【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

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今回は幕間って感じです。会話分多め。


40話 トーナメント決定

【さあ騎馬戦終了!トップ4チームが本選トーナメントに出場できるぜ!!】

 

長かった15分は終了し、各チームは動きを止める。力を出しきれなかったもの。または練習以上の力を発揮したもの。それぞれ異なるが全員が奮闘した事実だけ変わらない。彼らを労い、プレゼント・マイクは結果発表へと移る。

 

【皆お疲れぇ!どいつもこいつも熱い戦いを繰り広げてたなぁ!そんな中、映えある一位に輝いたのは…………………………拳藤チーーーーム!!!テニスンの1000万Pを見事守り切った!その防衛力はプロになってからも大事になってくるぜ!】

【チーム全員の能力を余す事無く使ったな。特によかったのは拳藤。視野を広げて全員に指示を出していた】

 

相澤の講評は珍しく絶賛。組が違うのであまりかかわることはないが、先生から褒められ嬉しくないものはいない。照れ臭そうに頰を染める拳藤。

 

歓声も沸き、辺りは一層熱を増す。その熱に、彼が目覚める。

 

「ん、ん…」

 

「あ、テニ…ベン、起きた?」

 

「グ、グウェン…?って、なんだよこの状況!?」

 

ベンが驚くのも無理はない。騎馬戦がいつの間にか終わり、自分は拳藤にお姫様抱っこされていたからだ。

 

「お、下ろせよ!」

 

「…グウェンって誰よ。一佳おねーさんだっての」

 

「良いから下ろせ!」

 

ぎゃいぎゃいと騒ぐベン達を置き、どんどん順位が発表されていく。

 

【第二位…爆豪チーム!B組のPを根こそぎ奪ってこの順位まで上り詰めた!最後の1000万Pは惜しかったぜ!!】

【全体的に爆豪のサポートに徹してたな。そのおかげで爆豪も動きやすかっただろう。最後の攻防は…まあテニスンの運が良かったな】

 

「クッソがぁぁ!!!!」

 

「ば、爆豪…!ほら、先生もこういってくれてんじゃん!最後のはお前のが一枚上手だったッて」

 

「うっせぇ!結果出さなきゃ意味ねぇだろうが…!!!」

 

最後の攻防。幾重にも策を重ね、小細工を弄し、完全にベンの背後をとった。残り1秒でのハチマキ奪還。あと1秒早ければ奪えていただろう。だが、

 

Pippipipi QBBAAN

 

その音と赤い光がリーバックからした瞬間、ベンの体は元に戻っていた。その時ベンは気絶しており、騎馬は崩壊。もし残り時間があれば容易にハチマキを奪えていただろう。だが、リーバックの巨体を見越して拳藤のハチマキをとろうとした爆豪の手は空を切ったのだった。

 

そのまま試合終了。気絶して倒れるベンを拳藤が大拳で支え、今に至る。

 

結果として、ベンはオムニトリックスの時間制限に助けられたのだ。普段は文句ばかり言っているが、今回は、元に戻る、というデメリットが功を奏したのだ。

 

爆豪は、怒りで震える拳を固く握りしめ決意する。

「…次だ…!次で完膚なきまでにぶっ殺したる!!」

「その意気だ爆豪!!殺すのはダメだけどな!」

 

決意を新たにする爆豪とそれを応援する切島たち。彼らも騎馬戦を経て、言い表せない何かを築き上げたのだろう。

 

【おいおい!まだ発表は終わってないぜ!!第三位…緑谷チーム!!最後は轟にタイマンを申し込まれたが見事に逃げ切ったぞ!】

【MVPは耳郎だったな。音による感知。騎馬が近づいてくるのにも役立つが、飯田の仕掛けにもいち早く気づけた。あいつの能力はプロになっても役立つよ】

 

「う、うちがMVP?!」

 

「先生の言う通りだよ!耳郎さんのおかげで麗日さんや常闇の個性も早く発動できた!発動と敵の攻めのタイムラグを最小限に抑えられたから僕らは一度もハチマキを獲られなかったんだよ!」

 

「影の功労者」

 

「そうだよ耳郎ちゃん!!」

 

ホンワカする緑谷チーム。元々好戦的ではない者たちが集まってたが、そのおかげで無駄な戦いも避けることができたのだろう。突出した戦闘力は緑谷しかいなかったが、それでも協力しここにたどり着けたのだろう。

