【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

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今回は緑谷vs爆豪!割と中身は悩みました。展開速い!…かもしれませんが長すぎるのもなァ、と思い、一話でまとめました。

長くてすみません!


44話 幼馴染対決

マイクのアナウンスをもって戦いの火ぶたは斬って落とされる。

 

フィールドには何もなく、ただコンクリートの地面が広がっている。天性の“個性”と継承せれた“個性”のぶつかり合い。緑谷にはその個性がないと思っていた爆豪も、ここまでの彼を見てその認識を改め分析する。

 

そして先手必勝。作戦を一瞬で思いつき仕掛ける。

 

彼の個性は【爆破】。手からニトロのような汗を出しそれを爆破させる。もちろん直接当てればその威力は倍増する。だが、当てなくとも強いのが爆破。少しだけ移動してからの片手爆破。

 

「おらおらおら!!」

 

BOMBOOMM!!!

 

其の予想に反し、緑谷に近づかない爆豪。緑谷の間合いを外し、己の攻撃のみが通る距離から狩る。近距離と中距離の間からの爆破に緑谷は驚く。

 

(かっちゃんが距離を詰めない!?今までのかっちゃんなら直接僕を殴りに来るのに…!!このままじゃ…)

 

【おおっとぉ!!!爆豪!!緑谷に何もさせずに一方的な攻撃ぃ!!】

【緑谷は基本的に近距離専門だろうからな。個性上仕方がない。それに対して近、中、遠、全てのレンジで戦闘できる爆豪は自分でその間合いを選べる。相手の苦手を着くのが本当に上手だよ、アイツは】

 

文字通り手も足も出ない緑谷。そんな彼がとる手を爆豪は予想している。爆破の嵐の中中指を親指で抑え、

 

SSMAASSHHH!!!

「ちっ!!!」

 

強風が爆豪を襲う。風と反対方向に爆破を打ち場外を免れるが多少後ずさる。風圧の発生源を辿るとそこには指を痛めた緑谷の姿。

 

「ぐっ…!!」

 

「そうだよなぁ…この距離でお前ができる攻撃はそれしかないよなぁ!!」

 

腕を前に構えて両手を爆ぜる爆豪。続けて中距離攻撃を続ける。直接攻撃ができない緑谷には自損攻撃のデラウェアスマッシュしかない。そのことを爆豪は心操戦で察していた。歯を食いしばりながらも迎撃する緑谷と安全圏からの攻撃を繰り返す爆豪。どちらが優勢かは火を見るより明らかである。

 

観客席で見ている切島、飯田、麗日はその戦いを評す。

 

「うお!!爆豪のやつ容赦ないな…!」

「ああ、緑谷くんはあの強力なデコピンでしか対応できない。しかし、その残弾はまだ無事な指の数だけ。すぐに撃ち切ってしまう…」

「デクくんは何で距離を詰めんの?足の速さは爆豪君にも負けんのやろ?」

 

そう。今の緑谷はフルカウル5%、集中して一瞬ならば10%まで出力できる。だが、距離を詰めようとするたびに強爆破を打ち込んでくるため、近づくに近づけないのであった。騎馬戦で見せた、反射神経のみを向上させる“OFAセンススタイル”もこの状態では役に立たない。

 

「このままじゃ緑谷はジリ貧だぜ…ところでテニスンはどこ行ったんだ?さっきまでここにいただろ?」

 

「ああ、彼は何かを探しに行ってたよ。何やら大切なものを落としたらしいが…」

 

「マジかよ…って、もう緑谷の指が…!!」

 

彼らが話している間も続いていた爆豪の猛攻。それら全てに対応していた緑谷の指は、もれなく折れていた。茶色く痛々しい傷を負ったその指を見てニヤリとする爆豪。その額には汗がにじみ出ている。

 

「っはぁ、はぁ。打ち止めらしいなぁデク!所詮お前の個性はその程度なんだよ!!ちょっとばかし動けようが、オールマイトみてぇな皆を助けるヒーローなんざ成れねぇんだよ!」

 

ピクっ

 

「ずぅぅっとわかってたことだろ!?てめぇじゃ俺を超えられねってことを!!!」

 

なにもできない緑谷には十分の爆破。その爆破が緑谷に到達する直前、緑谷から怒気があふれ得る。静かだが、確かな怒り。

 

「だからなんだよ」

 

SMMMAAASSHH!!!

