【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

20 / 115
ベン10時空に入ります。小学生のとき見ていたやつを思い出しながら書いてるので原作とは少し違うかも…?まあその辺もクロスということでご愛敬…です。


19話 ケビン=レビン

「くっそぉ、あんなのありかよ。ボクが捕まえたのに…」

 

GW3日目。移動中の車内でベンが愚痴るのは先ほどの出来事。

 

偶然出くわした銀行強盗を見事倒したベン。しかし他のヒーローが来る前に変身が解け、お手柄どころか【遊びじゃないんだよ】と注意される始末。だれもベンが変身解除したところを見ていなかったため、子供が茶化しにきたのだと勘違いしたのだろう。

 

「遅れてきた奴らが何で威張ってたんだ?。僕の手柄だったんだぞ」

 

「ベン。止める暇がなかったが、お前がしたことは本当はダメなことなんだぞ?」

 

運転しながらもベンに注意を入れるマックス。

彼の言う通り、【人間】の定義が変わるほどの超人社会では、公で個性を使用することは基本的に禁止されている。たとえ正当防衛だろうとも、免許を受けたヒーロー以外は個性を行使してはならないのだ。

 

逆にヒーローであれば、倒した敵の数が多ければ多いほど褒めたたえられ、報酬も発生する。

 

「あいつらは僕の手柄で給料もらうんだよ!?倒した僕は何か得した?ぜんぜん!ヒーローになるまでこれなんて考えられないよ」

 

日本ではヒーローは国家公務員に準じた扱いである。しかしその給料は歩合。資本主義にヒーローの制度を組みこんだ結果、【救ける】ことより、【自分が活躍する】【自分の手柄にする】ことが重要とされることも多々ある。

 

そんな社会に見事影響されているベン。アメリカはまた違った制度ゆえにマックスはベンを嗜める。

 

「ベン。ヒーローは見返りを求めちゃいかん。助けたひとからお礼をもらうのは構わん。だがお礼が無いと助けない、なんてのはヒーローじゃないだろう」

 

「…」

 

マックスの言葉を聞くも心には響かない。

 

「あんたヒーロー向いてないのかもね。昔っから自分のことばっかりだし」

 

グウェンの言葉がベンをいらだたせる。

 

「ボクの力見ただろ?ボクは強いんだ!せっかく手に入れたスーパーパワーなんだから使わないと損じゃん!!」

 

「強さがヒーローの条件じゃないんだぞ、ベン。知人から聞いたらお前はだいぶウォッチを過信しているようだな?」

お前の力、自信は空虚なものだと指摘されているように感じるベン。

強さ、それは無個性であったベンにとってもっとも足りないと思っていたもの。それを埋めてくれたのがオムニトリックス。にも拘わらず、二人は認めてくれない。

 

「もういいよ!!ボクの気持ちなんて誰もわからないんだ!」

 

そう吐き捨て、赤信号で止まっていた車の扉を開く。

 

「…?ベン!!」

 

マックスが呼び止めたころにはもう遅く、ベンは車から降り走り去っていた。

 

「グウェン。ベンを追いかけてくれないか?」

 

車をほっぽって追いかけるわけにもいかない。

走り去るベンを目で追っていたグウェンに頼む。

「でもあいつ、もう変身してどっか行っちゃったよ?」

 

「頼む」

 

おじいちゃんの珍しい懇願。

肩をすくめながらヤレヤレ、とジェスチャーし、面倒ないとこを持ったものだと思いながら車から出る。

 

グウェンが車を降りてから1人、マックスはつぶやく。

「全くベンのやつ…俊典から聞いてた通りじゃないか…」

 

こちらはベン。先ほど通った町に戻ってきていた。

XLR8でここまで来たベンは人の少なさに少し驚く。銀行強盗があったばかりだからか、人どおりは減っていた。

 

特に目的もなくここにきてしまったため、やることがない。とりあえず目の前のゲームセンターに入る。

店内はガラガラ。1人2人は客はいるが、その者たちも帰ろうとしていた。

 

「親父ぃ…!!さっきあっちの方で銀行強盗があったらしいばい」

「なんね…俺は眠いとよ。寝かせてくれんね」

 

唯一の店員と客のうちの一人がしゃべっているのをしり目に奥へと進む。

「はぁ…」

 

格闘ゲーム台の前に座り、ため息をつく。

(せっかくスーパーパワーを手に入れたのに、免許が無きゃ力も使えない、助けても見返りは求めちゃダメなんてバカみたいだ。こんなことならヒーローなんて目指さないほうがいいかもしれない…)

 

暗い気持ちとは逆に騒がしいゲーム画面。気晴らしにプレイしようにも財布を車においてきたため叶わない。

もう一度ため息をつこうとすると声を掛けられる。

 

「おい、やらないのか?」

 

声をかけてきたのは黒髪の少年。ベンと同じくらいの背丈だが、体は細い。目つき、そして顔色も良いとは言えない。

同じくらい顔色が良くないベンは彼の問いに答え宇。

「お金がないんだ。財布忘れて…」

 

「そうか…」

少年はチラリと振り返る。後方には店員が1人。先ほどの客が帰ったためか、ぐっすり寝ている。

 

「面白いもん見せてやるよ」

そう言って両替機に手を着く。すると彼の腕に電気が走り、その電気は機械を細かく震えさせる。震えた機械が吐き出したのは何千枚とあるコイン。

 

「これで好きなだけやれるぜ?」

 

「うわぁすごい!!」

 

「裏技みたいなもんさ」

 

