【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
雄英高校生活2日目。その午後の授業は2-2の対人戦闘訓練である。
ルールは、【1】建物のどこかにある核を触るか【2】敵を捕獲すれば、ヒーローチームの勝利。現在、敵チームは建物の中で、ヒーローチームがそのビルの前で作戦会議中。
「さーて、誰でいこうか?イズクとタッグならこっちの勝手がわかるだろうし、やりやすいね!」
キュルキュルとダイヤルを回しエイリアンを選択していくベン。
「うん、僕もベン君とならやりやすいよ。時間制限があっても、オムニトリックスの万能さはすごいからね…」
「へへ、そうだよね。そうなんだよね」
ニヤニヤしてしまうベン。もともと褒められ慣れていないせいか、どうしても褒められるとほくそ笑んでしまう。
そんな彼に対し、その気持ち、わかる…と思いつつ話す緑谷。
「…どのエイリアンを使うかなんだけど、轟君の個性ってわかる?」
「いや? ボク体力テストは自分で手一杯だったし」
「そっか…僕もよくわからないんだよね…少し見たけど、放出系だった気が…」
「まあわからないことはしょうがないよ。じゃあ、えっと、誰だっけ…“カッチャン"だ。カッチャンの個性はわかるんだろ?あいつ対策でボク変身しようか?」
「…確かにそれが合理的だけど…多分かっちゃんは僕単体を狙ってくると思うんだ。だからベン君には違う仕事をしてほしい」
「違う仕事?」
「うん。今回の訓練。あんまり強調されてなかったけど、一番大事なのは核を見つけ出すこと。1フロア5部屋近くある5階建ての建物のどこかにある核。これの早期発見ができなきゃどうしたって不利だ」
「索敵…か。アイツなら得意だけど、まず核の匂いがわからないと」
「大丈夫。核をたどらずに、有るものを辿れば核につくはずさ」
「…あっ!!なるほどね!さすがイズク!」
「はは…あ、それと、ヒーロースーツのギミックを麗日さんに説明してたけど他に何かある?」
「ああ、これがある」
右足の側面につけたポケットから手のひらサイズの板を出す。
「なに?この…淡い緑色の板」
「ふふ、これはだな…」
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ベンが得意げにギミックを話しているとき、敵チームの轟、爆豪は核の前で話していた。その内容は作戦会議、とは言えない代物だ。
「おい、氷野郎。デクのやつは個性持ってんのか?」
「デク…緑谷のことか?そりゃあるんじゃねぇか?俺もよく見てねーが、無個性で体力テスト5位は無理だろ」
「…やっぱあの野郎…俺をだましてたのか…!!!!」
ビキビキと青筋を作り怒る爆豪。彼の中では緑谷は最下層の人間。そんな奴が自分の喉元まで来ている事実が彼をいらだたせる。
ちなみに入学試験では総合成績では緑谷、ベンががワン、ツーだが、敵ポイント、純然たる戦闘力においては爆豪がトップであった。
1人でブツブツイラついている彼を見かねて轟から作戦を立案する。が、
「…おい爆豪。開始と同時に俺が凍らせるからお前は下がっ」
「うるっせぇ!!俺に指図するな!!!」
DOMM
ここで話が聞けるような性格ならそもそも緑谷に怒らない。
「…」
爆豪が出ていった部屋で1人佇む、特待生 轟であった。
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【よし、双方準備できたな?戦闘時間は20分それでは、屋内対人戦闘訓練開始!!】
オールマイトの声がアナウンスを通し聞こえる。
「よし、いこう!ベン君!」
「ああ、ヒーロータイムだ!!」
QBANN
胸が高鳴る初、戦闘訓練。入学試験の時同様の緊張感が彼を包んでいた。そんな中彼が変身したのは
「ヴァラォォォォウ!!!!」
クマも逃げ出す異次元の犬、ワイルドマットだった。オレンジ色の立髪を有し、全長4メートルにもなる超大型犬。
1匹と1人が建物に入る。もちろん、1匹の方は4足歩行だ。
「どう?ベン君。わかる?」
「ヴァル!!!」
