【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
鉄壁のセキュリティを誇る雄英高校。ヒーロー育成機関、という特殊な設立目的故に敵からの憎悪の対象となりやすい。だからこその高度なセキュリティ技術で設立以来敵の侵入は一度たりとも許してこなかった。しかし、その不侵入神話はたった今崩れ去る。
救助演習を行うための施設、USJ。その広場に、黒き渦霧が立ち込める。はい出てきたのは、ただただ純粋な悪。
手首から先を顔にはり付けた不気味な敵と黒い靄が話す。
「おいおい、オールマイトがいないじゃんか」
「どうやらカリキュラムに手違いがあったようですね…」
前線に出ている相澤のみが聞こえた会話。それはこちら側に内通者がいることを表していた。が、今はそれどころではない。
「…!全員、13号の指示に従い避難!戦闘に出るな!」
ウォッチの準備をしていたベン。我先にと跳びだそうとしていた爆豪は動きが止まる。
此処での生徒は守るべき対象。いくらヒーロー志望だからと言ってただの子供には変わりなくこの場面で戦わせるべきではない。というイレイザーヘッドの判断。教育者として、ヒーローとして限りなく正解に近いその判断は、今回ばかりは裏目に出た。
「隙あり、ですね」
生徒が固まった瞬間、黒い靄が彼らの前に現れる。ワープの個性を持った黒霧からすれば生徒は一塊になってくれて幸いだった。一瞬隙が出来ればよく、其の隙を先生自らが作ってくれるとは好都合。生かさない手を無い。
「生徒とはいえ優秀な金の卵。集まれば厄介、油断すればやられてしまう。なので」
瞬間、生徒たちの周りに多数の霧ができる。黒はそのまま彼らを飲み込んでいく。
「散らして、嬲り、殺す」
「なんだこの靄!!」
「皆!!」
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「ブハッ!!なんなんだ今のは!?死ぬかと思ったよ!って、あっつ!!」
ダイヤルも回したままベンがワープしたのは火災ゾーン。火事や爆発などが起きたときの救助演習で使われる場所。オフィス街を模したような場所で、隙間なく連なるビルに、広い一本道。ベンが降り立った場所はちょうど後方が大火事となっていた。
「へっへぇ!ガキが2人きやがった!!」
「一人は小学生か!?おうちに帰りたいでちゅねぇ~!?」
ワープしてきたベンを取り巻くのはガラの悪いチンピラたち。ベンの体を見て馬鹿にする。青筋を浮かべながら目じりをピクピクさせるベン。
「っはっはぁ…言ってはいけないことをいったなお前たち…ん?2人?」
1人のはずじゃ?一応と横を見ると遠慮がちに笑うクラスメイト。尻尾の生えたその姿はまさに“個性”があるのだが、名を思い出せない。名は…
「…しっぽ!」
「尾白だよ!!」
「ごめんごめん。あんまり覚えてなくって、オシロね」
謝るがそこに陳謝の意はない。基本的にノリが軽いベンには名前を憶えていないことは大したことではない。だが普段から影が薄いことを気にする尾白にとっては大したことあった。一か月たっても名前を覚えてもらえてなかったのはやはりショックである。しかも言い直した名前すら間違ってる、
だが今はそれどころではない。前方には敵の集団。後ろには火事。前門の虎、後門の狼とはまさにこのこと。
「…いいよ。それよりテニスン。敵もだけど火事のせいで後ろに回れないのが痛い。この状況にあったやつに変身できるか?」
戦闘訓練でベンの変身能力を知っている尾白。ベンの個性をあらゆる異形に変身できる個性と勘違いし相談する。間違ってはいないがあくまで変身できるのは10タイプ。全ての場面に対応できるわけではない。しかし
「ああ、いるよ!てゆうかこのくらいの火事なんてあの時に比べればどうってことないさ!」
「本当か!」
(あの時?)
「ああ!まだ見せたことない、炎のエイリアン、ヒートブラストだ!」
QBAAANN!!
