【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
24話 幽霊?
GWが終わり学校が始まる。その事実は学生にとって楽なのか哀なのか。たとえ哀だとしても、今日学校に行かねばならないということは変わらないのでどうでもいいことだが…
5日ぶりの登校。久しぶりの顔ブレに皆が沸き立つ。
そんな中のHR。相澤は必要事項の連絡のあと、不穏な空気をまとう。なにかまたテストが?生徒たちが身構えた中彼が言ったのは
「君たちには学級委員長を決めてもらう」
【学校っぽいのきたアァァ!!!】
そう、係決めである。いかに特殊なヒーロー科であろうともあくまで高校。委員長はもちろん、学習係、放送係などは必要なのである。
学級委員長、というと雑用係のようなイメージを持たれるが、そこはさすがヒーロー科。人々をまとめるリーダー職への人気は高い。自分が自分が、と皆が手を挙げる。面倒くさがりの爆豪でさえ【やらせろ!】と息巻いている。
「うわぁ…良い子ちゃんばっかじゃん。そんなに雑用したいの?わけわかんないよ」
委員長をあくまで雑用係だと認識しているベンは興味がない。
騒がしい中で唯一このクラスの眼鏡である飯田がある提案をする。。
「静粛にしたまえ!他を牽引する責任重大な仕事だぞ…!周囲からの信頼によって務まるこの聖職。民主主義に則り…投票で決めるべきだ!!」
いいことを言う。まだ知り合って少ししか経っていない中での選挙ならば、皆が自分に入れる。そのなかでも複数票獲ったものこそが確かに長にはふさわしい。本当にいい提案である。
その右腕がそびえたっていなければ…
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午前の授業が終わり、緑谷、飯田、麗日、ベンの4人はいつものように昼食をとる。会話の種はさきほどの委員長決め。栄えある長の座を手にしたのは
「僕に委員長が務まるかな…」
緑谷だった。緑谷は自分、麗日、飯田から票を獲得し見事1位に。ちなみに2位は八百万である。
「ツトマル!」
お米をほおばりながらの麗日。今は緑谷よりも飯。対して飯田は自分の票を緑谷に入れた理由を赤裸々に話す。
「大丈夫さ。入試や訓練でも思ったが緑谷君の“ここぞ”という時の能力や判断力には目を見張るものがある。僕も負けてられない、そう思えた君だからこそ票を託したのさ」
ジーンと感動する緑谷の横で異議を申し立てるベン。
「おいおい、ボクはどうなんだよ。その2つともボク一緒だったろ?」
「ベン君も委員長なりたかったん?」
「いや、そういうわけじゃないけど…」
飯田に質問する理由は簡単。選挙でベンに一票も入らなかったからだ。つまり0票。圧倒的0票。委員長には興味ないものの、選挙で誰も選んでくれなかった事実は誠に遺憾である。
「その…テニスン君にも能力はあると思うし見習いたいと思っている」
「うんうん」
「けれど…委員長にふさわしいかどうかといわれると…」
「ちょ、なんだよそれ!おかしいだろ!な、ふたりとも」
その理由は筋が通ってないのではないか。麗日、緑谷に同意を求めるも二人とも苦笑いで流す。正直なところ飯田と同じ考えである。というかクラス全員が同じ思考をしていた【テニスンだけはない】と。
話題を流すため麗日が飯田に振る。
「でも飯田君も委員長やりたかったんじゃないの?眼鏡だし」
パスが雑である。
「…やりたいと相応しいかは別…そういえば僕に一票入ってたな、いったいだれな」
「ああ、それボク」
「!!テニスン君か!?なぜ僕に!?」
しばし目をつぶり考えた後、こう言う。
「眼鏡だから?」
「なんだそれは!!」
実際にはまじめなところがグウェンと似ており、口うるさい学級委員長ぽいから、なのだがさすがにそれは直接言えない。その程度の気は使える彼であった。まあ気を遣った先が【眼鏡】であったわけだが…
【ウウーーーー!!】
「!なんだ!?」
突然の警報に皆が席を立つ。放送では侵入者が出たとのこと。初めての侵入者。今いるのは学食。となると
【いてぇいてぇ!】
【押すな!】
【ちょっと!!倒れるじゃない!!】
こうなる。
3学年全員が1か所に集まっていたため入り口は一気に混雑、パニック状態に。それも仕方がない。いくらヒーロー志望だからと言って彼らはまだ15そこらなのである。予想外の侵入者にパニックになるのは必然的である。
人並にもまれ、緑谷麗日、飯田ベンに分かれてしまう。
「っく、いったい何が侵入したん…あれは、報道陣!?」
ちょうど飯田が押され着いた窓際からは報道陣が相澤らを囲んでる画が見えた。めったに校内に入れないマスコミは我先にとインタビューを求め先生たちもその対応に追われている。
(先生型は対応できない!僕らで“大丈夫“なことを皆に伝えなければ!)
