【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

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今回はこの展開にするか迷いました。


27話 ヒーロー

渾身の100%デトロイトスマッシュ。

小さな拳から放たれた技で爆風が起きる。近くにいた敵のボスが風圧であとずさりし、もう一人の黒髪の少年は転げる。対して技を放った緑谷もタダでは済まない。

 

「うっ!!!」

 

通算2度目の100%。敵の想定を上回るために出した奥の手であるが、その力はまだ緑谷に扱えるものではない。反動で右腕の骨を砕け、血管は破裂する。茶色く染まったその右腕からはシュウシュウと音を立て煙までている。

 

ここまでの犠牲を払った一打は…

 

「そ、そんな!!」

 

化け物をよろけさせる、いや、反応させることもできなかった。ただただイレイザーヘッドにまたがり、緑谷を見向きもしない。

 

(100%だぞ!?オールマイトの力だぞ!!??)

 

驚愕と絶望が入り混じった顔の緑谷をみて土を払いながら彼らは述べる。1人は馬鹿にし、1人は品定めするかのようだ。

 

「言っただろ?対オールマイトだって…お前の力なんて脳無には効かないんだよ」

「…相当なパワーだったな。あの個性、いいかもな…」

「いや、見ろよ。あのガキの腕。バッキバキだぞ。あんなにならなきゃ使えない個性なんているかよ」

 

「っ!」

自分の、オールマイトの個性が馬鹿にされていることに怒りを覚える。受け継がれてきたこの力はこのような悪を滅ぼすためにある。そう考えるも、右腕は使い物にならない。

 

とにかく脳無を先生からはがさなけば…頭に上った血をゆっくりと思考のリソースに回していく。

 

「おい、脳無。さっさとイレイザーを気絶させろ。」

「そうそう、じゃないと俺らが個性使えないっつーの」

「そして…ガキを殺せ」

 

殺す、という単語よりも先生を気絶させるという言葉に反応する。自分が傷つくのは構わない。だが、他人が、先生が傷つくのだけは許せない。なんとしてでも先生を助けないと。

 

自己犠牲の精神が、自分の足と引き換えに先生を助けると決める。破滅の力を右足に力を込める。瞬間、もう1人の選ばれしものが来る。左腕に緑色の時計を巻いた少年が。

 

「先生に何してんだよ!!」

 

ホバーボードから威力最大で光線銃を放つベン。その威力は轟の時とは桁違いのものであり、脳無の腕を削る。ベンを見て驚く敵の1人。

 

「あいつ…ここの生徒だったのか!」

 

ベンはボードから降り立ち緑谷に状況を確認。

 

「皆は?此処はイズクだけ?」

 

「う、うん。出口の方になんにんか集まっ…!!」

 

そこで変身不能のオムニトリックスに気づく。未だ赤い光を放つウォッチを見て顔が歪む。

歯を食いしばりながら苦渋の決断する。

「…ベン君!!今すぐボードで逃げて!」

 

「はあ?!なんで?」

 

「変身できない今は危険すぎる!!みんなのところで時間を待つんだ!ここは…僕が何とかする…!」

 

折れている拳を握りしめ戦闘態勢に入る緑谷。敵たちの方を見据える。

勝算はない。先程の全力も意に解されなかった。だかやるしかない。ビクビクと動き、各所からは血を吹き出す腕を構える。

 

そんな痛々しい右腕を見てベンは反論する。

 

「いやだね。そんな怪我を負うやつにここを任せられるかよ」

 

「っ!!こいつ相手じゃ君を守り切れない!今の君は無個性だろ!」

 

激情にかられ、ついキツい言葉を放つ。緑谷の言うことは何一つ間違っていない。変身できないベンはただの無個性少年。多少のアイテムがあるとはいえ、その事実は変わらない。

 

だが、ベンにはそんなこと関係ない。

 

「困ってる人がいたら助ける。それがスーパーヒーローだろ?友達だったら尚更さ」

 

「…!」

 

「今のボクにはじーちゃん謹製のアイテムもあるしね」

 

「っけ、けど…!!‥‥ベン君は距離をとって射撃で援護して。ウォッチが起動できるようになったらダイヤモンドヘッドかヒートブラストに。削るか焼くかなら、なんとかなるかもしれない。相澤先生はギリギリ意識があるみたいだけど、巻き込まないようにしないと」