火事の赤い光とオムニトリックスから放出される緑の光で目がちかちかする尾白。慣れて見えてくると、目の前には
「…だからなんでこいつなんだよぉ!!!!」
光沢をもった体で嘆く鉱石人間がいた。。薄い青緑色の結晶体で出来たそれは、プロレスラーが着るような服を着ており、その服にはベンの面影があった。
「そ、そいつがヒートブラストっってやつなのか…?」
「…ちがう!オレはダイヤモンドヘッド!ったく、本当にこのウォッチはポンコツだぜ」
「ははっ…」
(口調変わってるし…)
プンスカ文句を言うベンに付き合う尾白。その場に似使わない緩い雰囲気になったことにいら立つ敵。2人がしゃべっているに拘わらず戦闘に持ち込む。不意打ちの斬撃がベンを襲う。
「…!しまっ…テニスン!!危ない!」
注意した時には時すでに遅し。腕を刀に変化させた敵の斬撃は見事にベンの頭部をとらえる。が、その音は斬れた音ではなく、折れた音だった。
「…お、俺の刀が折れたぁ!?」
後頭部をさすりながら太い声で喋るベン。
「おいおい、人がしゃべってるときに攻撃するのは敵だけだぞ。あ、敵だったっけ」
自分の個性がただの頭部に負けた事実に震える敵。再生可能な腕をもう一度変化させ斬りかかる。
「おらぁぁ!!」
右から左から。縦、横、斜め。さまざな角度から数を重ね振り回す。しかしただ突っ立っているだけのベンに文字通り刃が立たない。
「もう終わり?じゃあくらえ!!」
拳を硬め鳩尾に一発。この硬め、というのは握りしめる、という意味ではない。もともと拳の形をしていた手をブロックのように成型してぶん殴ったのだ。ただただ硬いパンチをくらった刀の敵は泡を吹いて気絶する。
「やっぱりダイヤモンドヘッドはパワーもあるなぁ。固くて強いパンチ。んーー男らしいぜ!」
自分のパワーに惚れ惚れするベン。そんな彼を見て恐れる敵たち。個では太刀打ちできないとみて群れで勝負を挑む。
「うおっ、たくさんきやがったぜ。オシロ、お前は火にだけ気をつけろ!」
「お、オッケイ」
忘れそうだがここは火災ゾーン。本来ならばベンが立っている場所は常人ならば肺に異常が出る熱さ。敵たちはそれに対応できるものがここの担当になっているので平気だが、ベンが平気なのは敵たちにとって予想外だった。
暑さも寒さ感じない。耐久力はフォーアームズ以上。今ベンが変身しているのは対災害に関してはNo1のエイリアンであった。
群れて攻める敵たちには硬度を増したその腕で対処する。どんなパンチもどんなキックもどんな斬撃も通じない。どころか自分が攻撃すればするほどダメージを負う敵たち。疲弊していく彼らを1人1人気絶させていくベン。
その状態に焦りだす後方部隊。
「や、やつに近接はダメだ!後方部隊!全員射撃だ!」
個性や道具やらで強化された銃で弾幕を張る敵集。それでもダイヤモンドヘッドにはかなわない。
「オレが近距離しかない男だと思ってないか?ふっ!」
ベンが腕を振るとつららとなったダイヤモンドが射撃する敵に降りかかる。自らの体の破片をダガーのように飛ばしたのだ。予想外の遠距離攻撃になす術なくやられる敵たち。
「ぎゃあっ!!」
「なんだあいつ!!」
完全に実力を上回る高校生にひるむ敵。其の隙を待っていた。
両手を地面につける。この技は中学の時には完成していなかった。しかし、類似技を見た今ならできるはず
「ペトロールソリッド!」
掌から広がった結晶はスピードをつけ敵のもとへ。何が起きてるかわからず戸惑う敵たちを結晶は包んでいく。イメージは轟の氷結。直に食らっただけのことはありその再現度は高い。最後にできたのは中に敵が埋もれている巨大な緑水晶の花であった。
「イェイ!!、敵の包み結晶の出来上がりぃ!」
黄色く染まったその目は笑っているかどうかの判断がつかない。しかし満足げな声からは気持ちよかったことが伺える。
圧倒的トンガリによって力を見せつけたベン。そんな彼を見ておびえ逃げようとする敵が2人ほどいた。
「おっと、まだ取り残しがいたのか」
「ひ、ひぃ!」
「後ろを向いて手を着け」
言われるがままに壁に手を着ける敵。敵の矜持どころか大人の矜持もあったものではない
。
「悪事を働くには敵が、いやヒーローが悪かったなぁ
Pipipipi QBAANN!!!
お前ら!」
腕を腰に当て自信満々にいう。その言葉を聞きおかしく思う敵たち。いや、言葉ではなく声。野太い声から高い少年の声に戻っている。振りむくと送られてきたときと同じ姿のガキが偉そうにしていた。
敵の目を見て自分が元に戻ったことに気づく。汗を垂らしながら言葉を回す
「…楽しい時間って時間が経つのが早いね!今日のところは逃がしてやってもいいよ?」
焦る彼をみて、しめた、と思う敵ら。
「なんだこのガキ!、やっちま…」
言い終える前にドサっと倒れる。何者かによって気絶させられたのだ。思わず目をつぶったベンだったが開けると尾白が立っていた
「オシロ!!ナイス!!」
「尾白だってば!!…テニスンの方が凄いよ。こんだけいたのを一人で倒すなんて」
「まあね?でもオシロも倒したじゃん。胸張っていいんじゃない?」
「そ、そうかな‥!」
「ああ、じゃ、ボクは広場に急いで戻るよ!」
右ポケットからホバーボードを出し、1人で乗っていくベン。残された彼は口を開けて突っ立っていた。
「ま、まじかよ…」
ほめて放置。それがテニスン流。
とりあえず全員出た!!若干二名微妙だけど…基本的に変身=戦闘だから全員バランス良く出すのはあきらめかけてます。今日だって…ダイヤモンドヘッド強すぎ時じゃね?切島と轟のミックスかな?ってレベル
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章