【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
17話 初日はキャンプ場
「なんだよ。なんでお前がこっちにいるんだよ」
ベンの家は町の中心から少し外れたところにある。それでも日本なかでは都な方だ。そんな場所に訪れているにもかかわらず、目の前の少女は文句を垂れる。
「あたしだって来たくて来たわけじゃないわよ。誰かさんがママに“海外に行くのもいい経験だ”って吹き込まなければね!」
グウェンはベンの向こう側に目線をやり、ベンもまたそちらを向く。
「おお、ベン。帰ってきたか」
そこには二人の祖父、マックスが立っていた。
「じーちゃん!何でこいつ連れてきたんだよ!絶対要らない奴じゃん!!」
「これこれ、そんなことを言うんじゃない。夏もなんだかんだ楽しかっただろう?」
そう、ベンがオムニトリックスを拾った日。実はその日までの3か月はベン、グウェン、マックスの三人でアメリカ旅をしていたのだ。
「楽しかったよ!?けどこいつがいなけりゃもっと楽しかったはずだよ!」
「こっちのセリフよ。余計な問題ばっかり持ち込んで。博物館の模型壊すわ、プールで迷子になるわ。挙句の果てにはキャンプ場で放火。よくそんなんでハイスクールに上がれたわね」
「なんだと…!!」
合って3秒持たずに喧嘩。これがベンとグウェンの距離間である
「まあいいじゃないか。ベン、明日はある場所に行くぞ!」
ベンの言葉を軽く流すマックス。
2人の喧嘩に慣れている彼は、さっそく明日の予定を話す。
「え?どこどこ!?」
「それは明日のお楽しみだ」
ワクワクが止まらない。じーちゃんはいつもボクの知らない世界も見せてくれる。そう思いながらその夜を過ごしたベンであった。
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次の日。三人はいつものキャンピングカーに乗って移動する。
いつもの、とは夏休みの3か月に乗っていたものだ。
「やっぱりこれは良いね!旅って感じがして」
「そうか?そりゃよかった」
「それなのに…こいつは意味の分からんデータとにらめっこしてる」
「うるさいわね。休み明けには提出しなきゃいけないのよ」
「何だ?課題か?そんなの無視すりゃいいのに」
「そんなことできるわけないでしょ?あたしの沽券にかかわるわ」
「…お前本当にボクのいとこ?詰まんねぇ人生おくってんな」
「…あたしはどこかの誰かさんみたいにズルして入学してないのよ」
「なんだと!?ボクはちゃんとボクの力で雄英に受かったんだ!」
「じゃあ『現代のヒーロー社会における問題』について三つ挙げれる?中学生でも答えられるわよ?」
「ぐっ…ちょ、ちょっと待てよ?ど、ど忘れしちゃってるんだよ」
悲しい言い訳をするベンを見かねてか、それとも気にしていないのか、ベンに対し質問を投げるマックス。
「そういえばベン。友達はできたのか?」
親や祖父母が、新生活は始めた子供によくする残酷な質問。昔のベンなら【そんなの僕にはいらないね】と言っていただろう。しかし、今のベンは違う。
「できたよ!イズクっていうんだけど…すっごい頭がいいんだ!それに個性の使い方もうまいんだよ!」
嬉しそうに話すベンを見てほほえましく思うマックス。
「そうか。じゃあその子も誘えばよかったな」
「ああ、でも…」
GW前の緑谷との会話を思い出すベン。
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【イズクはGWどーすんの?どっか行ったりすんの?】
【僕は山梨に行くよ】
【山梨!?なんで!?】
【なんか、オールマイトの先生がそこにいて、僕に修行をつけてくれるんだって!!】
【へ、へー。ど、どんまい。せっかくのGW。修行でほとんど終わるじゃん】
【最後に一日はこっちに帰ってくるけど…でも僕はうれしいよ!努力できる環境を作ってもらって僕は恵まれてる】
【…】
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回想が終わり、グウェンを見る。
「お前とイズク、気が合いそうだな…」
「なに?」
「なのになんでお前はこんなにうざいんだろう…」
「もしかして喧嘩売ってる?」
車は進む。
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「さあついたぞ…!」
マックスが車を止め、子供らは外に出る
「ここって…」
ベン、グウェンが顔をしかめながら声を出す。
「キャンプ場じゃん!!」
三人が今いるのは、とある県のとあるキャンプ場である。
せっせと夕飯の支度をするマックスに対し二人は抗議する。
「ちょっとおじいちゃん!!なんで日本まできてキャンプ場なの!?散々アメリカでいったじゃん!」
「そうだよ!!もっと楽しいとこがあったはずだよ!しかも移動に時間食ってもう夜になってるし!!」
2人の言葉を受け、サラダボールを運んできたマックスは笑う。
「ははは、まあわしらにとっては一番なじみ深い場所だろ?GW初日はここで過ごそうじゃないか。さあ、サニチゴ虫の生サラダ、そして羊のタンとラギュウの和え物だ。よく噛んで食べなさい」
マックスが出してきたのはいわゆるゲテモノ料理。見たことも聞いたこともない虫が皿でうねうねしている。
「…マジで言ってる?じーちゃん?ヒーローだよね?」
「食べたこと無いものを食す喜びを教えているのさ。これも立派なヒーロー活動だ」
一点の曇りのない笑顔のマックスを見てマジだと気付く二人。
「ああ、そういえばじーちゃんにはこれがあったんだ…!」
「だからキャンプ場は嫌だったのよ…」
マックスに聞こえないようコソコソ喋る。
「おい、お前何持ってきてる?ボクはチョコとチューイングキャンディー」
「おせんべいとポテチ」
「だめだ。そんなんじゃ腹を誤魔化せない…そうだ!」
仲良く話したかと思うとおもむろにベンは叫ぶ。
「おいグウェン!このウォッチの力見たくないか!?」
急なベンの言葉にすぐその意図を察するグウェン。
「う、うんうん。見たいみたい!!」
「よーし、まずはこいつだ!!」
QBAN!!
