【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
人間とは思えない烏色の肌、改造人間にふさわしいその筋肉は白黒の服に覆われている。体のいたるところにある赤い傷跡は緑に。特徴的なおっぴろげの脳は半透明のアーマーに覆われ、その隙間からは緑色に輝く瞳が伺える。
自分の手のひらを見て何に変身しているかを理解するベン。反対に敵のボス、死柄木は爪を噛み、その横にいる少年は口を開けて驚いている。
「オイオイ…どうなってんだよ…なんであのガキが脳無になってんだ?」
「ベンのやつ…あんな力を隠してやがったのか」
驚く2人を気にせずベンの元に駆け寄る緑谷。
「ベン君…だよね?どうしたの?なんで君が…!?」
駆け寄ったものの混乱している緑谷。それも仕方がない。自分の友人が腕を折られたかと思うと、その相手に変身していたのだから。最初はベンがなにかしらの能力で逃げたのではないかと思ったが、すぐにベン本人だと気付く。その理由は二つ。ひとつは現れた脳無のアーマーにはオムニトリックスのマークがあったから。そしてもう一つは腕。
ベンの代わりに現れたその脳無は腕が反対方向に曲がっていた。その腕は変身前に砕かれたベンの腕と同じ方向を向いていたのだ。
腕の折れる痛みは充分なほどわかっている。もうベンに戦わせるわけにはいかない。ベンに気遣い下がらせようとしたそのとき、その腕ギュルギュルと音を立て、元の形に戻ってしまった。
不気味に再生した腕を見て辟易する死柄木
「はぁ…!?超再生まで持ってんじゃねーか…完全にうちの脳無といっしょかよ…」
「ベン君…今意識はある?」
心配するのはベンの自意識。変身するエイリアンによっては性格の変わっていたベン。脳無に変身したことでの精神影響は予想できない。
その脳無の目はキランと緑に輝く。そしてその黒い指である方向を指し示す。その方向には倒れているイレイザーヘッド。
「イズウ…センエイ…アノム」
発声器官の問題か、それとも大きなギザ歯が原因か、うまく喋れないベン。だがその意図は緑谷に伝わる。なんだかんだいって一年。その間共に修行した仲の二人には十分だった。
「わかった…!」
地面を蹴り相澤の元へ走る緑谷。せっかく倒したイレイザーを回収されるのは敵にとって好ましくない。しかし敵連合が注目するのはその異形。対平和の象徴をコピーしたかのような容貌。とにかくここで殺すか回収せねば。我らの大敵となる。そう死柄木の勘が告げていた。
「おい脳無!さっさとその化け物を殺せ!!」
自分らの仲間と同じ姿の者を化け物と呼ぶ。彼らの間に絆などないのだ。主と従者、その関係であった。だがその関係にも利点はある。
オリジナルの脳無はただ命令に従うのみ。たとえ目の前の子供が自分に変身しても動揺はない。相澤を嬲ったそのパワーでベンを打つ。
しかし微動だにしない。全く効かない。
「…っち、やっぱりショック吸収もか…!」
(俺が行けば…だがあのパワーに巻き込まれたらただじゃすまない。こっちには回復役がいないからな…とりあえず脳無に任せるか…)
死柄木は“見”を選択。その間にイレイザーを緑谷が回収に来るが関係ない。今はあの化け物たちの戦いに集中する。
「」
無言でパンチを食らわせるオリジナル。同じようにベンも拳で返す。もちろんのことだがダメージは一切ない。ショック吸収という個性の性質上、吸収を超えるパワーなら破れるかもしれないがお互いにそんな力を無い。
個性もくそもない、ただただシンプルな殴り合いが起きる。その様子はまるで普通ではない。互いが10発、100発、1000発撃とうが、一歩も動かないのだ。スタミナも無尽蔵なうえダメージを入らない。こうなってくると我慢比べ…なのだがベンは焦る。
(まずい…ッこのままじゃ‥)
対照的に敵の2人はニヤリとしだす。
「うちの脳無が勝つな」
「はぁ…?なんでだよ」
「ベンの変身は10分しかもたない。このまま膠着状態がつづけばいずれ時間切れ。あとはただ無個性のガキが残るってことさ」
「何だ…ヌルゲーじゃんか」
ニヤァっと、口角を上げる死柄木。その通り、イレギュラーで変身したもののベンはせいぜい10分弱しか変身できない。今回もそうかはわからないがその可能性は大いにある。
そのことを十二分に理解していたベン。変身した瞬間に自分の力は理解できた。だからこそわかる。このままでは打つ手がないと…なんとかして脳無を退けなければ…パンチを打ちながら考える。徐々にスピードを上げる敵にこちらも対応するが時間は刻刻と迫る。考えようとすると急に思考にノイズがかかる。身に覚えのない記憶が流れる。少しづつ、少しづつ、それはベンを侵食していく。
オリジナルの渾身の一発がベンが捉えた瞬間。なにか途切れる。
グチャッ、ガリィ!!
肉が裂け、骨が削れる音がする。食らった方は構わずパンチを打つ。かまう必要もない。痛みはなく、再生もある。無意味な一撃だ。今自分がすべきことは相手を殴ること。そう判断し腕を動かす。だが…
敵の左足をちぎる。右腕をえぐる。左足が再生するがその肉面を握りつぶす。敵の左拳が顔めがけて飛んでくる。それを大きな口で食いちぎる。グチャグチャと音をたて血は飛び散るも気にしない。
破壊、再生、破壊、再生、破壊、破壊、再生、破壊、破壊、破壊。
破壊に再生が追いつけなくなったとき、脳無の体は胴体に左足のみがついている状態になる。
そしてベンが左足の付け根を手刀で貫きえぐると、胴体のみが空中に浮く。
そこでタイミングを計っていた緑谷は合図する。
「先生!今です!」
緑谷に背負われた彼は気絶寸前。教え子の合図で最後の力を振り絞り目を見開く。対象は敵脳無。その目に射抜かれたものは個性を発動できなくなる。手も足も腕も何もかもなくなった脳無。再生しようにも発動できない。そして頼みの綱であるショック吸収さえも。
アーマーを被った意思ある脳無は腕を引く。そして改造によって施された異次元のパワーで、敵を、殴る。
DOOMMM!!!
今のベンの姿はフォーアームズみたいな服を着てます。脳みそをアームで覆い、目だけ出てる感じです。オリジナルみたいな目じゃなくて理性的な、人間体のベンみたいな緑色の瞳です。
絵で表せたらいいんですが、作者の画力が血を吐くレベルなので、誰かお願いします(笑)。デザインもこういう感じがいい!と思うのがあったら是非作者まで!!
まだまだUSJ編は終わりません
最もおもしろかった章
-
(A)雄英受験、入学
-
(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
-
(C)GW
-
(D)USJ(ケビン戦)
-
(E)体育祭(ウォッチの故障)
-
(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
-
(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
-
(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
-
(I)神野編(エイリアンフォース)
-
(J)終章