【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
掃除を緑谷に任せ、朝ごはんを買いに出かけてたグラントリノ。ほとんどは自分が壊し散らかしたにもかかわらず緑谷に任せるあたりマイペースだといわざるを得ない
素直な緑谷は箒を吐きながら先ほど言われたことを考える。
「オールマイトの戦い方…ネットに上がってるものはほとんど見てきた。けど…オールマイトの戦い方はOFAをフルに生かした肉弾戦。僕はまだ5、6%しか使えないから真似できない。どうすれば…」
オールマイト についての知識は誰よりもあると自負している。生の戦いすら見たことあるのだ。思い返せ、と言われてすぐに新しい発見が見つかるほど柔なファンではない。
「おいおい、まだ終わってないのかよ。もう飯にするぞ!」
3分もせずに帰ってきたグラントリノ。買ってきた冷凍たい焼きを緑谷に渡しさっさと席に座る。当然掃除も片づけも終わってないので焦る。しかし焦らず急げとはよく言ったもので、焦った緑谷はやらかす。
「す、すみません。すぐにかたづけってうわぁあ!!」
ドンガラガッシャン、いささか古いがその擬音が一番似合う状況。
「おい!俺の電子レンジが壊れるじゃねぇーか!」
「す、すみません!」
「ったく、そういうドジなところは師弟そっくりだな…」
「オールマイトも昔はドジだったんですか?!」
目を輝かせてきくオールマイトオタク。手はたい焼きを解凍するために動かしながらも意識はそちらへ。
「ああ、あいつは昔っから要領は悪かった。今じゃ平和の象徴って言われてるが、OFAを引き継いだころは酷かった」
「そ、そうなんですか?」
「ただ、お前と違って初めから100%は使えてたがな。その使い方が悪かった。ひたすら実践訓練では吐かせたったわ」
(そ、それで紹介するとき妙に恐れてたのか。それにしても)
「初めからオールマイトは、100%つかえてたんですね…僕と違って、やっぱりナチュラルボーンヒーローだ」
下を向き弱音を吐く。緑谷はオールマイトを神格化するあまりその後継者でありながら力不足の自分を卑下していた。
「馬鹿言うな。言ったろう。使い方が悪かったと。あいつはOFAを切り札であるかのように使ってたからな。まあOFA継承者にはありがちらしいが…そういえばお前はそんなことなかったな。なにかいいきっかけでもあったのか?」
そう、緑谷はOFAを様々な瞬間に使う。攻撃、防御。瞬間に反射神経をあげたりもした。この使い方はかつてのオールマイト とは異なるものらしい。
質問に対し苦笑いしながら答える。
チンッ
「その、僕と似たようなな境遇の友達がいて…その子は自分の個性をすごい自由に使うんです」
(お菓子の付録を見る為とか、ひとりテニスをするためとか…)
「だから、僕もOFAを出来るだけ柔軟に使ってみようとおもったんです」
解凍されたたい焼きをまだかまだかと待ちわびているグラントリノ。そんな彼に友達のことを話しつつたい焼きを差し出す。
「そうか…ならあと一息だな。まあこの熱々のたい焼きでも食べて…って冷たい!!」
ガキン!と歯が砕けそうな音がグラントリノの口内に響く。かぶりついたたい焼きが解凍されていなかったのだ。確かにチンしたはず。そう思う緑谷に対しまくし立てる。
「バッ、お前!でかい皿のままチンしたな!?無理入れると中で回転しねぇから一部しか熱くならんのだ!チンしたことないのか!」
大好きなたい焼きタイムがお預けされ年甲斐もなくブチギレるれるグラントリノ。緑谷はすぐさま謝りチンしなおす。
「うちのは回らないタイプだったので…ごめんなさ」
一部しか熱くならない、全体、たい焼き…様々な単語が思考を巡り、やがて一筋のアイディアが浮かぶ。
「…そうか!!そうかそうか!!わかった!グラントリノさん!このたい焼きが、僕です!!」
「違うぞ、ダイジョブか!?」
いきなりたい焼き宣言する緑谷を心配する。正論、というか事実を言われ説明しなおす。