その獣は人語を介すことができない。というよりも人語に合った発声器官が備わっていない。ついでに言うと目すらない。
左肩にオムニトリックスマークを掲げたベン。今の彼は、橙色の体毛を持ち、野生を感じさせる犬歯をむき出しにした化け物であった。
「…やっぱり言葉が通じないっていうのはやりにくいな…だいたいわかるけど!」
「ヴァラヴァル!!」
「え?なに?!」
聞き返す緑谷に対して腕で進行方向を指す。
「あ、そゆことか。ありがとう!!…提案したのは僕だけど、ワイルドマットの嗅覚はすごいね。敵チームの人たちの残り香まで完璧にかぎ分けられるなんて」
「ヴァル!!」
「あ、今のはなんとなくわかっ…くさっ!!こっちに口向けないでよ!!ワイルドマットの口は超臭いんだって!」
半泣きになりながら鼻をつまむ緑谷。に対して
「ヴァヴァヴァwww!!」
笑いながら口を緑谷の方に向けるベン。それでもきっちり敵チームの残り香を追跡する。
そう、緑谷が思いついた核の発見方法は、敵チームが通った道筋を進む、である。
そしてそれを可能にするのがワイルドマットの嗅覚。
このエイリアンは目が無いにも拘らず、索敵能力はベンの持つエイリアンの中で最も高い。そんな彼が、今、警告する。
「ヴァラァァ!!!!!」
獣が持つ反響定位能力を応用し、周囲を確認したベンは気づく。なにかが来ると。そしてそれを察知した緑谷も構える。
「…にやがれぇぇぇぇ!!!」
言葉の冒頭がわからなくても何を言ったかわかる叫び声。爆豪は現れると同時に緑谷を狙い爆ぜる。
しかし予測していた緑谷は見事に避ける。
「避けてんじゃねぇぞクソナードォ!!!」
「ベン君!!行って」
「ヴァラォウ!!」
今は、とにかく、緑谷をブン殴ることだけに集中する。
「なんだぁ?共闘しなくていいのかぁ?しなくて済むって考えてんのかぁ!?」
「かっちゃん…僕は、僕はもう“雑魚で出来損ないのデク”じゃないぞ…」
「ああ!?何言ってっかわかんねぇよ!!」
言い終える前に右腕を大きく振りかぶってからの爆破攻撃。しかしそれは
ガシッ
読まれている。腕一本に対し、両の腕でぎっちり掴む。
「ううぁぁぁ!!!!」
ダゴンッと痛々しい音を立て壁にぶつかる爆豪。緑谷は両腕にOFAを発動し投げ飛ばしたのだ。
「僕の“デク”は、“頑張れって感じのデク”なんだ!!!」
【でもデクって頑張れって感じで、なんか好きだ!私】
麗日の言葉で、自分の蔑称が誇りに変わった。それを蔑称をつけた彼に伝えることで、自分は変わったのだと示す。
先ほどの投げ。爆豪の動きを読み切らなければできない芸当。そのことがわかってしまっていた爆豪は吠える。
「ムカツクなァ!!!」
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爆豪が吠えて数分。連絡に応答しない轟は暇をしていた。守るべきものがここにある以上離れるわけにはいかない。しかしやることもない。しかたがない、雪遊びでもするか、そう思いかけた時、大きな音がする。
「…やっとか?いや、しかし早すぎる。爆豪のやつ何してるんだ?」
相方の仕事ぶりに疑念を抱きつつ警戒する。相手はクラス1謎個性を持ったテニスン。そしてクラスでもトップを争う万能な強化型緑谷。警戒態勢、臨戦態勢をとり、いつでも氷結を出せるようにする。
しかし、ヒョコリ、と現れたのは
「犬、クマ…トラ…なんだ?」
正体不明の化け物だった。
「ヴァラァァァル!!!!!」
はい、今回のエイリアンはワイルドマットでした!しかし試験時間は20分。ということは…
この物語は3分の2ベン、3分の1デクが主人公って感じです。たまにデクの割合が大きくなるけど(笑)
追記
アンケート、お答えいただきありがとうございました。多くの方が「ちょうどいい」と答えてくださったので取り合ず今のまま行きます。と行っても書き海洋に欠いてるだけで市の出ペースがコロコロ変わる可能性は大いにあります。生ぬるーい目で見守っててくださるとこれ幸いです。
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章