 

有り得ないはずの一撃。緑谷の指は間違いなくデラウェアスマッシュにより折れていたはず。飯田らはそう考える。そう、間違っていない。緑谷の指は全て折れ曲がっている。間違いだったのは観客や先生含めた緑谷への理解。

 

左目には涙を浮かべ激痛に顔をゆがめる。それでも、その痛みに耐え、緑谷は一度使った指でデラウェアスマッシュを打っていた。その代償は、骨折では済まない指の損傷。

 

痛む指を握り締める。ギシキシと嫌な音を立てる。骨が砕けていく音だ。それでもデクは語る。

 

「君がどう思っていようと関係ない。僕だけじゃない…お母さんやベン君そして」

 

頭に浮かぶのはあの日の出来事。心の底で諦めかけていた夢を、憧れの人から認めてもらった。自分の、原点

【君は、ヒーローに成れる】

 

「言ってもらったんだ…!!僕はヒーローに成れるって!!その人たちのためにも、勝ちたいんだ…!!」

 

涙を浮かべながら切れるその顔。知っていた。こいつは誰がために動く時に力を発揮すると。その時に自分のことは勘定に入れていないと。だからこそそんな緑谷が、デクが、

 

「気持ち悪いんだよぉォォォ!!!!!」

(遠距離を続けても試合が終わんねぇ…!どころか俺の爆破が先に限界を迎える可能性もある!こうなったら…)

 

爆速ターボで間合いを一瞬で詰める。懐に入ると同時に点火。緑谷のみぞ落ちを狙い殴打。爆発を伴うパンチは、痛みで対応が遅れた緑谷を浮かせる。

 

「っぐは…!」

 

一瞬白目をむき意識が飛びかける。胃液が逆流しそうになる。だがそれでも目に据えるのは幼馴染。フルカウルで踏ん張りを利かせ、カウンターを狙う。

 

「デトロイトスマッシュ!!」

 

顔面を狙った一発。顔を反らし直撃は避ける。が、通った右腕は自分の頬に切り傷を入れる。その力は下手をしたら自分をも超えているかもしれない。そう考え一瞬たじろぐ。其の隙を見逃さない。

 

後ろを引いた爆豪を待っていたのはパンチの嵐。右、左、右、左。交互に繰り出させるパンチは体勢を整えるどころではない。何十発ものOFAの拳が彼を撃つ。何発かは顔に食らい鼻血を出す爆豪。それでも攻撃の手は緩めない。

 

RASHRASHRASH!!

 

「ぐっっかっ‥‥くそがぁぁ!!」

 

爆豪は理性を欠き攻撃を仕掛ける。その攻撃は右の大振り。あいにくその対策は数か月前にされていた。

 

爆豪の腕を腕を取り、叩きつけるのではなく思いっきりぶん投げる

「ランクシャースマッシュ!!!」

 

場外を狙ったその放り投げ。だが、爆豪には場外負けはほとんどない。空中へ放り出された彼は騎馬戦同様、爆破による身体制御でフィールドへ戻る。

 

フィールドに戻った彼は、緑谷の攻撃にいら立つ。

 

「…最初っからてめぇはよ…場外ばっか狙ってんじゃねーか…手加減してるつもりかぁ!!?本気で攻撃したら危ないってかぁ!!?なめてんじゃ…ねぇぞぉぉ!!!」

 

右手と左手。その両方を順に爆破させ自らを回転させていく爆豪。ホイールを彷彿とさせるその動きはまさに火炎車。フィールドの端から緑谷に突っ込んでくる爆豪。緑谷は真正面から迎撃しようとする。

 

「デトロイ…」

 

が、爆豪は最後の爆破を下に向け空中へと移行。そしてすぐさま下降し緑谷の背後を獲る。

(まずい!?防御を…!)

 

BOMB!BOMMBOMM!!

「お!せぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

《b》《SMACK!!/b》

 

爆破で加速させた腕での強烈な鎌拳。遠心力も相まって緑谷の横腹を見事に穿つ。痛みに顔をゆがめる緑谷だが、爆豪は攻撃の手を緩めない。吹っ飛んでいく緑谷に追撃。両の手を紅く染め上げ放つのは

 

「最大火力…!!だぁぁぁぁ!!!」

 

「負けるかよぉォォォ!!!!!!」

 

爆豪の必殺技に対して打つのは100%デトロイトスマッシュ。体勢は悪いが今の自分の最強の攻撃。その威力は爆豪の奥義に引けを取らない。互いの最高の技はせめぎ合ったのち相殺し、両者はフィールドの端へと転ぶ。ダメージは築盛しており、2人は足ることすらままならない。

 

所変わって、探し物をしているベン。自分が通った道をたどっていくうちには試合入場口付近へとたどり着く。そこは本来、選手のみが立ち入れる場所。であるにも拘わらず、試合にかじりついている中年を見つけた。

 

「何してんの?オールマイト」

 

「いやこれは…t、ってテニスン少年か…君こそどうしたんだい?」

 

「いや、ボクはちょっと…それより、こんなところでなに見てんの」

 

「…爆豪と緑谷少年の戦いさ」

 

「カッチャンとイズク?どっちが勝ちそうなの?」

 

「わからない…少し前の爆豪少年なら、あるいは少し前の緑谷少年なら結末は予想できたんだが…今の二人は全く予想できないよ」

 

