【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
五月晴れ、とはよく言ったもので、5月に入ると春の華々しい晴れから夏を匂わせる晴天が多くなる。とうとうGWも今日で終わり。孫とともに休暇を楽しんだマックスが最後に選んだ場所。それはさざ波の音が心を落ち着かせ、我らに原始を想起させる、そんな場所。
彼らは今、ベンの家から近い浜辺に来ていた。あまり海に行ったことのないグウェンは心躍る。そんな彼女に比べ、この場所によく来るベンは大した感想はない。この場所に来た理由を祖父に問う。
「ん?ここに着た理由か?そうだな…そろそろ来る頃なんだが
はっきりとは答えないマックス。ただ人に合うようであることがわかる。
「…お、きたきた」
手を振り場所を示す。そちらの方向からは筋骨隆々の金発と細マッチョで何故かボロボロになっている緑髪の少年が走ってきていた。思わず名前を叫ぶベン。なぜ彼らが?とマックスを見る。
「イズクとオールマイト!?なんで?!」
「ふふふ、オールマイトとは知り合いだといったろう?久しぶりに話そうと思ってな」
ベンにこの会合の説明をしていると直に2人が。
「お久しぶりです!テニスンさん」
「あわわわわ…マクスウェル…だ…!」
対称的な師弟を見て顔をほころばせるマックス。
「久しぶりだなとし…オールマイト。その子が例の子か?」
「はい。先日まで先生の元へ行っておりまして、今朝かえって来たところです」
「こここんにちは…!ネットごしですがあなたの活躍はみてました…!」
「そうか…ありがとうな。ベンと仲良くしてくれてるんだって?今後もよろしく頼むよ」
「い、いえ、僕の方こそよろしくされてまして…」
これだけのやり取りでどんだけ緊張してるんだ、と思うベン。しかしここまで緊張される自分の祖父を誇らしく思う。それだけ、祖父は人を助け、ヒーローをしていたのだと、再確認する。
「して、テニスンさん。話したいこととは…」
「そうそう、じーちゃん。オールマイトと何話すの?」
オールマイトからの質問に顔が曇るマックス。そしてチラリ、と子供たちを見る。見られたことを気にも留めないベンと違い、空気の読める緑谷とグウェンは席をはずそうとする。
「ちょ、お前らどこ行くんだよ」
「いいから、あんたも来なさい!」
「何だよぉ…」
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2人から少し離れたところにベン、グウェン、緑谷は移動する。引きずられたベンはむくれているがそんなことは気にしない彼女であった。
「えーと、あんたがイズクって人?あたしはグウェン。よろしくね」
初めて緑谷と会ったグウェンは自分から名乗る。笑顔で手を差し出す態度は普段のベンに対するそれとは異なる。
「あ、ぼ、ぼっくは緑谷出久です。よ、よろしくお願いします」
「何緊張してんだよ。こんなの猫被ってるだけだぞ?どころか被ってもこの程度の猫にしかならないやつなんだぜ?緊張する必要なんてないよ」
自分のいとこを見て固くなる緑谷が変に思え軽口をたたく。そんな軽口にももう慣れたグウェン。特にムキになることもない。が、何もしないとは言ってない。緑谷に気づかれないほどの速さでエネルギー弾をベンのつま先へ。
たまらず叫ぶベン。
「いったぁ!!なにすんだよ!!」
「なにが?」
「おい、あんまりふざけるとボクのオムニトリックスで泣く羽目になるぞ?」
「何が泣くはめよ。一昨日勝手に使っておじいちゃんに怒られてたくせに!」
「…!!!」
痛いところをつかれ歯ぎしりするベン。
流れるように喧嘩する2人だが緑谷は未だ状況を飲み込めない。いとこを持たない彼にとってこれが普通なのかはわからなかったが、とにかく諫める
「ちょっと…!やめようよこんなところで…」
今すぐにでも自分が戦いたいがさすがに昨日の今日で変身はダメだと判断するベン。自分が戦わずにグウェンを懲らしめる方法を思いつく。
「…そうだ!イズク!こいつと戦ってみろよ!」
謎の提案に驚く緑谷。そしてそれは彼女もいっしょ。
「なにいってるのよベン!あんたまだ懲りてなかったの!?それにあたしがこの人と戦う理由はひとっつもないっての!」
「じーちゃんたちに許可をもらえばいいだろ?それにイズクがお前に勝つだろ?そしてボクはイズクに負けたことがない。つまりボクが一番って寸法さ!」