「いや、そのちがくて…」
たい焼きを皿に置き直す。今思いついたことは、劇的な変化を自分にもたらす。、そう確信した緑谷は構える。そして、OFAの引き金を引く。
まずは手に
「今までは必要なときに、必要な個所に発動してた」
腕に
「違った。オールマイのパワーは腕だけに発動された威力じゃ説明できない。」
足に
「常に、全体に、OFAを!!」
胴に。
OFAが体をめぐる。頭からつま先までOFAの光に包まれたデクからは緑の火花が放出される。パチパチと迸る火花は緑谷の進化を表していた。
「全身…!常時!身体許容上限…!!」
今までの瞬間部位強化ではなく、全身強化の常態化。体全体を満遍なく鍛えていたことでどの部位も5%までなら発動できる。あとは意識して発動したままに。スイッチをつけたり消したりするのではなく、つけたままにしておく感覚。
プルプルと震える緑谷。その姿は体からあふれ出る力を抑えつけるかのよう。
「その状態で、動けるのか?」
「わかり、ません…」
少しの不安、そしてそれを上回るワクワクをを宿した目をした彼に尋ねる。
「試してみるか?」
もちろん答えは
「お願いします!!」
挨拶と同時に試合開始。天井を使っての移動で先手を打つグラントリノ。しかし全身にOFAを使い反応速度が向上している緑谷にはギリギリ見える。
後ろを取られるも振り返りざまにSMASH。
が交わされる。なおも飛び跳ね続けるグラントリノ。
攻撃のタイミングをうかがいながら緑谷を煽る。
「ほらほらどうしたぁ!見えたところで反撃できないと意味がないぞ!!」
「この程度の壁トトンと越えれねぇやつぁ平和の象徴になんて慣れんぜ!」
その言葉にピクリと反応する。それでも心は乱さない冷静な緑谷。静かに集中し、音、景色、振動を意識しただ目の前を見つめる。
「来ないならこっちから行くぞ!」
緑谷の目の前の壁で切り返し、ジェット噴射で突撃しに来る。
(今だ!)
向かってくるグラントリノを見ながらそのまま後ろに倒れこむ。その避け方ばさながらマトリックス。グラントリノの拳は彼の腹部を狙っていたためスカす。そして倒れこむ緑谷とグラントリノは地面と平行に並ぶ。
(ギリギリのタイミング、そして僕がよけてるとしか思ってない今なら!)
体をのけぞらせながらの、回避をしながらのアッパーカット。5%とはいえその威力は侮れない。全身のバネの力をその拳に乗せる
「
「むぅ!」
進行方向を変えたことで、緑のパンチはマントだけをとらえることとなる。。
「うそ!!?」
避けられるとは思ってなかったデク。もともと捨て身のこのアッパー。そのまま倒れこみ背中を打つ。
急いで体制を整えるも既にソファに座っているグラントリノ
ゆっくりたい焼きを食べながら頬を拭う。
「なかなかいい動きになったじゃないか」
破かれたマントをたなびかせ素直にほめる
その言葉を受けうれしそうにする緑谷。今までには攻撃防御など一定の瞬間しか強くなれなかったかが、これからは常に個性を発動した状態で戦える。この成長の喜びに打ち震えていた。
そんな彼を見て教え子を思い出すグラントリノ。やつに追いつくまでそう遠くないかもしれない。そんなことを思う。
「ようし…あとは慣れだ。無意識化でも制御できること目指せ!!」
「はい!!」
「幸いあと4日ある。ちと短いが…まあいいだろう‥‥!」
しわしわの顔を更にしわくちゃにして笑うグラントリノ。対するはまだ高校1年になったばかり子供。思わず返事をするがすぐに気づく。ここからが地獄なのだと
「はい!!‥‥え、いや、あの」
それから4日間、緑谷がしごかれまくったのは言うまでもない。
GW編あと一話。今後の展開のためにGW編を入れたんですがオリジナルの難しさを痛感しました。ほんと、原作者はもちろん、人気二次創作作者さんたちもすごいっす!
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章