【完】ベン10 CROSS 〜ボクのエイリアンヒーローアカデミア!〜   作:レッドファイル

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久しぶりにベン10見返してるんですが、思ったよりベンは悪ガキで、思ったよりグウェンは口悪くて、思ったより二人は仲がいいです(笑)


45話 虫×巨漢=?

緑谷vs爆豪。その勝負の熱は未だ冷めず、観客は声を上げている。が当の爆豪は気絶し、緑谷も立っているのがやっと。すぐさま救急ロボが現れ2人を保健室に運ぶ。そんな2人を見て拍手し見送るプロたち。

 

「緑谷ってやつすごいな!パワーもあるし頭もいい!それに指揮官もできるぞ!」

「爆豪のほうもヒーロー向きだな。近距離から遠距離まで対応できる。なによりあの上昇志向。彼は伸びるぞ!」

 

プロたちの講評はやまない。雄英体育祭トーナメント準決勝は二人の株を大いに上げた。

そして、轟との試合を控えたベンは、試合会場に向かいながらもダイヤルを探していた。先ほどの試合の前に気づいたが、オムニトリックスの選出ダイヤルが外れていたのだ。とどめは飯田の蹴りだが、元はと言えばベンがいじくりまわしていたせいだ。誰かが拾ったかそれとも…とにかく探さなければ。だが、次の試合はベンだ

 

「もう時間がないよ!とりあえず会場にむかッアイタッ!」

 

急いでいたベンは前方不注意。見知らぬ大人にぶつかる。その人は倒れたベンに手を差し伸べる。

 

「おお、すまないな…君は…」

 

「なに?あんた誰?ボク急いでるんだけど」

 

ベンに話しかけたのは炎を体に宿す№2ヒーロー、エンデヴァー。オールマイトに次ぐ実力者であり轟の実の父に当たる。だが、ベンはそのことを知らない。彼の話を無視して進もうとする。そんなベンに後ろから声をかける

 

「ちょっといいかい?君は…変身能力を持っていたね。いい個性だ」

 

その言葉で動きを止める。ニヘラニヘラとしながら振り向く。

 

「そう?まあこのベン=テニスンだからね!じーちゃんの孫だし当然さ!」

 

「?…ああ、息子(ショート)の力を図るにはもってこいだ。焦凍には(オールマイト)を超える義務がある。それにはどんな相手にも勝てないといけないからな」

 

ショート‥その言葉はベンの脳内で轟とつながる。どうやら目の前の男はトドロキの父らしい。だがなぜに自分にそんなことを?

「…どういうこと?」

 

「別に君が何か考える必要はない。ただくれぐれも、みっともない試合だけはしないでくれよ?」

 

それだけ言って去ろうとするエンデヴァー。自分の息子の踏み台としか思ってないその発言。さらにその心中では息子すら己の道具と考えている。そんなことはベンが察せるはずもないが、伝わったことは一つだけ。自分をこいつは見ていない。

 

「ボクが負けるわけないだろ?相手が誰であろうと、ボクはヒーローなんだから」

 

エンデヴァーは一瞬立ち止まるが、振り向かない。ただ一言。目をぎらつかせ

「そんなに甘い物じゃあない」

 

怒気を含んだ言葉は空気を張り詰めさせる。ベンの目を一度も見ないまま観客席へと戻っていく。

 

「なんだよあいつ!感じ悪!一人でバーベキューでもしてろってんだ!ベェェ!!!」

 

唾を吐き散らしながら舌を出すベン。今のベンにできる最大限の反抗だった。

【よっしゃ!残すところあと二試合!前の試合の熱はまだ冷めちゃいねぇぜ!だけどお前にかかれば一瞬でヒエヒエか!?轟焦凍!!!

 対するお前は何を見してくれる!?11の姿を駆使して戦うのは世界広しと言えどお前だけだぜ!ベン=テニスン!!】

 

静かに壇上に上がる轟と、対照的に焦りながらひたすらにウォッチをいじくるベン。選出ダ

イヤルが無いためエイリアンを選ぶことができない。できるのは返信ボタンを押すことだ

け…なのだが、

 

「うわぁぁ…なんかやばそうな感じがする…」

 

ダイヤルの外れたウォッチからは、緑色のプラズマがビリビリと流れる。もしこれが他の生

物に当たれば恐ろしいことが起こる。そう考えさせるほど異常な状態。しかし、時間は無情にも訪れる。

 

【準決勝、試合、開始!!!】

 

「頼むぞぉ!オムニトリックス!!」

 

GGQBBAANN!!