「あんたねぇ…」
「僕も、その、…」
こんなアホなことを言っているベンを遠巻きに見ていた2人。常に笑顔のオールマイトと異なり呆れた表情のマックス。
「全く…ベンのやつ全く反省しとらんじゃないか」
「はは…しかしあれがテニスン少年のいいところだと思いますよ!緑谷少年も新技で彼を参考にしたって言ってましたからね」
年下のオールマイトにフォローを入れられため息をつく。
こうして孫たちを見ることがどれだけ幸運なことだろうか。願わくば彼らがヒーローになるのをこの目で見たい。そう思いながら本題へと入る。
「俊典…奴がおそらく動いている」
「…!!」
「アメリカでずいぶん前に不可解な事件が起きていてな。その事件の発生場所が…」
「やつを倒した湖、ですね?たしかに検挙には至らなかったが…あの傷でまだ復活したのですか」
危機への察しはよいオールマイト。
かつて、オールマイトはアメリカで活動していた。まだ半人前であったが、それでも実力は他のヒーローと頭一つ、いや二つ抜けていた。そんな彼を見込んで力を貸してほしいとマックスから言われ、共に倒した敵がいた。いあy、たった今、倒したと思っていた敵へと変わってしまった。
「まだ確定はしていない。だが注意をしてほしいと思ってな。奴は力のためなら何でもする。もし、OFA、AFOの話をかぎつけたなら奴は間違いなく日本へ来る。それに…」
「…わかりました…そのためにわざわざ日本へお越しいただいたのですね」
半分はこのため。しかしもう半分はベンの様子を見る為であった。実はマックスはオムニトリックスの存在を元々知っていた。しかし詳細については知らなかったためすぐにはそれがオムニトリックスだとは気づけなかった。なんせその力は思っていた、文字通り10倍の力を有していたのだから。
強大な力を手にしたとき人は変わってしまう。それがいい方向か悪い方向かはそれぞれだ。あるものは傲慢に。またある者は己をいとわなくなった。どちらにせよ、ベンが心配であった。自分が近くにいてやれない今、誰かに見守ってほしいと思っていた。
「俊典…ベンを頼む」
「…わかりました。私の2人目の恩師、からの頼みですからね!!」
その言葉を聞き一安心する。平和の象徴が引きうけた。その頼もしさは何物にも勝るだろう。マックス彼の笑顔と信頼し託すこととした。
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「結局じーちゃんたち何話してたの?」
海浜公園を出てベンの家への帰宅中。最後のキャンピングカーでの会話である。
「おまえさんがウォッチを悪用しないように見張っててくれとたのんだのさ」
「うぇーー…そんなことしないって。ボクはヒーローになるんだぜ?」
正直ベンのこの言葉に全く説得力はない。私利私欲のためになかなか力を行使してきたのだから。そのことを知っているグウェンも呆れた顔でベンを見る。
「まあ…?さっさと退学になるのもいいんじゃない?いい薬になりそう?」
「はっ!言ってろよ!ボクはすぐにこの名を世にとどろかせてやるから」
「手錠掛けられた姿がテレビに映って?そりゃたしかに轟くわね!」
2人の言い合いで締めるのもいいか。そんなことを考えていると自宅についてしまう。
ベンを下ろし、カーウインドウを開ける。
「ベン!体育祭はテレビから応援するからな!頑張るんだぞ!」
「まだ先のことだよじーちゃん」
「頼むからあたしたちに迷惑かかるような捕まり方はしないでよね!」
「お前こそ敵にやられてじーちゃんからクビにされないようにな!」
ニシシ、と笑う2人。そろそろ出発しないと飛行機に間に合わなくなる。車を発進させ、
窓を締めながら徐々にスピードを上げていく彼らにベンは手を振る。
「今度会うときはもうボクはヒーローになってるからーー!!!」
聞こえたかどうかはわからない。ただ、キャンピングカーのテールランプが二度光ったことだけははっきりとわかった。
GW終わったぁ…オールマイトは昔アメリカ修行してましたよね。この設定を生かさずどうする…!!
自己犠牲って日本人は好きらしいんですけどベン10ではそこあんまり強調されなかった気がする。大いなる力ももったものの責任、みたいなのはあるけど。
次回はUSJ!に入りたい…
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章