【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜 作:レッドファイル
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!体が、も、燃えてる!!!!!」
驚くのも無理はない。実年齢15歳だが、彼の精神年齢は10歳レベル。体が急に異形化して平静を保てるわけがない。
「熱い暑い熱い暑…い?いや、アツくない?俺の体が燃えてるのに?」
ベンの変身した姿。それは言ってしまえば炎人間。身長は180㎝ほどで、声も重厚なハスキーボイス。一人称までも変化している。何と言ってもその特徴は燃える体。メラメラと太陽を模したかのように手、頭、足が燃え、体には炎の道線が通っていた。
「何だか知らないけど、夢にまで見た個性か?でも…なんで?あの時計のせいか…?」
手首にあった時計はベンの変身と同時に消え、それに似たマークが胸のあたりについている。時計を押した瞬間に変身したことから、この姿の原因が時計であることには間違いなかった。
だか、そんなことはどうでもいい。夢にまで見た異能。これを試さずにはいられない。
「炎の能力者、ベン テニスン!!悪よ、成敗してくれる!!なんちゃって」
BOAAA!!
手からエネルギー弾を出すポーズをとる。一般人がすれば、【ああ、かめは〇波ね】と失笑されるベンの行動。しかし今は違う。なぜなら彼の手からは炎の弾が放出されたからだ。小さな炎の弾は樹木にぶつかり、その表面を焦がして消える。
「おお!!すごい!次は…」
手のひらに集中し先ほどの弾よりも大きな炎球体を作る。それこそ太陽のミニチュア版だ。ベンは力を籠め投げつける。
バキッバキッバキ!!
放たれた火球は先ほどとは違い、並んだ樹木を三本も貫通した。
「イエイ!!!ストライク!!!」
その威力とコントロールに喜ぶベン。だがしかしすぐに我に返る。ここはキャンプ地。そして、森である。そして彼が出したのは、炎の弾。そのため、
「や、やばい!!完全に山火事になっちゃてるよ!!ちょっとポーズとっただけなのに!!」
必然的に、辺りは火の海と化す。
あわてて手で火元を消そうとするベン。しかし傍から見れば異形の放火犯である。燃えているベンが触れれば触れるほど炎は大きくなっていく。
「じいちゃー―――ん!!!!」
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ベンの奇行から数分。
「ベーン!!どこー!!!っ!!」
どこからともなく自分を呼ぶ声がする。声を聞きつけたベンは発信源へと歩を進める。
ベンと相対したのは消化器を持ったグウェン。彼女のことは正直嫌いだが、今のベンはそれでもグウェンが天使に見えた。
だがその天使は、目の前にいる炎の悪魔をにらみつけていた。その目に気づき誤解を解こうとする。
「グウェン!!俺だよ俺!!ベンだよ!!」
「はぁ?どっからどう見ても炎の異形型でしょうが。食らいなさい!!」
ブシュ――――!!!
さすがは来年からサイドキックのグウェン。個性など使わずとも消火器による粉噴射でベンを圧倒する。顔面に大量の粉を食らったベンは思わずよろける。
「ぐへぇぇ!!ぺっぺ!!何すんだよ!!俺だってわからないのか?!」
「あんたベンをどこやったの!早く白状しないと、おじいちゃんが来て痛い目見るわよ!それともあたしが見せてあげようか?!」
「…ほんとにひどいな、このじゃじゃ馬いとこ!!ちょっと個性が強くてちょっと才能があって、来年から最年少サイドキックだからって調子に乗るなよ!!」
「…」
「オレンジ髪!このタコ!」
「こっちが悲しくなるくらいにアホな喋り…あんた…ほんとにベンなの?!」
「だからそういってるだろ。実は…」
不可思議な時計と山火事の説明を入れる。そして、策を仰ぐベン。
「ここからどうすればいい?!」
「それは…」
「グウェン!!大丈夫か!!そこのお前、痛い目を見たくなかったらわしの孫から離れろ!!」
2人が解決策を思案していると、祖父のマックスが孫を守ろうと走ってくる。確かに、孫が炎の人間と対峙していたら、”襲われている”と思うのも無理はない。憤る彼にグウェンが説明を入れる。
「おじいちゃん違うの。こいつ、確かに身長も声も違うけど、間違いなくベンなの。アホさ加減でわかったわ!」
「お前、燃やしてやろうか?…じいちゃん!!なんか空から降ってきた時計を付けたら変身したんだ!ホントだよ!」
「時計…変身…まさか!?…わかった。お前はベンなんだな?信じるよ」
「ありがとうじいちゃん。で、どうすればいいかなこの状況」
先程よりもひどくなっている山火事。もう普通の人間では太刀打ちできないほどの火災となっていた。
そんな状況下でヒーローのマックスは打開策を思いつく。
「うむ…ベン、出せる炎は温度調整できるのか?」
「ああ、たぶんだけどできる。なんとなくわかるんだ」
「よし、ならば最高温まで達した炎で今ある炎を包み込め。そしてそのまま河川にまで追い込むんだ。いけるか?」
「やってみる。てゆーかできなかったら俺捕まっちまうよ」
「今の時点で捕まっちゃうんじゃない?」
「はは、まあそうならんようにわしが何とかする。じゃあ、頼んだぞ!」
「おう!」
ベンの体中の炎が両手に集まる。そして集約された炎はその拳から飛び出す。
「おらぁぁぁ!!!!!」
BAAAAMM!!