 

「ふっ!」

 

開始と同時に変身。対して轟は氷結。瀬呂戦の時に見せた大氷結ではなくベンを包む程度の大きさの氷。瞬く間にベンのいた場所は氷で覆われる。足から連なったそれは、決めてしまえばもう手も足も出ない代物。だが、

 

「おらぁぁ!!」

 

BAKINN!!

 

厳つい言葉と裏腹に高い声を出すその異形は、轟の氷を殴り壊す。

その姿は、4本の赤き腕を生やしながらも顔からは4つの管が生え、羽の生えた異形。比較的長く時間を共にした麗日や、資料を持っている相澤でもその姿は知らない。どころか、ベンですらその姿は初めてだった。

 

「スティンク…アームズ!?なんじゃこりゃ…!」

「また見たこと無い姿になりやがって…いや、あれは確か…」

 

思い出す。初めての戦闘訓練で最後にベンが変身したエイリアン。フォーアームズ。若干は異なるがその原型は似ている。とくに特徴的は赤い4本腕は忘れようもない。自分の氷を攻略したエイリアンが出てきたことにいら立つも、続けて氷結。

 

対して、予想外の変身をしたベン。周りと同様驚くが、その事実はすんなり受け止め、なんなら喜ぶ。

 

「これはつまり…怪力で空も飛べるってこと!?最高じゃん!!」

本来なら1人1つのスーパーパワーを二つ一辺に使えることに喜ぶ。戦闘時とは思えないウキウキな表情で迫りくる氷に対処する。この氷は以前破った。そのときの氷のもろさなら覚えている。

 

4つの腕を駆使して氷を破壊できるはず、とおもったのだが…

 

BAKI! PAKI…! PARI…

「あれ…?この氷ってこんなに硬かったっけ?!うわっ!!」

 

目の前に来た氷を拳で攻略しようとしたが、その氷量に追いつかない。連続パンチで瞬殺は避けるが氷はどんどんベンに迫ってくる。氷結が刺さる寸前で飛びのき、間一髪で氷漬けは免れる。が、その事実は轟への情報となる。

 

(避けた…?つまり奴はあの時みてぇなパワーはないのか?なら…!)

 

ベンの状態を確認してさらに氷結。試合開始から一歩も動かずに優勢に運んでいる。この圧倒的範囲攻撃が轟の強み。此処が決め時とベンを追い詰める。

 

「ぐうぅ…!全部壊しきれない…こんなの馬鹿正直に付き合ってられないよ!」

 

今のベンには羽がある。スティンクフライの羽。そのスピードはXLR8に次ぐ速さで、プロ含めても10本指に入るかもしれない速さ。だが、その速さはあくまでスティンクフライの体で発揮される。

 

フォーアームズの体格である今、その絹のような薄さの羽では、体を持ち上げることで精一杯。幸い轟の氷結が地面から生えてくるような軌道であったため避けきれるが、すぐに降り立つ。

 

「「はぁ、はぁ、はぁ。ちょっとダイエットした方がいいのかな…?ってうわ!」

 

早くも息切れし始めたベンに対して轟は攻撃の手を休めない。容赦ない追撃にただひたすら拳で対応する。だが、戦闘訓練で見せた時の氷とは比べ物にならないその物量に徐々に後退していくベン。場外を気にし始めたベンに対して轟は勝負を終わらせに行く。

 

「はぁぁっ!!!」

 

PAKIPAKIPAKIPAKI!!