 

【第4位!ここまでが本選出場者だぜ!ギリギリ滑り込めたのは…轟チーム!!】

【もっと上に行けたチームだな。最後に緑谷たちに固執するのではなく無難に多数のチームを狙えば2位は行けただろう】

 

「…っち」

「轟くん、すまない。僕のスピードが足りなかった」

「けど4位ってすごくね?トーナメントにも出れるし」

「わたくしはあまり力になれませんでしたわ…次はもっと頑張らないと…」

 

約一名を除きその雰囲気は暗い。成績だけでみれば入試上位陣に推薦2人。このような結果になったのはひとえに緑谷への固執。そして…

 

(右だけじゃ…足りねぇってのか…!だが、クソ親父の力は…)

 

【トーナメントに出場できないやつも安心しろ!まだまだレクリエーションや借り物競争とか用意してるぜ!…さあそして、たった今、厳正なるくじによりトーナメントが決定した!!!その組み合わせは…これだあぁぁぁ!!】

 

第一試合 麗日vs爆豪

第二試合 切島vs芦戸

 

第三試合 緑谷vs心操

第四試合 拳藤vs耳郎

・・・・・・・・・・・

第五試合 テニスンvs発目

第六試合 飯田vs常闇

 

第七試合 上鳴vs八百万 

第八試合 轟vs瀬呂

 

トーナメント表を確認するベン。その相手は…先程まで仲間だった発目。

「えっと…ボクは一回戦…メイか!」

「テニスンさん!よろしくお願いします!ひいてはお話があるのですが…」

「なに?ってゆーか早く下ろせよイツカ!」

 

さらっとこの状態だったが未だにベンは拳藤にだっこされていたのだ。10歳の子供だったら高校生のお姉さんにだっこされるのは微笑ましいがベンは一応15歳。それなりの羞恥心は持っている、

 

「はいはい、でもあんた大丈夫なの?変身解けた瞬間気絶したし」

 

「…今は何ともない。ただなんか、知らないじーさんが頭に浮かんだんだよ」

 

「…よくわからないけど無茶しなさんなよ」

 

「わかってるって。そういえばヒトシは…もういないし」

 

「こっから昼休みだからね。各々すごすんじゃない?そうだ、あんたご飯食べる人いるの?」

 

「え?ボクは…」

 

「よかったら一緒に食べない?」

 

「いやだからボクは」

 

「いいからいいから」

 

そう言って拳藤はベンを抱えたまま食堂に向かう。

 

「だから降ろせってぇ!!」

昼休み。皆は食事、精神集中などに取り組んでいる時間。そんな中、グラウンド入口Bで、少年二人は話す。

 

「なんだ緑谷、話って」

 

問いかけるのは轟。さっきの今で自分に話しかけてくる緑谷に違和感を持つも、律儀に話に応じる。

 

「ご、ごめん。もうご飯時だってのに…でもどうしても聞きたいことがあって…」

 

「…なんだ」

 

「轟君…騎馬戦で左を使えば有利に運べる場面あったよね?どうして使わなかったの?」

 

先ほどのように遠慮しながらではなく、目を合わせストレートに聞く緑谷。真っ直ぐに、目を離さない。

 

いつもの雰囲気とは異なる緑谷に毛がぞわつくが、その理由を答える。

 

「左は…戦闘において使わねぇ…」

 

「…どうして?」

 

「…個性婚って知ってるか?…」

 

そこから轟の口から出た話はまるでフィクションの出来事だった。父、エンデヴァーは自分が超えられないオールマイトに勝つため、氷の個性である轟の母と無理やり結婚した。生まれた兄弟の中で唯一の完全複合個性となった自分は訓練という名の暴力を振るわれたと。母はその父から物のように扱われていたと。耐えきれなくなった母は自分に煮え湯を浴びせたと。

 

「記憶の中の母さんはいつも泣いている。あのくそ親父と結婚したせいで。俺なんか生んだせいで…」

 

左手で火傷の痕をさする。手に隠された左目には憎き父の虚像が映る。

 

「だから俺は証明する。クソ親父の力なんかなくてもトップに成れると。そのための踏み台として緑谷、そしてテニスン、お前らを倒す」

 

