃねぇぞ!!」
「なんだよ!謝ったんじゃん!」
「知るか!!食うのが遅ぇんだよ!さっさと食って出とけや!」
それだけ言い吐き去ろうとする爆豪。そんな彼に嫌味を言うベン。
「あーあー。あんなにキレちゃってさ。あーゆーやつって味とかわからないだろうね?特に僕が食べたチリフライとかさ」
安い挑発、にもならない呟きだが彼は反応する。言われたことをスルーする、このご時世必須スキルであるスルースキルを彼は持ち合わせていなかった。
「ああ?!わかるわ!!ここのチリフライに使われてるジャガイモも日本のそれじゃねぇ。濃いチーズに負けねぇためにアメリカ産ならではのジャガイモの味でチーズと戦わせてやがるんだよ!サイドメニューらしくするためにキドニービーンズを通常の倍近く煮込んであくまで量は抑えてる。これによって…」
そこでハッとする爆豪。言い忘れていたが彼は辛い物が大好物であり、学食のチリフライはもちろん食していた。
饒舌に説明していたが初めに突っ込んだのは彼とともに食事していた切島だった。
「なんだぁ!爆豪、お前めちゃくちゃ味分かるんだな!そういえば食べ方もきれいだったし、育ちが」
「うるっせぇ!!!」
恥ずかしくなり、切島の言葉を一蹴してズカズカと片づけに向かう彼。
そんな彼を見てベンが一言。
「…もしかしたらボク、あいつと仲良くなれるかもしれない…」
「ベン君!?いや良いことだろうけどそんなに!?」
余談だが、ともに時間を過ごす人を選ぶとき、食事の好みはとても大事だそうだ。
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昼食もとり、眠気が襲ってくる午後の授業。だがしかしヒーロー科は違う。午後からはヒーロー科専門科目であり、しかも今日の授業は
「わーたーしーがー!!!普通にドアから来た!!!」
そう、オールマイトによるヒーロー基礎学である。憧れの彼による授業で眠くなるものなどいない。オールマイトにそこまで興味のないベンでさえウキウキしてしまっている。
「今日の内容は戦闘訓練!!さあ、みんな、ヒーロースーツに着替えてグラウンドβへ!!」
「もう戦闘訓練!?」
「戦闘服きれんのかよ!」
「やったぁ!!!」
戦闘服とは入学前に生徒たちがメーカーに要望を出していた、いわゆるコスチュームである。自分の描いたヒーロー像に近づいたことが目に見えてわかるのがヒーロースーツ。
それをもう着れると知り、クラスは喜びと驚嘆の声でいっぱいになる。
そんな彼らに師は言う。
「恰好から入るってのも重要だぜ?自覚するんだ少年少女!今日から自分は!ヒーローなのだと!!!」
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皆が戦闘服に着替え、グラウンドβに集まる。グラウンドと言っても名ばかりで、実際はグラウンドではない。そういうとしょぼく聞こえてしまうがそっちの意味ではない。
グラウンドβは市街地を模したところ。入試の際にも使用された訓練場である。その予算、いったいどこから出ているのだろう…。
皆が並び、オールマイトはその壮観な景色に心を打たれる。
「いいじゃないか!さあ、はじめるぞ!有精卵ども!!」
と、言ったものの生徒はお互いの戦闘服で盛り上がる。
オールマイトをオマージュした戦闘服に麗日からおほめ言葉が。
「あ、デク君!かっこいいね!!地に足付いたって感じ!」
「そ、そういう麗日さんこそ…その」
「ああ、あんまり細かいこと指定しなかったから…パツパツスーツになっちゃった」
テレテレと話す麗日。彼女のコスチュームは黒と白を基調とした圧縮宇宙服であった。体のラインが出るその服は、見るものによっては直視できなくなる代物だった。そして直視できなくなっているものが1人、
「…その、あの…とても…」
見事その魅力にやられた緑谷。そんな彼の様子に気づかずベンに話しかける麗日。
「あれ?ベン君はなんか私服っぽいね?」
言われた通り、彼のヒーロースーツはオールマイトと特訓していた時と同じ服装、つまり見た目はほぼ私服だった。上は白生地にブラックラインが入ったTシャツ、下はカーキ色のダボダボズボンである。
「まあね?ボクの場合は変身して戦うからあんまりスーツの意味はないんだよ。けどギミックはあるよ?まず素材。これはじーちゃん特製のファイバー素材。ちょっとやそっとじゃ破れない。それにこれ、ジーちゃんが実際に使ってたのをもらったんだ」
そう言ってベルトに下げた光線銃を取り出す。
「へー!ベン君のおじいちゃんってヒーローやったん?」
「そう!ボクのじーちゃんは」
「先生!今日は市街地演習を行うのでしょうか!?」
ベンがじーちゃん自慢をしようとするも飯田の質問により阻まれる。まあ授業中だしな、と考え素直にそちらに耳を傾けるベン。
「いいや、もう二歩踏み込む!屋内訓練!2対2の対人訓練さ!」
カンペを出しながら説明をするオールマイト。
「状況設定は敵がアジトに核兵器を隠していて、ヒーローがそれを処理しようとする。ヒーローが制限時間内に敵を捕まえるか核兵器を回収すれば任務完了、ヒーローの勝利ってわけだ!」
「一人余るけどどーするの?」
「そこは敵3、ヒーロー2でやるよ!さあくじでコンビを決めよう!!」
オールマイトの説明がおわりくじを引く。
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相手が決まり互いに挨拶をしていく。
「よろしく!」
「こちらこそ!麗日君!」
「足引っ張んじゃねぇぞ!」
「お前もな」
「続いて最初の対戦相手は…こいつらだ!!!」
A ヒーロー役…テニスン、緑谷チーム
D 敵役 …爆豪、轟チーム
くじを引いてもらい、さらに自分でも引いたオールマイトは内心呟く。
(これ、本当に偶然かなぁ…)
オールマイト、100%偶然です。他意はありません。
ベンくんの好物は、チリフライでしたぁ
作者はチリフライを生で見たころがありません。ちなみにチリフライが何なのかも知りませんでした。
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章