「ありがとう…!えっと…」

お礼を言おうとするも名前を知らないため詰まるベン。それを察して名乗る少年。

 

「俺はケビン レビン。ケビンでいいぜ」

 

「ケビン、ありがとう…そうだ、空飛んでみたくない?」

 

ウォッチを見せつけながら、コインのお礼に空の旅に誘う。

 

 

「ひゃっほぉい!!!なんだこれ!?気持ちいい!!」

 

「そりゃよかった!!」

 

彼が今立っているのは塔のてっぺん。空の塔のてっぺんは一般的には建物内だが彼らがいるのは外。正真正銘、塔の頂点に座していた。

その偉業を成し遂げられるのはこの異形のおかげだった。

 

「最高だぜベン!!お前、いったいどんな個性してるんだ??!」

 

虫が巨大化したような姿のベンに物おじせず喋りかけるケビン。

 

「オレは10種類のエイリアンに変身できる個性さ!!こいつの名前はスティンクフライ!」

 

「バタフライ?」

 

「スティンクフライ!!…ケビンはどんな個性なの?」

顔から伸びた4つの管は目の役割を果たす。其の4つ目でジロリとケビンを見つめながら質問する。

 

「俺は…エネルギーを吸収、放出する個性だ。だけど、俺の親は反個性派だったらしくてな。物心ついたときに捨てられてたよ。忌子だってな」

 

反個性派。これまでの人間の仕来りやルールを一変してしまった個性。そんな個性を「呪い」と呼び、無個性手術を推奨する半ば宗教団体。個性のことを「異能」と呼ぶ異能解放軍、という団体もどこかにあるらしいが、今は関係ない。

 

「ヒーローも目指したんだけどな?この力を発揮するのに免許やら法律やらに縛られるのは馬鹿らしいと思ったんだ!」

 

ケビンの意見に賛同するベン。少なからずこのような思想の持主はいるが、ヒーローを目指すものには少ないだろう。

 

「わかるよ…!こうやって個性を使って遊ぶのも、人助けをするにも許可がいるなんておかしいよ!」

 

社会のルールに文句を垂れるベン。そんな彼をみて目をキランとさせるケビン。

 

「なあ、俺らの仲間にならないか?自由に個性を使っていい社会を目指そうぜ!」

 

手を差し出す。

自由に個性を使える社会。現代の8割の人間が恩恵を受けるような提案にベンは共感する。

「…いいね!」

 

差し出された手をつかみケビンと目を合わせる。仲間ができた喜びながらさっそく行動するケビン。

 

「よし、手始めに資金稼ぎだ。ついてこいよ!」

 

 

2人が来たのは地下鉄のある駅。人はほとんどいないが、手前の線路には電車が一台止まっている。

これからの行動の説明をするケビン。

「ここはさ、無人駅なんだ。使う人もいなければ操縦もコンピューター。そして目の前の電車には現金が大量に置いてある。これは確かな筋からの情報だ」

 

「…」

何やら不穏な提案にベンの顔が曇る。まだすべての話を聞いたわけではないがよくない話であると分かる。

そんなベンに構わず話す。

 

「電車の中に侵入してかっぱらってきたいんだがセキュリティは固くて無理だ。だがな、今からもう一台、奥の線路を通って電車が来る」

 

そう言いながら歩くケビン。彼を歩みを止めた場所には線路の切り替えスイッチが。

 

「本当ならこれを動かすのには相当の電力が必要らしいが…よっ!!…俺にかかれば簡単だ」

ガコンッと音を立て、ポイントが切り替わる。これによりあと10分ほどで到着する電車は、手前にある現金輸送電車と衝突することとなる。

 

「そんで衝突して金が出てきたところをお前のエイリアンで回収。どうだ?完璧だろ?」

 

10タイプも変身できるのだから当然闘争に適したエイリアンもいると踏むケビン。実際にXLR8ならばその移動に気づかれないレベルの速さで逃げることも可能だろう。

だが、ベンが計画に乗るとは限らない。

 

「ふざけるな。それじゃ電車に乗ってる人が危険な目に合うじゃないか!」

 

一台は止まってるとは言え、電車と電車がぶつかれば間違いなく死人が出る。その事実を看過できないベン。

 

「しょうがないだろ?俺たちの目指す社会の実現に必要な犠牲だ」

 

さも当然、といった態度のケビン。奪う金と他人の命。その二つを天秤にかけてすらいない彼に静かに憤慨する。

 

「…ボクはその話には乗れない」

 

そう言い放ち、自らの左手首に手をやる。

提案を断られたケビン。舌打ちをして自論を語る。

 

「…残念だよ。仲間に慣れると思ったんだけどな。せっかく持って生まれた強個性。好きに使わなきゃ損だっての!」

 

どこかで聞いたような言葉。自分だけよければ他人なんてどうでもいい。何したっていい。それが強者の権利。その考えの愚かさを思い知る。

 

ダイヤルを回しながら、下を向きながら小さくつぶやくベン。

 

「…ほんと、馬鹿だよ」

 

「ああ!?誰のこと言ってんだ!!」

 

顔を上げる

 

「ボクのことだ」

 

ケビンをにらみ、そして時計を叩く。

 




ということで今回はケビン登場回でした!

けどまた長くなりましたね…けどこの回の締めはベンの変身でどうしても終わりたかったのでお許しを‥

この作品のあらすじが正直自分でも下手だなと思ってまして…誰か感想欄にじゃなくてもいいのでいいあらすじ考えてくれませんか?(笑)

最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。