先ほどまで森の中央で燃え盛っていた炎は、ベンの放つ青白い焔に飲み込まれていく。二種類の炎が森を覆うその姿はまるで地獄。個性で宙に浮かんだグウェンはそう思う。しかしマックスは異なることを案じていた。
(もし、ウォッチが敵に回っていたら、この災害が町にまで降りかかっていたのか…だがこの騒ぎでばれてしまったかもしれん)
「おじいちゃん、終わったっぽいよ」
「ん、ああ」
・
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・
「ふー、何とか終わったぜ、じいちゃん。さすが俺だぜ」
「…まあ後の処理はわしに任せろ」
パチパチと焚き火が心地いい音を立てる。
ことが終わり、三人で焚き火を囲っている。幸い、周辺にはベン達三人しかいなかったのでベンが放火した姿は見られずに済んだ。だが当のベンは未だに変身したままであった。
「事の始まりも終わりも、あんたせいなんだからね!」
お小言は止まらない。ただでさえうるさいのに、こちらが悪いことをしたらもう手がつけられない。ので、
「…!!」ニヤッ
BO!
「キャアッ!!」ブシュ―!!
グウェンの言い方にむかついたベンは、彼女のつま先を少しあぶる。驚いたグウェンは消火器で消すが、その噴出の勢いでこけてしまう。
「あははどうしたんだよ優等生!!」
「ベン!!あんたねぇ…」
「辞めんか全く…」
「もう無個性の俺じゃないんだぜ?これからは口のきき方に気を付けるんだな、グウェン!」
「はぁ?!あんたやってやろうか?!…それより、あんたずっとそのまんまなの?暑苦しいんだけど」
「別に俺はこのままでもいいぜ。やっともらった個性みたいなもんだ」
「それじゃあ飛行機にも乗れないし、日常生活にも困るわよ。それに」
グウェンがベンに棒アイスを渡す
「アイスも食べれないわよ」
渡した瞬間アイスは溶ける。というかほとんどの食べ物はベンの近くにいるだけで焦げる。
「…やっぱりイヤダ!!元の体に戻りたい!!も」
pi pi pi pi pi pi QBANNN
胸のマークが点滅し、その音とともに炎人間は赤い光に包まれ、元のベンに戻る。
「やったぁ!!元の姿、元の僕だぁ!!!」
「何だ、元にも戻るんだ」
「時間制なのかもしれんな。ベン、変身してどのくらい経った」
「大体10分くらいかな?よーし、これでボクもヒーローになれるぞ!!!明日ママにいって」
「ベンよ、そのことだがな」
「何?じいちゃん。もし目指すなってことならお断りだよ?」
ベンは生意気に口を利く。もう変身するなと言われると思ったのだろう。ベンはそれに反対である。ずっと願っていた特別な、自分だけの能力。それを行使したがるのは無理もないことだ。だがマックスの言おうとしたことはそのことではなかった。
「日本の高校で雄英高校というところがあるだろう?」
「うん、偏差値70越えの頭がおかしいところだよね」
「あんたも十分おかしいわよ。反対側に」
「うるっさいな!ボクは普通高校からそいつらを追い越すんだよ!!」
「ベン、聞きなさい」
「あ、うん」
「ベン、お前はな、雄英高校へ行くんだ」
「はい?」
ここから、無個性である少年ベンは様々な出会いを介し、ヒーローとなっていく。
何の力もなく、学校でもヒーローとなれなかった、いわゆるナードだった彼は、どんなヒーロ―になるのか。それは神のみぞ知る。
よく考えたらベンとデクって立場似てません?力はないけどヒーローに憧れて、人助けもしようとするし。まあ10歳のベンはクソガキ要素も満載ですけど(笑)
お気づきかもしれませんが今のところベンは10歳の頃のベンを想定して書いてます。
エイリアンフォースのベンの性格とかって10歳で世界を救うヒーローを経験してるからこその性格だと思うし…どうですかね?
最もおもしろかった章
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(A)雄英受験、入学
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(B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
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(C)GW
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(D)USJ(ケビン戦)
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(E)体育祭(ウォッチの故障)
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(F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
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(G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
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(H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
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(I)神野編(エイリアンフォース)
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(J)終章