出てきたのはXLR8。快足のエイリアン。
「す、すごいじゃない!!この前の火吹き野郎とは違うじゃん!!」
「ほぉ、それでどういう能力を持ってるんだ?」
マックスが食いつく。
「それは!!…おいグウェン!財布かせ」
「え、はい」
ベンは財布をひったくるように彼女からとる。そしてピュオン、その音がしたときにはもう二人の前からベンは消えていた。とおもったら耳を裂くブレーキ音がする。
「これがこいつの能力、超スピード!!これはふもとのコンビニで買ってきたものさ!」
そう言ってグウェンに食料を渡す。
小声で賛辞を贈る彼女
「…ナイスベン!!」
彼らはこういう時には仲良くなれる。というよりはそれほどマックスのゲテモノ料理は人間の食事の域を超えているのだった。
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それからマックスの要望で10タイプ全てのエイリアンを見せる。
パチパチと燃える焚き火の前でベンのヒーローショーが行われていた。
「すごいな。10種類の姿に変身できるとは…今のやつが…なんだっけ?」
「フォーアームズ!!」
バルクアップしながら答えるベン。赤い体毛が飛びグウェンの周りを舞う。
「けほけほ…にしても安直ね。4本腕だからフォーアームズ。弱そうじゃない?」
「っふ、じゃあやってみるか?」
フォーアームズメンタルゆえか、自分に自信しかないベン。
対するはそんなベンのいとこのグウェン。
「いいわよ?最年少サイドキックの力見せてあげるわ」
図らずもいとこ対決が始まる。止めようとも思ったが、まあいい機会だと静観するマックス。
「じゃあ行くわよ…」
グウェンの手のひらにピンク色の弾ができ始め、徐々に大きくなっていく。
彼女の個性は【マナ顕現】。自身の体、自然に存在するエネルギーを桃色のガラス体と変換し操る能力。その桃色のガラスは球にすればエネルギー弾。周りに張ればシールドに、足元で作り浮かせばホバーボード代わりにもなる万能なもの。
この個性と持って生まれた格闘センスで彼女はアメリカ最年少サイドキックとなっていた。
「手加減しないわよ!!」
そう言いつつ、威力は最低限のものに落とすグウェン。なんだかんだ言ってベン、グウェンはお互いのことが憎いわけではない。嫌いなだけ…である。
「それっ!」
スイカほどの大きさになったエネルギー弾を2発、ベンの元へ投げつける。しかし、手加減されたそれは、フォーアームズにはぬるすぎた。
「おらぁ!!!」
「うそぉ!!」
かまわず突進してくるベンに驚きつつシールドを展開。そのシールドも4本腕の前には薄氷のような者。
バリンと音がしてベンがグウェンとかを殴…らずに寸止めしたところで試合終了。
「よっしゃぁぁぁ!!!!」
「ちょっと待ちなさいよ!!今のは本気じゃなかったのよ!!もう一回やりなさい!!」
「いいぜ!いくらでもぶち込んで来い!!」
「おい、それくらいで…」
マックスの声は届かない。躍起になったグウェンは最高密度のマナを放つ
ベンめがけて走るその玉。
「は、こんなもん
Pipipipi QBAANN
「へっ?」
お約束で変身が解けたベンにあたるのはグウェンの最強攻撃。
ドゴっと鈍い音がしたかとおもうとキュウッと言って倒れるベン。
「ちょっ…!!大丈夫?!ベン!!」
さすがに焦るグウェン。
朦朧とする意識の中で最後の言葉を空に放つ
「この…ポンコツ…ウォッ…」
GW初日は、ベンの気絶で締められた。
初日終了!!ちなみに今頃デクはボロカスにやられてます。
今更だけど地の文がむずい…三人称にまだ慣れない笑
二日目は…ある飲食店?多分変身しません
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章