 

轟の足から伸びる氷は氷波となりベンを襲う。一切の逃げ場のない攻撃にベンは目を丸くする。足に張り付いてくる氷をはがしたかと思えばもう腕が捉えられている。

 

「うぇぇぇ!!!?こ、こんなの無」

 

最後まで言い終えることはなくベンは氷に覆われる。彼一人を捕縛するのに不必要かと思われるその巨大な氷結。それはいかに轟がベンを脅威に思っているかがわかる。

 

「ッはぁ、はぁ」

 

白い息が出る。体に霜が降りている。ベンをも覆う氷の代償は多大な身体機能、氷結能力の低下であった。だが、もう試合は終わった。あとは審判がコールするだけ。

 

【テ、テニスン君…?動ける?】

 

体全体を覆われたベン。その返事ができるはずもない。返答なし、というのは降参ということに言い換えられる。そう考えミッドナイトが試合を終わらせようとしたとき、その音が聞こえた。

 

BTYAAA

 

嫌な音。まるで何か汚いものが吐かれたような音。

 

音は小さい。だが確かにしたのだ。その音はスティンクアームズの氷像からした。氷漬けの彼を目を凝らしてみると、その顔の管から緑色の粘液を出していた。

 

じわじわと顔周りの氷が溶けだしている。顔面付近に余裕ができてくればもうベンの勝ち。反動をつけ頭突きを繰り返す。

 

もちろんそれを見ているだけの轟ではない。急いで次の氷で拘束しようとする。しかし目がかすむ。思い出すのは戦闘訓練。人間体のベンに対して氷を出しすぎて限界が来たあの時。

 

(…!?また…か!なんで気付かなかった!?)

 

「「おりゃぁぁ!!!」

 

バリンと音を立て出てくるのは、歯をカチカチと鳴らしながら震えるスティンクアームズ。

 

「「おい!トドロキ!風邪ひいたらどうしてくれるんだ!まだボクは試合が残ってるんだぞ!

 

轟には勝つ前提のその言い方。どころかまるで眼中にない。普段は冷静な轟でもさすがに憤る。寒さで痺れる手を地面につけ、凍結を狙う。だが、

 

BBTYA!!BTYAA!!

「そのぐらいの氷ならこのねばねばでへっちゃらさ!」

 

ねばねばした緑色の粘液。スティンクフライの唯一の技である。ひどいにおいを放ち相手を絡めとるその粘液は、相手に精神的なダメージも負わせることができる。そもそもスティンクフライすら知らなかった轟には、その粘液が氷を溶かすことなど予想できるはずもない。

 

限界を迎え轟が攻撃が止めると“今度はこちらの番”とでもいうようにダッシュ。走りながら轟に粘液を放つ。

 

「っく!」

 

氷を盾に何とか回避するも、ベン本人への対応ができない。なんなく距離を詰められ氷の竪ごと吹っ飛ばされる。

 

「これはさっきの氷の分だぁ!!」

 

いつもなら避けきれた拳のスピード。だが氷の出しすぎで身体機能は低下し、動くこともままならなかった。ふわっと浮かんだ体は地面に打ち付けられる。氷を出そうにも意識が飛びそうだ。

 

だがそんな事情はベンには関係ない。スティンクアームズは這いつくばる轟の下へと闊歩する。

 

「はっはぁ!トドロキ!お前のパパはボクのことをテスト…なんとかっていってたけど逆になったな!!ボクは誰にも負けないのさ!」

今の轟は氷を出すことができない。ただ目の前に腕を組んでいる彼をにらむ。が、気になるのはその言葉。父が?なんて?

 

「さあもう降参だろ!それともあれか?じっくりやられるコースがいいか?それとも」

 

GGQBBAANN!!!

「…ほんと、最悪のタイミングだよ、この駄目ウォッチ…!!」

 




・スティンクアームズはスティンクフライの声です。球に喋り方がフォーアームズになるけど…
・わりとベンがヒール的役割なのかな?
・ベンはパパ、ママ呼びだけど日本での高校生としては違和感すごい(笑)

最もおもしろかった章

  • (A)雄英受験、入学
  • (B)戦闘訓練(緑谷、ベンVS轟、爆豪)
  • (C)GW
  • (D)USJ(ケビン戦)
  • (E)体育祭(ウォッチの故障)
  • (F)職業体験(オムニトリックスの秘密)
  • (G)期末試験(ゴーストフリークの反乱)
  • (H)林間合宿(4アームズマスキュラー)
  • (I)神野編(エイリアンフォース)
  • (J)終章
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