「テニスン君!侵入者はただのマスコミだ!向こうにも伝えてくれ!」
言われたが身動きがうまく取れないベン。
密集地帯では身長150もないベンにとっては満員電車の比ではない苦しさなのである。それでも、起動ボタンは押す。
「大丈夫!?伝えろ!?…おっけい任せろ!!」
QBAAANN!!
「!?」
急に変身したベンに驚く飯田。
この混雑の中で移動するためか、それとも皆の気を引くためか。変身した理由はベンのみぞ知るところ。だが、その変身は
【………うわぁぁぁぁ!!敵だ!!】
この場で取りうる最悪の手段であった。変身したのは単眼の幽霊。ベンが変身するエイリアンの中でももっともグロテスクなエイリアンなのである。一見シンプルなデザインだが、その身は内包するおぞましい何かを隠しきれない。
おどろおどろした声で皆に教える。
「皆ぁ…侵入者はマス」
【お化けが急に現れたぞ!!】
【さっきまであそこにいた子供が食べられた!?】
先ほどのよりもひどいパニックとなる。ベンは頑張って伝えようとするも誰も聞かない。それが理由なのかはわからないが異常にいら立つベン
「おい…!聞けよぉ。有象無象どもがぁ…!!」
「テニスン君口が悪いぞ!!?(く、どうすれば…)そうだ!麗日君!俺を浮かせろ!」
麗日に指示に自分を浮かせる。無重力人間となった彼は自らの個性で空中を移動し大きな音を立てて非常口上部に張り付く。そして
「大丈―夫!!!ただのマスコミです!なにもパニックになることはありません!!ここは雄英!最高峰の人間にふさわしい行動をとりましょう!」
・・・・・・・
その後、事態は沈静化し何とか午後の授業には間に合った。授業の前には緑谷は飯田を委員長に推薦した。委員長である緑谷が推薦したことや食堂での出来事もあり異論を唱える者もいなかったようで、晴れて飯田は委員長の役に付いた。
余談だが、食堂ではヒーローに成れなかった者の幽霊が出るとの噂が広まり、事情をきいた1-A生徒は【やっぱりテニスンに票を入れなくてよかった】と思ったそうだ。
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その騒動があった1週間後、彼らは初の救助訓練に取り組むこととなった。
場所は、
ヒーロースーツを着て皆が広場に集まる。ワクワクする彼らに対し、13号から大事なお話が。その内容は、個性について。
「ボクの個性はブラックホール。吸い込んだものをチリにする個性です。この個性は…簡単に人を殺せる力です」
さきほどまでの緩んだ空気が一気に張り詰める。【殺す】という言葉でベンは思いだす。福岡での電車の出来事を。プロヒーローのおかげで大事故は免れたが、下手をすれば幾人もの人生を奪う羽目になっていた。
「この超人社会は1人1人が力を持っています。その力を暴力とするか誰かの助とするか皆さん次第です。この授業では自分の力は後者のためにあると確認して帰ってください。ご清聴、ありがとうございました!」
ペコリとお辞儀する先生。被り物をしているその表情からは何も読み取れないが話を聞いた皆の顔を見て何を思っただろうか。
「助ける力…ね」
私利私欲じゃなく、自分のためではなく皆の為に。オムニトリックスに選ばれた自分はそうあるべきなのだろう。柄にもなくそんなことを考えたその時、
「ああ…いっぱいじゃないか…なのに本命がいない…ガキを殺せば来るのかな?」
途方もない悪意が彼らを襲う。
今回は書いてて楽しかったです。
やっぱりベンはピエロ的扱いが一番映える、(笑)力を持つ子供ってそんなものですよね?
次回は誰が出るかな?
エイリアンによってフォントを変えようかなと思うんですけど、このエイリアンにはこれがいい!という方はぜひ作者まで!
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章