「はぁ?何いってるか全然わかんないよ。試合はっと…うわっ!?イズクのやつどんだけ怪我してんだよ!?カッチャンも鼻血出してるし…なんでここまでやんの?意味わかんないんだけど。2人とも頭おかしいんじゃないの?」

 

「テニスン少年、口が悪いぞ?…2人の因縁は私も少ししか知らない。だが、その戦う理由はわかる。爆豪少年はその自尊心のため、緑谷少年は…私や君の為…な気がする」

 

それを聞いてさらに不可解な顔をするベン。自分のために爆豪と戦い血を流す。その行動を理解できるほどベンは大人ではなかった。そして、そういった関係の者もいなかった。

 

「ボクよくわかんないや」

 

「君もライバルが出来たらわかるさ…とは言ってもあの二人はもっと歪な関係だがね…」

 

ふーん、と興味がなさそうに答えるベン。この2人と戦う可能性があるにも拘わらず、あくまで他人事だ。緑谷とも去年からの付き合いだが、ここまでの戦い、そして緑谷の激昂はない。初めて見る緑谷の顔にはなにか言い知れない悪寒がした。

 

「あ、イズクが先に動いた!」

フィールドの端で息を切らし倒れていた2人。先に立ったのは攻撃を受けていた方の緑谷。

役に立たない腕を引きずりながら爆豪へと走り、そして跳びあがる。

 

(今日、優勝して…みせるんだ!そして世間に叫ぶ…!“僕が来た”ってことを!!)

 

地面を蹴る音がする。先にデクが立った。その事実が彼の心を揺るがす。だが、心が揺れたおかげで炎はともる。

 

節々が悲鳴を上げるも手を着いて立つ。

 

(お前は…昔っから変わらねぇ…!!だから気持ち悪い!だから勝たなきゃならねぇ!だから…)

 

「てめぇは俺より下だぁァァ!!!」

 

緑谷に負けないよう爆豪も個性で飛ぶ。空中戦。それに慣れているのはもちろん爆豪。4歳で個性を発現して、長い間使い続けた個性はもう呼吸と同じように、意識せずとも使える。

 

 

両手を壊しもうまともな攻撃ができない緑谷への一撃を画策する。跳びあがった緑谷のさらに上。最大威力が出るように自分の手が届く距離。握りしめようとも握れない拳を携えた緑谷へ、掌底を叩きつけながらの爆破。

「そんな個性よりも、俺のがずっとつぇぇんだよ!!!」

 

爆豪が覆いかぶさるように攻撃してくる。手を暑さを感じられるほどの距離の緑谷。肝心の拳は動かない、握れない。爆豪もそれに気づいている。だが爆豪が気づいていることに、緑谷は気づいていた。

 

『まあそれでもまだ私を追いかけすぎているところもあるが、いずれそこも変えていこう!』

『手だけと思った?あたしは拳法ヒーロー目指してんだっての!!』

 

(ただ意味もなく飛んだわけじゃない…!使えない手を使い続けたのだって!すべては…!この一撃のために!!)

 

爆豪の手からニトロが噴射される。真上からの0距離爆破。その攻撃は緑谷の頭部へ。もちろん痛い。だがその攻撃しているときならば、どんな反射神経の爆豪でも反撃不能なはず。イメージするのは前の試合に食らった拳藤の蹴り。

 

今の自分に最適な形にカスタマイズして放つのは新しい技。

 

「セントルイス…スマッシュ!!!」

 

上に覆いかぶさる爆豪へのオーバーヘッドキック。オールマイトのフォロワーである緑谷からは予想外の蹴り。彼は思い出す。ケビンの時での緑谷を。だが彼の体をメキメキと言わせるその足技を止めることは叶わない緑谷の足は爆豪のガードを破り、その勢いのまま爆豪を墜落させる。

 

そして両手を痛めた緑谷も受け身を獲れずそのまま地面にぶつかる。骨の折れる感覚が頭に刻み込まれる。

 

動かせる首を上げるとそこには目をつぶった爆豪がいる。彼のためにも、自分のためにも立たなければ。額から流れる液体は血か汗か。その確認をする体力すらないが…目を霞ませながら、彼は勝利のスタンディング。

 

【爆豪君戦闘不能!緑谷君、決勝進出!!!】

 

幼馴染の戦いは、ここでいったんの決着はついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




・今回は原作の轟vs緑谷、緑谷vs爆豪(14巻)を組み合わせて書いた感じです。読者さんからみて作者は爆豪嫌いに見える?どうですかね?

・次回、ベンvs轟。どんな展開にするかまだ決めてない…まずいぜ!唯一決めてるのは…オムニトリックスが…ってこと

・TSUTAYAの動画見放題でベン10無印とオムニバースを見てます。無印の方はところどころ知らないから楽しみ(ベンビクターらへんとかちゃんとみたことない)。オムニバースはまじで見たこと無かったから新鮮

最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
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