 

納得はしないが言い争いをしても仕方ないと判断。脳無への有効手段を考えながら指示する。

「おっけい!!さすがイズク!」

 

さっそく離れて銃撃に入る。連射するその弾はほとんどが脳無の体をとらえその肉体を削り取っていく。しかし削られた先からウネウネと肉体を修復する脳無。

 

「あいつ再生してる!?」

「かまわない!ベン君はそのまま相手をけん制してて!」

 

再生に気を取られてくれれば御の字。今のうちに前へ。

フルカウルを駆使し距離を詰める緑谷。さっき効かなかった以上、むやみに100%は放てない。走りながら作戦を考えるが…

 

「無駄だよお前ら…そいつには超再生とショック吸収の個性を持たせてある。あはは、どんなに頑張ってもお前らには希望のかけらもないよ」

 

楽しそうに語る掌を顔につけたボス。その掌の奥の笑みは子供が虫を無邪気に殺すときの顔。残酷な行為が、弱者の無駄なあがきを面白おかしく感じる。そんな顔。

 

だが今の言葉を聞き、緑谷は思いつく。脳無を倒せないまでもこの場をしのぐ方法を。

 

(ショック吸収…だからスマッシュが効かなかったのか。まてよ?ショック吸収って打撃無効化ってことだよな。なら…掴んで投げられること自体は防げない!!)

 

打撃ではなく、掴んで敵を放り投げる。放り投げる際にOFAを使えばその距離は相当なものになる。先生も助けられるし時間も稼げる唯一の突破口。両腕が壊れるが仕方ない。この方法しかない、と腹を決める緑谷。

 

幸いベンの射撃で相手は全くこちらを気にしてない。

 

さきほどから緑谷にも攻撃を加えなかった点から攻撃性は低いのかも、と予測する。

フルカウルで懐に潜り込み、腕をつかむ。こちらを見向きもしない敵には容易なこと。ブン投げるためにOFAを発動。

 

が、その発動は意味をなくす。

 

「めんどくさいな…脳無、向こうのガキからやれ」

ボスの一声で、緑谷ははじき飛ばされる。

緑谷は勘違いしていた。敵は攻撃してこないと。少なくともこれまではしてこなかった。しかし今ハッキリとした。攻撃するしないは脳無ではなくボスが決めていたのだ。先ほどまでは先生を捕縛する命令が出ていたから自分に攻撃しなかったのだ。

 

気づいたときにはもう遅い。ギョロギョロした目の先には光線銃で応対するベン。

 

「」

 

無言でベンの銃撃を振り払うと同時に、彼の左腕を握り、彼ごと持ちあげる。宙ぶらりんにつるされるベン。反抗しようにも手も足も届かない。

 

怪人に握りしめられた手首はメキメキと音を立てる。

 

「う“う”う“あ”あ“!痛ったい!!!離せ!!!離せよこの化け物!!!」

 

ベンの嘆きも聞き入れない。後ろでは緑谷が叫びこちらに向かってくる。

身長がベンの3倍もあるような怪物はただただ無言でベンの手首を砕こうとする。オムニトリクッスも一緒に握っているが関係ない。ただボスの命令に従いころすのみ。ピシピシと壊れる音がする。ウォッチも限界が近いのかもしれない。

 

脳無はそのまま

 

「あ“あ”“っ!!!」

 

その手首を握りしめた。

 

悲痛な声とともにバキっと嫌な音とともに聞こえる。と同時に聞こえたのはQBANという音。敵には聴き慣れない人工音。音とともに出た不気味な黒い光はベンの体を包んでいく。    

 

 

「なんだよ、ありゃ…」

「ベン、君?」

 

敵と味方、両者が1人の少年の能力に戸惑う。唯一動揺していないのは心を、脳を無くしたものだけ。ただ目の前現れた者を見つめる。

 

自分から掴んでいた少年は消えていた。目の前にいるのは、鈍い黒光から出てきたのは、自分のと同じ姿をした者。

 

脳無の前には、先ほどまでいた緑色の瞳の少年ではなく、緑色の目をした脳無がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オムニトリックスの仕様をしっている人にとってはまあお馴染み?ですよね。今回のは脳無の個性因子がウォッチに入り込んだって感じです。



今後こいつを使うかはわからないんですが、脳無のエイリアンネーム一応募集です。

最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
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