オールマイトに目をかけられ、なおかつ同様の個性を持つ緑谷。

父と同じ、炎を操る個性を持つベン。

その両者を葬ることで父に証明することができる。“お前の力は、お前はいらない”ということを。

 

「…」

 

轟の身の上話に何も言えない緑谷。当然だ。彼自身の不幸なエピソードは無個性だった、というだけ。個性を受けついだのもグラントリノからの修行もただ自分が恵まれていただけだから。言葉を考え、たたない言葉で想いを伝える。

 

「正直、ビビってる。まるで漫画の主人公みたいな人生。僕なんかが軽々しくわかる、なんて言えない」

 

弱気な台詞を吐く。その言葉でも表情を変えない轟。自分に臆したのだろうか。だとしたら勝負するまでもない。そう思ったとき、緑谷は言葉を紡ぐ。

 

「けど、それと力を使わないっていうのは関係ない」

 

「ああ?」

 

緑谷の予想外の言葉に眉を顰め、思わず威圧する。今こいつは自分を否定した。その事実が彼の目を血走らせる。

 

「お母さんの話は…その…僕にはわからない。だけど…!皆てっぺん目指して本気で頑張ってるんだ!それを半分の力で勝とうなんて、ふざけるな…!と思ってる」

 

弱弱しかった緑谷の言葉は語気を強める。キッと前を向き、轟を睨む。

 

「そんな君に!、僕やベン君は負けない!!」

 

「…それだけか?言いたいことは」

 

「うん…」

 

「まあ、どうせ今日には結果が出るんだ。俺とお前、どっちが正しいか…」

 

そう言い終えると、轟は奥の角を曲がっていく。

 

「フゥぅ…威圧感凄すぎるよ…途中で逃げようかと思ったし…」

 

普段はこんな挑発じみたことはしない。だか、自分や麗日、他のものの体育祭にかかる思いを考えると、轟の行為は"舐めてる"としか言いようがない。どうしても、そんな彼を変えたかったのだ。

 

そんな慣れないことをしたので、力が抜ける。そうして壁にもたれかかる。すると、角から爆豪が出てくる。

 

「邪魔だくそデク」

 

振り返れば爆豪。

 

「か、かっちゃん!?もしかして今の話…」

 

「んなこたどうでもいいんだよ!…つーかてめぇ…俺に勝つ前提で話てやがったな?」

 

「…あっ!?そ、それは」

 

「いいか!?俺は今日!お前も、変身のチビも、半分野郎も、全員倒してからトップに成る!まずはてめぇが一番先だからな!!」

 

言いたいことだけ吐き捨てると、ズカズカと通っていく爆豪。そんな彼を見て緑谷も決意しなおす。

 

「…僕だって負けるわけにはいかない。オールマイトとの約束があるんだ。トップに、そして世間に知らしめるんだ。“僕が来た”って」

緑谷、爆豪、轟。上位三人がシリアスな雰囲気の頃、ベンはというと

 

「だーかーらー!!自分で食べれるっていってるだろ!!」

 

「…超かわいいんですけど…」

「でしょ!弟感すごいんだよ!」

「ワターシモ、あめーりかウマレでーす」

 

「ボクはイズクとご飯食べる予定だって…!」

 

B組女子とランチをしていた。未だベンにモテたいという欲求はないので、この状況はただ煩わしいだけ。だが、そんな彼を見て殺意を抱くものが一人…

 

「テニスンのやつ…!!オイラと背格好そんなに変わらないのに!!!アイツだけ何で!!」

 

ベンはお姉さん受けがいいらしい。

【さあ昼休むも満喫したか?それとも気力を高めてきたか?こっからは一挙一足が将来にかかわるぜ?さあ、一回戦第一試合、開始ィ!!!】

 

「おお、久しぶりだな」

 

「それどころじゃない!なんであんな子供が持ってるんじゃ!すぐに連れてこい!」

 

「いや、実は…って、もう消しとる…はぁ、近いうちに会わせなきゃならんなぁ」

 

 

 

 

 

 

 




・次回から個人戦。ぶっちゃけデクとベン以外の戦いは飛ばそうと思ってます。想定ではもう職場体験終わってるくらいだったし笑

・ベンって、お姉さん受け良さそうですよね。ちょうどいいクソガキというか笑

最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
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